- 2021年の完全ワイヤレスイヤホンANC王はWF-1000XM4が当確!
- 前作で不満に感じていたウィークポイントがほぼ全部解消されている!
- 最高の完全ワイヤレス環境を求めるならXperia 1 IIか1 IIIも買おうず!
ハイレゾ、ハイレゾ、ハイレゾ!
ノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン、Sony『WF-1000XM4』をレビュー。音質もノイキャンも、不満は何もない。…これが“TWSの到達点”なのでした。


うん、優勝っ!!

ついに、完全ワイヤレスイヤホンもハイレゾ対応の時代なのですね。
本日のレビュー:WF-1000XM4
WF-1000XM4ってなに?
高性能ノイズキャンセリング搭載、ハイレゾ(Hi-Res Audio Wireless)対応。Sonyの技術を凝縮した完全ワイヤレスイヤホンのフラグシップ。
- 圧倒的ANC性能
- 待望のLDAC対応
- 嬉しい小型軽量化
- 不満のない音質
- 抜群の装着感
- 不完全なキーアサイン
- 360 Reality Audioは現状オマケ
WF-1000XM4 | ||
---|---|---|
型番 | WF-1000XM4/B(ブラック) WF-1000XM4/S(プラチナシルバー) |
|
メーカー | Sony | |
オーディオ性能 | ドライバー | ダイナミック(φ6mm) |
再生周波数帯域 | 非公表 | |
インピーダンス | 非公表 | |
ケーブル長 | - | |
プラグ | - | |
Bluetooth性能 | Ver. | Bluetooth 5.2 |
コーデック | SBC AAC LDAC |
|
プロファイル | A2DP AVRCP HFP HSP |
|
バッテリー | イヤホン単体 | 最大12時間(ANC OFF) 最大8時間(ANC ON) |
イヤホン+充電ケース | 最大36時間(ANC OFF) 最大24時間(ANC ON) |
|
インターフェース | イヤホン | - |
充電ケース | USB Type-C ×1 | |
サイズ | イヤホン | 25.5×28×21mm*1 |
充電ケース | 66×29×39mm*1 | |
質量 | イヤホン | 7.3g |
充電ケース | 41g | |
備考 | ノイズキャンセリング | ○ |
ヒアスルー | ○ | |
コンパニオンアプリ | ○ (Sony | Headphones Connect) |
|
防塵防水 | IPX4 | |
左右独立受信方式 | ○ | |
その他 | 近接センサー搭載 Qiワイヤレス充電対応 急速充電対応(5分充電 → 60分駆動) Hi-Res Audio Wireless対応 Google Fast Pair対応 |
WF-1000XM4のスペック
*1実測値

ここで特に語ることもないくらい、高い完成度を誇る完全ワイヤレスイヤホンなんよね!
iPhoneユーザーはもちろん、LDACコーデック対応のAndroidユーザーにこそ、使ってほしい感じもあるかな。
デザイン
本体

イヤホン | 充電ケース | |
サイズ | 25.5×28×21mm*1 | 66×29×39mm*1 |
質量 | 7.3g | 41g |
WF-1000XM4のサイズと質量
*1実測値
このWF-1000XM4で、1000Xシリーズの完全ワイヤレスイヤホンも3代め(WF-1000X → WF-1000XM3 → 本機)になるのですが、ようやくコンパクトなサイズになりました。
特に充電ケースの小型化が著しく、前作にあたる『WF-1000XM3』と比べると、公称値で約40%のダウンサイジングを果たしたとのこと。WF-1000XM3のサイズは 80×55×29mm (実測値)だったので、一回りも二回りも小さくなった…という印象を受けます。
イヤホン前面には、リモコンボタン、マイク(×2)、を搭載。
リモコンボタンはタッチセンサー方式を採用。そこで気になる誤爆ですが、ちゃんと押下時に「ピッ」という音が返ってくるようになっています。また、フィードフォワードマイクは、風を検知すると自動でオフになる優れもの。
イヤホン後面には、充電用Pogo-pin(メス)、IRセンサー、を搭載。
本機はIRセンサー(近接センサー)搭載なので、イヤホンの着脱に応じて、音楽が自動再生/停止できるようになっています。
WF-1000XM4は前作(WF-1000XM3)とは異なり、ふっくらと丸みを帯びた形状に変更されています。
充電ケース下面(底面)には、Qiモジュール、を搭載。
そうです。WF-1000XM4では、待望のワイヤレス充電に対応しました。私を含めて、これを待っていた人は多いはず。

しかも…充電ケースが自立する!ここ重要!!

