- LIBRATONE創立10周年のアニバーサリーモデル!
- 完全ワイヤレスイヤホンの“全部入り”がここに!
- Qiのワイヤレス充電にも対応しているエモみ!
漆黒の北欧サウンドも凄かった。
ノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン、LIBRATONE『TRACK Air+ SE』をレビュー。スマッシュヒットを飛ばしたTRACK Air+の限定版である本機。ただ“金×黒”だけじゃない。特別な機能がある。…北欧サウンドっていいね!素敵!!


完全ワイヤレスイヤホンの密かな激戦区、欧州の製品ですわね。

黒×金の配色もなかなかアリですな〜。
LIBRATONE『TRACK Air+ SE』って?
TRACK Air+ SEってなに?
LIBRATONE創立10周年を記念して登場した、『TRACK Air+』のスペシャルエディションモデル。
- 微調整可能なノイズキャンセリング機能。
- 使いやすい外音取り込み機能。
- AACとaptXの両対応。
- Qi対応でワイヤレス充電可能。
- 専用コンパニオンアプリがある。
- イヤホンが若干取り出しづらい。
- リモコン機能の割当が少ない。

“全部入り”な最高峰の完全ワイヤレスイヤホンが欲しい!
…そんなユーザーにとっておきのイヤホンやと思う!
本体チェック
■インターフェース
- リモコンボタン(タッチセンサー)
イヤホン前面のLIBRATONEのゴールドなロゴ。この付近一帯がタッチセンサータイプのリモコンボタンになっています。余談ですが、この小鳥のロゴマーク、ナイチンゲール(小夜啼鳥)がモチーフだそう。美しい音と自由の象徴だそうです。
なお、イヤホン本体のサイズは 33×22×19mm で、重さは5.6g。ノイズキャンセリング機能を搭載している完全ワイヤレスイヤホンとしては、比較的小ぶりで装着しやすい。
■インターフェース
- 近接センサー
イヤホンの後面の黒い部分が近接センサーになっており、イヤホンの着脱に応じて、楽曲が再生・停止される仕組み。有名どころだと、AirPods Proに搭載されています。あれと同じセンサー。
高級な完全ワイヤレスイヤホンでも、意外と搭載されていないのがこの近接センサー。このあたりをしっかりと抑えてくるあたりが、TRACK Air+ SEの素晴らしいポイント。
イヤホン上面から見ると、ステムがかなり端っこにあることが分かります。ただ、ものすごく変な位置かというとそうでもなく、一般的なオープンエアー型のイヤホンにイヤーピースがあるとこんな感じ…的な位置にあります。
白いシェル部分がボコっとなっていますが、この部分がまるまる耳に収まる感じ。なので、装着感的にはカナル型としては、比較的浅い位置でフィットする感じになっています。
ブラック一色にLIBRATONEのロゴのゴールド。
一見、成金っぽくてケバケバしくなりそうな配色。ただ、TRACK Air+ SEの充電ケースはそんなことなく、上手にアクセントとして落とし込んでいます。
充電ケースの底は非常にシンプルで、印字関係は一切なし。
ちなみに、TRACK Air+ SEの充電ケースはQi規格のワイヤレス充電に対応しており、USBケーブルを接続することなく充電が可能になっています。ほんと、いろいろ盛り込んでいますね。
開けやすいように“凹み”が。ユーザビリティーも北欧デザインのひとつ。
■インターフェース
- USB Type-C
先程、Qiに対応していると話しましたが、普通にUSBケーブルでの充電も可能。搭載しているUSBポートは、当然『USB Type-C』です。
充電ケースの左右もアールがかかって美しい。
■インターフェース
- ペアリングボタン
充電ケースの内部に、ペアリングに使うボタンがひっそりと鎮座。技適関係の印字も充電ケースの蓋に。…こういう多用しないものを“見せない”という美学。これも北欧デザイン。
左 | 右 | |
2回押し | 再生・停止 | 再生・停止 |
3回押し | オフ | オフ |
TRACK Air+ SEのリモコン機能。
※デフォルトの状態。
リモコン機能は、デフォルトの状態だと非常に簡素で楽曲の再生・停止のみ。また、タッチボタンだからか、誤爆を誘発させる1回押しはありません。
キーアサインの変更については、専用のLibratoneアプリ上から変更可能。キーアサインを変更すれば、選曲、音量調節、ノイズキャンセリング機能のオン・オフ、外音取り込み機能のオン・オフ、音声アシスタント起動…という、ひととおりのリモコン機能が使えるようになっています。なので、積極的にキーアサインを変更していくのが吉。

