【レビュー】Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』—合計108W出力なUSB PD充電器の戦艦扶桑

【レビュー】Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』—合計108W出力なUSB PD充電器の戦艦扶桑
サイト内の外部リンクはアフィリエイト広告を含む場合があります(詳細はプライバシーポリシーを参照)
記事のポイント
  • USB PDは 90W + 18W のハイパワー!
  • 合計4ポートで据え置きUSB PD充電器としておすすめ!
  • Quick ChargeがCにあってAにないのが謎すぎる!

神経質にならなければおすすめ。

合計最大108W出力のUSB PD充電器、Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Chargerをレビュー。いわゆる据え置きタイプのUSB PD充電器。実はこっそりPPS対応。Quick Charge内包を気にしないなら、結構アリな充電器です。

二条ねこ

実はこっそり…PPSに対応してーるっ!やったー!!

まの

PPS対応とは珍しいですわね。

さたえり

あとはUSB PD周りの仕様だけやね!

Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』って?

Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』全体画像

Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』全体画像

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerってなに?

USBが合計4ポート搭載。合計最大出力108Wの超ハイパワーUSB PD充電器。最大90W出力対応のUSB Type-Cポートを搭載。

8
  • 合計最大108Wの高出力で頼もしい。
  • USB-C 1ポートで90Wまで出力可能。
  • USBポート同士が適度に空いている。
  • Macに調和するスペースグレイカラー。
  • Quick ChargeがUSB-Cから出ている。
  • Quick ChargeがUSB-Aから出てない。
二条ねこ

USB Type-CからQuick Chargeが出ていても気にしないから、とにかく使いやすいものが欲しい!
…そんな人におすすめなハイパワーUSB PD充電器であるっ!

スペック表
製品名 108W Pro USB-C PD Desktop Charger
(Satechi 108W Pro USB-C PD デスクトップ チャージャー)
型番 ST-TC108WM
メーカー Satechi
最大出力 108W
インターフェース USB Type-A ×2
USB Type-C ×2
USB PD ○(USB PD 3.0)
急速充電 ○(Quick Charge 3.0)
USB-A出力(1) USB BC 5V・2.4A
USB-A出力(2) USB BC 5V・2.4A
USB-C出力(1) USB PD
(PDO)
5V・3A
9V・3A
12V・3A
15V・3A
20V・4.5A
USB PD
(QC)
3.6V–6V・3A
6V–9V・2A
9V–12V・1.5A
USB-C出力(2) USB PD
(PDO)
5V・3A
9V・2A
12V・1.5A
15V・1.2A
USB PD
(QC)
3.6V–6V・3A
6V–9V・2A
9V–12V・1.5A
サイズ 120.7×79.5×30.2mm
質量 416.7g
備考 -

本体チェック

108W Pro USB-C PD Desktop Charger上面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger上面

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのサイズは 120.7×79.5×30.2mm で、重さは416.7g。流行の窒化ガリウムパワー半導体(GaN Power IC)は非採用ですが、このサイズ感で合計最大108W。結構小さめかも。

そして、本体上面には、“SATECHI”なロゴタイプがチラリ。カラーリングもMacなどのApple製品と調和するスペースグレイになっています。

108W Pro USB-C PD Desktop Charger下面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger下面

本体下面はこんな感じ。うーん、スペースグレイはかっこいい。

108W Pro USB-C PD Desktop Charger前面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger前面

■インターフェース

  • LEDインジケーター
  • USB Type-A ×2
  • USB Type-C ×2

本体前面には、USB Type-Aが2ポートUSB Type-Cが2ポート、合計4ポートのUSBを搭載。AとCがバランス良く2ポートずつ搭載されているので、据え置き用のUSB PD充電器としては十分なポート構成。

二条ねこ

各USBポートのクリアランス確保もバッチリあーる。

108W Pro USB-C PD Desktop Charger後面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger後面

■インターフェース

  • IEC C7(AC電源) ×1

本体後面には、IEC C7(AC電源)とUSBの仕様や認証関係の印刷があります。もちろん、PSEマークあり。

ご覧のとおり、ACプラグ直挿しタイプではなく、ACケーブルを使ったタイプ。なので、カフェや新幹線で使うというよりかは、自宅やオフィス、出張先で使うのに向いているでしょう。

108W Pro USB-C PD Desktop Charger左面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger左面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger右面

108W Pro USB-C PD Desktop Charger右面

本体左右面はこんな感じ。特に何もないスペースグレイ。

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerインターフェース部分

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerインターフェース部分

  USB Type-A USB Type-C
合計最大出力 108W
最大出力 合計12W 上:90W
下:18W
ポート数 2 2

108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのUSBポート数・最大出力

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerに搭載されている、USBポート各種の仕様については上表のとおり。

