- 大艦巨砲主義な最強のワイヤレス充電ステーションが降臨!
- Qi・Apple Watch充電・USB PDがこれ1つに!
- BaseLynx Modulesのカスタムが楽しすぎる!
Qiワイヤレス充電器の1つの答え。
Apple Store限定のQiワイヤレス充電器、Scosche『BaseLynx Modular Charging System Kit』をレビュー。iPhoneも、Apple Watchも、iPadも、全部まるっと充電できる夢のワイヤレス充電器なのが本機。野暮ったくてもいいなら、これがワイヤレス充電器の答えかも!?
まさにギークっぽいワイヤレス充電器ですわね。
機能に全振りした“ガテン感”があるやんね。
Scosche『BaseLynx Modular Charging System Kit』って?
BaseLynx Modular Charging System Kitってなに?
Qi・Apple Watch Magnetic Charger・USBを1つにまとめた、モジュラー型オールインワンワイヤレス充電器システム。
- カスタム可能なBaseLynxシステム。
- 最強のQiワイヤレス充電器。
- Qiパッドに通電LEDあり。
- 充電器自体が滑りにくい設計。
- USB PD充電器としても使える。
- デザインが野暮ったい。
- 充電器としては巨大。
巨大でもいいから最強のワイヤレス充電器が欲しい!
…そう思っているなら、圧倒的な買いあーる!
本体チェック
このScosche『BaseLynx Modular Charging System Kit』という製品は、Qiワイヤレス充電器としては、かなり異質な構造を持っています。
各充電器が『BaseLynx』というモジュラー型構造で接続されており、充電器ごとに連結したり、外したりすることが可能になっています。なので、本体チェックについては、各BaseLynxのモジュールごとに見ていくことにします。
■同梱のBaseLynxモジュール一覧
- Vert Charging Station
- Wireless Charging Pad
- Watch Charger For Apple Watch
今回のScosche『BaseLynx Modular Charging System Kit』には、上記の3つのBaseLynxモジュールが同梱しています。
これを上から順番に見ていくあーる!
Vert Charging Station
まずは、Scosche BaseLynx Modular Charging System Kitの『Vert Charging Station』から見ていきます。
この『Vert Charging Station』は、いわゆるUSB PD充電器にタブレットスタンドがドッキングしたようなモジュール。なので、このVert Charging Station自体には、Qiのワイヤレス充電機構はありません。
画像のように、3つの山型のタブレットスタンドがあり、ここに充電中のiPadなどを立て掛けておけるようになっています。なお、スタンド部分はシリコン製で滑りにくい設計。なかなかに芸が細かい。
■インターフェース
- USB Type-A ×2
- USB Type-C ×1
Vert Charging Station後面には、USB Type-AとUSB Type-Cポートがそれぞれあります。
USB Type-Aポートは2つあり、それぞれ最大12W出力に対応。USB Type-Cポートは1つあり、最大18W出力に対応。つまり、USB Type-Cは『USB PD』に対応しているということになります。
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・2A |
Vert Charging StationのPDO
ちなみに、Vert Charging StationのUSB Type-Cポートから出力されるPDO等を、すべてUSBテスターで計測してみました。PDOは上表のとおり。
USB PDはRev. 3.0。USB PDからは、その他の急速充電規格が検出されませんでした。PDOも5V出力時に3Aですし、まさかの(失礼)超絶クリーンなUSB-IFのお手本どおりな設計という結果に。これなら、安心してデバイスを充電できそうです。
ほんと、USB PDを見つけたら、すぐに計測し始めますわね。
あはは…これが癖になるんだよねー。(USB PD病患者)
■インターフェース
- IEC C7 ×1
■インターフェース
- IEC C8 ×1
Vert Charging Stationの左右面はこのとおり。
