【レビュー】Apple『AirPods Pro』—芸が細かく正当進化したノイキャン搭載TWS

【レビュー】Apple『AirPods Pro』—芸が細かく正当進化したノイキャン搭載TWS
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記事のポイント
  • Appleが完全ワイヤレスイヤホンで本気を出した!
  • ノイキャンも外音取り込みも性能が高い!
  • ちょっとお高めだが買う価値は多いにアリ!

意外とノイキャン…凄いゾ!

突如現れたApple謹製ノイキャン完全ワイヤレスイヤホン、Apple『AirPods Pro』をレビュー。AirPodsの快適さをそのままにブラッシュアップした本機。音質・ノイズキャンセリング性能・機能…まるっとチェックしてみます。

さたえり

Bose・Sonyに続く、ノイズキャンキングになるかも!?

二条ねこ

ほえ!?
そんなにノイズキャンセリング性能良かったのー?

さたえり

そうなんよ。完全にナメてたかも…!凄い効く!!

【レビュー】Apple『AirPods Max』:ノイズキャンセリングは最高だがクレイジー

【レビュー】Apple『AirPods Max』:ノイズキャンセリングは最高だがクレイジー

2021年1月8日

Apple『AirPods Pro』って?

Apple『AirPods Pro』全体画像。

Apple『AirPods Pro』全体画像。

8
  • 音質がAirPodsより大幅向上。
  • ノイズキャンセリングが超効く。
  • 外部音取り込みモードがエモい。
  • 充電ケースがかなりコンパクト。
  • 機能の作りが非常に細かい。
  • 従来よりも操作性が向上した。
  • 充電ケースが傷つきやすい。
  • 同価格帯のTWSよりは音質が劣る。
  • 賛否が分かれそうなLightning。
さたえり

ちょっと価格が高くても大丈夫。
音質よりも機能性を重視したい。
そんな人に合いそうな完全ワイヤレスイヤホンやね!

スペック表
製品名 AirPods Pro
型番 MWP22J/A
メーカー Apple
オーディオ性能 ドライバー ダイナミック(?mm)
再生周波数帯域 非公表
インピーダンス 非公表
Bluetooth性能 Ver. Bluetooth 5.0
コーデック 非公表
プロファイル 非公表
バッテリー 本体:最大5時間(NC OFF)
本体:最大4.5時間(NC ON)
本体+充電ケース:24時間以上
インターフェース Lightning
サイズ 本体:21.8×24.0×30.9mm
充電ケース:60.6×21.7×45.2mm
質量 本体:5.4g
充電ケース:45.6g
備考 耐汗耐水性能(IPX4)
Qiワイヤレス充電対応
Apple H1(System in Package)搭載

本体チェック

AirPods Pro本体表面。

AirPods Pro本体表面。

AirPods Proは、従来のAirPodsに比べてノズルが短くなり、うどんっぽさはなくなりました。デザインは好みが出そうな感じではあるが、以前より万人受けするようになったはず。

 
1回押し 再生・停止
2回押し 曲送り
3回押し 曲戻し
長押し 割当機能¹

AirPods Proのリモコン機能
¹Bluetooth設定で『ノイズコントロール』・『Siri』の割当可能。

AirPods Proのノズル(少し凹んだデザインをしている部分)はリモコンになっており、ギュッと摘むことによりリモコン機能が作動します。
以前のAirPodはハウジング部分をタップしてリモコン機能が作動していましたが、今回のAirPods Proでは“摘む”動作が必要になりました。ちょっと手間に思えるかもしれませんが、おかげで誤作動がかなり減るようになっています。

AirPods Pro本体裏面。

AirPods Pro本体裏面。

AirPods Proの裏面には、おなじみの近接センサーがあります。
この近接センサーのおかげで、イヤホンの着け外しを感知し、自動的に音楽が再生・停止するようになっています。従来のAirPodsユーザーなら周知の機能なはず。

AirPodsからの変更点として、一見して分かるように『カナル型』に変更されています。なので、遮音性がグッと向上しています。これならリスニング用途でもバッチリ!