おおー!
充電ケース前面には、LEDインジケーター、を搭載。
このLEDインジケーターは、充電中や蓋の開閉時にバッテリー残量の通知用、本体初期化時の通知用、に使われています。
充電ケース後面には、USB Type-Cポート、を搭載。
前作(WF-1000XM3)では下面にあったUSBポートですが、今作では後面に移動。これで自立させて充電が可能になりました。
充電ケース開閉時 | イヤホン取出時 | ||
緑色点灯 (約6秒間) |
オレンジ色点灯 (約6秒間) |
緑色点灯 (約3秒間) |
オレンジ色点灯 (約3秒間) |
100% | –94%(イヤホン*1) –30%(充電ケース*2) |
100% | –94%(イヤホン*1) –30%(充電ケース*2) |
LEDインジケーターのバッテリー残量通知
*1充電ケース収納時
*2イヤホン非収納時
なお、LEDインジケーターは、上表のようなバッテリー通知に対応しています。
充電ケースの薄さはこんな感じ。

充電ケース内面には、充電用Pogo-pin(オス)、を搭載。
充電ケースとイヤホンは、マグネットで吸着する仕組み。マグネット強度もちょうどよく、指で摘めるぐらいイヤホンのシェルが出ているので、取り出しやすさも良好です。
また、イヤーピース周りのクリアランスは、結構ギリギリな様子。なので、サードパーティー製のイヤーピースに交換する際は、ちゃんと収納できるかを事前にチェックしておいたほうが良さげ。
リモコン
Lch | Rch | |
1回押し | ANC/ヒアスルー切替 | 再生・停止 |
2回押し | - | 曲送り |
3回押し | - | 曲戻し |
長押し | クイックアテンション起動 | 音声アシスタント起動 |
WF-1000XM4のリモコン機能
※デフォルト状態
WF-1000XM4の搭載されているリモコン機能は上表のとおり。
リモコン機能に関しては可もなく不可もなく、という感じ(デフォルト状態の場合)。実利用ではまず問題ないでしょう。
キーアサインは、専用のコンパニオンアプリ(Sony | Headphones Connect)から変更可能。ただ、ひとつひとつアサインできるタイプではなく、あらかじめ用意されているプリセットの中から、任意で選択する形になっています。なお、音声アシスタントのみ、単独で無効化可能。
ステム

全長 | 4.1mm |
直径 | φ5mm |
WF-1000XM4のステム(ノズル)サイズ
※実測値
ステムのサイズは、ごくごく一般的な感じ。
付属品

■付属品一覧
- イヤーピース(S・M・L)
- USBケーブル(Type-A to Type-C)
- 取扱説明書
- 保証書
なお、イヤーピースのMサイズは、最初からイヤホン本体に装着済です。
イヤーピース

付属のイヤーピースは、『ノイズアイソレーションイヤーピース』という、Sony独自開発のもの。
軸部分は、Sonyおなじみのシリコン素材。笠部分は内側がシリコン素材になっており、それを覆うように肉厚のポリウレタンフォーム素材が配されています。…シリコンと低反発のハイブリッドな感じでしょうか。

前作(WF-1000XM3)では、
- ハイブリットイヤーピースロング
- トリプルコンフォートイヤーピース
の2種類が付属していたはずですが!?

あ…そういえば、普通のシリコン製イヤーピースは別売りになったみたいやね。
その他

USBケーブルは、Type-A to Type-Cのものがバンドル。そろそろ、Type-C to Type-Cでもよいかも……。
取扱説明書や保証書も同梱されていますが、Sonyが本機で取り組んでいる“サスティナブル”という観点では、もはや冊子類は不要かもしれません。

WF-1000XM4では、プラスチックフリーパッケージを採用してるんよね!

