- AirPods Maxのノイズキャンセリング性能は世界最高峰だ!
- 音質は素晴らしいけどオーディオ機器では良くも悪くもない!
- どことなく『iPod Hi-Fi』の香りが醸し出されているぞ!
魔法の音は高価だった。
ノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン、Apple『AirPods Max』をレビュー。最高のANC性能、ソフトウェア的アプローチからの高品質サウンド…これぞ技術の結晶と言える音の箱。かなりいい、ただ価格はプレミアム。
さたえりさん、買われたのですか!?
ねこちゃんがレビュー用に貸したのであーるっ!
本日のレビュー:AirPods Max
AirPods Maxってなに?
Appleがソフトウェア的なアプローチで“最高の音質”を目指した、ノイズキャンセリング機能搭載ワイヤレスヘッドホン。価格も見た目もプレミアム。
- ゴージャスな音質
- 最高峰のノイズキャンセリング
- 超自然なヒアスルー
- 高級感あふれるボディ
- 電源ボタン非搭載
- USBでなくLightning
- 防御力ゼロのケース
- 高価な価格設定
AirPods Max | ||
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型番 | MGYJ3J/A(シルバー) MGYH3J/A(スペースグレイ) MGYL3J/A(スカイブルー) MGYM3J/A(ピンク) MGYN3J/A(グリーン) |
|
メーカー | Apple | |
オーディオ性能 | ドライバー | ダイナミック(φ40mm) |
再生周波数帯域 | 非公表 | |
インピーダンス | 非公表 | |
ケーブル長 | - | |
プラグ | - | |
Bluetooth性能 | Ver. | Bluetooth 5.0 |
コーデック | SBC AAC |
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プロファイル | 非公表 | |
バッテリー | 最大20時間(ANC ON) | |
インターフェース | Lightning | |
サイズ | 168.6×187.3×83.4mm | |
質量 | 384.8g | |
備考 | ノイズキャンセリング | ○ |
ヒアスルー | ○ | |
コンパニオンアプリ | × | |
その他 | Digital Crown コンピュテーショナルオーディオ アダプティブイコライゼーション 空間オーディオ オーディオ共有 オンヘッド検知機能 Hey Siri 急速充電対応(5分充電 → 1.5時間再生) 有線接続対応(専用ケーブル) |
AirPods Maxのスペック
Appleが作った最高のヘッドホンを体感したい信者は買い!
…そう思わないなら、Sony・Bose・Shure・Sennheiserを選んだほうが幸せかも!?
デザインビュー
本体:最高にゴージャスなボディ
AirPods Max本体のサイズは 168.6×187.3×83.4mm で、重さは384.8g。素材にステンレススチールとアルミニウムを使っているだけあって、同タイプのワイヤレスヘッドホンに比べても、100g以上重たい。
うーむ、無駄にゴージャスですなー。
“無駄”って…あはは。
ヘッドバンドは、ステンレススチールをラバーでコーディングしている形。
トップはワイドなメッシュ素材になっており、約390gというヘビー級なヘッドホンのわりには質量分散がうまく考えられており、装着していての重たさというのはそこまで感じません。このあたりの設計はさすがApple。
重たさは感じないけど、軽い装着感っていうのは嘘になる感じかな。
■インターフェース
- 【右】Lightning
- 【右】LEDインジケーター
ヘッドホン下面には、充電用のLightningポート、バッテリー状態等を示すLEDインジケーター、を搭載。
AirPods Maxには、有線接続用の3.5mmステレオミニジャックは搭載されていませんが、このLightningポートから専用のオーディオケーブル(Lightning - 3.5mmオーディオケーブル)を用いることによって、通常のヘッドホンと同じように有線接続で音楽を聞くことができます。
有線接続すると、ケーブルは右出しになるんよね。
ちょっと違和感がありますわね。
■インターフェース
- 【右】Digital Crown
- 【右】ノイズコントロールボタン
ハウジングの右上部にあるのが、オーディオコントロールをするための『Digital Crown』、ノイズキャンセリングと外音取り込みを切り替える『ノイズコントロールボタン』。
Digital Crownは、Apple Watchに搭載されているものが巨大化されたイメージ。ちなみに、Digital Crownを回すとカチカチと音声フィードバックが鳴るようになっています。このあたりも芸が細かい。
■インターフェース
- 【左・右】近接センサー
左右のユニットには、装着を検知する近接センサーを搭載。これにより、ヘッドホンの着脱に応じて、音楽の再生・停止が自動で行われるようになっています。
近接センサーを搭載しているヘッドホン自体はたまに見かけますが、AirPods Maxのように、ヘッドホン左右両方に搭載されているのは非常に珍しい方式になっています。おそらく、左右両方にSoC(Apple H1)を搭載していることが関係しているのでしょう。
右 | ||
Digital Crown | ノイズコントロールボタン | |
1回押し | 再生・停止 | ノイズキャンセリング機能切替 外音取り込み機能切替 |
2回押し | 曲送り | - |
3回押し | 曲戻し | - |
長押し | 音声アシスタント起動 | - |
回転 | 音量調節 | - |
AirPods Maxのリモコン機能