AirPods Pro充電ケース表面。

AirPods Pro充電ケース表面。

充電ケースの表面には、

  • バッテリーインジケーター

があります。

AirPods Pro充電ケース裏面。

AirPods Pro充電ケース裏面。

充電ケースの裏面には、

  • ペアリングボタン

があります。

ケース自体は、AirPodsを横長にした感じ。デザインも踏襲されています。

AirPods Pro充電ケース下側面。

AirPods Pro充電ケース下側面。

充電ケースの下側面には、

  • Lightning

があります。

そう、今回もUSB Type-Cではなく、Lightningです。

さたえり

iPhoneユーザーが使うわけだし、Lightningで良いっちゃいいけど…やんね。人によっては、USB Type-Cのほうがよかったかも?

付属品チェック

AirPods Pro付属品一覧。

AirPods Pro付属品一覧。

■AirPods Proの付属品

  • シリコーン製イヤーチップ(3サイズ)
  • Lightning - USB-C ケーブル
  • マニュアル

AirPods Proはカナル型になっているので、イヤーチップが3サイズ(S・M・L)付属しています。

AirPod Proのイヤーチップは独自仕様で互換ナシ。

AirPod Proのイヤーチップは独自仕様で互換ナシ。

イヤーチップの口径や形状がかなり特殊(というか専用)になっているので、ComplyやSpinFitは使えません。ただ、元のイヤーチップのフィット感がかなり良いので、交換しないといけない…ということにはならないはず。

注目ポイント

■AirPods Proのポイント概要

  • アクティブノイズキャンセリング:想像以上の静寂を授かった
  • 外部音取り込みモード:今まで一番現実的で会話もできる
  • 防水性能:あると安心な耐汗耐水性能
  • Qi:ワイヤレス充電はとにかく便利
  • Apple H1:超低遅延と圧倒的操作性

アクティブノイズキャンセリング:想像以上の静寂を授かった

想像以上のノイズキャンセリング性能。

想像以上のノイズキャンセリング性能。

「Appleがノイズキャンセリング…!?」と思ってしまうが、想像以上のノイズキャンセリング性能で一聴して驚くはず。
Appleでいうところの『アクティブノイズキャンセリング』は、内と外に2つマイクロフォンがあり、そのコンビネーションでノイキャンするというもの。このノイキャンが非常にナチュラルにかつ強力に効く。まさに“Appleの本気”と唸った。

Sonyのノイキャン完全ワイヤレスイヤホン(WF-1000XM3)に比べると、ノイキャンのかかり方が違う感じ。
Sony WF-1000XM3が“ふわっと”ノイキャンだとしたら、AirPods Proは“ピーン”としたノイキャン。伝わりにくいですが、WF-1000XM3よりもAirPods Proのほうがエッジが効いたノイキャン具合(毎秒200回の調整だとか!)です。単純なノイズキャンセリング機能の効きは…AirPods Proの勝ちかも

外部音取り込みモード:今まで一番現実的で会話もできる

AirPods Proを装着したままでも会話可能なレベル。

AirPods Proを装着したままでも会話可能なレベル。

他社のノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドホン、完全ワイヤレスイヤホンでも『外音取り込み機能』が搭載されているものはある。AirPods Proは、そんな外音取り込み機能(Apple的には『外部音取り込みモード』)の中でも群を抜いている。

平均的な他社の外音取り込み機能は、無理やりマイクから拾っている感じがして、駅や空港のアナウンスを聞くのには使えるが、会話には使えない感じでした。なんというか…ボワボワした感じ。

2つのマイクが『外部音取り込みモード』を効果的にしてるかも?

2つのマイクが『外部音取り込みモード』を効果的にしてるかも?

AirPod Proの『外部音取り込みモード』は、そんなネガティブなイメージは皆無。
Apple的に言っている、内と外の2箇所のマイクが効果的なのかもしれない。外音取り込み機能を使っての構内アナウンスはもちろん、会話だって全然できちゃうナチュラルさでした。意外とこれが衝撃的だったかも。

防水性能:あると安心な耐汗耐水性能

防水…ではなく耐水!

防水…ではなく耐水!