大企業ほど、環境配慮が求められる時代ですからね。

ハイエンド機 = 豪奢なパッケージ
…っていうのを想像してると、簡素すぎてビックリするーる。
ポイント
- プロセッサー:Sony V1採用でANC性能とS/N比向上
- サウンド:Hi-Res + 360 Reality Audio + DSEE Extreme
- マイク:風ノイズを低減するフィードフォワードマイク
- フィッティング:ソフトとハードで装着安定性を向上
- ファンクション:業界最高のノイズキャンセリング + α
- フィーチャー:IPX4防滴とQiワイヤレス充電に対応
プロセッサー:Sony V1採用でANC性能とS/N比向上

今回のWF-1000XM4には、Bluetooth SoCとして『Integrated Processor V1(統合プロセッサーV1)』が採用されている。
このSony V1チップには、ノイズキャンセリング用のプロセッサーも内包。この1チップ化により、前作よりもモジュールの小型化を果たしたそう(WF-1000XM3では、 Bluetooth SoC + ANC processor QN1e という形だった)。
そして、新開発のSony V1チップ採用により、処理速度が向上。さらに、ノイズキャンセリング性能も高まったとのこと。また、A/Dコンバーター・D/AコンバーターのS/N比も向上し、これにより音の高解像度も果たしたそう。…まさに心臓部に抜かりなし。

中身は『MediaTek MT2822S』みたいなんやけどね。

SonyとMediaTekが協力して開発した、とかなのかなー!?
SoC搭載のANCで、ここまで強力になるとは思えないし…むむー。

WF-1000XM3に採用されていた『QN1e』も、MediaTekのAB1526Pベースだそうですからね。
と、なると…今回も左右独立受信方式は、Airoha MCSyncですわね。おそらくは。

うん、この話はまた今度…やね。(長くなりそうやし)
サウンド:Hi-Res + 360 Reality Audio + DSEE Extreme

WF-1000XM4のキモと言えるテクノロジーには、
- Hi-Res Audio Wireless
- 360 Reality Audio
- DSEE Extreme
…という、3つのポイントがあるので、順を追って見ていきます。
Hi-Res Audio Wireless対応

WF-1000XM4最大のトピックとも言えるのが、『LDAC』コーデックに対応したこと。これにより、日本オーディオ協会が定める『Hi-Res Audio Wireless』の認定を受けることができました。
また、LDACコーデック対応なので、最大990kbpsという高ビットレートでBluetooth転送が可能に。Bluetoothコーデックが音質のすべてではありませんが、完全ワイヤレスイヤホンにおける“コーデックの壁”を1つ乗り越えたわけです。
360 Reality Audio認定モデル

前作WF-1000XM3に引き続いて、今回のWF-1000XM4でも、『360 Reality Audio』という立体音響技術の個人最適化をサポートしています。

Appleも『空間オーディオ(Spatial Audio)』対応の音源を配信し始めたし、これから立体音響のちょっとしたブームが起こる…かも!?
DSEE Extreme対応

前述したように、待望のLDAC対応となったWF-1000XM4。ですが、iPhoneを含め、LDACに対応していないデバイスも数多い。また、非ハイレゾ音源も同様にまだ多い。
そこで有効なのが、Sonyではおなじみのハイレゾ相当にアップコンバートする『DSEE』という技術。
本機では、前作WF-1000XM3よりパワーアップした『DSEE Extreme』(WF-1000XM3は『DSEE HX』)を採用。この技術を用いることによって、非ハイレゾ音源・非ハイレゾデバイスであっても、最大96kHz/24bitまで拡張してくれます。

LDACだけじゃなくて、SBC・AACでも対応してるのが推しポイントなんよね!
マイク:風ノイズを低減するフィードフォワードマイク

WF-1000XM4では、高音質化を図っただけでなく、昨今のテレワークに適した高性能なマイクテクノロジー『ボイスピックアップテクノロジー』を搭載。ここも大きなポイント。
この『ボイスピックアップテクノロジー』は、
- ビームフォーミング技術
- 骨伝導センサー
の2つから構成されています。
この2つのテクノロジーの合せ技により、ユーザーの声だけをピンポイントに通話相手に届けることができるようになっています。
フィッティング:ソフトとハードで装着安定性を向上

