- 有線でも無線でもハイレゾで聞ける素晴らしさ!
- 音質も癖が少なく万人受けしやすい!
- ノイキャンもアンビエントも完全体へ進化!
ネックバンド型イヤホンの最高峰、ここに降臨。
ハイレゾ対応・ノイキャン搭載なBluetoothイヤホン、Sony『WI-1000XM2』をレビュー。すっかり完全ワイヤレスイヤホンブームな昨今。…ただ、そんなブームを一蹴するかのようなネックバンド型イヤホンが登場。とにかく見てほしい、この実力を。
まさに…全部盛りですわね。
おおっ!熱盛!?
Sony『WI-1000XM2』って?
- 圧倒的なノイキャン性能。
- 大納得の高音質。
- 超優秀なアプリ。
- リモコンが使いやすい。
- 有線も無線もハイレゾ対応。
- DSEE HXが超強力。
- 高級感がもう少しほしい。
- USBポートのキャップ不要。
- ケースが少し大きい。
ネックバンド型イヤホンに、これでもかってぐらい機能と性能を詰め込んだのが、このWI-1000XM2やよ!
本体チェック
WI-1000XM2は、Bluetoothイヤホンの中でも『ネックバンド型』に属するタイプ。
ここ数年、 Bluetoothイヤホン=完全ワイヤレス となってきている感じもしますが、WI-1000XM2ではご覧のように左右をつなぐケーブルが存在しているワイヤレスイヤホンです。
ネックバンドの左(L)部分には、
- USB Type-C
- 3.5mmステレオミニ
- 電源ボタン
があります。
そう、このWI-1000XM2はBluetoothイヤホンでありながら、3.5mmステレオミニケーブル(付属)を使うことによって、有線接続もできるのです。うーん、これは凄いぞ!
ネックバンドの右(R)部分には、
- NFCチップ
があります。
WI-1000XM2はNFCに対応しているので、XperiaやGalaxyなどのNFC対応スマホと一瞬でペアリング可能です。
iPhoneは…お察しやね。(早く機能開放してほしい…)
音量+ボタン | 再生/通話ボタン | 音量-ボタン | カスタムボタン | |
1回押し | 音量アップ | 再生・停止 | 音量ダウン | 任意で設定 |
2回押し | - | 曲送り | - | 任意で設定 |
3回押し | - | 曲戻し | - | 任意で設定 |
長押し | - | 音声アシスタント呼出 | - | 任意で設定 |
WI-1000XM2のリモコン機能。
一番右のカスタムボタンは
- 外音コントロール
- Googleアシスタント
- Amazon Alexa
の3つの中から、アプリ(Headphones Connect)にて任意で設定可能となっています。
WI-1000XM2はBluetoothイヤホンながら、9mmのダイナミックドライバーとバランスドアーマチュアを1機ずつ搭載したハイブリッドドライバー構成。このコンビネーションが高音質のキモとなるわけですね。
また、シェル部分に磁石が内蔵されているので、首からぶら下げたときにブラブラしないようにくっつけることが可能です。
付属品チェック
■WI-1000XM2の付属品一覧
- USB Type-A to USB Type-C ケーブル(0.2m)
- 3.5mmステレオミニケーブル(1m)
- キャリングケース
- ハイブリッドイヤーピースロング(SS・S・M・L)
- トリプルコンフォートイヤーピース(S・M・L)
- 航空機用プラグアダプター
付属品はこんな感じにたっぷりあります。
WI-1000XM2には、
という2つのイヤーピースが付属しています。
普通のシリコンっぽいイヤピが『ハイブリッドイヤーピースロング』で、低反発な素材のイヤピが『トリプルコンフォートイヤーピース』という違いがあります。
注目ポイント
■WI-1000XM2のポイント概要
- ノイズキャンセリング:業界最高クラスという到達点
- アンビエントサウンド:使いやすい外音取り込み機能
- ハイレゾ:有線でも無線でも圧縮音源でもOK
- ドライバー:HDハイブリッドドライバーシステムでレンジが広い
- バッテリー:ノイキャンONでも10時間連続再生
ノイズキャンセリング:業界最高クラスという到達点
WI-1000XM2には『QN1』というノイズキャンセリングプロセッサーが搭載されている。このQN1チップの効果が絶大。
Sonyのノイズキャンセリングは、比較的ナチュラルに消す傾向があると思っているのですが、だからといってノイキャンが弱いわけではない。しっかりとノイキャンしながらも、耳に圧がかかる感じが少ないという感じで、非常に万人受けするノイキャンに仕上がっているイメージ。これならノイキャン特有の圧迫感が苦手な人でも、すんなりと受け入れることができそうです。
ただノイズキャンセリング性能が良いだけでなく、専用コンパニオンアプリ『Headphones Connect』を使うことによって、さらにノイキャンをカスタム可能。
Headphones Connectには、『アクティブサウンドコントロール』と『ノイズキャンセリングの最適化』という2つの設定が可能。
『アクティブサウンドコントロール』では、スマホの加速度センサーを使うことによって、止まっている・歩いている・走っている・乗り物に乗っている、という4つの動作を検出。この検出結果から、最適なノイズキャンセリングと外音取り込みを自動で行ってくれるというもの。
『ノイズキャンセリングの最適化』では、気圧状態を計測してノイズキャンセリングの最適化をしてくれる。
このような細かいノイズキャンセリングのカスタム性、これこそWI-1000XM2の真骨頂というわけなのです。まさにノイキャンギークなイヤホン。
QN1は、本機以外にもSonyの1000Xシリーズで搭載されてるやよ!
