- ANC搭載完全ワイヤレスイヤホンを7機種一斉比較!
- 音質・ANC・外音取り込み等をレーダーチャート化!
- 目的別ベストバイを本気で選んでみた!
最強のANC完全ワイヤレスイヤホンは…これだ!
2020年は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能搭載完全ワイヤレスイヤホン豊作の年。そこで今回、合計7機種のANC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンを、音質・ノイキャン・外音取り込み・接続安定度・バッテリー・使い勝手という、6項目で徹底比較してみました。
ついに頂上決戦ですなー!?
散財の賜物ですわね……。
目次
今回比較するANC搭載完全ワイヤレスイヤホン
- Apple『AirPods Pro』
- Audio-Technica『ATH-ANC300TW』
- LIBRATONE『TRACK Air+ SE』
- Master & Dynamic『MW07 PLUS』
- Sennheiser『MOMENTUM True Wireless 2』
- Sony『WF-1000XM3』
- Technics『EAH-AZ70W』
本記事で比較する、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン合計7機種は上記のとおり。
価格帯的には、2万円台前半〜3万円台後半という感じで、完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的高価格帯のこだわり派向けの製品たち。気づいたら全部買っていた(幾ら使ったかは考えないでおくべし)ので、せっかくだし比較してみようというわけです。基本的には1つ買えば済む話ですし、価格的にも決め打ちで買うものだと思うので、本記事が参考になれば幸いです。
えーと…全部で20万円ぐらいですわね。
ちょ、計算するのはナシやって!
ANC完全ワイヤレスイヤホン一斉比較表
AirPods Pro | ATH-ANC300TW | TRACK Air+ SE | MW07 PLUS | MOMENTUM True Wireless 2 | WF-1000XM3 | EAH-AZ70W | |
音質 | × | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
ノイズキャンセリング | ◎ | △ | ○ | × | △ | ○ | ○ |
外音取り込み | ◎ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
接続安定度 | ◎ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
バッテリー | △ | △ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
使い勝手 | △ | ○ | ○ | × | ◎ | ◎ | × |
ANC搭載完全ワイヤレスイヤホン比較表
これから1つ1つ比較解説していきますが、先に簡単な比較表にまとめてみました。
バッテリーの評価に関しては、メーカー公式のスペックシートに準拠して評価していますが、あとの項目は主観なので悪しからず。とはいえ、ちゃんと良い理由と悪い理由については、これから個別の解説で話していきます。
なので、とりあえずは、“こういう感じ”というテンションで思っておいてください。
各ANC完全ワイヤレスイヤホン評価&解説
それでは、今回エントリーしたノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンを、順番に評価&解説していきます。
レーダーチャートで可視化しているから、それも参考にしてね!
AirPods Pro|総合評価:★★★☆☆
1つめは、Apple『AirPods Pro』。もはや、言わずもがな。ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンの代名詞的存在でしょう。
AirPods Proについてを簡単にまとめると、ノイズキャンセリングと外音取り込みの性能がずば抜けて高くて、Apple製品との親和性が抜群。ただ、音質については、特に凄く音が良いというわけではない。そんな感じ。
ノイズキャンセリングと外音取り込みの威力は凄まじく、他社製品とは比較にならないくらい勝っています。というのも、ノイズキャンセリングの強さもそうですが、その効き自体がナチュラルで、ANC特有のホワイトノイズもありません。外音取り込み機能についても、会話ができるレベルの精度の高さ。この2点については、全製品の中でもトップクラスです。
ただ、音質については価格を考慮すると、ちょっと物足りないと思う人がいるはず。従来のAirPodsに比べればかなり良くなりましたが、もっと音に厚みや解像感が欲しいところ。音が悪いというわけではないですが、他社と比較すると相対的に評価が下がってしまう感じです。
ATH-ANC300TW|総合評価:★★★☆☆
2つめは、Audio-Technica『ATH-ANC300TW』。同社初、ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンです。
ATH-ANC300TWについて簡単にまとめると、ノイズキャンセリング・外音取り込みともに普通よりもちょい上で、音質もオーテクらしいソツがないサウンド。アプリも使いやすい。ただ、全体的に“普通すぎてつまらない”と思う人がいそう、という感じ。
ノイズキャンセリングと外音取り込みは、トップクラスの製品と比べると分が悪いですが、全然実用的で満足できるレベル。ノイズキャンセリングもクセがない消し方をしてくれます。音質もAudio-Technicaらしい中音域の綺麗さが特徴的で、エネルギッシュでありながら下品ではないという上手なチューニングを施してくれています。さすがは老舗イヤホンメーカーという感じ。
ただ、良くも悪くもガジェット感がないというか、すべてにおいて普通。ソツがないという面では良いのですが、もうちょっと面白みがあるとよかったかもしれません。もちろん好みがあるので、好きな人にはハマるはず。ただ、バッテリーの持ち時間がANCオンで4.5時間しか持たないのはネック。
