- Sony『360 Reality Audio』は“酔う”ぐらいの立体音響だった!
- 耳の写真をアプリで撮影するだけで簡単に個人最適化が可能!
- 邦楽しか聞かない人からすると現時点では楽しめないかも!
対応アプリと曲が増えてほしい!
先日発売されたSony『WF-1000XM4』で、立体音響技術『360 Reality Audio』を使ってみました。思った以上に立体感が…凄い!
問題はコンテンツ量ですわね。
mora qualitasも対応してほしいよねー。
目次
360 Reality Audioの基礎知識
本題に入る前に、まずは少しだけ『360 Reality Audio』についてのおさらいをしておきます。
『360 Reality Audio』とは?
360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)概要紹介【ソニー公式】 - YouTube
『360 Reality Audio』とは、Sonyが提供している立体音響技術。
音のイメージは、立体的な球体空間に包み込まれているような感じでリスニングが楽しめる、という感じ。この技術を用いて楽曲を作ると、音の位置関係や角度の情報を、より自由に配置したり動かしたりすることができるそうです。音の立体度で言うなれば、 ステレオ → サラウンド → 360 Reality Audio …という感じでしょうか。
詳細については、Sony公式の360 Reality Audioプロモーション動画を参照してみてください。
対応アプリ・対応機器
Amazon Music | Deezer | nugs.net | ||
対応プラン | Amazon Music HD | Deezer HiFi | nugs.net HiFi | |
対応機器 | スピーカー | ○ | ○*1 | ○ |
ヘッドホン イヤホン |
× | ○ | ○ |
360 Reality Audioの対応アプリと対応機器
*1対応予定
360 Reality Audioに対応した音楽ストリーミングサービスと、各種サービスにそれぞれ対応した再生機器については上表のとおり。現時点では、3つの音楽ストリーミングサービスで提供されています。
ここで気をつけたいのが、『Amazon Music HD』で提供されている360 Reality Audioに関しては、ヘッドホン・イヤホンでは利用できないということ。今後は対応させてくるとは思うのですが、現時点ではスピーカーのみ対応、ということになっています。
したがって、ヘッドホン・イヤホンで360 Reality Audioを利用したい場合は、『Deezer HiFi』か『nugs.net HiFi』に加入することになります。
『nugs.net HiFi』は、UIがすべて英語になっており、配信音源も洋楽のみで邦楽はありません。なので、ヘッドホン・イヤホンで360 Reality Audioを楽しみたいということであれば、『Deezer HiFi』に加入するのがベターな選択肢になるでしょう。
WF-1000XM4 × 360 Reality Audio
360 Reality Audioについてのおさらいをしたところで、いよいよ本題。
Sonyの完全ワイヤレスイヤホン『WF-1000XM4』と『Deezer』の組み合わせで、360 Reality Audioをしばらく使ってみました。
ちなみに、360 Reality Audio認定のSony製ヘッドホン/イヤホンであれば、スマートフォンアプリ『Sony | Headphones Connect』を使って、立体音響の個人最適化を行うことができます。
なので、今回は個人最適化を行ってから、360 Reality Audio対応の音源を聞いてみます。
これで聞く準備おっけーやね!