AirPods Maxのリモコン機能は、再生・停止、選曲、音量調節、音声アシスタント起動、ノイズキャンセリング/外音取り込み機能切り替え…と、オーディオコントロールに必要なリモコン機能がすべて備わっています。なお、電源ボタンはありません。
そもそも、このAirPods Maxには電源オン/オフという概念がなく、付属の『AirPods Max with Smart Case』に収納するか、ヘッドホンを外して5分間放置すると、自動的に低電力モード(スリープ状態)になる仕組みになっています。そこからさらに放置すると、超低電力モード(ディープスリープ状態)になるので、電源に関しては気にしなくてよいようにできているというわけです。
特殊なシステムだから、ちょっとモヤモヤする感じがするーる。
AirPods的なUXから考えるとこれが正解だけど、一般的なヘッドホンを使っているユーザーからすると気持ち悪さはあるやんね。
付属品:謎のケースと謎のLightning
■付属品一覧
- AirPods Max with Smart Case
- USB Type-C to Lightningケーブル
- 取扱説明書
AirPods Maxの付属品は、ハウジングの保護やスリープ状態に入るために使うAirPods Max with Smart Case、充電用のUSB Type-C to Lightningケーブル、取扱説明書、という合計3つ。
前述した『AirPods Max with Smart Case』ですが、一部で言われているように、一般的なヘッドホンのケースとは異なり防御力はゼロ。これをケースと思うからいけないのであって、あくまでホルスター的なものと思えば…いや、無理がありますね。
持ち運ぶなら、別途ハードケースが必要って感じやね。
注目ポイント
■AirPods Maxのポイント概要
- ノイズキャンセリング:業界最高峰のANC性能
- ヒアスルー:超ナチュラルな外部音取り込みモード
- インターフェース:Digital Crownという新たな形
- サウンド:自社設計ドライバーとApple H1の融合
ノイズキャンセリング:業界最高峰のANC性能
完全ワイヤレスイヤホン『AirPods Pro』の登場で、アクティブノイズキャンセリングのベンチマークが、AirPods Proより強いか弱いかになった。それくらいにAirPods Proのノイズキャンセリングは強力なのだが、今回のAirPods Maxも期待値以上(AirPods Pro以上)のノイズキャンセリング性能を持っている。
AirPods Maxには内外で合計8つのマイクを搭載している。外側の6つのマイクが周囲のノイズを検知し、内側の2つのマイクがユーザーが聞いているものを測定している。このコンビネーションによって、業界最高峰のアクティブノイズキャンセリング性能を得られたというわけなのです。
ヒアスルー:超ナチュラルな外部音取り込みモード
AirPods Proのナチュラルなヒアスルー性能に我々は驚かされたが、今回のAirPods Maxも最高にナチュラルな外音取り込みを実現している。
ヘッドホンハウジングの右ch上部にある『ノイズコントロールボタン』を押すだけで、まるでヘッドホンを装着していないかのような、ナチュラルな外音取り込みの世界へと誘ってくれる。そうそう、Appleではヒアスルーモードのことを『外部音取り込みモード』を呼んでいます。
インターフェース:Digital Crownという新たな形
昨今のワイヤレスヘッドホンのインターフェースといえば、タッチセンサー方式を多くのメーカーが採用している。ところがAppleはタッチインターフェースは採用せずに、Apple Watchで採用歴のある『Digital Crown』をインターフェースとして迎え入れた。
Digital Crownによる“回す”と“押し込む”の操作体系、これが非常に小気味良い。手袋をする冬場や寒冷地のような環境だと、タッチセンサーというのはかなり使いづらいものになってしまうが、このDigital Crownは物理的なインターフェース。なので、そのような心配も皆無。見た目こそ「え?」と思ってしまうが、実に理にかなった設計になっている。
サウンド:自社設計ドライバーとApple H1の融合
AirPods Proの最大のウリ、それはAppleらしいデザイン性や操作体系…ではなく、ヘッドホンの音質。オーディオ機器としてのキモこそ、AirPods Proの注目ポイント。
ダイナミックドライバー
Appleらしいこだわり…と思えるのが、搭載されているダイナミックドライバー。なんと、ドライバーはAppleの自社設計。
搭載しているφ40mmのダイナミックドライバーの周波数特性は公表されていないが、Apple曰く、幅広い周波数レンジを生み出し、あらゆるサウンドの細部を豊かに表現してくれるそう。
また、採用されているドライバーは、高性能なフロア型スピーカーのモーターと同等レベルのデュアルネオジムリング磁石モーターを採用しているとのこと。このあたりは“言ったもの勝ち”感がありますが、それだけAppleが自社設計したダイナミックドライバーに、相当の自信があるのでしょう。
コンピュテーショナルオーディオ
Appleらしいのが『コンピュテーショナルオーディオ』という、ソフトウェア的な角度から音質を高めていこうとするアプローチ。コンピュテーショナルオーディオ自体は、HomePod mini等でも採用されているのですが、それがAirPods Maxでも使われているというわけ。
AirPods Maxには左右1つずつ『Apple H1』というBluetooth SoCが搭載されています。このApple H1には10個のオーディオコアが搭載されており、そのオーディオコアの機械学習を使った計算処理によってソフトウェア的に高音質化を図っているのです。
まさに「かがくのちからってすげー!」やね!