前作(WF-1000XM3)と大きく変わったところとして、イヤホン本体と耳を密着させる方式の変化があります。
WF-1000XM3では『エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー』という、3点保持形式で装着感を高めていたのですが、それをWF-1000XM4では一新。WF-1000XM4では『エルゴノミック・サーフェース・デザイン』という、シェル全体を面としてホールドする構造に進化。これにより、より高い装着感を得ることができるようになっています。

また、スマートフォンアプリ(Sony | Headphones Connect)内に『装着状態テスト』という機能があり、自分に最適なイヤーピースを導き出してくれるようにもなっています。

UX向上も抜かりなしですなー。
ファンクション:業界最高のノイズキャンセリング + α
ノイズキャンセリング

そして、WF-1000XM4のノイズキャンセリング性能は、業界最高峰レベルにまで大幅進化。

前述したSony V1チップと2つのマイク(フィードフォワード + フィードバック)により、すべての周波数帯域において、より強力で効果的なアクティブノイズキャンセリング性能を得ることができるようになっています。
これにより、ノイズキャンセリングが得意とする車の走行音のような低音域だけではなく、従来のノイズキャンセリングではカットされづらかった人の声もかき消せるようになりました。
その他便利機能

ほかにもWF-1000XM4には、
- 装着検出機能(イヤホンの着脱に応じて音楽自動再生/停止する)
- スピーク・トゥ・チャット(会話時に自動的に外音取り込み機能がオンになる)
- Google Fast Pair(Android端末でのBluetoothペアリングが便利になる)
…という、ユーザビリティーを向上させる機能が多数搭載されています。
フィーチャー:IPX4防滴とQiワイヤレス充電に対応

前作WF-1000XM3ユーザーからすると“待望”となるのが、IPX4相当防滴とQiワイヤレス充電に対応したこと。
Qiに対応したことで、充電もフルワイヤレス。そして、WF-1000XM3のウィークポイントであった水への弱さを、今回のWF-1000XM4ではバッチリ解消してくれました。IPX4なので防水ではないのですが、ノーガードだった前作と比べると、飛躍的な進化と言えるのではないでしょうか。
パフォーマンス

- 音質
- 9
- 装着感
- 8
- 操作性
- 7
- 接続安定性
- 9
- マイク性能
- 9
- ノイキャン性能
- 10
- ヒアスルー性能
- 7
- 付加機能
- 10
実利用での各用途におけるパフォーマンス所感
実際に利用して、私が感じたWF-1000XM4の各パフォーマンス所感は上記のとおり。
音質:★★★★☆
音質評価

高音域:★★★★★★★★★☆
中音域:★★★★★★★★☆☆
低音域:★★★★★★★★☆☆
※音質評価は販売価格を考慮した相対評価。
WF-1000XM4の音質を端的に言うと、エネルギッシュで音の濃淡がハッキリしている有機ELテレビのようなクリアサウンド…という感じ。
全体の音質傾向としては、低音域の量が少し多い印象。高音域と中音域を100とすると、低音域が120ぐらい出ている感じ。音場感は広くもなく狭くもなく、普通。音の濃淡がハッキリしており、Sonyのハイエンド機らしい音になっています。なお、LDACで接続して、ソフト的な機能(DSEE Extreme等)はオフにして評価しています。

先代(WF-1000XM3)よりも、全体的な音質や音の立ち上がりが良くなってる!
有機ELディスプレイみたいに、コントラストが高くて、0と1がパキっと分かれたイメージの音がするんよね。

高音域は澄んだ感じが素敵な音。
WF-1000XM4の高音域をひとことで表現するなら、“繊細”そのもの。量だけ出して喜ぶでしょ…的な雑さがなく、非常にキメが細かい。変なシャリシャリ感やビビリがなく、雑味がなく美しい。個人的には、もう少し量が欲しいのですが、完全ワイヤレスイヤホン随一の綺麗な高音域だと感じるくらいに好き。