アンビエントサウンド:使いやすい外音取り込み機能
ノイキャンとセットになってきているイメージが強い、外音取り込み機能もバッチリ搭載。Sony的には『アンビエントサウンドモード』と呼ぶそうです。
外音取り込み機能自体、そこまで珍しい機能ではなくなってきてますが、WI-1000XM2は使いやすさでいうと群を抜いている。
というのも、WI-1000XM2がネックバンド型イヤホンでかつ、ボタンがケーブル部に独立して存在しているので、分かりやすくかつ一瞬で外音取り込み機能がオンにできるのです。この瞬発力が気持ちいい。
ハイレゾ:有線でも無線でも圧縮音源でもOK
強力なノイキャンと並んでWI-1000XM2の目玉といえる機能なのが、Bluetoothイヤホンながら『ハイレゾ』に対応していること。
…だけじゃなく、なんと!『ハイレゾワイヤレス』にも対応!
つまり、LDACコーデックに対応している音楽プレーヤーやスマホならば、ワイヤレスでハイレゾ音質を楽しめるということなのです。しかも嬉しいことに、Bluetoothイヤホンでありながら有線でも使えるので、DACなどにつないで有線でもハイレゾ音質が楽しめるのです。これぞ至れり尽くせり。
さらにさらに、『DSEE HX』という機能を搭載しており、非ハイレゾ音源でも、ハイレゾ非対応なスマホでも、ハイレゾ相当までアップコンバートしてくれる。
なので、iPhoneユーザーや、Spotifyのような音楽ストリーミングサービスを利用しているユーザーでも、ハイレゾ相当の音質が楽しめるというわけです。そういう意味では、iPhoneユーザーのハイレゾ入門機としてもいいかも。
ドライバー:HDハイブリッドドライバーシステムでレンジが広い
なんと、WI-1000XM2は ダイナミックドライバー1機+バランスドアーマチュア1機 というハイブリッド構成。
ネックバンド型イヤホン。しかも、Bluetooth。そうなると音質よりもカジュアルさ重視のようなイメージがしちゃうが、そこは音のSony。
こんな小さいシェルにハイブリッドドライバーを搭載しており、これによって情報量の多いハイレゾ音源を鳴らしきることができるというわけなのです。
バッテリー:ノイキャンONでも10時間連続再生
WI-1000XM2のバッテリー性能は、
- 最大15時間(NC OFF)
- 最大10時間(NC ON)
- 最大12時間(外音取り込み ON)
となっており、優秀なロングライフバッテリーを誇る。
ノイズキャンセリング機能をオンにしていても10時間も音楽が再生できるので、新幹線や飛行機などの長時間の移動の際にも、バッテリーが切れることなく利用することができそう。
万が一、充電し忘れてしまっても、WI-1000XM2は10分の充電で約80分利用可能な急速充電に対応しているので、非常に心強い。
スマホと違って、家に帰って充電する習慣が根付きにくいイヤホン。だからこそ、充電し忘れも多いはず。そこで活躍してくれるのが、このような急速充電だったりする。あるとないとでは意外と違うものですぞ。
音質チェック
音質評価:★★★★☆
高音域:★★★★☆
中音域:★★★★★
低音域:★★★★☆
音質の評価はDSEE HXのオン・オフでかなり変わってくる感じ。なので、オンの状態とオフの状態とを分けて評価してみます。
DSEE HX“オフ”の状態では、1000Xシリーズらしい癖の少ないニュートラルな音の傾向で、万人受けのするだろう音になっています。
キラキラ感はないが高音域の質・量とも充分。低音域もその他の音域を邪魔しないバランスで奏でてくれます。DSEE HXオフだと、中音域がちょっと出る感じがするので、ボーカルものの楽曲を聞くならこの設定がアリかも。ただ、好みはあるにしても、DSEE HXは基本オンがおすすめです。
DSEE HX“オン”の状態では、オフの状態よりも音場感が体感できるレベルで一気に増します。いわゆる“楽しい音”(でも、作った音な感じは比較的少ない)という感じ。
オンにすると、高音域がキラっとする感じ。搭載されているバランスドアーマチュアドライバーの性能が発揮されて(る気がする)います。オフ状態をカマボコとするなら、オン状態はドンシャリに寄っているイメージかも。
ハイレゾ非対応端末で聞くなら、アプコンできるDSEE HXはオンがおすすめやね!
WI-1000XM2に合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- テクノ系なアニソン。
- ボーカル聴かせる系のPops。
WI-1000XM2は音に癖が少ないので、どんなジャンルの楽曲もソツなく鳴らせちゃいます。そんな優等生キャラなので、特に「この曲が合うよ!」と言いづらかったりも…。言い換えれば、どんな楽曲でもハズレが少ない感じです。
強いて言うなら、アニソンがバッチリ合う感じ!