アダプティブイコライゼーション
ソフトウェア的高音質化という面では、『アダプティブイコライゼーション』という技術が加えて採用されている。
このアダプティブイコライゼーションとは、イヤークッション(イヤーパッド)を装着したときの吸着度・密閉度に併せて音質を最適化するというもの。AirPods Maxの内側にあるマイクがユーザーの聞いている音楽を識別し、曲の周波数を調節して高音質化を図っているそう。…さすがはSoCを開発しているApple。
空間オーディオ
そして、AirPods Maxは『空間オーディオ』にも対応しており、iPhone・iPad利用下で、かつ空間オーディオ対応コンテンツであれば、バーチャルサラウンドが楽しめるようになっている。
ちなみに、この空間オーディオとは、Dolby Atmos等の立体音響コンテンツを仮想的にバーチャルサラウンド化し、『ダイナミックヘッドトラッキング』という顔の向きと連動してオーディオが追従する機能をミックスしたもののことです。
音質チェック
音質評価:★★★★☆
高音域:★★★★☆
中音域:★★★★☆
低音域:★★★★☆
※音質評価は販売価格を考慮した相対評価。
AirPods Maxの音質を端的に言うと、ナチュラルで音の分離感を感じられるスタイリッシュ系サウンド、という感じ。
音質の傾向としては、ちょっと低音域が弱いフラット寄り。低音域が弱いと言ってもチープでシャカシャカした音ではなく、昨今のブーミーサウンドを聞いていると少なく感じるだけ。空間オーディオがなくても、音の空間表現が上手で音場感が広く感じる。音の引き出しが多く、小さな音でもしっかりと拾うレンジの広さは圧巻。ただ、少しだけ音にきめ細やかさがないようにも。これが5万円台ならオール★5だった…のですが、ちょっとお高いので評価を下げています。
高音質なのは間違いないけど、ちょっと価格が高いかなぁ……。
高音域は金属質でクリアな感じ。
イメージ的には、Audio-Technicaライクな音からキレ味を弱めた感じ。高音域のノビについては、伸びるけれども天井を突き抜けるようなぶっ飛び感はあまり感じない。全体的に金属質な冷たい感じの鳴りをする印象があるが、痛く刺さるようなキレはなく、シャキシャキとした端切れの良い高音域が楽しめるようになっているように思える。
中音域は特徴ないけど優等生なイメージ。
この手のワイヤレスヘッドホンにしては珍しく、癖のない中音域が特徴的。なんというか…特徴のないのが特徴というイメージかも。すべてにおいて優等生で、どんな曲でも80点以上の鳴りをしてくれるので、曲を選ばないという点では嬉しい。ボーカルの明瞭度も素晴らしく、低音域に引っ張られるもっさりした感じもない。あと少し、1音1音を丁寧に鳴らす繊細さがあれば、もっと点数が上がったはず。
低音域はソリッドで疾走感のある印象。
低音域の力強さや重低音よりは、スピードとキレを重視したサウンドと感じた。BoseやSennheiserによくある濃厚な低音域…という感じではなく、もっとアッサリとした趣。こってりした低音域が好みの人には物足りないかもしれないが、クリアな低音域を求める人からするとピッタリ嵌りそうな予感がします。
全体的に癖の少ない音だから、そこを全体的にクリアと捉えるか、味気ないって捉えるか…やね。コスパは別として、わりと良い音質やとは思うけどね!
