- EAH-AZ70Wには、主に3つの問題点がある!
- 最新アップデートでこれらが改善されるか検証した!
- バッテリーの自然放電量の多さは早急に改善してほしい!
これでダメなら考えもの。
かなり気に入って使っている、Technics『EAH-AZ70W』という完全ワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング機能も効果的だし、音質もすこぶる良い。…だけど、3つばかし問題点もあったりする。それが何かと、最新アップデートで解消されるかを検証した話です。
致命的な欠点ですか。
2020年上半期の完全ワイヤレスイヤホン王候補危うしっ!?
目次
EAH-AZ70Wの欠点
この記事を読んでいる人は、すでにTechnics『EAH-AZ70W』ユーザーだと思うので、いろいろ話さずに早速本題に入ります。
■EAH-AZ70Wの諸問題
- Bluetoothペアリングの煩雑さ。
- ノイズキャンセリング時のホワイトノイズ。
- 充電ケース収納時の自然放電の異常さ。
購入から2か月が過ぎ、使っていくうちに“致命的”なものも含めて、いろいろと欠点や諸問題が浮上してきました。特に、その中でも気になった点を3つを箇条書きにして、上記にまとめています。
きっと、同じように思っている人もいるんじゃないかな!?
【欠点1】Bluetoothペアリングの煩雑さ
このEAH-AZ70Wなのですが、どうもBluetoothペアリングの出来が悪いようで、Bluetoothペアリング速度が遅かったり、ペアリング途中で接続先デバイスを見失ってペアリングそのものが失敗するときもあります。
もう1つ気になるところで言えば、ペアリングの切り替えが厄介な点。例えば、Aという機器でEAH-AZ70Wをすでにペアリングしていて、BにEAH-AZ70Wのペアリング先を切り替えたいときには、一度Aとのペアリングを解除しないといけないという謎仕様。完全ワイヤレスイヤホンを10機種以上使ってきた私ですが、こんな仕様は初めてでした。
完全ワイヤレスイヤホンは、音質云々よりも使い勝手が物を言うと思っています。なので、EAH-AZ70Wにおける、このBluetoothペアリングの何とも言えない出来に関して、完全ワイヤレスイヤホンオタクとしてはいろいろツッコミたくなってしまうのです。
ひとことで言うと、“面倒くさい”って感じやね……。
【欠点2】ノイズキャンセリング時のホワイトノイズ
これは購入時から分かっていたことなのですが、アクティブノイズキャンセリング機能オンのときの“サー”というホワイトノイズが結構気になります。
このEAH-AZ70W発売後、Sennheiser『MOMENTUM True Wireless 2』やAudio-Technica『ATH-ANC300TW』といった、優秀なアクティブノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンが続々登場してきています。しかも、それらはホワイトノイズが少ない。このEAH-AZ70Wは音質自体は良い鳴りをしてくれるので、それも含めてなおさらこのホワイトノイズ量の多さが残念だったりしています。
【欠点3】充電ケース収納時の自然放電の異常さ
正直、前掲の欠点はまだ目を瞑ることができるもの。ただ、この欠点だけは“致命的”と言いたい。それは、イヤホンを使っていないとき(充電ケース収納時)のバッテリーの自然放電量が異常に多いということ。いわゆる、バッテリーのお漏らしが凄いのです。
このバッテリーの自然放電がとにかく凄まじく、フル充電して1週間ぐらい放置していると、それはもうスッカラカン。あまりこういうのは言いたくないですが、今どきのリチウムイオンバッテリー搭載製品(完全ワイヤレスイヤホン以外も含め)で、ここまで自然放電がひどい製品は久しぶりな気がします……。
アップデート内容
そういうわけで、主に3つの欠点があるATH-ANC300TW。特に、バッテリーの自然放電が酷いので、最近はすっかり使っていなかったのですが、最新ファームウェアアップデート(Ver. JMS1ZN 01.70)が、2020年6月17日に配信されていました。
■JMS1ZN 01.70の主なアップデート内容
- タッチセンサーボタン長押し時の応答速度時間短縮。
- 登録済機器へのBluetooth再ペアリング速度の向上。
- Bluetoothペアリング切り替え機能改善。
今回のファームウェアアップデート(Ver. JMS1ZN 01.70)で、公式にアナウンスされているアップデート内容は上記の3点。なお、アップデート自体は、専用のコンパニオンアプリ『Technics Audio Connect』内で行います。
アナウンスされているアップデート内容で期待できるのは、欠点1で話したBluetoothペアリングの煩雑さの改善ですが、それ以外にもいろいろ改善されているのでは…と思っています。
これで、バッテリー自然放電が直っていてほしいところ!