その中でも、藍井エイルやfripSide、angelaなどのハイトーン系ヴォーカルなアニソンにバッチリばちばちにピッタリ。もし、これらのアーティストの曲をヘビーに聞いているなら、WI-1000XM2を買って、DSEE HXオンにしてノリ良く聞いてほしい。盛り上がること間違いなし!
藍井エイルの『星が降るユメ』と一緒に聞いてほしい!
ここがすき!
使い勝手の良いネックバンド型イヤホン
Bluetoothイヤホンの最近のイメージとして、
完全ワイヤレスイヤホン > ネックバンド型イヤホン
のような印象になってきている気がする。
……「そんなことはないよ!」と声を大にして言いたい!
ネックバンド型イヤホンには、ネックバンド型“ならでは”の良さがあるわけなのです。
例えば、聞きを終わったらケースにしまって…ということも不要。ネックバンド型ならそのまま首に掛けっぱなしでOK。イヤホンマニア的ぶっ飛んだ使い方なら、ネックバンド型イヤホンを首に掛けながら完全ワイヤレスイヤホンを使う、という二刀流までこなせちゃうのです。
完全ワイヤレスイヤホン特有の“音飛び問題”についても、ネックバンド型イヤホンならそこまで心配ナシ。左右のイヤホンは有線でつながっているので、Bluetooth自体はスマホ等と通信するのみ。だから、電波混雑地帯でも、音途切れはありません(JR大阪駅・JR京都駅はTWSだと音途切れが凄い)でした。こういうところに“枯れた”ネックバンド型イヤホンの良さがあったりするわけなのです。
コンパニオンアプリが楽しい
個人的に、Bluetoothイヤホンのキモとなりつつあるのが、コンパニオンアプリ。これがあるとないとでは大違い。
そんなコンパニオンアプリの中でも、SonyのBluetoothイヤホンとコネクトする『Headphones Connect』は、カスタマイズ性抜群で超楽しい。しかも、アップデートでかなり使いやすくなってくれました。
ここがうーん?
もう少し高級感が欲しい
好みが大きく分かれそうですが、個人的には前モデルのほうが高級感があって好み。WI-1000XM2は決して安くないイヤホンなので、もう少し高級感があってもいいかなぁ、と思ってしまいます。
ただ、高級感がそこまでないからといって、作りがチープというわけではありません。しっかりとしたプロダクトの作り込みはあります。なので、そこはご安心を。
USBにキャップ不要
充電に使うUSB Type-Cポート、ここは個人的にはキャップ不要。
キャップをしないとある程度の防滴性を確保できないというのであれば、ちょっとコストが高くなってもいいのでキャップレス防水のようにしてほしかった。
キャップがあることによって、ホコリなどから守られるメリットはあるが、充電に使うということは頻繁に開閉するということでもある。つまり、いつかはキャップがゆるゆるになる可能性大。なので、思い切ってオミットしてもよかったかも。
補足
aptX・aptX HDが非搭載な理由
WI-1000XM2のBluetoothコーデックには、
- aptX
- aptX HD
の2つがありません。つまり非搭載。
この件についてSonyな人に話をちょこっと聞いたのですが、LDAC対応デバイスが増えたことや、iPhoneはそもそもAAC止まりという面から、採用を見送ったそうです。
aptX系自体、チューニングが難しかったり、相性問題が出やすいイメージなので、そこを危惧してという感じかもしれません。どちらにせよ、LDAC非対応のデバイスで音楽を聞く際は、対応コーデックに注目しておくとよいかもしれませんね。
まとめ「有線も無線もハイレゾもノイズキャンも…って、全部盛りイヤホンだ!」
Sony『WI-1000XM2』のレビューを総括すると、
- 有線でも無線でもハイレゾ対応なのは凄い
- DSEE HXで何でもハイレゾ相当化にアプコン
- 音質は癖は少なく万人受けしそう
- ノイズキャンセリングは自然な効き
- 外音取り込み機能も自然な効き
- 高級感と取り回しがプチネック
という感じですね。
全体的に高い完成度を誇っていて、個人的には理想のネックバンド型イヤホンを見つけたと喜んでいます。とりあえずは、ネックバンド型イヤホン沼は抜けられそう…かも。
いつか、WI-1000XM3が出るならば、キャップレス防水で高級感を増したローンチしてほしいですね。そうしたらもっと完璧。
オールマイティーに聞くなら、WI-1000XM2はベストバイやね!
おまけ
実は、Audio-Technicaのノイズキャンセリング搭載ネックバンド型イヤホン『ATH-ANC400BT』も気になってたり…。
な…なんと!
こっちはUSB接続で音楽が聞けるんだよねー?
そうなんやけど、USB接続のときは非ハイレゾという謎仕様なんよね。ただ、マルチポイントは魅力的やし…どっちもどっちなんよね。
…。(“沼”抜けてませんわね)
おわり
…そんな超欲張りさんにピッタリなのがこれやね!