セキュアなスマートテレビのおすすめ構成:従来型テレビ + Apple TV

セキュアなスマートテレビのおすすめ構成:従来型テレビ + Apple TV
サイト内の外部リンクはアフィリエイト広告を含む場合があります(詳細はプライバシーポリシーを参照)
記事のポイント
  • スマートテレビの理想 = 上位と下位のレイヤー分離!
  • HW寿命の限界まで使うべくSWの捨てやすさを重視!
  • 全員がAll-in-Oneなスマートテレビを求めてはいない!

— テレビとスマホじゃ訳が違う —

「スマートテレビは導入したいが、長期的なセキュリティアップデートが行われるか不安」と思ったりするので、ギークにおすすめできそうなセキュアなスマートテレビの構成を考えてみます。

さたえり
  • テレビ
    • 非スマートテレビ
    • スマートテレビ
      • Panasonic VIERA(Firefox OS)
      • LG TV(webOS)
  • セットトップボックス
    • Chromecast with Google TV
    • Apple TV 4K
    • Fire TV Stick 4K Max

を組み合わせる…でどうかなって!

理想は非スマートテレビだけど、エントリー機ばかりなんよね。だから、『Android TV OS』じゃないスマートテレビを導入。テレビはネットに一切接続せずに、アップデートはUSBメモリから実施。…って、感じやね!!

二条ねこ

冒頭から詰め込んできましたなー。

まの

言いたいことは先に言う、ですわね。

本稿の趣旨

セキュリティに最大限の配慮をし、かつ ハードウェア寿命 = ソフトウェア寿命 となるような、スマートテレビの環境を構築する。

これが本稿の趣旨であり、筆者が求める理想のスマートテレビ像。

昨今、テレビチューナー非搭載テレビが登場するなど、進化や多様化が進むテレビ界隈。なので、テレビに対するニーズや価値観もさまざま。それを踏まえた上での、ギーク的な一例として読んでいただければ、なのです。

二条ねこ

テレビチューナー非搭載テレビって、要は単なる大画面スマートモニターですな。

さたえり

それを言っちゃうと…ね。

スマートテレビにおける2つの懸念

テレビ単体でVOD(NetflixやYouTube)を手軽に楽しめるという観点では、『スマートテレビ』というのは大変便利なデバイスです。 テレビ = 地デジ/BS/CSを視聴する箱 という構図を壊してくれた素晴らしいものだと認識しています。

  • ハードウェア寿命とソフトフェア寿命の乖離(HW寿命 > SW寿命)
  • セキュリティアップデートの更新頻度と年数が不明瞭

しかしながら、Googleの『Android TV OS』に代表されるスマートテレビOSには、上記のような従来型テレビにはなかった問題点が、ある種の宿命のように生まれてしまいました。

何かに何かを足し算するというのは、メリットだけではなく、得てしてデメリットも生じてしまうものなのです。

さたえり

圧倒的『ガ●ダム』感があるんやけど……。

二条ねこ

倍速駆動!“赤い”から3倍速液晶であーるっ!!

HW寿命とSW寿命の乖離

まず気になるのが、ハードウェア寿命とソフトフェア寿命の乖離

乱暴な表現にはなるのですが、『スマートテレビ』というのは、巨大なスマートフォンに近いものだと認識しています。なぜなら、プラットフォーム化されたOSが搭載しており、アプリケーションが実装され、ネットワークに接続してコンテンツを楽しむことができるからです。

そういったスマートテレビの性質上、ソフトウェアが安心かつ快適に使えるように、アップデートを実施してもらう必要があります。とはいえ、テレビが故障するまで面倒を見てほしいというのは、あまりにも一方的で無理筋なお願いではあります。

内閣府の消費動向調査データ[*1]を拝見すると、消費者のテレビ使用年数というのは約9年。一般社団法人日本電機工業会の補修用性能部品の保有期間[*2]を拝見すると、テレビの部品保有期間は8年。

つまりは、ハードウェア的には8年が寿命の閾値となるわけです。

そこで気になるのが、「スマートテレビOS(= ソフトウェア)は8年間面倒を見てくれるの?」ということ。アップデート頻度はメーカーやOSによりけりなのですが、そこまでサポートし続けるというのは正直言って、想像し難いものがあります。

スマートテレビOSの種類まとめ(ベンダー別)

スマートテレビOSの種類まとめ(ベンダー別)

2022年6月15日

セキュリティアップデートの頻度

次に気になるのが、セキュリティアップデートの更新頻度とサポート年数の不明瞭さ

『スマートテレビ』という製品の性質上、ネットワーク接続してなんぼ、となってきます。ですので、それゆえにソフトウェアアップデートやセキュリティパッチの配信というのは頻繁かつ積極的に実施してもらいたい。

ところが、各社のアップデートログを拝見すると、メーカーによって更新頻度にバラツキを感じてしまう。加えて、スマートテレビOSも多種多様に存在しているので、これらの情報を逐一追いかけるというのも骨が折れる(普通はやらないと思われ)。

iOSやAndroid Oneのように、「製品リリースから一定期間はアップデートをかならず行います」と宣言してくれれば、ユーザーも安心して購入できるのですが…と老婆心ながらに感じてしまうのです。

