- BeatsXからコストダウン&パワーアップ!
- 全iPhoneユーザーが持つべきBluetoothイヤホン!
- Apple H1ならもっと嬉しかったかも!
新型iPhoneとセット買いがおすすめ。
ネックバンド型Bluetoothイヤホン、Beats by Dr. Dre『Beats Flex』をレビュー。5,000円ちょっとで買える価格、長時間バッテリー、使い勝手の良さ。iPhoneにEarPodsが付属しないなら、Beats Flexを買おうぞ!そんなイヤホンです。
Lightningじゃなくて、USB-Cっ!
ついに、BeatsもUSBですか。
Beats by Dr. Dre『Beats Flex』って?
Beats Flexってなに?
BeatsXの後継機種として登場した、Beats(Apple)のネックバンド型Bluetoothイヤホン。価格もとってもリーズナブル。
- リーズナブルな価格
- 充電がUSB Type-C
- 12時間のバッテリー駆動時間
- Apple製品との高い親和性
- 自動再生/自動停止機能搭載
- 防水性能が不明
- BeatsXに劣るFast Fuel性能
- Apple H1非搭載
iPhone 12はイヤホン同梱してないから、安くてAppleデバイスと高い親和性を持つワイヤレスイヤホンが欲しい!
…そんな人のためのAppleが用意したベストアイテムって感じやね!
本体チェック
Beats Flexのサイズは160mm(高さ)で、重さは18.6g。前作のBeatsXに比べて、全体的に細身になり、軽量化と小型化がされています。かなり軽く作られているので、長時間首に掛けていても疲れることはありません。
カラーバリエーションは4色(フレイムブルー・Beatsブラック・スモークグレイ・ユズイエロー)で、今回は『Beatsブラック』を選んでみたやよ!
Beats Flexのイヤホン部分はこんな感じ。
おなじみの“b”ロゴがバッチリガッツリ主張してきます。このシェル部分にマグネットが搭載されており、使わないときにくっつけることが可能。このマグネットによるイヤホン同士の着脱に応じて、『自動再生/一時停止機能』が連動するようになっています。これはのちほど。
そうそう、Beats by Dr. Dreのイヤホンあるあるですが、ドライバーサイズなどのオーディオ情報は一切の非公表。おそらくダイナミック型のドライバー(φ8mmぐらい)を採用しているのでしょうが、公式がクローズドなので分解してみないと分かりません。
Beats Flexのネックバンド部分はこんな感じ。
BeatsXと比べて、このネックバンド部分(Flex-Formケーブル)が細身になっています。なので、首にまとわりつく感じも減少しています。また、BeatsXからリモコン部分が場所移動しており、見た目がスッキリしました。
■インターフェース
- USB Type-C
- マイク
- リモコンボタン(オンイヤーコントロール)
Beats Flexのネックバンド左面には、充電に使うUSB Type-Cポート・通話等に利用するマイク・オーデイオコントロール等を行うリモコンボタン(オンイヤーコントロール)、が搭載されています。
BeatsXのときは、リモコンボタン(RemoteTalkケーブル)がケーブルの途中にあったのですが、Beats Flexではネックバンド左面の付け根に移動。それにともなって、リモコンボタンの名称が変更(RemoteTalkケーブル → オンイヤーコントロール)されています。とはいえ、やれることは一緒。
また、Beatsシリーズのイヤホンとしては初めて『Lightning』が廃止され、『USB Type-C』が採用されています。USB自体はPowerbeats3などで採用されていましたが、Type-C形状なのは初。おそらく、Androidスマートフォンでの利用に配慮したのでしょう。
■インターフェース
- 電源ボタン(LEDインジケーター内蔵)
Beats Flexのネックバンド右面には、電源ボタンを搭載。この電源ボタンにはLEDインジケーターが内蔵されており、Beats Flexが電源オン時には、LEDがホワイトに点灯する仕組みになっております。
長ボタン | 丸ボタン | ||
上部 | 下部 | ||
1回押し | 音量アップ | 音量ダウン | 再生・停止 |
2回押し | - | - | 曲送り |
3回押し | - | - | 曲戻し |
長押し | - | - | 音声アシスタント起動 |
Beats Flexリモコン機能
Beats Flexのリモコン機能は、再生・停止、音量調節、曲戻し・曲送り、音声アシスタント起動、と何でもできるようになっています。これなら問題なし。
全長 | 5mm |
直径 | φ5mm |
Beats Flexのステム(ノズル)部分を測定してみたところ、上表のようなサイズになっていました。
付属のイヤーピースも悪くないので、別に交換する必要は少ないかも。ただ、ステムのサイズはいたってオーソドックスなので、サードパーティー製のイヤーピースの選択肢的には選び放題といった感じです。
付属品チェック
■Beats Flexの付属品一覧
- イヤーピース
- USB Type-C to USB Type-Cケーブル
- クイックスタートガイド
Beats Flexの付属品は、イヤーピース(イヤーチップ)・USBケーブル・クイックスタートガイド、これら合計3つ。
いたって普通の付属品という感じ。ただ、付属のUSBケーブルが“両端ともUSB Type-C”という点には注意。USB充電器は付属していないので、USB Type-Cで充電できるUSB充電器を別途用意しておきましょう。もちろん、モバイルバッテリーでもOK。
注目ポイント
■Beats Flexのポイント概要
- 自動再生/自動停止機能:もはやリモコンボタンすら不要
- バッテリー:12時間駆動とFast Fuelで無限音楽
- Apple W1:iPhone・iPad・Macをシームレス切替
自動再生/自動停止機能:もはやリモコンボタンすら不要
前作、BeatsXからの最大の進化ポイントであり、今回のBeats Flexで一番注目されている機能、それが『自動再生/自動停止機能』なはず。
こうやって、イヤホン同士が離れている状態だと、音楽は再生されたまま。
そして、このようにイヤホン同士をマグネットでくっつけると…音楽が止まった!
