この記事はムロコーポレーション様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- 世界初で世界最小のインイヤー型スピーカーは“旅”を味わえるイヤホンだ!
- AIR TUBE Woofer Technologyのソフトな装着感が疲れにくい!
- このコンセプトを突き詰めた完全ワイヤレスやUSB-C版が欲しくなる!
私は魔法の音を手に入れた。
ネックバンド型Bluetoothイヤホン、INAIR『M360bt』をレビュー。“世界初、耳に入るスピーカー”と謳っている本機。私が言えることは、「唯一無二の魔法の音質」ということ。…まさに音のイノベーション。
これは、カナル型?インイヤー型…どっちだー!?
まさに“新ジャンル”という趣ですわね。
目次
本日のレビュー:INAIR M360bt
INAIR M360btってなに?
新次元の音楽体験をさせてくれる、世界初で世界最小のインイヤー型スピーカー(インエアー)のワイヤレス版。グッドデザイン賞も受賞。
- 唯一無二の音質
- 圧倒的音場感の広さ
- 疲れ知らずの装着感
- ミニマルなデザイン性
- USBポートがMicro USB
- 最大5時間のバッテリーライフ
INAIR M360bt | ||
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型番 | M360BT-BK(ブラック) M360BT-SV(シルバー) |
|
メーカー | INAIR (&COLOR) |
|
オーディオ性能 | ドライバー | ダイナミック(φ6mm) |
再生周波数帯域 | 20Hz–20,000Hz | |
インピーダンス | 16Ω | |
ケーブル長 | 0.85m*1(着脱不可) | |
プラグ | - | |
Bluetooth性能 | Ver. | Bluetooth 4.1 |
コーデック | SBC AAC aptX |
|
プロファイル | 非公表 | |
バッテリー | 最大5時間 | |
インターフェース | Micro USB Micro-B | |
サイズ | 22×6×6mm*1*2 | |
質量 | 12g*1 | |
備考 | ノイズキャンセリング | × |
ヒアスルー | × | |
コンパニオンアプリ | × | |
防水性能 | × | |
その他 | AIR TUBE Woofer Technology搭載 GOOD DESIGN AWARD 2018受賞 |
INAIR M360btのスペック
*1実測値。
*2ハウジング部分のサイズ。
普通のイヤホンにはもう飽きた!新しい音に出会いたい!!
…そんなオーディオ好きにこそおすすめしたい、第3のインイヤースピーカーなんよね。
デザインビュー
本体:アルミ削り出しのグッドデザイン
INAIR M360btのケーブル長は0.85mで、重さは12g(いずれも実測値)。びっくりするほど軽量な作りになっており、本当にバッテリーやドライバーが搭載されているのかと思うくらい。なので、首に長時間掛けていても、首が疲れるような感じは一切ナシ。
カラーバリエーションは2色(ブラック・シルバー)あって、今回は『シルバー』をレビューしているやよ!
イヤホンのハウジング部分のサイズは 22×6×6mm (実測値・インエアーキャップ装着時)と、とにかくミニマム。ここにφ6mmのダイナミックドライバーが搭載されている。
『インエアーキャップ』という、ソフトスポンジを外すとこんな感じの作りになっています。
シェルに装着されている謎の半透明のシリコン。これがINAIR M360btのキモとなっている『AIR TUBE』という独自の機構。このAIR TUBEは装着感の向上だけでなく、音響特性にも影響させる作りになっているそう。
INAIR M360btのネックバンド部分は、ワイヤーが入っていないオーソドックスなタイプ。なお、左右のバッテリーボックスとリモコンボックスの部分までは、布巻ケーブルになっています。なので、肌触りも良好。
ワイヤーが入っていないので、使っているうちにイヤホンがズレるのでは…と心配してしまうのですが、その心配は無用。ちゃんと、ケーブルクリップが付属しています。
■インターフェース
- リモコンボタン
- Micro USB Micro-B
- LEDインジケーター
INAIR M360btには、イヤホン本体自体にLR表記がないのですが、リモコンボックス側がLチャンネルになっています。
こちら側には、充電用のMicro USB Micro-Bポート、電源ボタン機能を含むリモコンボタン各種、接続状況やバッテリー残量を示すLEDインジケーター、を搭載しています。
そして、バッテリーボックスになっているほうがRチャンネル側。
小さく“INAIR”って書かれてるところにミニマルさを感じるやんね!