TRACK Air+ SE|総合評価:★★★★☆
3つめは、LIBRATONE『TRACK Air+ SE』。TRACK Air+という完全ワイヤレスイヤホンの限定モデルです。
TRACK Air+ SEについて簡単にまとめると、音質・ノイズキャンセリング・外音取り込み・接続安定度・バッテリー・使い勝手…どれを取っても平均点よりも上な超優等生。しかも、Qiワイヤレス充電にも対応。ただ、飛び抜けてココが凄いという感じは薄めで、入手性が悪いのがネック。
LIBRATONEという認知度が低いメーカーですが、ノイズキャンセリングも外音取り込みの両方ともしっかりと作り込まれていて、かなり満足度の高い出来。音質も完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しい高音域重視で繊細なサウンドが美しい。販路が限定的なので影が薄いですが、製品としてのクオリティーはかなり高い印象です。
ただ、全体的に80点という感じな分、どこがが100点という感じは…ないかも。総じて完成度が高いので、ケチをつけるポイントは少ないのですが、ちょっと引っかかるのはアプリのフォントが中華フォントっぽいところ。
MW07 PLUS|総合評価:★★☆☆☆
4つめは、Master & Dynamic『MW07 PLUS』。音に定評がある同社が出した、ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンです。
MW07 PLUSについて簡単にまとめると、音質はANC搭載完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスで、バッテリーの持ちもかなり良い。ただ、ノイズキャンセリング・外音取り込みについては、もはやオマケのレベルでアプリもないという感じ。
とにかく、音に全振りした完全ワイヤレスイヤホンという印象がピッタリ。何をもって音が良いというのは難しいですが、高音域のキレの良さや低音域の力強さが凄く、音楽を楽しむという意味で音が良いという表現が近いかもしれません。現時点では、完全ワイヤレスイヤホンの中では、ベスト3には入る音質でしょう。
ただ、ノイズキャンセリングと外音取り込みについては、もはや“あってないような”もの。そもそも、ANC機能が充電ケースに戻すと強制オフになる仕様。なので、メーカー的にもオマケ機能と思っている節がありそう。また、専用のコンパニオンアプリがないものかなり痛い。ある意味ピーキーな天元突破仕様なのです。
MOMENTUM True Wireless 2|総合評価:★★★★★
5つめは、Sennheiser『MOMENTUM True Wireless 2』。超名門Sennheiserが放つ、初のノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンで、MOMENTUM True Wirelessの後継機種。
MOMENTUM True Wireless 2について簡単にまとめると、ある意味での完全ワイヤレスイヤホンの到達点と言っても過言ではない出来。音質や使い勝手、UXといった面がかなり高次元で調和している。ただ、ノイズキャンセリングの効果自体は弱め。
かなり人気のMOMENTUM True Wireless 2ですが、その人気も頷けるくらい出来が良いです。音質も有線の高級イヤホンっぽいコクのあるサウンドで、有線イヤホンからの移行派でも納得の音質。また、UXの完成度は全ての完全ワイヤレスイヤホンの中でトップレベル。使いやすく、そして音が良い。それが本機。
ただ、“アクティブ”ノイズキャンセリング機能という面では、実はそこまで強力ではなかったりします。ノイズキャンセリング自体は強く思えるのですが、パッシブでの遮音性が高いのでそう思ってしまうだけで、アクティブは普通だったりします。
WF-1000XM3|総合評価:★★★★★
6つめは、Sony『WF-1000XM3』。発売から1年が経過するが、いまだに大人気な完全ワイヤレスイヤホン。
WF-1000XM3について簡単にまとめると、音質・ノイズキャンセリング・外音取り込みのどれを取ってもトップクラス。アップデートでの改善も行われており、進化し続けるイヤホンという感じ。ただ、ケースの耐久性などのプチネックがあったりします。
音のSonyを体現した、完全ワイヤレスイヤホンの中では広いレンジを持つ音質。ノイズキャンセリング性能も、1年選手なのにまだまだトップクラス。発売当初は作りがイマイチだった、専用のコンパニオンアプリもアップデートで大改善。常に進化している超優等生というイメージがぴったり。
ただ、スペックに現れないところに微妙な残念ポイントがあったりします。例えば、充電ケースが極端に汚れやすいことや、Bluetoothペアリングが若干遅いこと。特に充電ケースは汚れやすいので、神経質な人はブラックカラーを買わないと大変なことになるはず。
EAH-AZ70W|総合評価:★★☆☆☆
最後は、Technics『EAH-AZ70W』。PanasonicがTechnicsブランドを冠して、満を持してリリースした完全ワイヤレスイヤホンが本機。
EAH-AZ70Wについて簡単にまとめると、音質は完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップ3に入るレベルで、ノイズキャンセリングも効果的。ただ、ホワイトノイズの多さや充電ケースの自然放電が残念という感じ。
音質は“Technics”を冠してるだけあって、パワフルかつ高解像度。音楽が好きな人のための完全ワイヤレスイヤホンという作りになっています。ノイズキャンセリングもかなり強力で、高音質で静寂なリスニング環境が欲しいという人にとっては、まさに決定版と言える。
ただ、外音取り込みが微妙で、集音性は高いもののノイジー。また、充電ケースの自然放電が酷く、たまにしか使わないという人にとってはストレスになりそう。毎日使っていて、随時充電する人からしたら無問題なのですが、シーンや気分によってイヤホンを取り替えるタイプの人にとっては、ここが致命傷になるかもしれません。
あなたに合ったベストバイはこれだ!