BaseLynxモジュール同士を接続するのには、すべて『IEC C7』と『IEC C8』を利用しています。…あ、このIEC C7とIEC C8とは、いわゆるメガネプラグ(メガネジャック)といわれる…まぁ、電源端子のことですね。
Wireless Charging Pad
■インターフェース
- Qi ×1
Wireless Charging Pad上面の輪っかのような部分近辺が、Qi規格のワイヤレス充電パッドになっています。
Qiワイヤレス充電での最大出力は10W。iPhoneのワイヤレス急速充電(7.5W)とGalaxyのワイヤレス急速充電(9W)の2つに関しては、公式でサポートされています。
■インターフェース
- LEDインジケーター ×1
Wireless Charging Pad前面には、ワイヤレス充電時に点灯するLEDインジケーターを搭載。このLEDインジケーターは、結構あると便利。
Wireless Charging Pad後面は何もナシ。
■インターフェース
- IEC C7 ×1
■インターフェース
- IEC C8 ×1
連結させて利用するので、当然ですが、前掲したVert Charging Stationと左右は同じインターフェースになっています。
ここまででお察しのように、このBaseLynxシステム対応のモジュールは、順番を好きに入れ替えられるということです。
Watch Charger For Apple Watch
■インターフェース
- Apple Watch Magnetic Charger ×1
Watch Charger For Apple Watch上面には、その名のとおり、Apple Watchを充電するための『Apple Watch Magnetic Charger』が搭載されています。当然、Made for Apple Watch認証済。
ちなみに、写真ではApple Watch Magnetic Chargerが寝かされた状態ですが、充電部分を立ててナイトスタンドモードでも充電可能。
Watch Charger For Apple Watch前面は何もナシ。
Wireless Charging Padとは異なり、同じワイヤレス充電器モジュールでもWatch Charger For Apple Watchには、LEDインジケーターはない模様。
Watch Charger For Apple Watchの後面も何もナシ。
Watch Charger For Apple Watchについては、本当にApple Watchをワイヤレス充電するためにしか使えません。
■インターフェース
- IEC C7 ×1
■インターフェース
- IEC C8 ×1
Vert Charging StationやWireless Charging Padと同じ左右のインターフェースになっています。連結させるのだから、当たり前ですよね。
付属品チェック
■BaseLynx Modular Charging System Kitの付属品一覧
- AC電源ケーブル
- クイックスタートガイド
付属品に関しては、特に触れるほどでもない普通な構成。
説明書類が大量に付属していますが、各BaseLynxのモジュールごとに分かれているようです。(日本ではセット販売のみだが、アメリカでは各モジュールごとに単体販売されているので、おそらくそれが理由)
注目ポイント
■BaseLynx Modular Charging System Kitのポイント概要
- BaseLynx:革命的モジュラー型充電器システム
- Qi:iPhone・Galaxyに対応した最大10Wの急速充電
- Apple Watch Magnetic Charger:ナイトスタンドモード対応
- USB:最大18WのUSB PD充電対応
BaseLynx:革命的モジュラー型充電器システム
このBaseLynx Modular Charging System KitというQiワイヤレス充電器は、製品名にも入っている『BaseLynx』という独自のモジュールシステムを採用している。これこそが最大のアイデンティティー。
このBaseLynxシステムを持っていることにより、従来のQiワイヤレス充電器では考えられなかった拡張性を汎用性を得られている。
これらのBaseLynxモジュールは、すべてIEC C7とIEC C8(いわゆるメガネプラグとメガネジャック)で連結させることができ、ユーザーの自由に組み合わせたり、各モジュールを並び替えたりできる。
つまり、利用しないBaseLynxモジュールは外せばよいし、足りなかったらBaseLynx Modular Charging System Kitをもう1セット購入すればよいわけなのです。うーん、ギークの香り。
連結にも限界があるから、それはレビュー記事の最後に補足でまとめてあるよー!