中音域は芯が通ったしっかりとした音。
高音域同様に癖が少なく、耳馴染みの良い音を鳴らしてくれます。特段、ボーカルが前へ前へと迫ってくる感じはないのですが、しっかりと芯が通っているため、ひとつひとつの歌詞をハッキリと聞くことができます。量もちょうど良く、チューニングも素晴らしい。

低音域はいかにもSonyを感じる音。
WF-1000XM4の低音域は、他の音域に比べて量が多いのですが、全体的にボリューミーというわけではなく、ある一定の周波数付近が顕著に突出しているイメージ。なんというか…「あ、Sonyの音!」と、思える“らしさ”がある感じ。低音域の解像感は十分なのですが、この点に好みの分かれ道がある気もします。

全体的な音質に不満はないんやけど、ちょっと低音が変に主張する感じも否めないから、もう少し低音域の量をバランス良くしてほしかった…かな!?
でも、これも重箱の隅をつついたらって感じ!完全ワイヤレスイヤホンで、ここまで鳴れば文句ナシ!!
WF-1000XM4に合いそうな曲

WF-1000XM4と一緒に聞いてほしい楽曲の1曲めは、Adoの『夜のピエロ』をセレクト。
バックで微かに鳴っている音までハッキリと聞き取れるところ、ここにWF-1000XM4のポテンシャルを感じることができる。音のコントラストが高いので、いわゆる“今っぽい曲”とも好相性なのです。
WF-1000XM4と一緒に聞いてほしい楽曲の2曲めは、米津玄師の『ゆめうつつ』をセレクト。
「ずっと 恋をしていた」、ここの“して”〜“いた”部分の息遣いの再現性が最高&最高。背中がソワソワするくらいのリアリズム。個人的には、イコライザーで低音域をちょっと抑えめにしてあげると、よりボーカルが引き立つので、ちょっとアプリで調節してあげるのがおすすめ。
WF-1000XM4と一緒に聞いてほしい楽曲の3曲めは、(sic)boyの『爆撃機 (Prod.KM)』をセレクト。
WF-1000XM4の特徴的な低音域を楽しむなら、この曲。スピード感と解像力が不足しているイヤホンだと、低音域がボヤボヤして感じになってしまい、低音域に他の音域が持っていかれがちになるのですが、WF-1000XM4ではちゃんと破綻せずに鳴らしてくれます。
WF-1000XM4と一緒に聞いてほしい楽曲の4曲めは、CAPSULEの『ひかりのディスコ』をセレクト。
力強い低音域と繊細で癖のない高音域を出してくれる、WF-1000XM4。なので、ピコピコサウンドとの相性も良き。CAPSULEの曲は完全ワイヤレスイヤホンだと、この多い音数を捌ききれないイメージだったのですが、本機くらい立ち上がりが早いと、全然問題ナシ。これは嬉しい。

1000Xシリーズらしく、どんな曲でもソツなくこなすことができるって感じやね!
装着感:★★★★☆

耳甲介(耳のくぼみ)にしっかりと密着してくれる感じがし、装着感は完全ワイヤレスイヤホンの中でもかなり良好な部類に入る印象。
新採用の『エルゴノミック・サーフェース・デザイン』の効果…かどうかは分からないのですが、間違いなく前作(WF-1000XM3)の数倍は装着感が良くなっています。
耳からシェルが突出している気持ち悪さも一切なく、安定感も抜群。このあたりは、新採用の『ノイズアイソレーションイヤーピース』の恩恵もある気がします。
操作性:★★★★☆

好みが分かれるタッチセンサー式のリモコン採用ですが、ちゃんと押下時に音によるフィードバックがあるので、タッチセンサーだから…というネガティブなイメージはありません。タッチセンサー自体の反応もキビキビとしており、非常に良好な操作性。

ただ、ちょっと不満なのが、キーアサインの割り当てがプリセットの中から選択する方式でかつ、そのプリセットの内容自体が微妙ということ。
デフォルトでは、ノイズキャンセリングと再生停止・選曲というアサインなのですが、これだと音量が調節できない。かといって、音量調節をアサインすると、ノイズキャンセリングか再生停止・選曲を捨てなければならないのです。こうなってしまうのであれば、自由にアサインさせてほしいと思ってしまったりも……。

