- アクティブノイズキャンセリング性能は圧倒的!
- 音質はちょっと好みが分かれそうな予感!
- Androidとは相性良いけど、iPhoneとは良くないのが難!
ANCは素敵。でも、いろいろ惜しい。
ノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン、Huawei『HUAWEI FreeBuds 3i』をレビュー。HUAWEI FreeBuds 3とは異なり、コッチは普通のカナル型。なので、ノイキャン性能はもっと凄い…けど!?
意味深ですわね……。
悪くないけど、いろいろ惜しい部分がある感じなんよね。
目次
Huawei『HUAWEI FreeBuds 3i』って?
HUAWEI FreeBuds 3iってなに?
強力なアクティブノイズキャンセリング機能を備えている、カナル型完全ワイヤレスイヤホン。
- ノイキャン性能はかなり良い。
- 近接センサー搭載。
- Huawei端末との親和性抜群。
- バッテリー持ちが悪い。
- iOS/iPadOS用アプリが存在しない。
- HuaweiなのにQi非対応。
- リモコン機能が少ない。
Androidで安くて強力なノイキャン搭載イヤホンが欲しい!
…って考えているなら、選択肢に入れていいイヤホンやと思う!
本体チェック
■インターフェース
- リモコンボタン(タッチセンサー)
イヤホン前面の上部に穴があるのですが、そのちょうど上付近がタッチセンサータイプのリモコンボタンになっています。ちなみにこの“穴”ですが、アクティブノイズキャンセリング用マイクの1つ(フィードフォワード・マイク)になっているそう。
なお、イヤホン本体のサイズは 41.8×23.7×19.8mm で、重さは5.5g。どことなく、りんごでうどん…なデザイン。
ホワイトとブラックがカラーバリエーションであるんだけど、今回は『ホワイト』を選んだやよ!
■インターフェース
- 近接センサー
イヤホン後面の黒い丸になっている部分が近接センサーになっており、イヤホンの着脱に応じて、楽曲が停止する仕組み(なぜか装着しても、再生はされない)。
1万円台中盤という価格設定で、近接センサーが搭載されている完全ワイヤレスイヤホンは少ないので、これはありがたい仕様。他社も積極的に近接センサーを採用してほしいところ。
最近は変わった位置にステムがある完全ワイヤレスイヤホンが多くなってきましたが、このHUAWEI FreeBuds 3iのステム位置はいたってオーソドックス。なので、人を選ぶ感じもありません。ちなみに、ステムは正円ではなく、ちょと楕円形(オーバル)になっているタイプ。
充電ケースは光沢感のあるホワイトカラー。
光沢感があるので、若干皮脂が目立ちそうな気がするのがネックかも。ただ、ビルドクオリティー自体は高く、なかなかの所有欲を満たす作り。
充電ケース下面に認証関係が。
一瞬、技適マークがないと思ってしまうのですが、技適マークに関しては取扱説明書のほうに書かれていました。
■インターフェース
- LEDインジケーター
充電ケース前面には、バッテリー状態を示すLEDインジケーターを搭載。LEDは充電状態によってカラーが変化するタイプ。
■インターフェース
- ファンクションボタン
- USB Type-C
HUAWEI FreeBuds 3iの充電ケースは、『USB Type-C』で接続して行います。もはや、Micro USBをあえて選択する必要もないでしょう。
意外だったのが、ワイヤレス充電が大好きなHuaweiなのに、このHUAWEI FreeBuds 3iはQiによるワイヤレス充電ができないこと。なので、充電の際にはUSBケーブルを接続して行う必要があります。
充電ケースの左右は、ちょっとアールがかかっている丸っこいデザイン。
■インターフェース
- LEDインジケーター
充電ケース内側にもLEDインジケーターを搭載。
充電ケース後面にある『ファンクションボタン』を用いてペアリング作業をする際には、こちらのLEDインジケーターを見ながら行うことになるはずです。
左 | 右 | |
2回押し | 再生・停止 | |
長押し | ノイズキャンセリング切替 |
HUAWEI FreeBuds 3iのリモコン機能。
リモコン機能はかなりシンプルで、再生・停止とノイズキャンセリングの切り替えのみ。なお、キーアサインについては変更可能。
一応、専用のコンパニオンアプリとして『HUAWEI AI Life』というものがリリースされているのですが、なんとAndroid専用。なので、iPhoneユーザーは、キーアサインを変更することができません。
このあたりは、以前のGalaxy Budsと一緒やね。
付属品チェック
■HUAWEI FreeBuds 3iの付属品一覧
- USB Type-C to USB Type-Cケーブル
- イヤーピース(XS・S・M・L)
- クイックスタートガイド
- 安全上のご注意
- 保証とアフターサービスの案内
イヤーピースが4種類(Mサイズはイヤホンに装着済)付属しており、XSサイズが付属しているのはありがたい配慮。これなら耳の穴が小さい女性でも、装着できないということはなさそうです。
ちなみに、イヤーピース自体も楕円形になっています。
注目ポイント
■HUAWEI FreeBuds 3iのポイント概要
