- かわいいデザインなのにハイレゾ級サウンド!
- 急速充電とアプリカスタマイズ可能な実力派!
- 価格がもうちょっと安くなると買いやすい!
WF-1000XM3 - ノイキャン = WF-H800
かわいいデザインが特徴的な完全ワイヤレスイヤホン、Sony『h.ear in 3 Truly Wireless WF-H800』をレビュー。超絶大人気な同社のWF-1000XM3から、ノイズキャンセル機能を取ったような本機。果たして、その実力は……いかに!?
WF-1000XM3との価格差次第ですわね。
でも、ポップでかわいいデザインは良いよねー!
目次
Sony『WF-H800』って?
WF-H800ってなに?
ハイレゾ相当の高音質で楽しめる、カラフルでかわいいデザインが特徴的なSonyの完全ワイヤレスワイヤレスイヤホン。
- どのデバイスでも接続安定化機能が使える。
- ハイレゾ相当のアップコンバート可能。
- とにかくかわいいデザイン。
- iPhoneユーザーには嬉しいAACコーデック対応。
- aptXコーデック非対応。
- 充電ケースのバッテリーが1回分のみ。
- コストパフォーマンスが微妙。
見た目はかわいいのがいいけど、高音質な完全ワイヤレスイヤホンを探してるなら最有力候補…かもやね!
本体チェック
WF-H800のカラーバリエーションは5色(レッド・ブラック・アッシュグリーン・オレンジ・ブルー)で、カラーによって素材の質感が異なるのが特徴的。
サイズは非公表ながら、小型で女性でも装着感が良さそう。重さも7.6gと軽量なのは女性には嬉しいポイント。装着感も独自の『エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー』によって万人受けする仕上がりになっています。
うちは『オレンジ』を選んでみたやよ!とにかくかわいい!!
本体裏面の黒い部分は近接センサーになっており、イヤホンの着け外しに連動して、音楽や動画が再生・停止される仕組みになっています。最近では近接センサー内蔵の完全ワイヤレスイヤホンが増えてきたので、このポイントを抑えているのはかなり高評価。
■インターフェース
- リモコンボタン
WF-H800は非常に嬉しい“物理”リモコン搭載。上位機種に相当するノイキャン搭載のWF-1000XM3は、タッチセンサーのボタンだったので、誤動作がたびたびありました。なので、見た目は普通チックになっちゃいますが、意外とWF-H800のような物理ボタンのほうが使いやすかったりします。
左 | 右 | |
1回押し | 音量アップ | 再生・停止 |
2回押し | - | 曲送り |
3回押し | - | 曲戻し |
長押し | 音量ダウン | ボイスアシスタント起動 (Siri・Google Assistant) |
WF-H800のリモコン機能。
※デフォルト設定の場合。アプリ(Headphones Connect)で割り当て変更可能。
WF-H800のリモコン機能が上表のとおり。
こちらはデフォルト設定で、専用コンパニオンアプリ(Headphones Connect)で、キーアサインの割り当てを変更可能。使いやすいだけでなく、リモコン機能自体もかなり充実しています。
特に、音量調節できる完全ワイヤレスイヤホンは少ないから、ポイント高めやと思う!