とどのつまり、それぞれのBaseLynxモジュールは独立して利用可能。
なので、非公式ながら、自分で適合する電源ケーブルを用意しさえすれば、独立した3つの充電器としても運用可能になるわけです。連結部分にグローバル規格のIEC C7/C8を採用している賜物ですなの。
Qi:iPhone・Galaxyに対応した最大10Wの急速充電
BaseLynx Modular Charging System KitのQiワイヤレス充電モジュール部(Wireless Charging Pad)は、Qi規格の『EPP(Extended Power Profile)』に対応しており、最大10Wでの電力供給が可能。…と言われてもピンと来ないと思うので簡単に言うと、iPhoneとGalaxyがワイヤレス急速充電できるというわけ。
Qiというワイヤレス充電規格も混沌としているのですが、メーカーが公式で、iPhoneとGalaxyの急速充電に対応している旨を謳ってくれている点は非常にありがたい。少なくとも、この2つについては安心して急速充電できると思っておいてよいでしょう。
Apple Watch Magnetic Charger:ナイトスタンドモード対応
BaseLynx Modular Charging System KitのApple Watch充電モジュール部(Apple Watch Magnetic Charger)は、しっかりとナイトスタンドモードに配慮した設計。しかも、スタンド部分が稼働できる。
この手のApple Watch充電器は、スタンド部分が固定されていることが多く、ナイトスタンドモードで充電できない、もしくはナイトスタンドモードでの充電が強制されたりする。なので、このApple Watch Magnetic Chargerのような、可動式タイプが理想なのです。これなら、Apple Watchのバンドとの相性を考慮する必要もありません。
USB:最大18WのUSB PD充電対応
Qiモジュール、Apple Watch充電モジュール。これだけでも十分なのに、USB PD充電器にもなってくれるのが、このBaseLynx Modular Charging System Kitの最大のポイント。
USB Type-A | USB Type-C | |
最大出力 | 12W | 18W |
互換性 | Apple 2.4A | USB PD |
Vert Charging StationのUSB出力対応表
USB Type-Cポートは最大18WのUSB PDに対応していて、iPad Proならバッチリ対応。USB Type-Aポートは最大12Wで、iPhoneが急速充電できるようにできています。
USB PDが使えるQiワイヤレス充電器って、かなーり希少なはずあーるっ!
USB Type-Aポート搭載は見ますが、USB Type-Cポート搭載で出力対応は見ませんよね。
ここがすき!
USBもQiもApple Watchもこれ1台
まさに充電ステーションなBaseLynx Modular Charging System Kit。これさえあれば、Appleデバイスをまとめて充電可能。…これを私は待っていた。
- iPhone(Qi)
- Apple Watch(Apple Watch Magnetic Charger)
- iPad mini(USB Type-A)
- iPad Air(USB Type-A)
- iPad Pro(USB Type-C)
…という夢のようなApple様専用の寝床ができるわけ。うーん、素晴らしい!
しかも、iPadはVert Charging Stationのスタンドに立てかけておけるので、スッキリと充電&収納可能。まさに、Appleのための充電ステーションなのだった。
iPhoneもGalaxyもワイヤレス急速充電対応
Qiワイヤレス充電器の部分が、ワイヤレス急速充電に対応しているのは嬉しい限り。
もし、急速充電に対応していないQiワイヤレス充電器だと、5Wで充電する羽目になるので、スマートフォンが満充電になるまで結構な時間を要することになる。正直、5Wなんかで充電していたら、あまりワイヤレス充電の良さを感じられないはず。
今どき5Wでしか充電できないQiワイヤレス充電器はそうそうないので、今回のWireless Charging Padモジュールに限ったことではないですが、ワイヤレスと急速充電というのは、もはやセットで考えるべきなのです。ですなの。それくらいに重要事項。
LEDインジケーターがある
Wireless Charging Padモジュールつながりだと、通電確認用のLEDインジケーターがある点も見逃せない。実は、このLEDインジケーターが、大事な役目を果たしてくれているのです。
実は、デバイスによって充電判定がシビアなQi。特に、スマートフォンにゴツい保護ケースをしていると、Qiパッドに置いていたけど充電されていなかった…なんてことも結構あるのです。そうなると充電したつもりがバッテリーがない、という悲しい自体に陥るわけでして。
そこで役立つのがLEDインジケーター。このLEDインジケーターがあるおかげで、ちゃんとデバイスが充電できているか目視で確認できるわけなのです。個人的には、Qiワイヤレス充電器には必須機能だと思っているので、そこをしっかりと抑えている点はかなり高評価。
あるとないとで大違い!これがUXですなー。
ここがうーん?
