- 超破壊力のノイズキャンセリング性能!
- 解像感の高さは完全ワイヤレスイヤホン随一!
- プチ欠点はあるけど全体の完成度は高い!
パナの本機。ノイキャン王…降臨っ!
PanasonicがTechnicsブランドで出した完全ワイヤレスイヤホン、Technics『EAH-AZ70W』をレビュー。ノイズキャンセリング機能搭載、外音取り込み機能搭載。そんなことよりも、とにかく高音質。うーむ、期待以上のクオリティーかも!
マニアが唸るクオリティーってわけだねっ!?
さすがはTechnicsブランド…。
目次
Technics『EAH-AZ70W』って?
EAH-AZ70Wってなに?
PanasonicがTechnicsブランドで送り出した、ノイズキャンセリング機能搭載のハイエンドな完全ワイヤレスイヤホン。
- 圧倒的解像度と高音質。
- ノイキャン性能はトップクラス。
- 外音取り込みの集音性が高い。
- 独自の左右独立受信方式を採用。
- アプリの機能は必要十分。
- 近接センサー非搭載。
- ホワイトノイズが微妙に気になる。
完全ワイヤレスイヤホンに音質を求めるなら、このEAH-AZ70Wがある種の“到達点”って感じやね!それくらいの解像感と高音質なんよ!
本体チェック
■インターフェース
- リモコン
イヤホンのシェル前面の“Technics”と印刷されたヘアラインの部分全体が、タッチセンサー式のリモコンになっています。
EAH-AZ70Wのイヤホン本体は 20×21×29mm というサイズで、どんぐりのような形状で少しシェルが大きめ。なお、カラーバリエーションは2色(シルバー・ブラック)展開。
うちは『シルバー』を選んでみたやよ!
イヤホン本体と充電ケースはマグネットでくっつくタイプ。ただし、高級な完全ワイヤレスイヤホンにはよくある近接センサーは非搭載。
ステムはシェルに対して斜めにオフセットされているタイプ。
充電ケースはアルミニウム製で、全体的に質感が高め。
充電ケースの上面には、“Technics”のロゴがエンボス加工されているアルミプレートが鎮座。うん、素敵。シルバーの美しいヘアライン加工はTechnicsのアイコン的存在なので、Technics好きにはブランドの統一がしっかりと図られていて嬉しいところ。
■インターフェース
- インジケーター
ケース前面には、充電状態を示す3つのLEDインジケーターを搭載。なお、LEDはしっとりした白色で点灯・点滅します。
■インターフェース
- USB Type-C
ケースの充電は当然、USB Type-C。残念ながら、Qi規格のワイヤレス充電には対応していません。
左 | 右 | |
1回押し | 再生・停止 | 再生・停止 |
2回押し | 音量ダウン | 曲送り |
3回押し | 音量アップ | 曲戻し |
長押し | 音声アシスタント起動 | 外音コントロール |
EAH-AZ70Wのリモコン機能。
リモコン機能は非常に充実しており、再生・停止、選曲、音量調節、という基本的なオーディオコントロールはすべて対応。ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能と変更も、右側のイヤホン長押しで可能になっています。
現時点では、キーアサインの変更は不可ですが、誤爆しがちな音声アシスタント機能が長押しに割り当てられているのは、個人的には高評価。
付属品チェック
■EAH-AZ70Wの付属品一覧
- イヤーピース(S・M・L・XL)
- USB Type-A to USB Type-Cケーブル(0.5m)
付属品は高価格帯の完全ワイヤレスイヤホンにしては、非常にシンプルな構成。なお、イヤーピースのMサイズは、最初からイヤホンに装着されています。
注目ポイント
■EAH-AZ70Wのポイント概要
- デュアルハイブリッドノイズキャンセリング:最高峰のNC性能
- 外音取り込み機能:高いアンビエント性能で会話もOK
- 左右独立受信方式:機種依存ゼロの素晴らしさ
- Technics Audio Connect:過不足ナシのベーシック設計
デュアルハイブリッドノイズキャンセリング:最高峰のNC性能
このEAH-AZ70Wに搭載されているアクティブノイズキャンセリング機能は、デジタル・アナログとフィードフォワード・フィードバックという2つの異なる方式をミックスさせた『デュアルハイブリッドノイズキャンセリング』と呼ばれるもの。
デュアルハイブリッドノイズキャンセリングの性能は凄まじく、完全ワイヤレスイヤホンに搭載されているノイズキャンセリングの中ではトップクラスの性能。これでダメなら、他の選択肢を探すのが大変なくらいのノイキャン性能です。
ノイズキャンセリングの傾向としては、低音域をかき消すのが得意な印象。また、ノイズキャンセリング自体の違和感も少なく、ノイズキャンセリング特有の閉塞感や密閉感が苦手な人でも使いやすいチューニングになっているように感じました。
ノイキャンの閉塞感とか圧迫感が苦手な人でも使える感じなんよね!
