- 新型WALKMAN『NW-ZX707』が“2023年1月27日”に発売
- SoCが『NXP i.MX 8M Family』から刷新されたのは良アップデート
- 上位機種(NW-WM1xM2)を超えた部分もあり“完成系”な気もする
『NW-ZX507』の後継機種として、新型WALKMAN『NW-ZX707』が2023年1月27日に発売されるので、今のうちに気になる点を技術仕様から整理しておきます。
随分と高くなりましたなー。
というか、『Bluetooth 5.0』なのですね。
製品概要
- 2023年1月27日
- 104,500円(ソニーストア価格)
- アルミ切削筐体・無酸素銅切削ブロックを採用
- 大幅な低インピーダンス化
- クリアで力強い低域を実現
- 静寂から立ち上がるクリアな音質
- 大容量固体高分子コンデンサーを搭載
- 『FTCAP3』をバイパスコンデンサーに採用
- 基板レイアウトの最適化によるS/N感の向上
- ハイレゾ対応フルデジタルアンプ『S-Master HX』を搭載
- DSDネイティブ再生対応(最大11.2MHz)
- リニアPCM再生対応(最大384kHz/32bit)
- 『DSDリマスタリングエンジン』を搭載
- すべてのPCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換
- 『DSEE Ultimate』を搭載
- ハイレゾ級音質にアップスケーリング(192kHz/32bit相当)
- バッテリー持続時間の向上
発売日は2023年1月27日ですが、すでに全国のソニーストアでは先行展示が開始されております。先行展示については、公式サイトを参照。
技術仕様
Sony NW-ZX707のスペックについては以下のとおり。
OS | Android 12 |
ストレージ | 64GB (実使用可能領域は約47GB) |
ディスプレイ | 5.0インチ (タッチパネル) |
HD └ 1,280×720 |
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Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) |
Bluetooth | Ver. 5.0 |
A2DP AVRCP DID OPP SPP |
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SBC AAC LDAC aptX aptX HD |
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デジタルアンプ | S-Master HX |
DSEE | DSEE Ultimate |
充電時間 | 約3.5時間 |
駆動時間 (W.ミュージック) |
MP3 128kbps ├ アンバランス出力:約25時間 └ バランス出力:約24時間 FLAC 96kHz/24bit ├ アンバランス出力:約23時間 └ バランス出力:約23時間 FLAC 192kHz/24bit ├ アンバランス出力:約21時間 └ バランス出力:約21時間 DSD 2.8224MHz/1bit ├ アンバランス出力:約21時間 └ バランス出力:約21時間 DSD 5.6448MHz/1bit ├ アンバランス出力:約18時間 └ バランス出力:約18時間 DSD 11.2896MHz/1bit ├ アンバランス出力:約13時間 └ バランス出力:約11時間 |
オーディオ出力端子 | φ3.5mmステレオミニ └ 50mW + 50mW φ4.4mmバランス標準 └ 230mW + 230mW |
データ転送 | USB 3.2 Gen 1 Type-C └ 5Gbps |
外部ストレージ | microSDXC |
本体サイズ | 約72.5×132.3×16.9mm |
本体質量 | 約227g |
その他 |
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気になる点
- 採用されているプロセッサ
- Bluetooth LE Audioへの対応
前モデルである『NW-ZX507』を使っていた(HiBy R5 Saberに乗り換えたけど)ということもあり、今回の新型WALKMAN『NW-ZX707』には、かなり注目しています。
ただ、前モデル(NW-ZX507)にはイマイチな点も多く、同じ轍を踏むのも嫌なので、NW-ZX707における気になる点を、事前に確認しておくことにしました。
①採用されているプロセッサ
気になる点①、採用されているプロセッサ。
WALKMANに搭載されているプロセッサについては非公開なのですが、ベンチマーク結果から、NW-ZX507では『NXP i.MX 8M Mini』、NW-WM1ZM2やNW-WM1AM2では『NXP i.MX 8M Plus』、というのが判明しています。
推察するに、音質低下の懸念からWWANモデム非集積のプロセッサを選定した結果、このNXP製プロセッサが採用されたのでしょう。ただ、このプロセッサ、とにかくバッテリー消費量が多く、かつ性能自体も高くなく、ユーザーから評判もあまり良いものではありませんでした。
そこで情報を漁っていくと、開発者インタビューに「低消費電力なSoCに差し替えている」との文言が。つまり、この時点で『i.MX 8M Family』ではないことが確定しました。
さらに調べていくと、The Walkman Blogに、NW-ZX707で採用されているプロセッサが『Qualcomm QCS4290』であることが書かれておりました。
Qualcomm QCS4290は、IoTエッジ機器向け向けのプロセッサ。そして、このQCS4290には、WWANモデムが集積されておりません。しかも、コア数も8コアと増加(i.MX 8Mは4コア)。だとすると、同プロセッサが採用されているとすれば、合点もいきます。
②Bluetooth LE Audioへの対応
気になる点②、Bluetooth LE Audioへの対応。
2023年以降の“モダン”なワイヤレスオーディオの鍵となるのが、Bluetooth audioにおける『LE Audio』への対応。
従来のBluetooth audioである『Classic Audio』では、A2DP標準コーデックである『SBC(Sub Band Codec)』の音質がイマイチだったり、さまざまなコーデックが乱立する状況に陥っています。
そこで登場したのが、まったく新しい『LE Audio』という規格。なお、LE Audioでは、標準コーデックはSBCではなく『LC3(Low Complexity Communication Codec)』に置換されています。そして、このLC3こそ、低ビットレート転送でありながら、SBCよりも高音質である、次世代のコーデックというわけです。
そこで翻って、新型WALKMAN NW-ZX707の技術仕様を見てみると、Bluetooth Ver.が『Bluetooth 5.0』となっております。
前述したLE Audioを動作させるには、Bluetooth 5.2以降であることが必須要件となっており、当然ながら、NW-ZX707ではLE Audioを動作させることができません。もちろん、LC3コーデックも使えません。
NW-ZX707に搭載されているであろう『Qualcomm QCS4290』プロセッサですが、モデムは外付けする仕様となっています。なので、何かしらの理由があるにせよ、腑に落ちない感じは残ってしまいます。
まとめ「LE Audioだけが懸念材料」
新型WALKMAN『NW-ZX707』、プロセッサも刷新されており、かなり期待したいDAPだったりします。それゆえに、Bluetooth 5.0なのは引っかかるところ。
もちろん、ハイエンドDAPを求めていながら、Bluetooth接続をしようとするほうが野暮なのかもしれませんが…ね。
とりあえず、ソニーストアで確認かな!?
おまけ
アップデートで対応は…難しいよねー。
BluetoothモデムのSKUを調べるべきでしたね。
あー、それもやっておくべきやね。
おわり
ちなみに、ソニーストア価格は104,500円やね。