電源ボタン | +ボタン | -ボタン | |
1回押し | 再生・停止 | 音量アップ | 音量ダウン |
長押し | 電源オン/オフ | 曲送り | 曲戻し |
INAIR M360btのリモコン機能
INAIR M360btのリモコン機能は、再生・停止、選曲、音量調節…と必要なコントロールをまるっと対応。リモコン設計にゆとりのあるネックバンド型だから、このあたりのオーディオコントロールは文句ナシ。
これは個人的な好みが入るのですが、よく誤爆をしてしまう音声アシスタントのキーアサインがないのが高評価。また、専用のコンパニオンアプリはありません。
INAIR M360btのステム(ノズル)部分はこんな感じの特殊な形状です。前述したように、AIR TUBEという特殊機構になっているので、当然ですが、他社のイヤーピースとは互換性がありません。
もし仮にイヤーピースが装着できたとしても、AIR TUBEとインエアーキャップがあってこそのINAIR M360btなので、ぜひデフォルトの状態で使うことを強くおすすめします。この状態が完成形ですので。
特殊な装着感だけど、慣れたら誰でもフィットする気がするかな。
付属品:随所に気配りを感じる
■付属品一覧
- インエアーキャップ
- ケーブルクリップ
- USB Type-A to Micro USB Micro-Bケーブル
- 取扱説明書
- 保証書
INAIR M360btの付属品は、替えのインエアーキャップ、ケーブルクリップ、充電用のUSBケーブル(USB Type-A to Micro USB Micro-B)、取扱説明書、保証書、という合計5つ。
独自の『インエアーキャップ』については、替えが別売しているので、替えがなくて困る心配もありません。とはいえ、公式でメンテナンスを定期的に行えば、長期間の利用ができると記載されているので、そこまで頻繁に買うものでもないはず。
注目ポイント
■INAIR M360btのポイント概要
- 構造:『インエアー方式』という第3のイヤースピーカー
- 音質:『AIR TUBE』が生み出す独自の世界観
- 装着感:『インエアーエルゴノミクス方式』で疲れ知らず
- デザイン:アルミ削り出しなシンプル&ミニマムの頂点
構造:『インエアー方式』という第3のイヤースピーカー
このINAIR M360btは、『インエアー方式』というまったく新しいタイプ。インイヤー方式でもなければ、カナル方式でもない。そう、INAIR M360bt“だけ”の第3のイヤースピーカーなのです。
この『インエアー方式』というのは、一般的なイヤホンとは異なり、音道管(ステムの中)が存在しません。イメージ的には、音道管のちょうど出口のところにドライバーユニットがオフセットされているという感じ。なので、音道管を通ることによる音響特性の悪影響がなく、ドライバーそのもの良さを活かすことができるそう。このインエアー方式は特許取得済。なので、INAIRシリーズでしか楽しめない特別なものになっている。
今回はイヤホンとしてのカテゴライズをしているのですが、インエアー方式の特徴から考えると、正確には『スピーカー』という位置づけに近い感じ。なので、謳い文句も“世界初、耳に入るスピーカー”となっているわけです。
カテゴリーの属さない新規格って感じやね。
音質:『AIR TUBE』が生み出す独自の世界観
本体チェックで話したように、INAIR M360btでは『AIR TUBE』という、これまた独自の世界初のテクノロジーが採用されている。
このAIR TUBEは、耳へのフィット感向上に寄与するだけでなく、このAIR TUBE内部の空間がウーファーとなるように作られている。これを同社では『AIR TUBE Woofer Technology』と呼んでいるそう。
AIR TUBE Woofer Technologyにより、360°に音が伝達され、より広がりのある音質になっている。この音質に関しては、“百見は一聞に如かず”なので伝えづらいのですが、とにかく普通のイヤホンとはまったく違う鳴りをする面白い作りになっています。
装着感:『インエアーエルゴノミクス方式』で疲れ知らず
世界初…ばかりのINAIR M360bt。装着感も独特で、『インエアーエルゴノミクス方式』という独自のスタイルを取っている。
このハンドヘルドマイクのウィンドジャマーのような、新開発のスポンジ『インエアーキャップ』。このインエアーキャップが優しくカナル(外耳道)にフィットし、圧迫感はないけれどもホールド感はキープ。
分かりやすく言えば、従来のカナル型のイヤーピースのようなフィット感がありつつも、インイヤー型のようなエアーなホールド感もあるという感じ。なので、長時間の利用でも疲れることはありません。
デザイン:アルミ削り出しなシンプル&ミニマムの頂点
ついつい変わった音響構造ばかりに目が行きがちですが、デザイン性も高く、なんとGOOD DESIGN AWARD 2018を受賞しているのです。