合計最大出力が108Wなので、単純計算上では全部のUSBポートを利用すると、 12W + 90W + 18W = 120W になり、フルパワーで使えない仕様になっています。Satechiの公式サイトには、複数USBポート利用時の最大出力が記載されていなかったので、こちらについては実際に測定して、レビュー記事の最後に補足としてまとめております。

付属品チェック

108W Pro USB-C PD Desktop Charger付属品

108W Pro USB-C PD Desktop Charger付属品

■108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの付属品一覧

  • ACケーブル
  • クイックスタートガイド

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの付属品は、ACケーブル(電源ケーブル)クイックスタートガイド、この2つのみ。

二条ねこ

付属品で掘り下げる部分はなさそうであーる。

【レビュー】Anker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』—PD対応USB-C×2な最強モバイルバッテリー

【レビュー】Anker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』—PD対応USB-C×2な最強モバイルバッテリー

2020年10月11日

ベンチマーク

二条ねこ

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。

Vbus Hot

チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(108W Pro USB-C PD Desktop Charger)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。

Bridged CCs

USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerで接続が検出され、充電が開始されていました。

PDO

  USB Type-C(1) USB Type-C(2)
Revision Power Delivery 3.0
PDO 5V・3A
9V・3A
12V・3A
15V・3A
20V・4.5A
5V・3A
9V・2A
12V・1.5A
15V・1.2A

108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPDO

108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPDOは上表のとおり。Revisionは『Power Delivery 3.0』でした。

テスターで測定したところ、出力されたPDOはスペックシートに記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時にちゃんと3Aが出力されています。

PPS

  USB Type-C(1) USB Type-C(2)
Revision Power Delivery 3.0 -
PPS 3.3V–11V・4.05A -

108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPPS

スペックシートや公式サイトに記載はありませんでしたが、テスターで測定したところ、1ポートめのUSB Type-C(90W出力のほう)だけ、PPSに対応していました。なので、その結果を上表にまとめております。

二条ねこ

まさかの、こっそりPPS対応USB PD充電器だったあーるっ!

急速充電規格

USB Type-Aポート(USB BC DCP対応)からは、Apple 2.4ASamsung(5V・2.4A)、以上の2つが検出されました・

USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、Apple 2.4AQuick Charge 3.0、以上の2つが検出されました。

二条ねこ

USB Type-Aポートに搭載せずに、USB Type-CポートにだけQuick Chargeを搭載させる意味とは……!?

使ってみた

最大90WのUSB PD出力は正義

上のUSB Type-Cポートは最大90Wまで出力可能。

上のUSB Type-Cポートは最大90Wまで出力可能。

USB Type-C(1) USB Type-C(2)
90W 18W

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの最大出力

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerには、合計2ポートのUSB PD対応USB Type-Cがあり、それぞれ上表のとおりの最大出力となっています。

高出力で多ポートなので、一度に複数のデバイスを充電しやすい。

高出力で多ポートなので、一度に複数のデバイスを充電しやすい。

ここで注目すべきなのが、1つめのUSB Type-CポートのUSB PD最大出力が90Wという高出力であること。90Wもあれば、MacBook Pro 13インチはもちろん、MacBook Pro 16インチも充電可能(6W不足してるけど充電可能)。これなら、大半のUSB PD対応のWindowsノートパソコンも大丈夫そう。

二条ねこ

力こそパワー!ジャスティス!!

【レビュー】Apple『MacBook Pro 16インチ(2019)』—これぞプロが求めたラップトップ

【レビュー】Apple『MacBook Pro 16インチ(2019)』—これぞプロが求めたラップトップ

2020年5月30日

SatechiらしいMacと調和するデザイン

SatechiといえばMac。MacといえばSatechi。

SatechiといえばMac。MacといえばSatechi。

これは使い勝手やスペックとまったく関係ないのですが、Satechi製品といえば、Macと調和するデザインなのが特徴的。それゆえ、Mac好きはSatechi好きというイメージ。

今回の108W Pro USB-C PD Desktop Chargerも、実にSatechiらしいデザインコンセプト。SatechiのUSB PD充電器は、一見しただけでSatechi製品であることが分かります。これもある意味ではスペックですし、アイコンであり、アイデンティティーであるわけです。

プラボディーのほうがデバイスを傷つけにくいから好き。

プラボディーのほうがデバイスを傷つけにくいから好き。

ちなみに、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのホディーは、アルミニウムっぽくみえるプラスチック。「アルミじゃないから高級感がなくて残念」という声もありそうですが、アルミにするとデバイスと接触したり擦ったりしたときに、デバイスを傷つけかねないので、個人的にはプラスチックのほうが好き