そう、この『自動再生/自動停止機能』とは、イヤホンのシェル部分に仕組まれたマグネット同士がくっついたり離れたりすることで、それに連動して音楽が再生・停止されるという機能。AirPods Proなどに搭載されている近接センサーではないので、イヤホンを外しただけでは音楽が止まりませんが、全然これでも十二分に便利。
ネックバンド型なら、むしろこの形こそ正解やと思う!
バッテリー:12時間駆動とFast Fuelで無限音楽
Beats Flex | BeatsX |
最大12時間 | 最大8時間 |
Beats FlexとBeatsXのバッテリー駆動時間比較
Beats Flexは、BeatsXの最大8時間駆動バッテリーからパワーアップし、最大12時間の連続再生が可能に。そう、半日ずっと音楽を聞けるようになりました(長時間のリスニング時は、こまめに耳を休めましょう)。
しかも、Beats Flexには『Fast Fuel』という、急速充電機能を搭載。このFast Fuelのおかげで、10分充電するだけで1.5時間再生できるバッテリーライフを得ることができます。これなら、無限音楽リスニングライフも夢じゃない。
バッテリー駆動時間は完璧やね!
Apple W1:iPhone・iPad・Macをシームレス切替
もはや、AppleやBeats by Dr. Dreのイヤホンではおなじみとなった、Bluetoothチップ『Apple W1』。これをBeats Flexにもしっかり搭載。
Apple W1が搭載されているイヤホンだと、iPhone・iPad・MacでのBluetoothペアリング切り替えが非常に簡単。初回ペアリング時に、ユーザーのiCloud情報と紐付けするので、iPhoneでBeats Flexとペアリングすれば、自動的にiPadやMacでも使えるようになります。さすがは純正同士、と言ったところ。
そして、Apple W1が搭載されているということは、『オーデイオ共有』という、1つのiPhoneで音楽をシェアできる機能もバッチリ対応。なので、さながら初代WALKMANのようなことがワイヤレスでできるというわけです。
音質チェック
音質評価:★★★★☆
高音域:★★★★☆
中音域:★★★☆☆
低音域:★★★★☆
※音質評価は販売価格を考慮した相対評価。
Beats Flexの音質を端的に言うと、Beatsらしいボリュームたっぷりな低音域重視型サウンド、という感じ。
最近のBeats by Dr. Dreのヘッドホンやイヤホンはバランス型になる傾向がありましたが、今回のBeats Flexは、まさにBeatsサウンドそのもの。とにかく低音域が…それはそれは出ます。
低音域の質は価格を考慮すれば申し分なし。5,000円ちょっとでこの低音域の鳴りなら、文句を言うこともないでしょう。さすがに高価格帯のBluetoothイヤホンと比べると、超ローの解像感が失われていますが、間違いなくBeatsXよりもコストパフォーマンスは高くなっています。BeatsXの半額ですが、Beats Flexの音も半減…なんてことはありません。ちゃんと価格以上の仕事をしてくれている感じ。
低音域は素晴らしいのですが、中音域と高音域は普通くらい。中音域が低音域にマスクされている感もあるので、ちゃんとハッキリとしたボーカルを聞きたい場合は、プレーヤー側のイコライザーをいじってあげる必要がありそう。
個人的には中音域の弱さと音場の狭さがウィークポイントとして気になるのですが、そもそもの価格が5,000円ちょっとという安価な設定。いろいろ搭載されている機能を含めても、かなりアリな選択肢と言えるでしょう。むしろ、これでこの価格なら安いくらい。
Apple的には“撒き餌”的なBluetoothイヤホンなのかも!?
iPhone 12にイヤホンは付属しないから、Beats Flexを買ってくださいね。ということかもしれませんわね。
Beats Flexに合いそうな曲
■こんな楽曲が合いそう!
