- 思っていた以上に音がゴージャスで素敵!
- Office連携も含めて機能がビジネス寄り!
- オーディオ用として使うには機能が微妙かも!
絶妙な開放感と低音域のバランス!
Surfaceファミリーの完全ワイヤレスイヤホン、Microsoft『Surface Earbuds』をレビュー。パソコン界の絶対王者がイヤホン業界に殴り込み!?その時点で謎…ですが、使ってみると、もっと謎。開放型なのに低音域がボリューミーでゴージャスなの。
評価が難しいですわね。
Surface好きには面白そうだけどねー。
目次
Microsoft『Surface Earbuds』って?
Surface Earbudsってなに?
SpotifyやPowerPointのリモートコントロールができる、MicrosoftのSurfaceファミリーな完全ワイヤレスイヤホン。
- Microsoft Officeとの高い親和性。
- Spotifyを瞬時に呼び出せる。
- 専用コンパニオンアプリがある。
- オープンエアー型と思えない低音域。
- Apple製品との相性が悪い。
- オーディオ的機能が弱すぎる。
- 装着感が独特で合わない人が多そう。
- Office連携機能は別に凄くない。
仕事で使える完全ワイヤレスイヤホンが欲しい!
…って、思っている人なら検討の余地ありかな!?
本体チェック
■インターフェース
- リモコンボタン(タッチセンサー)
イヤホンのシェル部分の“お皿っぽい”部分の全面が、タッチセンサー式のリモコンになっています。それにしても、ちょっと変わったデザイン。Surface Dialに通づるものが…!?
Surface Earbudsイヤホン本体のサイズは 25.0×25.0×19.9mm で、リモコン部分が大きくなっているぶん、完全ワイヤレスイヤホンとして少し大きめ。なお、カラーバリエーションはこの1色(プラチナ)のみ。
Surfaceファミリー特有のしっとり系シルバーやね!
イヤホン本体の充電ケースはマグネットでくっつくタイプ。ただ、接点むき出しな感じはなく、非常に滑らかなフィニッシュとなっています。なかなかのデザイン性。
また、写真を見てもらえば分かるように、Surface Earbudsはカナル型ではなく、AirPodsやHUAWEI FreeBuds 3のようなオープンエアー型。Surface Earbudsにはノイズキャンセリング機能は非搭載なので、遮音性という観点では他の完全ワイヤレスイヤホンには劣ります。
オープンエアー型なので、当然ステムはなし。ただ、イヤーピースを装着する仕組みになっており、そういう意味では風変わりなオープンエアー型完全ワイヤレスイヤホンと言えるかも。
耳に接する部分の形状は、AirPodsのそれと似ているのですが、全体的なサイズ感は大きめ。イヤーピースをSサイズにしても、AirPodsよりもひと回り大きい感じです。
充電ケースは、さすがMicrosoftのSurfaceファミリーと謳っているだけあって、デザインセンスがかなり良き。意匠の統一性もあり。AppleやGoogleとは違うソリッドさが、そこには佇んています。完全ワイヤレスイヤホン随一のケースのデザイン性。
なお、充電ケースのサイズは 75.0×33.2×25.0mm となっており、イヤホンサイズを考えるとコンパクト。イヤホン本体のバッテリーは8時間ですが、充電ケースを使うと最大24時間(+2回分フル充電可能)使えることを考慮すると、ケースはかなり良さげ。
■インターフェース
- ペアリングボタン
充電ケース下面には、デバイスとBluetoothペアリングをするためのボタンがあります。…なんだかAirPodsっぽい。
充電ケースを前面から見てみると、かなり蓋の部分が薄く作られていることが分かります。これのおかげで、サイズのわりにバッテリー容量があるのかもしれません。
■インターフェース
- USB Type-C
充電ケースは当然、『USB Type-C』で充電するタイプ。なお、Qi規格のワイヤレス充電には非対応。せっかくのスマートなデザインなので、Qiには対応してほしかったところ。
■インターフェース
- LEDインジケーター
充電ケース内面には、LEDインジケーターが。うーん、やっぱりAirPodsっぽい……。
左 | 右 | |
2回押し | 再生・停止 | 再生・停止 |
上にスワイプ | - | 音量アップ |
下にスワイプ | - | 音量ダウン |
左にスワイプ | 曲戻し | - |
右にスワイプ | 曲送り | - |
長押し | 音声アシスタント起動 | 音声アシスタント起動 |
Surface Earbudsのリモコン機能。
Surface Earbudsのリモコン機能はちょっと特殊。ただ、再生・停止、選曲、音量調節、のすべてができるようになっています。音声アシスタントも対応。