もっとカスタマイズできるように、アプリ側のアップデートをしてほしい感じやね。
接続安定性:★★★★☆

モダンな完全ワイヤレスイヤホンだけあって、混線に弱かったり、急に途切れてそのまま復帰できないということも特段なく、接続安定性はかなり良い印象。これなら、多くのユーザーがストレスなく使うことができるでしょう。
ただ、ちょっと気になるのは、たまに挙動不審になること。発売してすぐということもあり、おそらくファームウェアが安定していないのでしょう。なので、ここは早期のアップデートで、より動作そのものの安定度を高めてもらいたいところ。
マイク性能:★★★★☆

LINEやDiscordを使って通話をしてみたのですが、マイクの指向性が良く、ハンズフリー用の完全ワイヤレスイヤホンとしても優秀な印象。これなら、昨今のテレワーク用途としても、充分に活躍してくれるでしょう。
特に使っていて関心したのが、マイクの指向性が良いだけでなく、小声で話したときのボソボソやゴソゴソといった、通話時の微妙に気になるノイズがあまり入らないということ。このあたりは、搭載されている骨伝導センサーの恩恵もあるのかもしれません。
ノイキャン性能:★★★★★

ノイズキャンセリング性能は、その効き具合、違和感のなさ、どれを取っても現時点でのトップクラス。これは間違いない。
謳い文句どおり、低音域〜高音域のすべてにおいてノイズがカットされており、誰が使っても不満を感じることはないでしょう。これでノイズキャンセリングが弱いと感じたら、行き先がないくらいに強力なノイズキャンセリングを誇っています。
ノイズキャンセリングにありがちなホワイトノイズも一切感じず、まさに“無音”そのもの。閉塞感もなく、あの耳に圧がかかる気持ち悪さや籠もった感じもナシ。これなら、音楽をかけずにデジタル耳栓としても活用できるでしょう。
ヒアスルー性能:★★★★☆

ヒアスルー(外音取り込み機能)の精度は非常に高く、イヤホンを装着したまま、駅のアナウンスや買い物ができるレベル。
ただ、装着したまま会話すると、若干自分の声を拾いすぎる傾向があって、そこだけが唯一気になる点。なので、集音するだけなら95点、会話も込みなら80点、という感じ。
搭載されているマイクがビームフォーミングと骨伝導のハイブリッド仕様になっているのだから、このあたりのチューニングをヒアスルー時にも最適化してもらえると嬉しかったところ。
付加機能:★★★★★
- コンパニオンアプリ対応
- 近接センサー搭載
- 左右独立受信機構搭載
- Google Fast Pair対応
- Qiワイヤレス充電対応
- 急速充電対応
- IPX4等級防滴対応
…と、WF-1000XM4には+α的な機能が数多く備わっています。
このことから、付加機能に関しては文句ナシ。
2021年の完全ワイヤレスイヤホンに求められるモダンな機能はもちろん、最適な装着状態を検出できる機能のような、他機種では見かけないものまで搭載しています。残念ながら、マルチポイント接続には非対応なので、ここが対応ならば、さらに完璧に近いものになったでしょう。
ここがすき!
完全ワイヤレスイヤホンのブレイクスルー

完全ワイヤレスイヤホンを使うということは、利便性のために音質を諦めるということ。…この概念はWF-1000XM4を使うと、今は昔になる。
バッテリー消費の大きさから実装を見送られていた、Hi-Res Audio Wireless対応の『LDAC』コーデック。ここに対応してきた意義と意味は非常に大きい。

LDACに対応したことにより、Xperia 1 IIのような、音楽ストリーミングサービスでもビットパーフェクト出力が可能な再生機器であれば、ユーザーは何もすることなく完全ワイヤレスでハイレゾが楽しめるのです。これが最高すぎる。

しかも、アップコンバート技術も『DSEE Extreme』に強化されたことにより、世の中にある音源を、何でも疑似ハイレゾ化してしまうという恐ろしさ。まさに、世界一簡単に楽しめるハイレゾ機器となったわけなのです。

WF-1000XM4とXperia 1 IIのコンビネーションが最高なんよね!