AirPods Maxに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- 女性ボーカル系アニソン
- デジタルピコピコ系Rock
- 荘厳系classical music
AirPods Maxと一緒に聞いてほしい楽曲の1曲めは、Claudette Dionの『To Love You More (Radio Edit)』をセレクト。
クリアかつパワフルなボーカルと繊細に伸びるバイオリン。これらが適度な分離感を出しており、それぞれがしっかりと解像している点が素晴らしい。ボーカルも、ただ綺麗に鳴るということではなく、口がどう動いているのかが想像できるレベルで息遣いを感じ取れるのもさすが。
AirPods Maxと一緒に聞いてほしい楽曲の2曲めは、森口博子の『ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜』をセレクト。
サビに入ってからの伸びやかかつ、綺羅びやかに盛り上がる感じ。そして、後ろで微かに聞こえるキラキラとした音を確実にすべて拾いきるレンジの広さ。宇宙を思わせる音場感。…まさに「これを待っていた」と唸らせてくれる再現性の高さは圧巻。AirPods Maxは、最高のアニソンホンだったのかも!?
AirPods Maxと一緒に聞いてほしい楽曲の3曲めは、PassCodeの『SPARK IGNITION』をセレクト。
テンポも速く、手数も多いので、キレと解像感を持たないヘッドホンだと音が潰れがちなイメージ。でも、AirPods Maxなら余裕でクリア。バスドラムのキレの良いアタック感とシンセのキラキラ感、これらをAirPods Maxだと余すことなく鳴らしきってくれました。繊細な曲よりも音数の多いパワフルな曲のほうが、AirPods Maxの性能がより発揮されている予感。
AirPods Maxと一緒に聞いてほしい楽曲の4曲めは、Ava Maxの『My Head & My Heart』をセレクト。
力強いアタックはありつつも、くぐもった感じがなく非常にクリアでキレ味も抜群。言うなれば、AirPods Maxのパワフル&ソリッドをこの曲では体感することができる。空間表現も上手で、立体感のある音場感で包み込まれるようなサウンドなのもさすが。
女性ボーカルのハードロックとか、とにかく情報量の多いアニソンと一緒に使いたいって感じかも!?
ここがすき!
世界最高峰のノイズキャンセリング性能
上を見ればキリがないヘッドホンの世界。AirPods Maxの音質もかなり良い線をいっているのですが、これがトップかと聞かれると…なところ。しかし、AirPods Maxがトップと言い切れるものが1つある。それが、ノイズキャンセリングの性能。
今までノイズキャンセリング搭載ヘッドホンを複数使ってきましたが、間違いなくこのAirPods Maxのノイズキャンセリング性能が抜けています。Bose Noise Cancelling Headphones 700やSony WH-1000XM4もかなり優秀なノイズキャンセリング性能を誇っているので充分満足できるレベルなのですが、それを当然のように超えてきたのがAirPods Maxだった、というわけです。
このAirPods Maxのノイズキャンセリング性能は凄まじく、ノイズキャンセリングされにくいとされている、人の声をかなりカットしてくれています。この性能なら、テレワーク時に欲しい“無音空間”を生み出すことができるでしょう。
無の境地ですわね。
…え!?
ハードとソフトの音質融合
オーディオメーカーではなく、スマートデバイスを垂直統合で開発しているAppleらしい面白さなのが、高音質化へのアプローチにオーディオ“以外”の手法を多く用いているところがあります。
コンピュテーショナルオーディオやアダプティブイコライゼーションのような、機械学習を用いた高音質化へのアプローチというのは、やはりスマートデバイス用のSoCを自社開発できるという土壌があってこそ。だからこそ、ノイズキャンセリングやヒアスルーの性能の高さも含めて、左右にBluetooth SoCを1つずつ搭載している贅沢仕様に意味があると感じるわけです。
今まで、Bluetooth SoCというのは、音に変な味付けをする“雑味”的な要素が多いと思っていました。しかし、AirPods Maxのハードとソフトの融合による高音質化を感じると、そういう先入観も取り払われた気がしています。それくらいに、Bluetooth SoCに意味をもたせたヘッドホンであるというわけです。
交換が容易なイヤーパッド
地味に嬉しい点として、イヤーパッドの交換がマグネット方式で容易なことがあります。これならメンテナンス性も高く、より末永く使えるはず。余談ですが、AirPods Maxでは『イヤークッション』と呼ばれています。
ただ、この肝心のイヤーパッド(イヤークッション)の価格が、約7,000円とお高いのがネック。ヘッドホン自体もプレミアムですが、AirPods Maxはイヤーパッドもプレミアムなのです……。
これはボッタク……。
…こらっ!
