ハイレゾ対応Bluetoothコーデック一覧+ワイヤレスでハイレゾを聞くには?

ハイレゾ対応Bluetoothコーデック一覧+ワイヤレスでハイレゾを聞くには?
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記事のポイント
  • ハイレゾ対応Bluetoothコーデックを調べた!
  • 携帯音楽プレーヤーのBluetoothがハイレゾ対応必須!
  • ヘッドホンのBluetoothがハイレゾ対応も必須!

Bluetoothでもハイレゾで聞く!

ハイレゾ=有線というイメージがあるのですが、実はBluetoothでワイヤレスでもハイレゾ音質を楽しめるのです。なので、ハイレゾ対応Bluetoothコーデックのおさらいと、実際にBluetoothでハイレゾ音源を聞く方法を見ていきます。

さたえり

先にまとめちゃうと、

  • 再生機器:LDAC対応
  • イヤホン:LDAC対応
  • 楽曲:FLAC(96kHz/24bit)

ならベストって感じやね!

二条ねこ

やっぱ、Bluetooth接続になるとややこしくなりますなー。

さたえり

確かに有線接続のほうが楽やね。
だからこそ、こうやっておさらいしておくってことで!

Bluetoothコーデック一覧

そういうわけで、まずはBluetoothコーデックをすべてチェックして、その中から『ハイレゾ』に対応しているBluetoothコーデックがどれかをチェックしてみます。

さたえり

Bluetoothコーデックとは何かについてはこの記事
ハイレゾとは何かについてはこの記事
をそれぞれ参考にしてみてね!

Bluetoothコーデック一覧。

Bluetoothコーデック一覧。

コーデック 信号処理 ハイレゾ対応 ビットレート 遅延 備考
SBC 48kHz/16bit - 328kbps 220ms±50ms 一般的なBluetoothコーデック
AAC 48kHz/16bit - 非公表¹ 120ms±30ms³ Apple系で採用が多い
aptX 48kHz/16bit - 384kbps² 70ms±10ms Androidで採用が多い
aptX Low Latency 48kHz/16bit - 352kbps 40ms未満 aptXの低遅延版
aptX HD 48kHz/24bit 576kbps 約130ms aptXの高音質版
aptX Adaptive 48kHz/24bit 280kbps〜420kbps 50ms〜80ms 電波状況やデータに応じて転送ビットレートを可変
LDAC 96kHz/24bit 990kbps
660kbps
330kbps
非公表⁴ Hi-Res Audio Wireless認定
ビットレートを3段階で変更可能
HWA 96kHz/24bit 900kbps
500/560kbps
400kbps
不明 ビットレートを3段階で変更可能

Bluetoothコーデック一覧表。
¹128kbps〜192kbpsと言われている。
²48kHz/16bitの場合。
³128kbit/s時。
⁴1,000ms前後と言われている。

Bluetoothで音声データを転送できるコーデックは、上表のようなスペックになっています。かなりBluetoothコーデックの種類も増えましたね。

ハイレゾ対応Bluetoothコーデック

ハイレゾ対応Bluetoothコーデック
  • aptX HD
  • aptX Adaptive
  • LDAC
  • HWA

先程、Bluetoothコーデックの各種スペックを見ていきましたが、いわゆる『ハイレゾ』に対応しているBluetoothコーデックは上記の4種類

したがって、Bluetoothを利用して、ワイヤレスでハイレゾ音質を楽しみたいとなった場合、これら4つのBluetoothコーデックのどれかに対応している機器(音楽プレーヤー・イヤホン等)を用いて音楽を聞くことになってきます。

二条ねこ

じゃあ、この中ならどのBluetoothコーデックでも、“同じ音質”ってことー?

さたえり

何をもって同じ音質と言うかは難しいけど、スペック的な話で言うと差異があるんよ。

ハイレゾとは?—定義・ファイル形式・Bluetoothコーデックを標本化&量子化に基づきお勉強

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2019年11月26日

音質:LDAC > HWA > aptX HD

あくまでスペック的な話、と前置きをしておきますが、
LDAC > HWA > aptX HD(aptX Adaptive)
という音質の順番になります。

コーデック サンプリング周波数/量子ビット数
aptX HD 48kHz/24bit
aptX Adaptive 48kHz/24bit
LDAC 96kHz/24bit
HWA 96kHz/24bit

Bluetoothコーデックとサンプリング周波数と量子ビット数。

一般的にハイレゾの定義はCD(44.1kHz/16bit)を超えるサンプリング周波数(Hz)と量子ビット数(bit)を持つ音源や機器となっています。そして、この2つが高ければ高いほど、いわゆる“高音質”ということに理論上ではなっています。

したがって、ハイレゾ対応Bluetoothコーデック同士で比較すると、前掲の音質順になるというわけです。

まの

LDACとHWAは一緒では?

さたえり

それは、あとで話すビットレートの差なんよね!