アップデート後の検証結果
アップデート前 | アップデート後 |
Ver. JMS1ZG 01.57 | Ver. JMS1ZN 01.70 |
検証したEAH-AZ70Wのファームウェア。
そういうわけで、今回配信されたファームウェアアップデート(Ver. JMS1ZN 01.70)で、前掲した3つの欠点が改善されているかを検証してみました。なお、アップデート前後のファームウェアについては上表を参照してください。
【検証1】Bluetoothペアリングの煩雑さ:若干改善
まず、欠点1で話していた、Bluetoothペアリングが遅かったり、接続失敗したり、接続デバイスの切り替えが面倒な問題。
これらについては、ちゃんと公式でアナウンスされているとおり、幾分か改善されているように見受けられました。特に、ペアリングの速度に関しては、遅くてストレスになるというのはなくなった感じ。ただ、Bluetoothペアリングが失敗する現象に関しては、完全に不安が拭いきれた感じではないような……。
デバイスを跨いだペアリング切り替えについては、ちゃんと改善されていました。これは公式で記載されている事項なので、ある種当然でしょう。あと、ノイズキャンセリング時の解像感は若干上がった気もしなくもないです。
Bluetoothの接続関係については、これで不満はなくなった…かな!?
【検証2】ノイズキャンセリング時のホワイトノイズ:変化なし
次に、欠点2で話していた、アクティブノイズキャンセリング機能オン時のホワイトノイズの量の多さ。
これは残念ながら、アップデート後も変化なし。こうなってくると、EAH-AZ70Wのホワイトノイズ量の多さについては、ソフトウェアではなくハードウェアの問題(つまり仕様)なのかもしれません。
ホワイトノイズが気になるなら、素直にAirPods Proとかにすべきかもやね。(音質はEAH-AZ70Wのほうが勝ってるけど)
【検証3】充電ケース収納時の自然放電の異常さ:現状変化なし
そして最後は、欠点3で話していた、充電ケースにイヤホンを収納しているときのバッテリーの自然放電の異常なまでの多さ。
まだ、アップデートが降ってきて1日なので、追って検証を続けていきますが、現状は変わった感じはない様子。もし、劇的に自然放電が改善されたならば、バッテリーの自然放電量のアップデート前後での比較を含めて、報告をしてきます。
まとめ「アップデートで対処可能なものはすべて改善して!」
ちょっとネガティブな記事になってしまいましたが、このTechnics『EAH-AZ70W』の音質自体は、処女作としては高い完成度を誇っていると判断しています。
ただ、音質だけで語れないのが完全ワイヤレスイヤホンの奥深さ。
高音質 = 良い完全ワイヤレスイヤホン
という方程式にはならず、良い完全ワイヤレスイヤホンの条件というのは、音質以外の面(使い勝手・コンパニオンアプリの有無・リモコンボタンの操作性等)も優れていないといけないのです。
そういう意味では、EAH-AZ70Wは音質以外の面が、ちょっと残念だった感はあります。なので、ホワイトノイズとバッテリーの自然放電の2点に関して、アップデートで直るものであれば、積極的に対処してもらいたい事項。そうすれば、もっと手放しでおすすめできる機種になるはずです。
バッテリーの自然放電の多さは、本当になんとかしてほしい!
おまけ
切実ですわね……。
ホワイトノイズの多さは、購入当初から感じてたからあまり言う必要はないんだけど、バッテリーの自然放電の多さはナシやね。
充電ケースの意味とは、ってなっちゃうもんねー。
そうなんよ。
何のためにケース側にバッテリーが搭載されているかが、分からなくなってくるんよね。
おわり
2か月使っていると、“致命的”な点も出てきたんよね……。