デザインが大きくて野暮ったい
かなり気に入っているのですが、唯一残念と思うのが、とにかく大きくて野暮ったいこと。実物を見ないとイメージできないかもですが、結構これが設置場所が限られてくる大きさ。
とはいえ、モジュール型になっているので、小さくしようと思ったらできるのも事実。ただ、BaseLynx Modulesを減らしてしまうと、BaseLynx Modular Charging System Kitという、製品としての旨味や面白みがスポイルされてしまうという悩ましい点も……。
デスクに設置するにしても、結構スペースを取るので、BaseLynx Modular Charging System Kitを設置するためのスペース確保は購入前に頭に入れておかないと、購入後に結構困ることになりそうです。とにかくサイズ感のデカさに注意。
補足
Qiの細かい仕様
パワープロファイル | Extended Power Profile |
ポテンシャルパワーレベル | 10W |
ワイヤレス電源出力 | 5W 7.5W 9W 10W |
トランスミッター | MP-A11 |
Wireless Charging PadのQi仕様
Wireless Charging Pad(BaseLynx Modular Charging System KitのQiワイヤレス充電器モジュール部)の詳しいQi回りの仕様は上表のとおり。
トランスミッターはNXP Semiconductors製『MP-A11』(Power Profile:22W・EPP 15W互換)を採用している模様。パワープロファイルは『Extended Power Profile』に対応しているので、Extended Power Profile対応のスマートフォン等では、最大10Wで急速充電可能。また、公式で謳っているように、iPhone(7.5W)・Galaxy(9W)のワイヤレス急速充電にも対応している。
BaseLynx Modulesの解説
Wireless Charging Pad | Watch Charger For Apple Watch | Vert Charging Station | Dual Port Charging EndCap – with Power Delivery | |
Qi (10W) |
○ | - | - | - |
Apple Watch Magnetic Charger (5W) |
- | ○ | - | - |
USB Type-A (12W) |
- | - | ○ (2 port) |
○ |
USB Type-C (18W) |
- | - | ○ | ○ |
BaseLynx Modulesの種類&各種インターフェースの有無
BaseLynx Modulesの種類は上表のとおりで、合計4種類存在。また、それぞれのインターフェースについても上表にまとめているので、参考にしてみてください。
Wireless Charging Pad | Watch Charger For Apple Watch | Vert Charging Station | Dual Port Charging EndCap – with Power Delivery |
2ポイント | 1ポイント | 5ポイント | 3ポイント |
BaseLynx Modulesのポイント
BaseLynx Modulesは無限に接続できるわけではなく、最大15ポイントという制限があります。なお、各BaseLynx Modulesの利用ポイントは上表のとおり。
まとめ「史上最強の充電ステーションが降臨」
そういうわけで、今回のScosche『BaseLynx Modular Charging System Kit』のレビューを総括すると…
- Qiワイヤレス充電器の域を超えたスーパー充電器
- Qi充電器・Apple Watch充電器・USB充電器が1つに
- USB PD充電器にもなる凄さ
- BaseLynx Modulesという無限の可能性
- デカくて設置スペースに困るのだけが難
という感じ。
デスクの上に置く充電ステーションとしては、デカすぎて邪魔になるのだけがネック。ただ、大きさ以外の点では完璧と言ってもよいはず。USB PDでW数が大きいデバイス以外は何でも充電できてしまうので、帰ってきたらとりあえずBaseLynx Modular Charging System Kitで充電する…というのがベストな使い方。
現時点ではApple Store専売になっているので、入手性がイマイチ。これがAmazonでも購入できるようになると、もっと万人におすすめできるQiワイヤレス充電器になってくれるはず。
これぞ充電器の完成形の1つであーるっ!
おまけ
さーて、どこに設置しようかなー!?
確かにサイズ的にデスク上はナシですわね。
BaseLynx Modular Charging System Kit用にサブデスクを用意するとかは?
うーむ、それもアリですなー。
おわり
Amazon.co.jpで本格的に売ってほしい一品だっ!