充電ケースの素材感もイヤホン本体と同様に、カラーによって異なる質感になっています。今回購入したオレンジではマットな感じ。ちなみに、充電中は赤いランプが光るようになっています。
ケース自体が丸くコロンとした感じで小さく、ケースが大きいと言われていたWF-1000XM3と比べてもかなり小さくなりました。AirPods Pro…とまではいかなくても、ぼちぼちコンパクト。
上面には我ら(?)が“SONY”なロゴがプリント。
■インターフェース
- USB Type-C ×1
イヤホンケースの充電には、もはや当たり前の『USB Type-C』を採用。ただ、残念ながらワイヤレス充電規格であるQiには対応しておりません。Sonyさん、対応してくれないかなぁ……。
Qiに対応するだけで、かなりセールスポイントになると思うんやけどね…。
付属品チェック
■WF-H800の付属品一覧
- 取り扱い説明書
- USB Type-A to USB Type-C ケーブル(約20cm)
- ハイブリッドイヤーピースロング(SS・S・M・L ×2)
イヤーピースは最近のSony激推しの『ハイブリッドイヤーピース』。
なんと凄いことに、本体カラーによってイヤーピースのカラーも変わること。イヤーピースのカラバリまで用意するなんて…さすがSony。
注目ポイント
■WF-H800のポイント概要
- DSEE HX:SpotifyもNetflixもハイレゾ相当にアプコン
- 左右同時伝送方式:どのDAPでもスマホでもTWS Plusが舞い降りた
- クイック充電:10分で70分再生可能な急速充電対応
- Headphones Connect:専用アプリで遊べる使える
DSEE HX:SpotifyもNetflixもハイレゾ相当にアプコン
これぞSonyなポイントなのが、『DSEE HX』という高音質化機能。
このDSEE HXとは、CD・MP3・ストリーミングアプリ・動画などの圧縮音源の高音域を補完し、最大96kHz/24bitのハイレゾ音源相当までアップコンバートしてくれるという機能。これが実に現代のストリーミング時代にマッチしている。
このDSEE HXがあることによって、圧縮音源であるSpotifyやApple Musicの楽曲もハイレゾ相当で聞けちゃうのです。オーディオマニアからしたら邪道な機能かもなのですが、実際に使ってみるとクセになるおすすめの機能。
特にハイレゾコーデックに非対応なiPhoneでの恩恵は大きく、今までiPhoneでのBluetoothの高音質化を諦めていたライトユーザーには、非常に使える機能になっています。なので、こだわりがないのであれば、DSEE HXは常時オンがおすすめ。
音のSony…って感じの本格派機能やね!
左右同時伝送方式:どのDAPでもスマホでもTWS Plusが舞い降りた
WF-1000XM3で(個人的に)感動した、デバイス依存のないTWS Plus。これが、WF-H800でも搭載されている!これはかなり高評価かつ嬉しいポイント。
完全ワイヤレスイヤホンの左右同時転送技術といえば、Qualcommの『TWS Plus』が非常に有名なはず。ただ、このTWS Plus、スマホのSoC縛りが強く(Snapdragon 845/855等でないと使えない)て実際には使えないユーザーが大半。
対して、このSony独自の左右同時転送方式では、どのスマホでもどのDAPでも、TWS Plusのような機能が使えるのです。そう、再生デバイスに依存しない。だから、iPhoneでもWALKMANでもTWS Plus(的な機能)が使えるということ。
そういうわけで、このWF-H800では、かなりBluetoothの接続が安定してくれます。特に都会のターミナル駅のような、完全ワイヤレスイヤホンにとっての“魔境”でも、Bluetoothが見失うことがかなり少なかったです。
完全ワイヤレスイヤホン慣れしているユーザーなら気にならないかもですが、完全ワイヤレスイヤホン初心者だと、このBluetoothの音切れや音ズレは不安だし気になるはず。そういう意味では、WF-H800は初心者フレンドリーなシステムになっていると言えるでしょう。
クイック充電:10分で70分再生可能な急速充電対応
このWF-H800のバッテリーは、イヤホン単体で8時間。ケース込で16時間。おそらく、毎日充電するユーザーなら何ら不足はないスペック。そう、毎日充電する…なら!!
毎日充電するのが面倒で、使いたいときにバッテリー切れを起こしているのが、この完全ワイヤレスイヤホンだったりします。そこで役に立つのが、この僅か10分の充電で、70分の音楽再生が可能になるという『クイック充電』機能。これなら充電無精なズボラさんでも安心。
急速充電に対応しているって、意外と大きなポイントなんよね。
音質チェック
音質評価:★★★☆☆
高音域:★★★☆☆
中音域:★★★☆☆
低音域:★★★★☆
WF-1000XM3 - ノイズキャンセル機能 = WF-H800
というイメージになりがちだが、音の傾向は別方向に仕上がっている。
音の傾向としては、ややドンシャリ傾向でノリが良い感じ。WF-1000XM3と比較されがちでコスパが悪い印象を持たれがちですが、音に関して言えば、しっかり価格に見合った音は鳴らしてくれます。特に低音域はなかなかに良い感じ。
低音域の主張がそれなりにある音質ですが、しっかりと高音域の伸びが感じられるのはSonyらしい感じ。というか、「あー、Sonyの音だなー」と一聴して思うくらいにSonyライクな音。なので、Sony好きには結構合う音質かもしれません。いわば、万人受けするノリの良さ重視のチューニング。個人的にはもう少し、キレのある高音域が出てくれると好きかも。
DSEE HXのオン・オフでも音質が変わってくるのも、遊べるポイントだし、いろいろ遊び甲斐がある完全ワイヤレスイヤホンな感じがするやよ!