日本オーディオ協会的には、『aptX HD』と『aptX Adaptive』は非ハイレゾ。

日本オーディオ協会的には、『aptX HD』と『aptX Adaptive』は非ハイレゾ。

なお、ハイレゾロゴを策定している日本オーディオ協会のハイレゾの定義は、96kHz/24bitを再生可能とするというもの。
ですので、日本オーディオ協会的には、『aptX HD』と『aptX Adaptive』についてはハイレゾとは言えないことになります。

さたえり

aptX Adaptiveは将来的には、96kHz/24bit再生可能になるかもって言われてるんやけどね!

機能:ビットレート可変がキモ

ビットレートと音質・接続安定性の関係。

ビットレートと音質・接続安定性の関係。

ハイレゾ音源はデータ量が大きい(高ビットレート)ので、通信状況によっては音が途切れたりすることがあります。

そこでキモになってくるのが、音声データを転送するビットレートを“可変”にしてしまうともの。
つまり、Bluetoothの接続が不安定な場合においては、ビットレートを下げて(音質も下がる)、Bluetoothの接続安定性を確保するという技術が、各Bluetoothコーデックには採用されているのです。

コーデック ビットレート 可変
aptX HD 576kbps -
aptX Adaptive 280kbps〜420kbps 自動で可変
LDAC 990kbps
660kbps
330kbps
3段階
HWA 900kbps
500/560kbps
400kbps
3段階

Bluetoothコーデックと転送ビットレート。

『aptX Adaptive』については、280kbps〜420kbpsのビットレート間で、自動でデータや電波状況を判断し可変するようになっています。

『LDAC』と『HWA』については、ユーザーが任意でビットレートを変更し、接続安定性を取るか・音質を取るかを選ぶことができるようになっています。

さたえり

LDACを例に取ると、

  • 自宅:音質重視の990kbps
  • 外出先:安定性重視の330kbps

っていう感じで、ビットレートを使い分けられるわけやね!

二条ねこ

おおー!凄いっ!!

ワイヤレスでハイレゾ音質を楽しむ方法

さて、ここまでで、ハイレゾに対応したBluetoothコーデックがどれかを知ることができました。これでめでたしめでたし。

…とはなりません!

さたえり

Bluetooth機器っていうのは、

  • 送信側
  • 受信側

2つで1セットだから…?

まの

携帯音楽プレーヤーとイヤホン・ヘッドホンの両方のBluetoothコーデックを確認しないといけないというわけですわね?

さたえり

そういうことやね!

ハイレゾ音質で聞くためには、両方がハイレゾ対応でないとダメ。

ハイレゾ音質で聞くためには、両方がハイレゾ対応でないとダメ。

Bluetoothを使って、ワイヤレスでハイレゾ音質を聞くためには、

  • 送信側:携帯音楽プレーヤー・スマートフォン
  • 受信側:ヘッドホン・イヤホン

の両方がハイレゾに対応している必要があります。

つまり、Bluetoothのコーデックが、

  • aptX HD
  • aptX Adaptive
  • LDAC
  • HWA

に、送受信側の“両方”が対応している必要があるというわけです。

さたえり

同じBluetoothコーデック同士(例:LDACとLDAC)でないと、当たり前だけどダメやからね!

LDACコーデックで接続して、ハイレゾをワイヤレスで聞く例。

LDACコーデックで接続して、ハイレゾをワイヤレスで聞く例。

■LDACでワイヤレスでハイレゾを聞く例

例えば、Bluetoothコーデックのひとつ、『LDAC』を使ってワイヤレスでハイレゾ音質を聞く例が、上記のとおり。

どちらも、ハイレゾ対応なLDACコーデックでBluetooth接続をするので、WALKMANに入っているハイレゾ音源(最大96kHz/24bit)を楽しめるというわけです。
また、SonyのBluetoothヘッドホンやWALKMANには、非ハイレゾ音源もハイレゾ相当にアップコンバートする機能が備わっているものが多く、ハイレゾでない音源でも高音質で聞くことができることになります。

▼Sony WALKMAN NW-A100(LDAC対応)

▼Sony WH-1000XM3(LDAC対応)

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2019年10月29日

まとめ「LDACで接続しておけば…間違いない!」

まとめ「LDACで接続しておけば…間違いない!」

Bluetoothコーデックとハイレゾについてを総括すると、

  • 対応コーデック:aptX HD・aptX Adaptive・LDAC・WHA
  • 規格上はLDACが一番音質的に有利
  • 音楽プレーヤーとヘッドホンの両方が対応してないとダメ

という感じになるはずです。

ハイレゾとBluetoothコーデックについては、面倒な部分(Bluetoothのスループットとか絡んだりとか)が多いので、あまり深く気にしないなら『LDAC』で接続しておけば間違いないと思けば幸せな気がします。

さたえり

あとはハイレゾ音源を用意するのも忘れずに!

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

時代はハイレゾですな〜♪

まの

いろいろな論がありますが、技術が進歩することは良いことですわね。

さたえり

10年前にはストリーミングでハイレゾが聞けるなんて、夢にも思わなかったやんね!

おわり

Reference:
LDACでさらに高音質に - Sony, そもそもBluetoothって? - Denon 公式ブロ