キーアサインの変更は活用したいところやね!
付属品チェック
■TRACK Air+ SEの付属品一覧
- イヤーピース(XS・S・M・L)
- USB Type-A to USB Type-Cケーブル
- 取扱説明書
イヤーピースが4種類(Sサイズはイヤホンに装着済)付属しており、女性には嬉しいXSサイズも付属。デフォルトがSサイズなので、Lサイズのイヤーピースを使うことはそうそうなさそう……。
にしても、付属品ひとつ取ってもデザインセンスの高さが光っています。こういう細かい部分の積み重ねが所有感を満たすので、このあたりをおざなりにしがちな日本メーカーも見習ってほしいところ。
注目ポイント
■TRACK Air+ SEのポイント概要
- ノイズキャンセリング機能:シーンに応じて最適化されるCityMix技術
- 外音取り込み機能:一瞬で使えるアンビエントモード
- 風切り音軽減機能:ワークアウトで使えるスペシャル機能
- 左右独立受信方式:QCC5121×TWS Plusのフルスペック
- Qi:充電すらもワイヤレスでシームレス
ノイズキャンセリング機能:シーンに応じて最適化されるCityMix技術
TRACK Air+ SEには、今や完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードにもなりつつある、『アクティブノイズキャンセリング機能』を搭載している。…のですが、このノイズキャンセリング機能がかなりよくできている。
TRACK Air+ SEに搭載されているノイズキャンセリング機能には、『CityMix技術』というテクノロジーが採用されている。これにより、ユーザーが任意で0〜30の段階で細かくノイズキャンセリングの効き具合を調節できたり(『マニュアル』機能)、自動でシーンに応じてノイズキャンセリングを最適化してくれたり(『SMART』機能)する。そう、単純にノイズキャンセリングをオン・オフするだけじゃないということ。かなり芸が細かい。
ノイズキャンセリングを『マニュアル』にすると、ユーザーが任意で0〜30の段階でノイズキャンセリングの効き具合を調節可能。
かなり細かくノイズキャンセリングのレベルを調節できるので、ノイズキャンセリングが強すぎて耳に圧迫感が出てしまう…なんてことも少なくなるはず。
ノイズキャンセリングを『SMART』にすると、ユーザーは何も考えなくてもTRACK Air+ SE任せでノイズキャンセリングを調節してくれる。
常時ノイズキャンセリングを強くしたいということ以外ならば、基本的にはこの『SMART』機能を使っておくといいかも。