最後に、今回比較した7機種のノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンから、あなたに合ったベストバイを探してみましょう。
音質を追求するあなた
■音質を追求するあなたへのベストバイ
- Master & Dynamic『MW07 PLUS』
- Sennheiser『MOMENTUM True Wireless 2』
ノイズキャンセリングや外音取り込みよりも、とにかく音質が一番。そう思っているあなたなら、MW07 PLUSやMOMENTUM True Wireless 2が、きっと合うはず。
音質に関しては、WebsiteやYouTubeで調べるのではなく、実際に実機を試聴することをおすすめします。音質というのは、ある一定ライン以上は主観になるので、オーディオ機器については“百見は一聞に如かず”です。
それを踏まえた上で話すと、音質に全振りするならばMW07 PLUSがベストバイ。音質を高次元で求めつつも、その他の機能もしっかりと抑えておきたいというのであれば、MOMENTUM True Wireless 2がベストバイでしょう。
完全ワイヤレスイヤホンでも、やっぱり音質は重視したいやんね!
ノイズキャンセリング命なあなた
■ノイズキャンセリング命なあなたのベストバイ
- Apple『AirPods Pro』
- Sony『WF-1000XM3』
いやいや、完全ワイヤレスイヤホンは利便性のためにあるから、とにかくノイズキャンセリング命であーる。そう思っているあなたなら、AirPods ProやWF-1000XM3が、きっと合うはず。
完全ワイヤレスイヤホンというカテゴリーの中でどれだけ高音質と言っても、同価格帯の有線イヤホンには音質で十中八九負けます。これは、技術的なコスト面やBluetoothというプロトコルの仕様上、もはや仕方ないところ。だからこそ、 音質 > ノイズキャンセリング という選択肢もアリなのです。
その中でも、音質は普通でいいからノイズキャンセリング最強を求めるならAirPods Proがベストバイ。ノイズキャンセリングを求めつつも、音質も捨てきれないならWF-1000XM3がベストバイでしょう。
利便性や用途を考えると、アクティブノイズキャンセリング性能は欲しいやんね!
機能と使い勝手を重視するあなた
■機能と使い勝手を重視するあなたのベストバイ
- LIBRATONE『TRACK Air+ SE』
完全ワイヤレスイヤホン = ギークなガジェット なのだ。そう思っているあなたなら、TRACK Air+ SE(TRACK Air+)が、きっと合うはず。
要するに、ノイズキャンセリング・外音取り込み・音質・使い勝手・アプリ…これらをバランス良く欲しいというわけです。オーディオ機器としての方向性よりも、もっとガジェットライクなイヤホンを求めるというのもアリでしょう。
そう考えると、TRACK Air+ SEやTRACK Air+がベストバイ。TRACK Air+ SEは入手困難なので、ほぼほぼ一緒のTRACK Air+を選ぶとよいかもしれません。
完全ワイヤレスイヤホンってガジェットっぽいから、総合的に評価するアプローチもありやね!
まとめ「自分に合ったベストバイを見つけよう」
完全ワイヤレスイヤホンの中でも、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載した、
- Apple『AirPods Pro』
- Audio-Technica『ATH-ANC300TW』
- LIBRATONE『TRACK Air+ SE』
- Master & Dynamic『MW07 PLUS』
- Sennheiser『MOMENTUM True Wireless 2』
- Sony『WF-1000XM3』
- Technics『EAH-AZ70W』
という、合計7機種を評価していきました。うーん、疲れた……。
とにかく言いたいのは、自分に合ったベストバイを探そうということ。
どんな製品でも良い部分と悪い部分はありますし、ましてやイヤホンはオーディオ機器なので、主観的評価がガッツリ入ってきます。なので、レビューは参考にしつつも、それを鵜呑みにしないことが大切です。
…いっぱい買って集めなくてよし!至極の1台を探そう!!
コレクションってなると、ベクトルが変な方向を向いてるもんね……。(自問自答)
おまけ
ってことは、ベストバイ以外は売るってことですなー!?
そういう理屈にもなりますわね。
…なんでそうなるんよ!
おわり
分かりやすいようにレーダーチャート化してみたやよ!