上表にリモコン機能をまとめたのですが、ご覧のとおり、一般的な完全ワイヤレスイヤホンのような“タップ”で操作ではなく、基本的に“スワイプ”での操作になっています。なお、専用のコンパニオンアプリ(Surface Audio)は存在するのですが、リモコン機能のキーアサインは変更できません。
リモコン機能は慣れが必要な感じやね。
付属品チェック
■Surface Earbudsの付属品一覧
- イヤーピース(S・M・L)
- USB Type-A to USB Type-Cケーブル
- 取扱説明書
付属品はUSBケーブルとイヤーピースという、オーソドックスなスタイル。うーん、パッケージングがAppleっぽいし、Googleっぽい。昔に比べて、Microsoftも随分と洗練されましたね。
注目ポイント
■Surface Earbudsのポイント概要
- Omnisonic:専用設計のドライバーが奏でる開放サウンド
- Microsoft 365:PowerPointやWordに最適化
- Spotify:Androidなら瞬時にアクセス可能
Omnisonic:専用設計のドライバーが奏でる開放サウンド
MicrosoftのSurfaceといえば…そう、『Omnisonic』というサウンドテクノロジー。知らない人も多いけど、Surfaceファミリーは音響もプレミアム志向だったりします。
そういうわけで、そんな素敵なOmnisonicサウンドが、今回の『Surface Earbuds』にも搭載されています。とはいえ、Omnisonicサウンドがどういうものなのか。それがMicrosoftの製品ページだと、“高級感と夢中になれる”としか書かれていない始末。うーん…ということで、音質評価と合わせてのちほど。
かなり抽象的ですわね……。
Microsoft 365:PowerPointやWordに最適化
今回は完全ワイヤレスイヤホンとしてのレビューなので、Microsoft 365やMicrosoft Officeとの連携機能についてはそこまで触れないので、ここはサクッと……。
一応説明すると、PowerPointのスライドを、このSurface Earbudsを使って進めることができるようになっています。あとは、WordもSurface Earbuds経由で音声入力できたり…とかとか。ただ、どちらもMicrosoft 365でのサブスクリプション契約が必要とのこと。
個人利用では使うことのない機能って感じやね。
Spotify:Androidなら瞬時にアクセス可能
Android端末限定にはなってしまうのですが、Spotifyと連携可能。Android端末にインストール済みのSpotifyを、このSurface Earbudsをダブルタップすることにより、瞬時に呼び出すことができる機能を持っている。
このSpotifyとSurface Earbudsの連携機能、iOS端末で使えないことが実に惜しい。きっと、まもなく発売されるであろうSurface DuoがAndroid搭載だから、このような微妙な対応状況になったのかも。
音質チェック
音質評価:★★★☆☆
高音域:★★★☆☆
中音域:★★★☆☆
低音域:★★★★☆
Surface Earbudsの音質をひとことでまとめると、オープンエアー型とは思えないボリューミーでゴージャスな低音域とオープンエアー型特有の音場の広さと開放感がミックスされた感じ。
正直、オーディオ機器としてはまったく期待していなかった(ひどい)、このSurface Earbuds。ところが、試聴してみると評価は一変。オープンエアー型なのに、低音域がしっかり出てくれる。しかも…なかなかに艶っぽくて滑らかさもあるではないか!
オープンエアー型という点では、AppleのAirPodsと同じなのですが、音質そのもののレベルや音の傾向はまったく別物。
音質はどう考えてもSurface Earbudsのほうが上。AirPodsは、いかにもなオープンエアー型ライクな低音域の物足りなさがあるのですが、Surface Earbudsには、オープンエアーなのに低音域もしっかり出ており、バランスもかなり良さげ。
とはいえ、完全ワイヤレスイヤホン全体を見渡すと、最近ではもっと音質を極めた製品が続々出てきている点を考えると、この価格ではちょっと厳しいかも。ノイキャンのような付加価値機能もないですし……。
もしSurface Earbudsが1万円台中盤で売られているなら、もっとプッシュできるのですが、2万円を超えるとなると…という感じ。オーディオ的な機能が乏しいことも含めて、ちょっとマニアックでビジネス志向かと。
オープンエアー型の完全ワイヤレスイヤホン自体は希少な存在やし、もうちょっとオーディオ的な機能に磨きをかけてほしかったところ!でもでも、音質自体は音場感含めて良い感じ!
