- ハイレゾ対応Bluetoothコーデックを調べた!
- 携帯音楽プレーヤーのBluetoothがハイレゾ対応必須!
- ヘッドホンのBluetoothがハイレゾ対応も必須!
Bluetoothでもハイレゾで聞く!
ハイレゾ=有線というイメージがあるのですが、実はBluetoothでワイヤレスでもハイレゾ音質を楽しめるのです。なので、ハイレゾ対応Bluetoothコーデックのおさらいと、実際にBluetoothでハイレゾ音源を聞く方法を見ていきます。
やっぱ、Bluetooth接続になるとややこしくなりますなー。
確かに有線接続のほうが楽やね。
だからこそ、こうやっておさらいしておくってことで!
目次
Bluetoothコーデック一覧
そういうわけで、まずはBluetoothコーデックをすべてチェックして、その中から『ハイレゾ』に対応しているBluetoothコーデックがどれかをチェックしてみます。
コーデック | 信号処理 | ハイレゾ対応 | ビットレート | 遅延 | 備考 |
SBC | 48kHz/16bit | - | 328kbps | 220ms±50ms | 一般的なBluetoothコーデック |
AAC | 48kHz/16bit | - | 非公表¹ | 120ms±30ms³ | Apple系で採用が多い |
aptX | 48kHz/16bit | - | 384kbps² | 70ms±10ms | Androidで採用が多い |
aptX Low Latency | 48kHz/16bit | - | 352kbps | 40ms未満 | aptXの低遅延版 |
aptX HD | 48kHz/24bit | ○ | 576kbps | 約130ms | aptXの高音質版 |
aptX Adaptive | 48kHz/24bit | ○ | 280kbps〜420kbps | 50ms〜80ms | 電波状況やデータに応じて転送ビットレートを可変 |
LDAC | 96kHz/24bit | ○ | 990kbps 660kbps 330kbps |
非公表⁴ | Hi-Res Audio Wireless認定 ビットレートを3段階で変更可能 |
HWA | 96kHz/24bit | ○ | 900kbps 500/560kbps 400kbps |
不明 | ビットレートを3段階で変更可能 |
Bluetoothコーデック一覧表。
¹128kbps〜192kbpsと言われている。
²48kHz/16bitの場合。
³128kbit/s時。
⁴1,000ms前後と言われている。
Bluetoothで音声データを転送できるコーデックは、上表のようなスペックになっています。かなりBluetoothコーデックの種類も増えましたね。
ハイレゾ対応Bluetoothコーデック
- aptX HD
- aptX Adaptive
- LDAC
- HWA
先程、Bluetoothコーデックの各種スペックを見ていきましたが、いわゆる『ハイレゾ』に対応しているBluetoothコーデックは上記の4種類。
したがって、Bluetoothを利用して、ワイヤレスでハイレゾ音質を楽しみたいとなった場合、これら4つのBluetoothコーデックのどれかに対応している機器(音楽プレーヤー・イヤホン等)を用いて音楽を聞くことになってきます。
じゃあ、この中ならどのBluetoothコーデックでも、“同じ音質”ってことー?
何をもって同じ音質と言うかは難しいけど、スペック的な話で言うと差異があるんよ。
音質:LDAC > HWA > aptX HD
あくまでスペック的な話、と前置きをしておきますが、
LDAC > HWA > aptX HD(aptX Adaptive)
という音質の順番になります。
コーデック | サンプリング周波数/量子ビット数 |
aptX HD | 48kHz/24bit |
aptX Adaptive | 48kHz/24bit |
LDAC | 96kHz/24bit |
HWA | 96kHz/24bit |
Bluetoothコーデックとサンプリング周波数と量子ビット数。
一般的にハイレゾの定義はCD(44.1kHz/16bit)を超えるサンプリング周波数(Hz)と量子ビット数(bit)を持つ音源や機器となっています。そして、この2つが高ければ高いほど、いわゆる“高音質”ということに理論上ではなっています。
したがって、ハイレゾ対応Bluetoothコーデック同士で比較すると、前掲の音質順になるというわけです。
LDACとHWAは一緒では?
それは、あとで話すビットレートの差なんよね!
なお、ハイレゾロゴを策定している日本オーディオ協会のハイレゾの定義は、96kHz/24bitを再生可能とするというもの。
ですので、日本オーディオ協会的には、『aptX HD』と『aptX Adaptive』についてはハイレゾとは言えないことになります。
aptX Adaptiveは将来的には、96kHz/24bit再生可能になるかもって言われてるんやけどね!