縦の音場感が劇的に広がる
さまざまな楽曲を聞いてトータルで感じたのは、360 Reality Audioは縦の音場感がとにかく広がるということ。
360 Reality Audio対応の音源は、通常の音源では感じることのできないくらい、全方位に広い音場感を提供してくれています。なので、楽曲によっては頭がグワングワンして酔いそうになってしまいました……。
それくらいに縦方向の立体感が増しています。おそらく、体調が悪いときには聞かないほうがよさそう。実際には違うのかもしれませんが、本当の最初の1曲めは“3D酔い”っぽい感じに陥ってしまいました。もちろん、曲によりけりですが、酔うくらいの3次元的立体音響なのです。
ライブ音源こそ真価を発揮
通常のDeezer HiFi音源と360 by Deezer対応音源を、交互に数曲聴き比べしたのですが、360 Reality Audioらしい立体感をより感じやすかったのが、ライブ音源を聞いたとき。
元がライブ音源なので、当然ながらスタジオで録音したものよりも臨場感が出てくるわけなのですが、これを360 by Deezerで聞くと、従来のライブ音源が平面的に聞こえてしまうレベル。それくらいに立体感が増し、より広い音場体験ができるように感じました。
その中でも、とりわけ立体感が増していると感じたのが、オーディエンスの歓声やボーカルと各楽器隊の距離感。
従来のライブ音源をイヤホンで聞くと、演奏している音とオーディエンスの歓声が近い距離から鳴っている感じ。それらがより明確に分離されており、ありがちな言い回しなのですが、より実際のライブっぽくブラッシュアップされています。
アプリは『360 by Deezer』
今回はDeezerを利用したのですが、通常音源は『Deezer』アプリ、360 Reality Audio対応音源は『360 by Deezer』アプリ、と明確にアプリが分けられていました。
アプリに関してはここで話すことではないのですが、ちょっと気になった点なので少しだけ。
こうやってアプリが分けられているのは、どれが360 Reality Audio対応なのかを認識しやすくなるので嬉しいところ。ただ、このためにアプリを別途インストールするのは面倒だったりも。また、360 Reality Audio対応の楽曲が少ないため、結果的にDeezerと360 by Deezerを行ったり来たりする羽目になるのが難。
2つのアプリに分けるのは、UX的にちょっとどうかな…とは思ってしまうところ。できれば、Deezerアプリ内に360 by Deezer対応楽曲を内包して、絞り込みで探せるようにしてほしかったりします。
360 by Deezerの使い勝手も微妙なんよね。
とにかく曲の検索性が悪くて、SpotifyやApple Musicを普段使っているユーザーからすると、悪い意味で驚いちゃうかも……。
要ブラッシュアップですわね。
利用した感想の総括
立体音響にハマる
実際に体験してみないと、この凄さを伝えることができないのが残念なのですが、とにかく360 Reality Audioは素晴らしいものを持っています。この手のソフトウェア的な音響技術を敬遠する人は一定数いるとは思うのですが、一度は騙されたと思って使ってほしいところ。
360 Reality Audioの立体音響技術は、どのスマートフォン、どのヘッドホン・イヤホンでも対応しているので、イニシャルコストはほぼありません。ただ、360 Reality Audioの真価を発揮するためには、個人最適化できるSony認定のヘッドホンである必要があります。
360 Reality Audio認定モデルのヘッドホン・イヤホンだと、今回の『WF-1000XM4』を含めて、『WI-1000XM2』・『WH-1000XM4』・『h.ear on 2』…など、結構バリエーションが豊富。1万円代から購入可能な安価な製品もラインナップされているので、思っている以上にすぐに導入できます。
コンテンツ不足が難
対応アプリが、『Amazon Music』・『Deezer』・『nugs.net』の3つのみ。しかも、ヘッドホン・イヤホンでは、Amazon Musicで360 Reality Audioが使えないということからもお察しですが、圧倒的にコンテンツが不足している感は否めません。
360 Reality Audio対応楽曲に関しては、時間とともに増えてくるとは思うので、これ自体はそこまで気にはしていません。ただ、360 Reality Audioのために、わざわざDeezer HiFiを契約するのを、人に薦めるかと言われると…微妙なところ。
Deezerで配信している楽曲がかなり洋楽寄りということもあり、360 by Deezerで邦楽がどれだけ増えるのかが懸念点。このあたりは、Amazon Music HDの360 Reality Audioがヘッドホン・イヤホンに対応すれば話は変わってくるのですが、現時点では360 Reality AudioのためにDeezer HiFiを契約するのは、ちょっとお金がもったいない気もします。
まとめ「洋楽好きなら試す価値アリ」
Sonyの立体音響技術『360 Reality Audio』は非常に完成度が高く、そこまで音楽に興味がない人でも、通常音源との明確な違いを感じることができるでしょう。なので、好きな人はとことん好きになるはず。
ただ、どうしても対応アプリが少ないのと、圧倒的コンテンツ不足なのがネックになってきます。
ヘッドホン・イヤホンだと、Deezerとnugs.netしか対応していないので、邦楽で360 Reality Audioを楽しみたい人からすると、加入はしたけど全然楽しめなかったとなりそうな予感。洋楽派でもコンテンツ不足だと思うくらいなので、邦楽派はなおさらでしょう。
お試しキャンペーン中に体験する…っていうのがベターかな!?
おまけ
『Deezer HiFi』を契約したんやけど、これで契約中の音楽ストリーミングサービスが3つになっちゃうんよね……。
かなりもったいないことになってますなー。
そうなんよね。
でも、どれかを削れって言われると、それはそれで悩ましいんよね。
音楽ストリーミングサービス選びも大変ですわね。
おわり
WF-1000XM4ユーザーは試してほしい!
…けど、対応アプリと対応楽曲が少ないんよねぇ。