先に言っておくと、AirPod Proの防水性能は
IPX4
となっていて、“防水”ではなく“耐水”です。そこに注意。

防水保護等級 0 1 2 3 4 5 6 7 8 -
種類 - 防滴I形 防滴II形 防雨型 防まつ型 防噴流型 耐水型 防浸型 水中型 防湿型
お風呂の利用 - - - - - -

IP規格の等級別耐水・防水性能。

IP規格と照らし合わせると、AirPod Proは防まつ型になるので、ワークアウト時の汗ぐらいなら大丈夫という感じ。ゲリラ豪雨でびしょ濡れは…やばいかも。

耐水であっても、ないよりは安心できるし、耐汗になっていることも頼もしい。経年変化を見ていくしかないが、汗による本体の劣化も少ないかもしれない。外音取り込み機能のクオリティーも高いので、常時外音取り込みONにしてワークアウト…というのもアリ。

Qi:ワイヤレス充電はとにかく便利

他社製のQiワイヤレス充電器でも充電可能。

他社製のQiワイヤレス充電器でも充電可能。

リニューアルされたAirPods(AirPods with Wireless Charging Case)から、Qi規格のワイヤレス充電に対応しているが、このAirPods ProでもQi規格のワイヤレス充電が踏襲されている。

Wireless Charger Duo PadならiPhone 11 Proと同時充電可能。

Wireless Charger Duo PadならiPhone 11 Proと同時充電可能。

AirPods Proのワイヤレス充電は、Apple Watchのような独自規格ではなく、純粋なQi規格。なので、Samsung『Wireless Charger Duo Pad』のような他社製のQi対応充電器でも充電可能。

さたえり

全然関係ないけど、Wireless Charger Duo PadはQi充電器の中でもかなりおすすめやよ!

【レビュー】Samsung『Wireless Charger Duo Pad』—2台同時&急速充電のQiな最高傑作

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2019年8月21日

Apple H1:超低遅延と圧倒的操作性

AACとSBCだけなはずなのに超低遅延。

AACとSBCだけなはずなのに超低遅延。

AirPods Proのコアは『Apple H1(SiP)』というチップ。
このApple H1が凄いのか、おそらくコーデックとしてはAACとSBCだけなはずなのに、とにかく音の遅延が少ない。ラフに音ゲーやレースゲームをするくらいなら、人によっては遅延が気にならないレベル。

リモコン操作が“摘む”動作になり向上。

リモコン操作が“摘む”動作になり向上。

従来のAirPodsではイヤホン本体を“タップ”することによって、リモコン動作を行っていた。ただ、タッチ動作なので誤動作もしばしば…。
しかし、AirPods Proでは、タップではなく軸(ノズル)を“摘む”動作に置き換わった。これで誤動作も少なくなって快適。さらに、摘んだときにカチッとクリック音がフィードバックされるので、非常に分かりやすい。

音質チェック

音質評価:★★★☆☆

音質はオーテクっぽいフラットサウンド。

音質はオーテクっぽいフラットサウンド。

高音域:★★★★☆
中音域:★★★☆☆
低音域:★★★☆☆

最初に断ってくと、AirPods Proの音質は決して悪いものではない。全体的にシャキっとしたサウンドだし、audio-technicaライクな音の傾向が好きな人なら、きっと好意的に思えるはず。

ただ、価格が税込みで約3万円と考えると、同価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの音質と比べてしまうと分が悪い気がした。Sony『WF-1000XM3』のほうが音質的には上かも。もちろん、AirPodsよりは圧倒的に高音質です。

さたえり

曲によって当たり外れが出そうな音の傾向…って感じなんよね。もうちょっと高音域の解像感があると嬉しかったかも!?

AirPods Proに合いそうな曲

AirPods ProにはSHISHAMO!

AirPods ProにはSHISHAMO!

■こんな楽曲が合いそう!

  • ガールズバンド系のJ-Pop。
  • 海外のノリの良いPops。

AirPods Proの音の傾向的に合いそうだと感じたのは、女性ボーカル系でかつノリが良い音楽。高音域のキラキラ感と低音域の塊感が、女性ボーカル系Popsを聞くのにピッタリなはず。

国内アーティストなら『SHISHAMO』、海外アーティストなら『Carly Rae Jepsen』がおすすめ。ボーカルを聞かせるだけでなく、ドラムの塊感が楽しめる楽曲がAirPods Proにはいい感じ。

さたえり

SHISHAMOの『ねぇ、』と一緒にAirPods Proを楽しんでほしい!