- ノイズキャンセリング機能:圧倒的なANC性能
- トリプルマイクシステム:クリアボイスでハンズフリー通話可能
ノイズキャンセリング機能:圧倒的なANC性能
HUAWEI FreeBuds 3iには、『フィードフォワード・マイク』と『フィードバック・マイク』という、2つのノイズキャンセリングに使われるマイクロホンが搭載されている。
イヤホンのシェル側にある『フィードフォワード・マイク』は、周辺のノイズを検出。そして、中の回路でそのノイズたちを打ち消す仕組み。
イヤホンのステム側にある『フィードバック・マイク』は、耳の内側に残ったノイズを拾って、さらにノイズを軽減する仕組み。
この2つのノイズキャンセリング用マイクロホンのコンビネーションは絶大。今までいくつものノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンを使ってきた私的にも、このHUAWEI FreeBuds 3iのノイズキャンセリング性能は、かなり高い次元に位置していると感じました。
アクティブノイズキャンセリング特有のホワイトノイズが出ることもなく、非常に丁寧にノイズキャンセリングを施している印象。これが1万円台だというのだから、驚きを隠せません。
トリプルマイクシステム:クリアボイスでハンズフリー通話可能
前述したマイクロホンも含めて、合計3つのマイクロホンがHUAWEI FreeBuds 3iには搭載されています。そして、その3つのマイクロホンのコンビネーションによって、クリアで高音質なハンズフリー通話が可能になっている。
これら3つのマイクロホンが、外部のノイズを軽減したり、外耳道から伝わる声を拾って通話品質を上げてくれるそう。このシステムをHuawei的には『トリプルマイクシステム』と謳っています。
実際、通話に試してみたところ、比較的クリアに通話できているという印象を受けました。通話相手も聞き取りやすかったとのこと。これならハンズフリー用イヤホンとしても結構アリ。
音質チェック
音質評価:★★★☆☆
高音域:★★★☆☆
中音域:★★☆☆☆
低音域:★★★☆☆
HUAWEI FreeBuds 3iの音質について端的に言うと、ドンシャリの中でも低音域マシマシな“ドンドンシャリ”という感じ。疾走感のような感じは少なく、塊感のあるサウンドが特徴的。ちょっと、ボーカル域が遠く感じる気もしなくもない。
評価が分かれそうな点として、音場感の狭さと音の塊感の強さがある。
良い表現をすれば、エネルギッシュな音。悪い表現をすれば、解像感に乏しくモヤモヤした音。お世辞にもバランスの良い音のチューニングではないので、もう少し万人受けするような音場感や音の分離感を持たせてもよかった気がする。
ノイズキャンセリング機能をオフにしても、このドンドンシャリな感じはあまり変わらない様子。ただ、音の塊感はちょっとほぐされて、少しは分離感を感じられるようになった…気がする。
ただ、ノイズキャンセリング機能をオフにしてしまうと、HUAWEI FreeBuds 3iの良さのひとつである、音のパンチ力がスポイルされてしまう感がある。なので、ここは音場感を捨てて、ノイズキャンセリング機能をオンにしてリスニングするのがおすすめ。
好き嫌いが分かれそうな低音域の量と質感。…ここをどう捉えるかやね!
HUAWEI FreeBuds 3iに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- ゆったりとしたCountry music。
- 良い意味でチープサウンド感のあるLo-Fi Hip Hop。
- 垢抜けない感じがする土っぽいRock。
HUAWEI FreeBuds 3iの音質傾向が、そこまで解像感を求める曲とは合わないので、ここは逆にその特徴に合いそうな、ゆったりとした泥臭い曲を選んでみたい。
音のキレや疾走感ではなく、その雰囲気自体を楽しむのに向いているHUAWEI FreeBuds 3iなので、ゆったりまったり聞いて楽しめそうな曲が合うはず。なので、ハードでハイテンポな情報量の多い楽曲よりも、シンプルなCountry musicやSouthern Rockなどが曲のジャンル的に合っていそうな予感。
そこで、このHUAWEI FreeBuds 3iと一緒に聞いてほしい楽曲は、カントリー系シンガーソングライターMaren Morrisのアルバム『GIRL』から、3トラックめの『All My Favorite People』をセレクト。
スローテンポで1音1音が力強いサウンドが、今回のHUAWEI FreeBuds 3iとベストマッチ。そして、何より楽しく曲を聞ける感じ。音質がうんぬんを話すのも楽しいけど、やっぱり音楽が本人が楽しめてこそ、と改めて思える気持ちよさがあったりします。
余談ですが、このGIRLというアルバム、楽曲構成が非常に練り込まれていて、最後まで飽きずに通しで聞けるようになっています。いわゆるレコードのA面とB面のような概念を持たせていて、こういった最近のCDやダウンロードコンテンツにはない曲展開も、音楽好きからするとエモみのようなものがあります。カントリー好きは…ぜひ!
GIRLと今回のHUAWEI FreeBuds 3iは結構相性が良い気がするから、ぜひ合わせて聞いてほしいやよ!