ここがうーん?
汚れたら最後なラバーコーディング
まだ大丈夫なのですが、ヘッドパッドのラバー部分が汚れたら取れなさそう、ということを懸念しています。あと、AirPods Max with Smart Caseも、すぐ汚れそうな予感……。
AirPods Max with Smart Caseの素材は、『MagSafeデュアル充電パッド』のそれと同じ感じなので、汚れによっては色素沈着して取れなさそうな予感。とはいえ、AirPods Max with Smart Caseはケースなので、気にしても仕方がない。問題はAirPods Max本体がどれだけ汚れるのか…のみ。
外で使うときには、汚れを覚悟するか…やね。
有線接続は超オマケレベル
AirPods Maxは、こっそりと有線接続にも対応しています。なので、飛行機内や病院のような、Bluetoothをオフにすることが求められるシーンでも利用可能。ここまでは問題ナシ。
ただ、その肝心の有線接続なのですが、専用の『Lightning - 3.5mmオーディオケーブル(1.2m)』しか受け付けない仕様。以前にサードパーティ製のケーブルでも有線接続できるのでは…と試したのですが、結果は全滅。要するに、AirPods Maxをワイヤードヘッドホンとして使いたいのであれば、必然的に純正のオーディオケーブルを買う必要があるのです。そう、そんな条件付きなのに付属しないという罠。
百歩譲って別売りなのは気にしないことにしても、ケーブルが純正縛りになっているので、ワイヤード時の音質強化も見込めないのが悲しい。しかも、純正のオーディオケーブルは細身で取り回しこそ良いのですが、音も見た目どおりに細くなってしまうのが痛い。接続もLightningと特殊だし、サードパーティ製品がダメなので、これ以上はどうすることもできない詰み状態になっています。
基本的にワイヤレスで使って、というAppleのメッセージでしょうね。
オーディオ製品のような…そうじゃないような仕様だよねー。
空間オーディオは限定的
期待されている『空間オーディオ』ですが、まだ使える条件がかなり限られているのも惜しいポイント。とはいえ、これは時間とともに解決していくはず。なので、気にはなるけど、そこまで気にしても今は仕方ないのかなと思っています。
それと同時に、Apple TV+のコンテンツがもっと増えてほしいところ。オリジナルコンテンツも日本人受けするのが少ない印象なので、なんとか充実してもらえたらと願いたい。ちなみに、『スヌーピー 宇宙への道』という動画が非常に好きなので、まもなく配信される『The Snoopy Show』にも個人的には期待しています。
わたしは、Billie Eilishのドキュメンタリー『Billie Eilish: The World’s A Little Blurry』待ちであーるっ!
うん、聞いていないんやけどね!
まとめ「テクノロジーを感じるデジタルなANCヘッドホン」
そういうわけで、Apple『AirPods Max』のレビューを総括すると…
- 業界の頂点に立つノイズキャンセリング性能
- とにかく着けている感のないヒアスルー機能
- アナログとデジタルの両側面から高音質化を図る面白さ
- 汚れそうなので気をつけて使いたい
- 空間オーディオの本領発揮はまだ先になりそう
という感じ。
このAirPods Maxを通じて音楽を聞いていて思ったのが、“高音質”とは何なのかというもの。ドライバーやケーブルなどの物理的な部分がそうさせるのか、機械学習やソフトウェアなどの仮想的部分がそうさせるのか。そういう疑問を投げかけてくれる意欲作のように感じています。
正直、音質という点だけをピンポイントで見ると、コストパフォーマンスは良くはないでしょう。ただ、ノイズキャンセリング性能やその他のテクノロジーを含めれば、ちょっと高いか妥当というイメージ。そこをどう思うかが、AirPods Maxを買うべきか否かのポイントだと思います。
めっちゃおすすめ!…とは言いづらいけど、買うと新たな出会いができる新時代のテクノロジー系ワイヤレスヘッドホンって感じがするやよ!
おまけ
買ったのはわたしなんだけどねー。なんだけどねー。
もう返すから大丈夫やって!
価格が価格ですから必死ですわね……。
おわり
無音を感じられるANC性能と解像感のある音質が良い感じ!
オーディオ機器と考えるとコストパフォーマンスが悪いのが気になる……。
…そんな感じの感想やね!