無垢のアルミ削り出しボディは、まさにシンプルでかつミニマム。アルミの削り出し処理の工作精度も高く、安っぽさは微塵も感じさせません。このデザイン性の高さなら、首に掛けていてもダサさはなく、都会的な雰囲気を出すアイテムにもなってくれるはず。
音質チェック
音質評価:★★★☆☆
高音域:★★★☆☆
中音域:★★★★☆
低音域:★★★☆☆
※音質評価は販売価格を考慮した相対評価。
INAIR M360btの音質について端的に言うと、唯一無二の大海原のような開放感と力強さがミックスされたクリオネ系サウンド、という感じ。
全体の音質の傾向としては、独自の技術『AIR TUBE Woofer Technology』のおかげもあって、イヤホンとは思えないレベルで広い音場感が特徴的。全体的にクリアな鳴りをするが、音の分離感はちょっと苦手で縦のレンジは狭め。カリカリに解像された鳴りというよりも、とにかく空間表現を大事にしたような音質といえる。
純粋な音質を追求するって感じよりも、その場のニュアンスを大切にしているように感じる音やね。
高音域はクリアかつマイルドな音作り。
勝手な先入観から、キラキラした冷たい高音域が鳴るのでは…と思っていたのですが、実際はマイルドでわりと暖かい音。なので、サ行が刺さるようなキレはなく、横に広がるようなイメージで鳴ってくれます。特筆すべきなのが、音のフェードインとフェードアウトが丁寧かつ自然というところ。スーっと入って、スーっと消えてくれるイメージ。
中音域はセンターでどっしりと鳴っている感じ。
INAIR M360btはとにかく広い音場感が特徴的なのですが、ちゃんとボーカルの芯が通ったサウンドに作られている印象。広いからといってフラフラしているわけではなく、しっかりと立ち位置が決まって上で、それぞれが広い領域を持っているという雰囲気。高音域がX軸的に広がるとしたら、中音域はZ軸(自分に向かってくる感じ)の広がりかも。
低音域は意外と力強さを持っているイメージ。
イヤホンの“抜け感”ある音の印象とは裏腹に、意外とパワフルに鳴る低音域に驚き。独特の構造をしているINAIR M360btですが、全体の音のバランスは結構まともな感じ。もっと低音域が少ないと思っていたので、ちょっと衝撃を受けました。ただ、低音域は低くなればなるほど解像感が失われ、音が潰れてしまうのがちょっと残念。なので、あまり低音重視の曲とは合わないでしょう。
解像感や縦のレンジはそこまでないけど、尋常じゃないくらいの横のレンジの広さと、空間表現が面白いって感じの音やね!
INAIR M360btに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- メロウ系Electronic dance music
- しっとり系アニソン
- 快眠系New-age music
INAIR M360btと一緒に聞いてほしい楽曲の1曲めは、Gryffinの『Just For A Moment ft. Iselin』をセレクト。
もともと、Gryffinの曲は独特の音場感の広さがあるのですが、今回のINAIR M360btで聞くと、より全方位から包まれるような音場から変化する印象を受けます。ボーカルのIselin Solheimとの相性も良く、違和感のない広がりにしっかりとキープしている感じ。
INAIR M360btと一緒に聞いてほしい楽曲の2曲めは、ViViiの『Fool Alone』をセレクト。
この『Fool Alone』をINAIR M360btと組み合わせて聞いたファーストインプレッションは、ギターのキラキラした感じが美しきということ。北欧の美しい雪原と白く彩られた木々の情景が浮かんでくるかのよう。果てしない音場感の広さが、この情景をより鮮明に表現してくれています。
INAIR M360btと一緒に聞いてほしい楽曲の3曲めは、Kalafinaの『symphonia』をセレクト。
INAIR M360btは、ハードな曲よりもシンフォニックな曲が合うはず。そこで思い浮かんだのが、Kalafinaでした。特に、この『symphonia』との相性は抜群で、サビにつれてダイナミック感が増していくところの表現力が絶妙。ボーカルの伸び感も秀逸。
INAIR M360btと一緒に聞いてほしい楽曲の4曲めは、石川智晶の『水槽の中のテトラ』をセレクト。
3曲めのKalafinaつながりで、この曲を。アコーディオンが奏でる異国情緒。そして、水槽という小さいな世界。この小さな世界と大きな世界という二極を、INAIR M360btが上手く再現しているように感じた。とにかく、ボーカルとアコーディオンのノビ、これが素晴らしき。ぜひINAIR M360btで聞いてほしい推し曲だったりします。
広い音場感がとにかく楽しい感じ!なんていうか…“旅”してる雰囲気になるんよね。そう考えると、ケルト音楽とかボリビア民謡とかも合うかも!?