ここがすき!
片側だけでも利用可能
Huaweiのサイトでは語られていないが、このHUAWEI FreeBuds 3iは独自の左右独立受信方式を採用しているようで、イヤホンの片側だけでも利用可能となっている。
HuaweiとQualcommの関係性を考えても、中に入っているチップはHuawei独自のものだと推測できるが、ちゃんと非Kirinデバイス(Qualcomm採用のAndroidスマートフォンやiPhone等)でも、片側だけで利用できた。この汎用性の高さは嬉しいところ。
また、TWS Plus対応イヤホンとは異なり、Bluetooth欄がごちゃごちゃする(非TWS Plus対応機だと、イヤホンがLとRで分かれて登録されてしまう)ことがないのも評価すべき点。
Androidスマホだと使いやすい
Android向けに『HUAWEI AI Life』という、専用のコンパニオンアプリが配信されており、Huaweiらしい使いやすいものになっている。そうそう、心配な人もいるかも知れませんが、ちゃんとGoogle Playでも配信されています。
このHUAWEI AI Lifeアプリでは、HUAWEI FreeBuds 3iのバッテリー残量はもちろん、イヤホン本体のファームウェアアップデートやリモコンボタンのキーアサイン変更が可能になっている。
デフォルトではリモコン機能が乏しい本機。なので、Androidユーザーなら積極的にHUAWEI FreeBuds 3iアプリを利用して、キーアサインをがっつり変更するのがおすすめ。そうすれば、リモコン機能の乏しさは幾分かマシにはなってくれます(それでも少ないけど……)。
ここがうーん?
iPhoneユーザーには使いにくい
Androidだと、前述のように特に問題なく利用できるのですが、iPhoneだと話はまったくの別。ハッキリ言って、iPhoneとHUAWEI FreeBuds 3iの相性は良くない。
その相性は良くないと思う理由こそ、このHUAWEI FreeBuds 3iのキモである『HUAWEI AI Life』アプリにある。なんと、このHUAWEI AI Lifeアプリ、現時点ではApp Storeでは配信されたおらず、iPhoneやiPadではHUAWEI FreeBuds 3iのアップデートはおろか、キーアサインの変更もまったくできない仕様となってしまっているのです。これは痛い。
ひょっとすると、今後はApp Store向けにもHUAWEI AI Lifeアプリを配信してくれるかもしれないが、iPhoneユーザーでHUAWEI FreeBuds 3iを狙っているユーザーは、アプリが出るまで“待ち”が正解かもしれません。
バッテリー持ちが3.5時間は厳しい
おそらく、HUAWEI FreeBuds 3i最大のネックとなるのが、イヤホン単体でのバッテリー持ちの悪さ。2020年に発売された完全ワイヤレスイヤホンにもかかわらず、なんと3.5時間しか持たない。正直、これは短すぎる。
完全ワイヤレスイヤホン黎明期であった数年前ならまだしも、そろそろ熟してきている2020年に、このバッテリーライフの悪さはいただけない。他社が6時間、7時間とバッテリーライフを伸ばしてきているから、余計にバッテリー持ちが悪く感じてしまう。
おそらく、搭載されているチップの低消費電力化がうまくいっていないのでしょうが、これだとHUAWEI FreeBuds 3iだけを外に持っていって使うというのはちょっと厳しいかと。充電ケース込みだと最大14.5時間は持つので、基本はカフェなどのすぐにケースで充電できる環境で使うことになりそう。
新幹線や夜行バスでの長距離移動には向かない感じやね……。
まとめ「いろいろ惜しいを感じる完全ワイヤレスイヤホン」
今回のHuawei『HUAWEI FreeBuds 3i』のレビューを総括すると…
- ノイズキャンセリング性能は高い
- Androidなら使い勝手良好
- iPhoneとは相性が良くない
- 音質が特段良いわけではない
- バッテリーが3.5時間というのは厳しい
という感じ。
正直、ノイズキャンセリング性能は、数あるANC対応完全ワイヤレスイヤホンの中でもかなり優秀な部類に入ってくる。ただ、ノイズキャンセリング性能が高いだけとなってしまっているのが残念。オーディオ機器の根幹であるアナログ的な音作りは、もっと万人受けするように研究してほしいし、バッテリーが3.5時間というのは今となってはナシ。
iPhoneでコンパニオンアプリ(HUAWEI AI Life)が使えないこともそうですが、なんだかいろいろ惜しい感じ。Huaweiのスマートフォンは凄いけれども、イヤホンに関しては、もうちょっと…という感想になりそうです。
もっと、オーディオ機器としての魅力を高めてほしいかな!
おまけ
ちょっと辛口レビューでしたわね。
うーん、ノイズキャンセリング性能が優秀なだけあって、逆にそのほかの粗が目立つ感じなんよね。あくまで、イヤホンってオーディオ機器やし……。
ガジェットガジェットしすぎた、ってことー!?
そうかも!
ガジェットとしては面白いけど、そこに全部持っていかれている感はあるからね。
おわり
「けど」!?