WF-H800に合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- シャキシャキなクラブ系Pops。
- ノリの良いバンド系Pops。
全体的にノリが良いサウンドを奏でてくれるので、クラブ系音楽やハードではないバンド系の音楽が合いそう。JazzとかClassicよりは、Rock・Pops・Hip-Hopのようなスピード感とテンポ感を楽しむのによさそうです。
Sonyがプロモーションしているiriの『Sparkle』…ではなく(ごめんね)、個人的にDAOKOを聞くのにおすすめ。
打ち込み系の高音域・低音域と女性ボーカルの中音域。このミックス加減と絶妙な分離感が、このWF-H800にバチッとハマるはず。夜の都会を歩きながら、DAOKOをWF-H800で聞く…なんてカッコよくないですか?
うち的には、『THANK YOU BLUE』に収録されている『Juicy』。あとは、『御伽の街』がおすすめの楽曲やよ!
ここがすき!
音量調節ができるリモコン機能
WF-H800は個人的に大好きな物理ボタン。しかも、音量調節もOK。さらに、専用コンパニオンアプリ(Headphones Connect)で、割り当てまで変更可能。
楽曲やアプリによってボリュームがバラバラなことが常なので、音量調節はサクッとしたい。だけど、意外と完全ワイヤレスイヤホンでは音量調節できないことが多い…。そんなフラストレーションをブレイクスルーしてくれる、WF-H800のリモコン機能は素敵でエモい。
iPhoneでもTWS Plusが使える
前述したように、最近の完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードになっている、接続安定化技術『TWS Plus』ですが、対応デバイスがかなり少ないのがネック。もちろん、Snapdragon非搭載のiPhoneはTWS Plusの蚊帳の外…でした。(iPhoneユーザーにはAirPods Proがあるけどね)
そこで颯爽と登場するのが、WF-H800のSony謹製の左右同時伝送方式。
本当にこれはiPhoneユーザーにはありがたい機能で、iPhoneでBluetoothの接続安定化を気にするならば、このWF-H800はかなり有力な候補に入ってくるはず。もっと言えば、WALKMANユーザーで完全ワイヤレスを選ぶならWF-H800かWF-1000XM3がベスト。
ここがうーん?
外音取り込み機能非搭載
ノイズキャンセル機能がないのは分かるのですが、それと一緒に外音取り込み機能もオミットされてしまったのは悲しい……。
せっかくの多機能な完全ワイヤレスイヤホン。しかも、この価格帯では珍しいポップでかわいいデザインなのだから、せめて外音取り込み機能は入れてほしかったところ。ノイズキャンセル機能は仕方ないにしても、こっちは残念すぎる。
強気の価格設定
どうしてネックになってくるのが価格。先発のノイズキャンセル機能の上位機種『WF-1000XM3』と数千円しか変わらない価格設定は、強気のひとこと。お世辞にもコスパ良好とは言えないのが現状。
おそらく、発売後しばらくすると価格も落ち着きそうですが、今の段階だとWF-1000XM3を選ぶ人が大半な気が……。
まさか、WF-1000XM3の価格を維持するために出た機種……やないよね!?
まとめ「遊べる感の強いポップなフルワイヤレス」
このWF-1000XM3のレビューを総括すると、
- ポップでかわいいデザイン
- 物理ボタンと音量調節は神
- 急速充電はあるけどQiはないよ
- 意外と音質はドンシャリ傾向
- 再生デバイスを選ばない接続安定化
という感じ。
かなりバランスが取れている機種でおすすめ…と言いたいけど、やっぱり価格が高い。2万円台前半はボリュームゾーンなので、すぐに19,800円とかになりそうな気も。正直、WF-1000XM3の価格暴落を避けるために投入された機種なのでは、と邪推してしまうくらいに絶妙に微妙な価格設定。1万円台なら、もっとおすすめできるのに…。
去年の今頃出てたなら…って思っちゃうんよね。
おまけ
やっぱり、価格設定が強気すぎるよねー。
うーん、WF-H800が出ちゃったから、WF-1000XM3の価格が暴落することもなくなったし、難しいところやね。
良くも悪くもSonyのマーケティングは上手ですわね。
それに尽きる気がするなぁ…。
おわり
全体的に良く出来てるけど、ちょっとコスパは微妙かなぁ…。