外音取り込み機能:高いアンビエント性能で会話もOK
ノイズキャンセリング機能とセットになりつつある『外音取り込み機能(アンビエント機能)』もバッチリ搭載。
外音取り込み機能の集音性能は高く、かなり実用的なレベルに仕上がっています。ただ、何でも集音しちゃう傾向があるので、自分の話し声もガッツリ拾ってしまいます。なので、万能な外音取り込み機能…という感じではなく、あくまで駅や電車でのアナウンスを聞くための外音取り込み機能だと割り切ったほうがよいでしょう。
外音取り込み機能自体の性能の高さは高評価なのですが、音楽を聞きながらの会話目的で使おうと考えているならば、そこは再検討することをおすすめします。EAH-AZ70Wの外音取り込み機能は、あくまで集音特化という感じなので。
左右独立受信方式:機種依存ゼロの素晴らしさ
最近ではQualcommのチップ搭載の完全ワイヤレスイヤホンが増えたことにより、TWS Plusという左右独立受信方式対応機種が増えた。しかし、このEAH-AZ70Wでは、それをさらに超えた独自の左右独立受信方式を採用。
TWS Plusは機種依存が凄く、その機能をフルに活かすことができるプレイヤーはごく少数に限られる。
しかし、EAH-AZ70Wの独自の左右独立受信方式では、機種依存ゼロでTWS Plus(のような)機能が使えるというわけ。つまり、WALKMANでもiPhoneでも、左右独立受信方式が使える。うーん、これは素晴らしい!
まだファームウェアが安定していない部分もあるので、絶対的な評価ができないのですが、少なくとも発売直後でも安定した通信ができていると思ってよい感じ。BluetoothのアンテナについてもPanasonicがこだわって配置しているようなので、その恩恵も少なからずあるはず。とにかく、音切れは少なく接続状態も良好。
通信の安定度が高いのは高評価やね!
Technics Audio Connect:過不足ナシのベーシック設計
EAH-AZ70Wには専用コンパニオンアプリ『Technics Audio Connect』があり、このアプリを使うことで、さまざまな設定が可能となっています。
細かいところだと、Bluetoothコーデックも変更可能やよ!
特筆すべきなのが、ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能の調節が可能という点。しかも、ただ可能というだけではなく、その調節が非常に細かく可能。なんと100段階で細かくセッティングができるようになっています。
おそらく、ここまで細かくノイズキャンセリングや外音取り込みをセッティングできるイヤホンは、かなり希少な存在なはず。
そして、あると嬉しいイコライザー機能も搭載。
『バスエンハンサー』と『クリアボイス』というプリセットのほかに、自分でカスタム可能なイコライザーも搭載。なので、自分好みの音にチューンして追い込むこともバッチリできます。このあたりは先発メーカーをかなり研究していますね。
ほかにも、ファームウェアのアップデートとか、イヤホンの名前を変更できるようになってるやよ!
音質チェック
音質評価:★★★★★
高音域:★★★★★
中音域:★★★★☆
低音域:★★★★★
音質について端的に言うと、全体的にパワフルなサウンドでありながら、解像感をしっかりとキープしたまま音を出してくれている感じ。完全ワイヤレスイヤホンの中では、かなり高音質な部類に入るはず。
特に高音質のキラキラ感が強く、シャキっとした解像感のあるサウンドが特徴的。低音域は思っている以上に量感たっぷり。
でも、ちゃんと解像されている低音域なので、モヤモヤした感じはありません。しっとり系ではなくパワフル系の音質なので、好みは分かれるかもしれませんが、チープなドンシャリとはしっかりと一線を画してくれています。
ノイズキャンセリング機能のオン・オフで音質が変わってくるのですが、総じてノイズキャンセリング機能がオンの状態のほうが、一般的な高音質と言える気がします。
オフにすると低音の主張が若干少なくなるので、気になる人は専用アプリ(Technics Audio Connect)でイコライジングするとよいかもしれません。
解像感が高いにもいろいろあるけど、EAH-AZ70Wはボリューム満点で食べごたえのある感じやね!十割蕎麦よりは黒毛和牛のステーキ的…な!?