- チル系Hip hop
- ノリの良いRap
- ブーミーなEDM
Beatsらしい力強い低音域が特徴的なBeats Flex。その音質の傾向から、いかにもBeatsに合いそうな、Hip hopやEDMをチョイスしたいところ。
Beats Flexと一緒に聞いてほしい楽曲の1曲めは、David Guetta & Siaの『Let’s Love』をセレクト。
ちょっとレトロな感じとハイウェイのような疾走感。EDMもいろいろですが、Let’s Loveは聞いていて気持ちいい系のEDMといった感じ。Beats Flexは低音域強めなチューニングですが、この楽曲だと、その押しの強い低音域が良いスパイスになってくれています。今回紹介した中では、一番聞いてほしい曲。
Beats Flexと一緒に聞いてほしい楽曲の2曲めは、Charlie Slothの『Purple (feat. Polo G & Deno)』をセレクト。
とにかくパワフルな低音がリズミカルで、また強烈に押し寄せてくるのですが、Beats Flexがそれらを余すことなく鳴らしてくれます。Purple (feat. Polo G & Deno)のような低音がゴリっとした楽曲を聞くと、やはりBeats FlexはBeats by Dr. Dreのプロダクトだなと、改めて感じさせてくれます。
Beats Flexと一緒に聞いてほしい楽曲の3曲めは、iriの『Keep on trying』(アルバム『Shade』より)セレクト。
チルライクで都会感、この洗練されたHip hop。間奏のLo-Fi感。耳に馴染むボーカル。このすべてが弱まることなくBeats Flexで再現されている。Beats Flexは価格が安価なので、弱点も多いイヤホンなのですが、この曲とは相性が良く、あまり短所を感じない。Beats Flexの良い部分がフィーチャーされている様子。
Beats Flexと一緒に聞いてほしい楽曲の4曲めは、陰陽座の『覇邪の封印』(アルバム『覇道明王』より)をセレクト。
HR/HMを聞くにはちょっと解像感や疾走感が足りないのですが、イントロ部分のゴリゴリなギターとパワフルなドラムを感じてほしい。それだけで選んでみました。個人的にはもっと高音域がシャリつく感じがHR/HMでは好きなのですが、力強い押しを感じたいなら、低音マシマシのBeats Flexもアリ。
Beats Flexは、ここ最近のBeats製品の中は特にBeats感があるから、初心に帰ってHip hopやEDMと一緒に聞きたくなる感じやね!
ここがすき!
圧倒的コストパフォーマンス
Beats Flexの好きなところ、それはコストパフォーマンスの良さ。なんといっても、5,000円台で購入することができるBluetoothイヤホンのベストバイ。特にiPhoneユーザーならなおさらなマストバイ。
今年からiPhoneにイヤホンが付属しなくなったので、ユーザーは自分でイヤホンを用意する必要が出てきた。でも、AirPods Proは高いし、ノーマルのAirPodsだってまだ高い。何万円もするBluetoothイヤホンは不要だけど、ちゃんとしたプロダクトは欲しい。そんなユーザーのために、今回のBeats Flexは生まれた気がする。それくらいのコストパフォーマンスの高さを誇っています。
マグネットで自動再生・自動停止は超便利
最近のBluetoothイヤホンだと、Beats Flexのような自動再生・自動停止の機能を持っていることは特に珍しいことではない。でも、やっぱりあると便利。それが『自動再生/一時停止機能』なのです。
イヤホンシェル部分のマグネット着脱と連動して、音楽が再生・停止されるというギミックは、非常にネックバンド型イヤホンと相性が良く、ユーザーが無意識レベルで使える機能となっている点も良き。勝手に音楽が再生・停止してくれるし、使わないときにケーブルがだらしないことにならないし、この『自動再生/一時停止機能』は良いこと尽くめ。
BeatsXからの最大の良進化ポイントやね!