Surface Earbudsに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- 民族音楽っぽい不思議系Pops。
- 幻想的な独特の世界観のアニソン。
- 90年代の爽快なJ-pop。
完全ワイヤレスイヤホンには珍しいオープンエアー型。そして、量感たっぷりでリッチな低音域。そんな、Surface Earbudsを楽しむなら、音場感が広いほうが楽しめる楽曲を選びたいところ。
そんなSurface Earbudsと一緒に聞いてほしい楽曲は、Kalafinaのベストアルバム『THE BEST “Blue”』から、『storia』(歴史秘話ヒストリアのHistoria:opening themeのカバーソング)をプッシュ。
Kalafina独特の民族音楽っぽさと幻想的な感じが、オープンエアー型で開放感のあるSurface Earbudsにピッタリ。
とにかく音に広さがあると聞き応えがある楽曲と相性が良い感じ。なので、Kalafinaだけでなく、民族音楽っぽさ繋がりでZABADAKもおすすめ。あとは、関係なくなっちゃうけど小沢健二とかとか。
“空気感”で楽しむ楽曲に合うのが、このSurface Earbudsって感じやね!
ここがすき!
コンパニオンアプリが用意されている
Spotifyとの連携がAndroidだけ…というところで期待していなかったのですが、意外にもiOS・Android向けに、『Surface Audio』というコンパニオンアプリが各アプリストアに配信されている。
このSurface Audioアプリ経由で、Surface Earbudsのファームウェアをアップデートしたり、バッテリー残量が確認できるようになっています。しかも、まさかのイコライザー機能も搭載。
Surface Audioのイコライザー機能はなかなかの充実っぷり。プリセットが複数あるだけでなく、周波数ごとにマニュアルでイコライジングできるという良さ。オーディオ機能が乏しい本機だけに、イコライザーがあるだけでもホクホクしちゃう。
オープンエアー型TWSという希少さ
完全ワイヤレスイヤホン = カナル型 と思ってしまうほど、完全ワイヤレスイヤホンは右も左もカナル型ばかり。オープンエアー型を探そうとなると、AirPodsとHUAWEI FreeBuds 3ぐらい。
そこに颯爽と現れたのが、このSurface Earbuds(だと思っている)。
ただ、オープンエアー型にしました。というわけではなく、音質評価のとおり、音の質感も上々。Surface Earbudsがとスーパー音が良い完全ワイヤレスイヤホンというわけじゃないのですが、オープンエアー型好きには福音なはず。
これを機に、オープンエアー型の完全ワイヤレスイヤホンが増えれば…やね!
ここがうーん?
ノイキャンもヒアスルーもない
ちょっと残念…というか、今どきじゃないと思ってしまうのが、ノイズキャンセリング機能も外音取り込み機能(ヒアスルー)もどっちも搭載していないということ。Surface Earbudsが2万円強することを考えると、この両方がないことはちょっと厳しい。
もし、将来的にSurface Earbuds 2が出るとするならば、できればこの2つの機能は搭載してほしいところ。オープンエアー型なので、外音取り込みはあってもなくてもな感じはしますが、ここは積極的にテクノロジーを採用してもらいたいところ。
装着感は人を選ぶ
Microsoftがアメリカの企業だからか分からないのですが、イヤーピースが全体的に大きくて、人によっては装着感が良くないと思う人もいるはず。特に、私のような耳の小さい女性は、かなり装着に苦労するはず。
イヤーピースが大きいならサードパーティーを…と思ってしまうのですが、Surface Earbudsのイヤーピースが独特な独自形状なので、今のところは代替になるようなアイテムはなし。個人的にはSSぐらいのサイズのイヤーピースがあれば…と思ってしまうくらい。女性が一度、試着をしてみてからの購入をおすすめします。
まとめ「TWSにオープンエアーの風!…だけど、まだ発展途上かも!?」
今回のMicrosoft『Surface Earbuds』のレビューを総括すると…
- 完全ワイヤレスイヤホンで希少なオープンエアー型
- オープンエアーなのに低音域の量も質も良き
- Surface Audioアプリはイコライザーも使える
- Office連携は正直不要だと思う
- 装着感も含めてブラッシュアップは必要
という感じ。
思った以上に魅力的な低音域を奏でてくれる、Surface Earbuds。ただ、2020年に求められている完全ワイヤレスイヤホンらしい機能が、なーんにもないのは正直痛いポイント。装着感も人を選ぶ感じ。
でも、可能性はすっごい感じる。早すぎですが、なんだかSurface Earbuds 2に期待したくなるプロダクトという感じ。ノイズキャンセリング機能…ほしいよね。
次は装着感を改良して、ノイズキャンセリング機能を搭載してほしいところ!
おまけ
正直、音質は期待以上やったんよね。
ただ、完全ワイヤレスイヤホンとしての魅力が足りないわけですね?
そうなっちゃう…かな。
第1弾だし、次に期待ってとこだねっ!
おわり
音質は開放型と思えない低音域の質が高い。
機能はOffice特化すぎてオーディオ製品としてはキツい。
…って、感じでピーキーなんよね。