ここがすき!

いつでもどこでも快適なノイキャン!

いつでもどこでも快適なノイキャン!

AirPods Proのノイキャン性能と外音取り込み機能は、本当に画期的かつ効果的。静寂感も得られながら、装着したまま会話も楽しめる。まさにシームレス完全ワイヤレスイヤホン

厳しめに話したが、音質も決して悪いものではないし、遮音性もかなり良くなった。オーバル型のイヤーチップも、長時間の視聴でも疲れないデザインになっている。補足で話すが、iPhoneとの親和性がさらに向上したのも大きな愛すべきポイント。

Appleがノイキャンと思っているユーザーこそ、このノイキャン性能に驚くはず。Qiによりワイヤレス充電もあるし、今後の完全ワイヤレスイヤホン競争で勝ち抜いていける実力を大いに秘めている気がする。とにかく、すごい。

ここがうーん?

賛否が分かれそうなLightning端子。

賛否が分かれそうなLightning端子。

AirPods Proのうーんと思える部分は少ないが、強いて言うなら、Lightningなのが好みが分かれそうなところ。あと、相変わらず充電ケースにすぐ擦り傷がついちゃうところ。

Lightningはさておき、擦り傷は本当に気をつけていても一瞬でついちゃいます。ちなみに、AirPodsの細かな擦り傷は、ソフト99の『プラスチッククリーナー』で直すことができます。なので、心配ないといえば…そうかも!?

補足

AirPods Proの設定画面一覧

AirPods Proの設定画面一覧
AirPods Proの設定画面。

AirPods Proの設定画面。

AirPods Proの設定は、iPhoneの『設定』アプリの『Bluetooth』から行えます。

ここでAirPods Proを長く押したときの動作を設定したり、イヤーチップが正しく装着されているかの『イヤーチップ装着テスト』が行えます。

イヤーチップ装着テスト。

イヤーチップ装着テスト。

『イヤーチップ装着テスト』では、ちゃんと正しくAirPods Proが耳に装着されているかのチェックが可能です。
普段からカナル型に慣れているユーザーは大丈夫ですが、これからカナル型に初挑戦というユーザーでも、これなら安心して使うことができるはず。このアクセシビリティの良さもAirPods Proの良さでしょう。

AirPodsとのサイズ比較

AirPodsとのサイズ比較
左:AirPods Pro 右:AirPods

左:AirPods Pro 右:AirPods

  AirPods Pro AirPods
60.6mm 44.3mm
45.2mm 53.5mm
厚さ 21.7mm 21.3mm
質量 45.6g 40.0g

各AirPodsサイズ比較表。

サイズ的には、AirPodsと大きく変化はナシ。
AirPodsを横に90°回すと、AirPods Proのサイズ感になる…という感じに思ってもらえれば、AirPodsユーザーは分かりやすいはず。

まとめ「TWSの新ノイキャンキングはAirPods Pro」

新たなノイキャンキングはAppleの手に…!?

新たなノイキャンキングはAppleの手に…!?

Apple『AirPods Pro』のレビューを総括すると、

  • ノイズキャンセリングの静寂感は凄まじい
  • 外部音取り込み機能はナチュラルで会話もOK
  • 音質は価格から考えるともうひと頑張り
  • 操作性がかなり良くなった
  • Bluetoothの遅延がかなり少ない

という感じです。

完全ワイヤレスイヤホン市場も成熟してきて、+αが求められるようになってきました。そこでAirPods Proのノイズキャンセリング性能の凄さが、これからの完全ワイヤレス市場をリードしていきそうな気がします。とにかく凄いということです。

さたえり

新たなTWSのノイズキャンセリングキング誕生の瞬間やね!

さたえり的イヤホン・ヘッドホンメーカー大全 –国内編–

【アーカイブ】レビュー済完全ワイヤレスイヤホン

2020年9月4日
この記事で紹介したガジェット

おまけ

さたえり

SonyもBoseも、うかうかしてられないくらいのノイズキャンセリング性能って感じやね。

二条ねこ

音響機器メーカーじゃないからって、ナメてかかったらやばいかもだねー!

まの

Appleが密かに開発していただけありますわね。

さたえり

装着感も含めて、かなり研究し尽くしているみたいやからね!

おわり