Lightning → USB-C
iPhoneユーザーだと小さな変化だけど、Androidユーザーだと大きな変化。それが、Beats Flexの充電ポートが Lightning → USB Type-C と変更されたこと。これは素直に大歓迎。
最近のiPhoneシリーズはQiに対応しているし、iPhone 12/12 Proシリーズは、新たにMagSafeというワイヤレス充電機構を持っている。つまり、iPhoneユーザーであっても、Lightningケーブルを絶対的に持ち歩く必要はないというわけです。
そう考えると、ワイヤレス充電ができないBeats Flexは、LightningよりもUSB Type-Cのほうが取り回しやすい。iPhoneユーザーであってもこう思うのだから、Lightningとは無縁なAndroidユーザーはなおさら歓迎しているはず。
それでも頑なにiPhoneは…Lightningっ!
あはは……。
ここがうーん?
Fast FuelはBeatsXから劣化
実は、旧モデルBeatsXから、Beats Flexにバージョンアップしたタイミングで唯一“劣化”したことがある。それが急速充電機能である『Fast Fuel』の性能劣化。
Beats Flex | BeatsX |
10分充電で1.5時間再生 | 5分充電で2時間再生 |
Beats FlexとBeatsXのFast Fuel性能比較
上表はBeats FlexとBeatsXのFast Fuel性能を比較したもの。
これを見れば分かるように、Beats FlexではBeatsXよりも、急速充電に時間がかかるようになった。しかも、急速充電で充電できた量も減っている。このFast Fuel性能の劣化は、LightningからUSB Type-Cにインターフェースが変更されたのが原因か分からないが、プチ劣化はちょっと残念。
自動デバイス切り替えは利用不可
これはコスト面から仕方ないかもしれないが、Beats Flexに搭載されているチップが『Apple W1』なのはちょっと残念ポイント。
Apple H1 | Apple W1 | |
オーデイオ共有 | ○ | ○ |
自動デバイス切り替え | ○ | × |
Apple H1とApple W1の機能比較
Appleの新OSである、iOS 14・iPadOS 14・macOS Big Surには『自動デバイス切り替え』という、再生中のデバイスと連動して自動的にペアリングするデバイスを切り替える機能が搭載された。ただ、この自動デバイス切り替えが使えるのは、『Apple H1』搭載モデルだけ。今回のBeats Flex搭載されているApple W1では非対応。
Beats by Dr. Dreの完全ワイヤレスイヤホンである『Powerbeats Pro』は、Apple H1搭載イヤホン。同じく『Powerbeats(4th Gen)』もApple H1。ヘッドホンである『Solo Pro』も…Apple H1。そう、Beats FlexだけApple W1。
もちろん、これらのイヤホン・ヘッドホンとは価格が違うので、一概に劣っているとは言いづらいが、何かしらのヒエラルキーは感じるのが本音。最新の機能を使うなら、Powerbeats(4th Gen)をPowerbeats Proをチョイスする必要があるというわけです。
補足
Beats FlexとBeatsXの違い
旧モデル『BeatsX』と新型『Beats Flex』の違いについては、上記の記事にまとめています。詳しくはそちらからどうぞ。
まとめ「$50で買えるAppleテクノロジーが詰まったイヤホン」
そういうわけで、Beats by Dr. Dre『Beats Flex』のレビューを総括すると…
- 12時間のロングライフバッテリーは頼もしい
- W1チップ搭載でApple製品との高い親和性を誇る
- 自動再生/自動停止機能はとにかく便利
- コストパフォーマンスに優れる音質
- BeatsXに劣るFast Fuel性能が残念
- Apple H1チップ搭載ならもっと良かった
という感じです。
音質や使い勝手を考えると、これで5,000円台というのは上出来。従来のAppleやBeats by Dr. Dreのイヤホン・ヘッドホンは数万円スタートだったので、ようやく万人が手を出しやすいモデルが出てきたという感じです。
さすがに上位機種と比べると見劣りする部分は多々ありますが、このクオリティーをこの価格でまとめてきたというところに意義がある。iPhone 12シリーズはイヤホンが付属しないので、Beats Flexとセット買いがおすすめだと言えるでしょう。
ネックバンド型やから、完全ワイヤレスイヤホンと使い分けできるっていう点も良きなんよね!
おまけ
5,000円台なら文句なしのクオリティーって感じやね!
Apple H1ではないのは残念ですが、価格が価格ですからね。
そうなると気になるのが、Apple W1とApple H1のコストの差だったりー。
うーん、そんなになさそうやけどね。自社チップやし。
おわり
自動再生&自動停止が便利なのと充電がUSB-Cなのが良い感じ!
Apple H1チップじゃないから新機能が使えないのが気になる……。
…そんな感じの感想やね!