- TWS Plusでバッテリー長持ち&音途切れが減る!
- 左右が親機になれる特殊な仕組み!
- TWS Plusで接続する条件は意外と狭め!
フル活用の条件は厳しい!?
完全ワイヤレスイヤホンを買うと耳にする『TWS Plus』という単語。TWS Plus対応だと“途切れにくい”と言われるけど、実は半分ウソで半分ホント。そんな今回は、実はややこしいTWS Plusについてのお話。
確か、Qualcommの技術なのですよね?
そうそう!
「TWS Plus対応で良き」とか言うけど、何が良いかを改めておさらいって感じやね。
目次
TWS Plusとは?
■TWS Plusの概要
- 完全ワイヤレスイヤホンに使われる技術。
- Qualcomm独自のテクノロジー。
- 音ズレが減る。
- 音途切れも減る。
- バッテリーが伸びる。
- 片側だけでも使える。
TWS Plusとは何かについて、かなり簡単にまとめると上記のような感じです。とにかく凄い完全ワイヤレスイヤホンの技術をQualcommが作ったぞってこと!(適当)
そもそも、『TWS Plus』とは、Qualcommが完全ワイヤレスイヤホンに搭載しているテクノロジーのことを指します。このTWS Plusは略称で、正式名称としては『Qualcomm TrueWireless Stereo Plus technology』というネーミング。ただ、一般的にはTWS Plusと呼ばれることが大半です。
完全ワイヤレスイヤホン自体も『TWS(True Wireless Stereo)』って呼ぶから、ちょっとややこしいんよね。
TWS Plusのメリット
このTWS Plusには大きく分けて、下記の3つのメリットがあります。
- 音楽再生時の音ズレの改善。
- 音楽再生時の音途切れの減少。
- イヤホン自体のバッテリー持ち改善。
ご覧のとおり、完全ワイヤレスイヤホンで懸念されているようなポイント、それらがすべて解消されています。特に音途切れが少なくなるというのは、大きなメリットではないでしょうか。
この3つのメリットを生み出したすごーい要因こそ、TWS Plus自体の仕組みにあったりします。そう、完全ワイヤレスイヤホンの中でも、TWS Plusに対応しているものは、通信経路がちょっと“特殊”なのです。
そのTWS Plusの仕組みを、次でちょっと見ていくやよ!
TWS Plusの仕組み
簡単にTWS Plus搭載の完全ワイヤレスイヤホンと、そうでない一般的な完全ワイヤレスイヤホンの接続方式を図にしてみました。
一般的な完全ワイヤレスイヤホンの場合
従来の完全ワイヤレスイヤホンでは、イヤホンのどちらか一方(Rが多い)が親機となって、スマホ等と通信します。そして、親機が受け取った音声データを子機(Lが多い)に転送する。これが簡単な仕組みです。
ただ、この接続パターンだとデメリットも多い。
そう、それが完全ワイヤレスイヤホンユーザーの多くを悩ませる、音途切れです。電波状況が悪いと、イヤホン同士のデータの受け渡しが上手くいかず、結果的に音楽がブチブチ途切れてしまうわけですね。
また、このような転送方式を利用すると、左右のイヤホンのバッテリー減少度に偏りが出てしまします。なので、おのずと完全ワイヤレスイヤホン自体のバッテリー持ちが悪くなってしまうというデメリットも。
TWS Plus搭載の完全ワイヤレスイヤホンの場合
そんな完全ワイヤレスイヤホンのウィークポイントを解消したのが、今回のTWS Plus。
仕組みとしては、左右のイヤホンのどちらもが親機となり、スマホ等と通信するというもの。この時点で従来の完全ワイヤレスイヤホンとは、大きく接続方式が異なります。
このTWS Plusの技術(アーキテクチャー)を利用すると、転送しなければならない音声データを半分ずつにして、左右のイヤホンに転送ができるので、結果的に通信が安定化するのです。
また、左右のイヤホンの通信負荷が比較的均等になるので、結果的にバッテリーの負荷が分散され、TWS Plus非搭載の完全ワイヤレスイヤホンよりもバッテリー持ちが良くなるというわけなのです。
完全ワイヤレスイヤホンを選ぶなら、TWS Plus搭載を選べばバッチリだー!
…とはいかないんよね。
……んごぽよっ!?
TWS Plusでの接続条件
そんな素敵なTWS Plusですが、このテクノロジーで接続するには、
- 完全ワイヤレスイヤホン側
- スマートフォン側
の両方がTWS Plusに対応していないといけません。
完全ワイヤレスイヤホン側
完全ワイヤレスイヤホン側のSoCが、
- QCC5100系(ハイエンド)
- QCC3026(ミドルレンジ)
- QCC3020(ローエンド)
のいずれかであれば、イヤホン側はTWS Plus対応です。
なお、QCC5100系とQCC3026とQCC3020の違いは、SoCのコア数とパッケージサイズ。
QCC5100系のみ『aptX Adaptive』というBluetoothコーデックに対応しています。また、QCC3026のほうが、QCC3020よりも相性問題が出にくい(気がする)です。
完全ワイヤレスイヤホンのSoCがQCC5100系とかなのかは、メーカーサイトを見ると掲載されていることが多いやよ!
スマートフォン側
スマートフォン側が、
- ハード
- SoC:Snapdragon 845
- SoC:Snapdragon 855
- ソフト
- スマホ側のファームウェアでTWS Plus対応
という、ハード面とソフト面の両方に対応しているならば、TWS Plus対応になります。
スマホ側のTWS Plus自体は、Snapdragon 845以上で搭載されたのですが、実際にはSnapdragon 855から対応という感じな模様。
しかも、Snapdragon 855を搭載していたらOKというわけではなく、スマホメーカーがファームウェアでTWS Plusに対応させないとダメというややこしい仕様になっています。
とどのつまり、Snapdragon 855に標準搭載の機能(TWS Plus・aptX Adaptive)をスマホが使えるかは“機種依存”ということになっています。これは困る……。
そのせいで、TWS Plusに対応しているスマホがかなり少ないっていう現実が…ね。
まとめ「TWS Plusは超凄い!だけど……!?」
話してきたように、Qualcommの完全ワイヤレスイヤホンの技術である『TWS Plus』は、良いこと尽くめ!……だけど、まだまだフル活用できる環境は少ないというのが現状です。
完全ワイヤレスイヤホン自体はTWS Plus対応が、もはや当たり前になりつつあります。しかし、肝心のスマートフォンやDAPのほうが対応しきれていない、というのがなんとももどかしい気持ちになってしまいます。
あとは、デバイス依存しないTWS Plus(的な)対応なWF-1000XM3を使うとか…やね。
おまけ
ちょっといろいろもったいないよねー。
そうなんよね。
むしろ、QualcommのSoCが再生機器との相性問題を引き起こすこともあったりね。
イヤホン界隈も大変ですわね。
おわり
Reference:
Qualcomm(1, 2, 3, 4), 第930回:TWS Plus(True Wireless Stereo Plus)とは - ケータイ Watch
完全ワイヤレスイヤホンのレビューで耳にするやつだっ!