ANC搭載の完全ワイヤレスイヤホンって増えたけど、ここまで微調節できる製品はかなり少ないんよね。
外音取り込み機能:一瞬で使えるアンビエントモード
ノイズキャンセリング機能が搭載されているということは…そう、『外音取り込み機能』もバッチリ搭載。
TRACK Air+ SEの外音取り込み機能は、イヤホンをダブルタップするだけ。これだけで瞬時にアンビエントできる。この即時性もさることながら、集音性能もなかなか。ちょっと会話に使うとなると違和感があるが、使えないことはないレベル。これなら、つけっぱなしで1日を過ごすことも可能。
風切り音軽減機能:ワークアウトで使えるスペシャル機能
通常のTRACK Air+には搭載されておらず、このスペシャルエディション限定機能なのが、『風切り音軽減モード』という機能。イメージ的にはノイズキャンセリング機能の延長線上のような機能なのですが、通常のノイズキャンセリングよりも風切り音に特化してキャンセルしてくれるというもの。
「何に使うモード?」と言いたくなってしまうのですが、このモードの真価が発揮されるシーン。それは…ランニングやジョギングなどのワークアウト時。走っていると感じる“あの”不快なボワボワした風切り音をサクっと軽減してくれるというわけ。
見た目は家やオフィスでじっくり楽しむ用という趣なのですが、実はIPX4等級の防水性能(防滴性能)を持っているので、TRACK Air+ SEはワークアウト用のイヤホンとして使うのもアリ。だからこそ、風切り音軽減モードがあるというわけなのです。うんうん。
左右独立受信方式:QCC5121×TWS Plusのフルスペック
TRACK Air+ SEに搭載されているチップは、Qualcommの完全ワイヤレスイヤホン向けSoCとしては上位に位置する『QCC5121』。なので、同社の左右独立受信方式である『TWS Plus』に対応している。
TWS Plusに対応している…つまり、TRACK Air+ SEはイヤホン片側だけでも利用可能。なので、ハンズフリーイヤホンとして使えたりする。
TWS Plusのフルに使うためには、再生機器側のSoCがQualcomm製じゃないといけなかったりする(こちらを参照)ので、ちょっと条件的には大変。なので、ちゃんと接続安定化機能として使えたらラッキーぐらいに思っておくのが良さげ。
Qi:充電すらもワイヤレスでシームレス
TRACK Air+ SEの充電ケースは、Qi規格のワイヤレス充電に対応。そう、音楽が完全ワイヤレスというだけでなく、充電すらも完全ワイヤレス。USBケーブルを使う必要はナシ。
最近では、複数デバイスを一度にワイヤレス充電できるQiワイヤレスパッド(SliceCharge Pro等)が登場しているので、スマートフォンを充電するタイミングでTRACK Air+ SEを充電するというのもアリ。これなら、イヤホンの充電忘れというのも少なくなるはず。
音質チェック
音質評価:★★★★☆
高音域:★★★★★
中音域:★★★★☆
低音域:★★★☆☆
TRACK Air+ SEの音質について端的に言うと、上品できらびやかな高音域という感じ。低音域の主張は、完全ワイヤレスイヤホンの中では珍しく控えめ。なので、ノリ良く音楽を楽しむというよりかは、しっとりじっくり聞くのに向いている感じ。
先に発売されているTRACK Air+と、基本的には音質が一緒だと思ってもらえればOK。
北欧メーカーらしい上品な鳴りが特徴的で、変に味付けがない音質なので、低音域が弱めというところ以外は万人受けしそうな予感。そうそう、低音域が弱いといっても、全然低音域が出ないというわけではなく、必要十分な量は出ています。
もし、低音域が弱いと感じたり、高音域をもっと伸ばしたいと思っているならば、TRACK Air+ SEの専用アプリ『Libratone』にはイコライザー機能があるので、そちらを組み合わせれば、納得いく音質にチューニングできるはずです。

しっとり聞かせる系の完全ワイヤレスイヤホンは少ないから、複数イヤホンを持っていても“音質傾向の被り”が出にくいって言える感じやね!
TRACK Air+ SEに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- 女性ボーカル系のJazz。
- ボーカルもののJ-pop。
- キラキラ系のTechno-Pop。
上品なサウンドが特徴的なTRACK Air+ SE。なので、じっくり聞かせる系の楽曲とピッタリ。特にジャズやボーカルものの楽曲と相性が良い気がした。
一音一音をしっかり鳴らしてくるイメージなので、特にピアノやドラムが映える曲なんかを選んでみたいところ。低音域の主張はそこまで強くないものの、しっかりとバスドラムを鳴らしきってくれるので、くどくなくスッキリとしたノリの良さが楽しめるのも魅力。
このTRACK Air+ SEと一緒に聞いてほしい楽曲は、野上朝生の企画ジャズユニットAll That Jazzのアルバム『ジブリジャズ』から、『カントリーロード』をセレクト。
女性ボーカルとピアノジャズが、お互いに邪魔しないように鳴らしきってくれていて、全体的に楽しく聞かせてくれる。ピアノのアタックや響きも非常に耳触りの良い音を出してくれており、しっとりしっかり鳴らしてくれています。