機能:ビットレート可変がキモ
ハイレゾ音源はデータ量が大きい(高ビットレート)ので、通信状況によっては音が途切れたりすることがあります。
そこでキモになってくるのが、音声データを転送するビットレートを“可変”にしてしまうともの。
つまり、Bluetoothの接続が不安定な場合においては、ビットレートを下げて(音質も下がる)、Bluetoothの接続安定性を確保するという技術が、各Bluetoothコーデックには採用されているのです。
コーデック | ビットレート | 可変 |
aptX HD | 576kbps | - |
aptX Adaptive | 280kbps〜420kbps | 自動で可変 |
LDAC | 990kbps 660kbps 330kbps |
3段階 |
HWA | 900kbps 500/560kbps 400kbps |
3段階 |
Bluetoothコーデックと転送ビットレート。
『aptX Adaptive』については、280kbps〜420kbpsのビットレート間で、自動でデータや電波状況を判断し可変するようになっています。
『LDAC』と『HWA』については、ユーザーが任意でビットレートを変更し、接続安定性を取るか・音質を取るかを選ぶことができるようになっています。
LDACを例に取ると、
- 自宅:音質重視の990kbps
- 外出先:安定性重視の330kbps
っていう感じで、ビットレートを使い分けられるわけやね!
おおー!凄いっ!!
ワイヤレスでハイレゾ音質を楽しむ方法
さて、ここまでで、ハイレゾに対応したBluetoothコーデックがどれかを知ることができました。これでめでたしめでたし。
…とはなりません!
Bluetooth機器っていうのは、
- 送信側
- 受信側
の2つで1セットだから…?
携帯音楽プレーヤーとイヤホン・ヘッドホンの両方のBluetoothコーデックを確認しないといけないというわけですわね?
そういうことやね!
Bluetoothを使って、ワイヤレスでハイレゾ音質を聞くためには、
- 送信側:携帯音楽プレーヤー・スマートフォン
- 受信側:ヘッドホン・イヤホン
の両方がハイレゾに対応している必要があります。
つまり、Bluetoothのコーデックが、
- aptX HD
- aptX Adaptive
- LDAC
- HWA
に、送受信側の“両方”が対応している必要があるというわけです。
同じBluetoothコーデック同士(例:LDACとLDAC)でないと、当たり前だけどダメやからね!
■LDACでワイヤレスでハイレゾを聞く例
- 音楽プレーヤー:WALKMAN A100
- ヘッドホン:WH-1000XM3
例えば、Bluetoothコーデックのひとつ、『LDAC』を使ってワイヤレスでハイレゾ音質を聞く例が、上記のとおり。
どちらも、ハイレゾ対応なLDACコーデックでBluetooth接続をするので、WALKMANに入っているハイレゾ音源(最大96kHz/24bit)を楽しめるというわけです。
また、SonyのBluetoothヘッドホンやWALKMANには、非ハイレゾ音源もハイレゾ相当にアップコンバートする機能が備わっているものが多く、ハイレゾでない音源でも高音質で聞くことができることになります。
▼Sony WALKMAN NW-A100(LDAC対応)
▼Sony WH-1000XM3(LDAC対応)
まとめ「LDACで接続しておけば…間違いない!」
Bluetoothコーデックとハイレゾについてを総括すると、
- 対応コーデック:aptX HD・aptX Adaptive・LDAC・WHA
- 規格上はLDACが一番音質的に有利
- 音楽プレーヤーとヘッドホンの両方が対応してないとダメ
という感じになるはずです。
ハイレゾとBluetoothコーデックについては、面倒な部分(Bluetoothのスループットとか絡んだりとか)が多いので、あまり深く気にしないなら『LDAC』で接続しておけば間違いないと思けば幸せな気がします。
あとはハイレゾ音源を用意するのも忘れずに!
おまけ
時代はハイレゾですな〜♪
いろいろな論がありますが、技術が進歩することは良いことですわね。
10年前にはストリーミングでハイレゾが聞けるなんて、夢にも思わなかったやんね!
おわり
Reference:
LDACでさらに高音質に - Sony, そもそもBluetoothって? - Denon 公式ブログ
先にまとめちゃうと、
ならベストって感じやね!