まの

確かに、ハードウェアの耐用年数だけでなく、ソフトウェア(上位レイヤーとして存在するOS)の耐用年数も明示化してほしいですわね。

さたえり

ワガママなお願い、っていうのは承知の上やねんけどね。

スマートテレビの理想:テレビ + STB

そうは言っても、スマートテレビは欲しい。…そこで行き着いたい結論が テレビ + STB(セットトップボックス) というように分離させる案というわけです。

あまりにも普通すぎるアイデアで、拍子抜けされるかもしれません。しかし、このように各々を分離させることによって、古くなった部分をバッサリ切り捨てやすくなるわけです。これは開発者的発想かもしれませんが、システムを導入する際に大切なことは、“All-in-One”よりも“切り捨てやすさ”なのです。

テレビとSTBを分離することによって、好みのハードとOSを組み合わせることが可能。スペック的に追いつかなくなってきたと感じた際には、STB側だけをリプレースすれば良いわけです。

確かに、 テレビ + STB という構成は、スマートテレビOSがビルトインされたテレビに比べて、HDMIポートを占拠することになりますし、余計な配線というのも増えてしまいます。ですので、このように分離するのが最適解というと、ちょっと微妙なところ。

とはいえ、スマートテレビの製品寿命やセキュリティ問題に不満を感じつつも、スマートテレビの恩恵を受けたいと考えているのであれば、一考の余地はあるのではないでしょうか。

二条ねこ

うーん、普通!
イノベーティブポイントは…残念、30点!!

さたえり

こら!勝手に点数つけるのやめんかいっ!!

おすすめのスマートテレビ構成

伝えたいことは言い切ったので、最後に筆者おすすめのスマートテレビ構成を紹介しておきます。導入時の参考にどうぞ。

【案①】従来型4Kテレビ + Apple TV等

スマートテレビ構成の概念図

【案①】の概念図

<テレビ>

  • 従来型テレビ
    • FUNAI製の非スマートテレビ
    • SHARP製の非スマートテレビ

<STB>

【案①】は、従来型テレビ(非スマートテレビ)にSTBを接続するスタイル。(普通すぎるほど普通)

4K UHD解像度の従来型テレビは、すっかり数が少なくなってきており、国内メーカーでかつ有名どころだと、選択肢はFUNAIかSHARPぐらい。また、両社とも上位モデルは『Android TV』となっているので、この場合は廉価モデルを選ぶことになります。

STBはお好みで(個人的にはポリシーが明確なApple推し)。もちろん、全部購入して、何でもアリなスマートテレビを構築しても面白いかもしれません。

非Android TVの4Kテレビが欲しい → 『FUNAI』が最適解かも

非Android TVの4Kテレビが欲しい → 『FUNAI』が最適解かも

2022年6月30日

【案②】スマートテレビ + Apple TV等

スマートテレビ構成の概念図

【案②】の概念図

<テレビ>

  • 従来型テレビ
    • Panasonic製のスマートテレビ(Firefox OS)
    • LG製のスマートテレビ(webOS)

<STB>

【案②】は、スマートテレビにSTBを接続するスタイル

「え?どういうこと!?」と思うかもしれませんが、4K UHD解像度の従来型テレビが少なくなってきており、かつ廉価モデルばかりなので、こういう案も取り入れました。

この場合は、スマートテレビ側は一切ネットワーク接続しません。アップデートはメーカーサイトからダウンロードし、USBメモリ経由で行います。そうすれば、スマートテレビ側のセキュリティ問題はクリア(かなりもったいないけど)。

ちなみに、メーカーをPanasonicとLGで指定しているのは、「そうはいっても、スマートテレビとしても使いたい」となった場合、STBにないスマートテレビOSを使いたいからというのが主な理由。また、OSとしての軽快感が比較的あるから、というのも理由としてはあります。

まとめ「理想は上位と下位のレイヤー分離」

ハードウェア寿命とソフトフェア寿命の乖離、セキュリティアップデートの更新頻度、という懸念点から、ハードとソフトは分離したほうが運用上楽という話でした。

ハードとソフトの分離…というよりかは、「上位レイヤー(スマートテレビOS)と下位レイヤー(テレビそのものの機能)は分離したほうが楽だよね」と言ったほうが正しいかもしれません。(「ハードとソフトの分離」と言うと、 モニター + チューナー になるし)

さたえり

ま、あたおかなギークの戯言やけどね。

記事に登場したガジェット

おまけ

さたえり

これを言ったら終わりなんだけど、テレビ放送自体はそんなに観ないんやけどね。

まの

…え!?

二条ねこ

PCモニター + STB で、おけおですな。

おわり


*1内閣府「消費動向調査」データによる家電製品使用年数調査報告書(2017年度版)
*2補修用性能部品の保有期間