全体的にスローテンポの曲のほうが合う感じがするかも!?
ここがすき!
BluetoothコーデックがAACとaptXの両対応
TRACK Air+ SEの対応Bluetoothコーデックは、『SBC』・『AAC』・『aptX』の3つ。そう、QualcommのチップなのにAACに対応していくれている。
完全ワイヤレスイヤホンのSoCにQualcomm製のものが使われていると、なぜか『AAC』コーデックがオミットされる謎傾向がある。しかも、iPhoneではTWS Plusが使えないこともあり、何かと相性が悪いイメージ。しかし、TRACK Air+ SEでは、しっかりAACコーデックにも対応してくれているので、iPhoneユーザーでも安心して使えるというわけ。
ただ、接続コーデックが選べるわけではないので、ここはAudio-TechnicaやSonyのように、アプリ側で選べるようになると嬉しいところ。
直感的で楽しめる専用アプリ
専用アプリ『Libratone』は非常に良くできていて、デンマークらしい北欧の美しいデザインで直感的に遊べるも嬉しいポイント。
例えば、イコライザー。
ユーザーが自由に周波数特性をいじれるようなイコライジングはできないものの、通常・低音域強調・高音域強調、という非常に明快で潔い作りが使いやすい。ライトユーザーなら、これくらい単純に作られているほうが使いやすいともいえる。
ノイズキャンセリング機能のアニメーションも可愛らしくて、ついつい触りたくなる。
前掲のとおり、Libratoneアプリを用いると、0〜30の段階でノイズキャンセリングの効き具合をチューニングできるのですが、そのアニメーションの芸の細かさと可愛らしさに感動。意味もなくノイズキャンセリングを調節したくなっちゃうデザインをしています。
実は、こういう“使いたくなるデザイン”というは非常に重要で、ここがどれくらい使いやすいかや多機能かで、完全ワイヤレスイヤホンの価値が大きく変わってくると思っています。それくらい、完全ワイヤレスイヤホンではコンパニオンアプリの出来というのが、その価値を大きく左右するというわけです。
ここがうーん?
イヤホンが取り出しづらい
ちょっと気になるのが、充電ケースからイヤホンを取り出すのにコツが要ること。
充電ケースとイヤホンがマグネットで強めにくっついていることや、指の引っ掛かりが少ないことがあって、慣れるまでは取り出すのが大変だと思うはず。慣れるまでは、充電ケースから取り出す際にイヤホンを落とす可能性もあるので、机の上でイヤホンを取り出すことをおすすめします。

TRACK Air+ SEに限ったことじゃないけど、取り出しづらい完全ワイヤレスイヤホンって多いんよね……。
補足
通常版との比較
TRACK Air+ SE | TRACK Air+ | |
カラー | ブラック×ゴールド | ブラック ホワイト |
ドライバー | ダイナミック(φ5.3mm) | |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | |
コーデック | SBC AAC aptX |
|
バッテリー | 最大6時間 (イヤホン単体) |
|
ノイズキャンセリング機能 | ○ | ○ |
外音取り込み機能 | ○ | ○ |
風切り音軽減機能 | ○ | × |
TRACK Air+ SEとTRACK Air+の機能比較表。
通常モデルである『TRACK Air+』との比較はこんな感じ。
違いとしては、カラーが異なることや、『風切り音軽減モード』の有無。あとは、マイクの数がTRACK Air+ SEのほうが多かったりします。細かい部分だと、充電ケースがTRACK Air+ SEのほうが剛性感の高い作りになっていました。
まとめ「全部入りデンマーク音質が楽しめるSpecial Edition」
今回のLIBRATONE『TRACK Air+ SE』のレビューを総括すると…
- 完全ワイヤレスイヤホンのトレンド全部入り
- ノイキャンを細かくチューニングできる凄み
- Qiのワイヤレス充電はかなり便利
- アプリの出来もなかなかに良き
- 上品で高音域寄りな音質が特徴
- ちょっとイヤホンが取り出しづらいのが難
という感じ。
TRACK Air+ SEはクラウドファンディングで出資した製品なので、どこまで販路が確保されるか分からないのですが、大手量販店などに並ぶのであれば、結構売れそうな予感。
欠点らしい欠点もなく、機能も詰め込めるだけ詰め込んでいるので、価格さえ折り合いがつけば、オールマイティーに活躍できる完全ワイヤレスイヤホンになってくれるはず。そういう意味では、かなりおすすめな完全ワイヤレスイヤホンと言えるかもしれません。

Bang & Olufsenが好きな人なら、LIBRATONEも好きそうな気がする!(私がそう)
おまけ

うち的には、ホワイト×ゴールドなスペシャルエディションがあってもよかったかな!?

ちょっと好みが分かれるカラーリングですからね。

女子でもアリと言われればアリなカラーだけどねー。
おわり
繊細なサウンドと細かくANC調節ができるのが良い感じ!
リモコン機能がちょっと弱いのが気になる……。
…そんな感じの感想やよ!