EAH-AZ70Wに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- 情報量の多いアニソン。
- 女性ボーカルのバンド系Rock。
- 男性ハイトーンボイスRock。
- スタバ系Lo-fi Hip Hop。
古くから日本のオーディオブランドを牽引してきたTechnicsだけあって、日本人好みのチューニングになっています。そういうわけで、かなり万能選手として使えそうな本機。
その中でも、EAH-AZ70Wの音質傾向から合いそうなのが、ローからハイまで奏でるようなレンジが広く情報量が多い楽曲。なので、アニソンやハイトーンなボーカル系のRockとの相性が良いように感じた。
このEAH-AZ70Wと一緒に聞いてほしい楽曲は、HYDEのシングル『BELIEVING IN MYSELF / INTERPLAY』から『INTERPLAY』。
力強さと疾走感とHYDEのハイトーンボイスを、EAH-AZ70Wが余すことなく再現してくれています。EAH-AZ70Wの解像感の高さと低音域の力強さの凄さ、これはやっぱりRockなサウンドに向いているのかもしれません。とにかく聞いてていて楽しい。高音質だけじゃなくて、楽しめる。これこそEAH-AZ70Wの真骨頂だと言えるはず。
日本人好みのチューニングだから、幅広い楽曲に合うのが嬉しいところなんよね!
ここがすき!
オーディオ機器らしい完全ワイヤレスイヤホン
完全ワイヤレスイヤホンというのは、オーディオ機器の中ではガジェット感が強く、どうしても音質以外の要素も評価されがち。しかし、このEAH-AZ70Wはオーディオ機器らしさがある完全ワイヤレスイヤホンというイメージ。
音の好みはあるにしても、PanasonicがTechnicsブランドで出しただけあって、主軸を飛び道具的なアイデアにせず、オーディオ機器然としているストイックさがあるように思えるところが個人的に好き。
処女作なだけあって、完全ワイヤレスイヤホンとしては粗削りな部分もチラホラあったりするのですが、これはこれでアリと納得してしまう魅力も感じる愛おしさのようなものがあります。
進化が期待できる専用アプリ
良い意味で裏切られたのが、専用コンパニオンアプリの『Technics Audio Connect』の作り込み。正直、このアプリが適当な作りだったら、個人的には評価がかなり変わってきたと思います。
イコライザー機能やノイズキャンセル機能・外音取り込み機能の調節を細かくできる部分は「うんうん」と納得する作り。特に、イヤホンのファームウェアをアップデートできる部分やBluetoothコーデックを変更できるところなんかも、なかなかツボを抑えていると言っていいはず。
Technics(Panasonic)は完全ワイヤレスイヤホン後発組だから、これぐらいはやって当然…とも思ってしまうけど、その期待にしっかり応えてくれたことに嬉しく思ってしまいます。あとはこれからの進化に期待という感じ。
ここがうーん?
ノイキャンのホワイトノイズが気になる
ちょっと残念だったのが、全体としてホワイトノイズが気になるとこ。これはノイズキャンセルの有無関係なく、ちょっと気になってしまいます。
このホワイトノイズさえなければ、もっと高い評価をつけることができるはず。もしファームウェアアップデートでどうにかなる問題ならば、次回以降のアップデートでホワイトノイズを改善してもらいたいところ。
aptX非搭載は賛否がありそう
私は気にならないのですが、BluetoothコーデックがSBCとAACの2つしか対応していない点が引っかかる人も少なくないはず。
もちろん、Bluetoothコーデックでイヤホンの音質が絶対的に決まることはないのですが、気持ち的にはaptXがあってもよかったところ。Sonyも最近の機種ではaptXを外してきているので、ひょっとすると国内メーカーはそういう方針なのかもしれません。
まとめ「音質もNCも完全ワイヤレスイヤホンの到達点がココ」
今回のTechnics『EAH-AZ70W』のレビューを総括すると…
- 完全ワイヤレスイヤホン随一の高音質
- ノイキャン性能はトップクラス
- 外音取り込みはクセがあるけど効果的
- アプリの機能性も申し分なし
- ノイキャン時のホワイトノイズだけ残念
という感じ。
今まで完全ワイヤレスイヤホンを10個以上レビューしてきていますが、その中でもEAH-AZ70Wの音質はある種の“到達点”と言っていいレベル。「ここまで完全ワイヤレスイヤホンも来たんだな」と感慨深いものがあるくらい、進化の集大成的なものを感じます。とにかく高音質な完全ワイヤレスイヤホンを求めるならおすすめの一品。
これは2020年のベストバイ完全ワイヤレスイヤホン候補かも!?
おまけ
処女作でこのクオリティーとは…凄いですわ。
ほんとそうなんよ!
国内メーカーだと、オーテクとSonyの2強やったけど、YamahaとかPanasonicが参戦してきて面白くなってきそうな予感がするんよね。
Technics〜♪(懐かしのCM風)ですなー!
おわり
超簡単にまとめちゃうと…
な感じやね!とにかく予想以上に良かったんよ!!