SRC回避可能なのが活きてくるわけですなっ!?
強力かつ閉塞感のないANC性能

WF-1000XM4に搭載されているノイズキャンセリング機能は、ただ単に強力というだけでなく、そのノイズの消し方も非常に上手。このあたりは、長年ノイズキャンセリングを研究してきているSonyだからこそ。

例えば、『AirPods Pro』が発売当初、超強力なノイズキャンセリング性能を持っていることで話題になりましたが、それと同時に強力さゆえの閉塞感もありました。
その後、AirPods Proはアップデートで閉塞感が軽減されたのですが、今度はノイズキャンセリング自体が弱くなったと言われています。実際に私も使っていて、確かにノイズキャンセリングが弱くなったと感じています。つまり、ノイズ軽減と閉塞感をなくすというバランスが難しいわけです。

この両立ができていると感じたのが、2020年秋に登場した、Boseの『Bose QuietComfort Earbuds』でした。
このBose QuietComfort Earbudsのノイズキャンセリングは、非常にナチュラルかつ強力。耳への圧迫感や負担もなく、長時間のリスニングも快適になるようにチューニングされています。それと同じくらい、今回のWF-1000XM4もノイズキャンセリング性能が優秀だと言えます。
ここがうーん?
360 Reality Audioの恩恵は限定的

これはWF-1000XM4が…ということではなく、サービス全体を通して言えることなのですが、立体音響技術『360 Reality Audio』を楽しめるコンテンツがまだ限定的。

日本国内で提供されている音楽ストリーミングサービスで、この360 Reality Audioに対応しているものは、『Amazon Music HD』・『Deezer』・『Nugs.net』があるのですが、このうちAmazon Music HDは、ヘッドホン(イヤホン)には非対応。Nugs.netも多くの日本人が楽しめるコンテンツが少ないため、消去法的にDeezerを利用することになります。

ただ、その肝心のDeezerの360 Reality Audio対応版『360 by Deezer』のコンテンツ量も非常にイマイチ(本機と関係ないが、360 by DeezerのUIも微妙)。
私は洋楽も結構聞くタイプなのですが、そうやって下駄を履かせても、何とも言えない微妙さ。なので、邦楽しか聞かないユーザーだと、現状では360 Reality Audioを満足に楽しむことは厳しいでしょう。360 Reality Audio自体は非常に感動できるテクノロジーなので、このあたりはコンテンツの充実待ち、と言った感じになります。
まとめ「限りなく完璧に近い完全ワイヤレスイヤホン」

そういうわけで、Sony『WF-1000XM4』のレビューを総括すると、
- ノイズキャンセリング性能が圧倒的に優秀
- 万人が高音質と感じる音のチューニング
- 待望のLDACコーデック対応に歓喜
- キーアサインの割当自由度がもっと欲しい
…という感じ。
音質・ノイズキャンセリング性能・使い勝手、このすべてが高い次元で両立されています。これらの総合力を上回る完全ワイヤレスイヤホンというのは、しばらく登場してこないでしょう。それくらいに非常に良い出来です。
音質…というか音の傾向に関しては、好みがあるので難しいところですが、高音域の出し方が綺麗なのが個人的に好きな点。ただ、特定の周波数だけ隆起するように出る低音域に関しては、もうちょっとチューニングしてくれたほうが個人的には嬉しかったかも。
あと、ファームウェアがまだ不安定な感じがするので、ここを早めにアップデートで解決してほしいところ。ただ、これは時間とともに解決すると思われるので、そこまで気にする必要はないでしょう。
…いろいろ言いましたが、2021年ベストバイ完全ワイヤレスイヤホン筆頭格です!うん!!

「おすすめ!買い!!」って言わなくても、みんな買ってる気がする……。
おまけ

ハイレゾ、ハイレゾ、ハイレゾ!
アンキモ、アンキモ、アンキモ!

…オレハヤマオカ!!

これでは、アンキモどころでは ありませんね。
ざんねん!

『美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負』って、どことなくシャドウゲイト感がありますよね。

つかう → たいまつ → セルフ

ざんねん!!
わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

…で!?
おわり
混乱するくらいに高性能てんこ盛りなのが良い感じ!
サービス周りがそれに追いつけてない感がある……。
…そんな感じやね!