ここがすき!
高音質の定義を変えるサウンド
正直、INAIR M360btは、特段飛び抜けて優れいている音質という感じではありません。ただ、自分の中にある“音質”そのものの価値観を変えた、唯一無二のサウンドであることは事実。そう考えると、このINAIR M360btと出会ったことによって、高音質の定義が変わったと言えるわけです。
一般的に高音質というのは、レンジが広いことや解像感が高いことを指すと思うのですが、INAIR M360btはそれとは違う世界線に存在している感じ。まさに、別ジャンルの音。
INAIR M360btで音楽を聞くと、音楽が表現する世界にトリップしてしまうくらいに、音場が広くて空間表現が上手。この旅をするような不思議な感覚こそが、新たな高音質の定義なのかなと感じてしまいます。
“高音質”の呪縛から開放されたって感じかも!?
楽しく聞けるのが一番ですものね。
唯一無二の装着感
INAIR M360btのとにかく軽い装着感もお気に入り。カナル型のように耳と密着しているのに、インイヤー型のような軽さ。この『インエアーキャップ』による、唯一無二の装着感は、耳への負担も非常に少なく感じる。
構造上、INAIR M360btは、遮音性が一般的なカナル型よるも数段劣る。しかし、その代わり、適度に内気と外気とが移動しているので圧迫感が少なく、ながら聞きの長時間リスニングにはもってこい。なので、電車内等には不向きですが、静かな場所でのリスニングにはかなり向いていると言えるはずです。
ここがうーん?
充電がMicro USBポート
ちょっと残念なのが、USBポートが『USB Type-C』ではなく、レガシーな『Micro USB』ということ。発売時期的に仕方のない部分はあるが、やはりモダンなType-C形状が嬉しかったのが本音。
別にこの製品に限ったことではないのですが、そろそろ世の中のUSBがUSB Type-Cに統一されると嬉しい限り。あと、USBポートのカバーは不要だったかも。
まとめ「まさに“オンリーワン”で超音場感のイヤホン」
そういうわけで、INAIR(&COLOR)『INAIR M360bt』のレビューを総括すると…
- 独自技術が凝縮されたワイヤレスイヤホン
- イヤホンではなく耳に入るスピーカーだった
- 圧倒的な音場感を持つ唯一無二の音質
- 超軽い装着感で長時間リスニングでも疲れ知らず
という感じ。
INAIR M360bt自体、“耳に入るスピーカー”と謳われているとおり、イヤホンのようなスピーカーのような…とにかく不思議なイヤースピーカー。ただの企画モノという感はなく、ちゃんとオーディオ機器としての良い個性も出ている点が高評価。
惜しむらくは、充電がMicro USBなこと。このコンセプトで、USB Type-Cにして専用のコンパニオンアプリで音質を弄れるようにしたら、もっともっと面白くなるはず。そんな未来と期待を感じさせてくれるオンリーワンなワイヤレスイヤホン…ではなく、ワイヤレスイヤースピーカーでした。
INAIRの完全ワイヤレスイヤホン版も出してほしいかも!?
おまけ
ほんと、USB Type-Cとアプリが欲しいんよね!
それだけ高評価というわけなのですね?
なんていうか…1つは持っておきたい存在って感じなんよね。
ハッカ飴…的なー!?
うん、全然違う!!
おわり
コンセプトどおりな抜群の音場感と個性が光る音質が良い感じ!
USBがMicro USBなのとバッテリー持ちが短いのが気になる……。
…そんな感じの感想やね!