二条ねこ

もちろん、放熱性を考えるならアルミボディーが最適解だとは思うけどねー。

まの

捉え方次第、ということですわね。

こっそりとPPS対応

90W出力のUSB PDだけ、PPSにこっそり対応している。

90W出力のUSB PDだけ、PPSにこっそり対応している。

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerは、メーカー公式にはPPS対応と謳っていないのですが、前掲したベンチマークのとおり、1つめのUSB Type-Cポート(90W)のほうだけ『PPS(Programmable Power Supply)』に対応していました。これは嬉しい発見。

PPS対応のデバイスは少ないけど、これからに期待。

PPS対応のデバイスは少ないけど、これからに期待。

まだPPS対応のデバイスは少ないですが、Galaxy Note10+やGalaxy Note20 Ultra 5Gをメインスマートフォンとして使っている私的には、PPS対応は大歓迎。Samsung的には『Super Fast Charging』と呼ばれていますが、呼称だけが違うだけですし、PPSはデバイスに優しい充電方式なので、他社も積極的に採用してほしいところ。

ちなみに、Galaxy Note20 Ultra 5Gでは、最大25WのPPSでの充電に対応しています。

Galaxy Note20 Ultra 5Gハンズオン:カメラは素敵だけど超出っ張る

Galaxy Note20 Ultra 5Gハンズオン:カメラは素敵だけど超出っ張る

2020年10月5日

Quick ChargeはUSB-Aに欲しい

Quick ChargeはUSB Type-Aポートに搭載してほしい。

Quick ChargeはUSB Type-Aポートに搭載してほしい。

USB-IFの規格違反云々は、極端な違反でないなら許容するようになったのですが、この108W Pro USB-C PD Desktop Charger、なぜかQuick ChargeがAでなくCにだけ搭載されています。規格が——というのはさておき、それならなぜUSB Type-AにQuick Chargeを搭載しなかったのかが謎。

USB Type-CにむりやりQuick Chargeを入れるくらいなら……。

USB Type-CにむりやりQuick Chargeを入れるくらいなら……。

おそらく、多くのユーザー的には、USB Type-C(USB PD)に“むりやり”Quick Charge 3.0を入れるくらいなら、素直にUSB Type-AにQuick Charge 3.0を搭載してほしかったと思うはず。それなら、もっとUSB Type-Aポートを活用できるはずですし、重箱の隅をつつく人もいなかったはず。

いっそ、Quick Chargeナシでもいいと思う。

いっそ、Quick Chargeナシでもいいと思う。

個人的にはQuick Chargeは使わない派なので、こういうツッコミどころを残す仕様にするくらいなら、Quick Charge 4(または、Quick Charge 4+)を搭載するか、いっそのことQuick Chargeをバッサリオミットしてもよかったのでは、と複雑な気分。別に私は気にしないけど、ツッコミどころが…ね。

二条ねこ

それにしても、Quick Charge 4+普及しないなー。

まの

有名どころだとBelkinぐらいですものね。Ankerは独自路線ですし。

補足

複数USBポート利用時の電力供給量

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのポート構成

108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのポート構成

Satechiの公式サイトには、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの複数USBポート利用時の最大出力について記載がなかったので、利用ポート別に分けて検証しました。その結果を以下の表にまとめています。

  利用ポート
USB Type-A(1) USB Type-A(2) USB Type-C(1) USB Type-C(2)
最大出力 合計12W 90W 18W

1ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)
USB Type-C(1)

USB Type-C(2)
USB Type-A(1・2)

USB Type-C(1)
USB Type-A(1・2)

USB Type-C(2)
最大出力 合計12W USB-C(1):90W
USB-C(2):18W
USB-A:合計12W
USB-C(1):90W
USB-A:合計12W
USB-C(2):18W

2ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)

USB Type-C(1)
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)

USB Type-C(2)
USB Type-A(1・2)

USB Type-C(1)

USB Type-C(2)
最大出力 USB-A:合計12W
USB-C(1):90W
USB-A:合計12W
USB-C(2):18W
USB-A:合計12W
USB-C(1):90W
USB-C(2):18W

3ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)

USB Type-C(1)

USB Type-C(2)
最大出力 USB-A:合計12W
USB-C(1):90W
USB-C(2):18W

4ポート利用時の最大出力表

調べてみたところ、PDOが複数USBポート利用時に制御されているような結果は出ませんでした。なので、108Wをオーバーした場合は、全体的に出力が下がっているか、USB Type-Aポートの出力が下げられている可能性があります。

まとめ「QC不要だけど隠れPPS対応のハイパワーUSB PD充電器」

Quick Chargeを気にしないならおすすめのUSB PD充電器!

Quick Chargeを気にしないならおすすめのUSB PD充電器!

そういうわけで、今回のSatechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』のレビューを総括すると…

  • 合計最大108W出力は超頼もしい
  • USB-C単ポートで90WのUSB PD出力可能
  • こっそりPPSに対応しているのは嬉しい
  • Quick ChargeはUSB-Aにつけてほしい

という感じでした。

Quick Charge 3.0が、USB Type-AではなくてUSB Type-Cに入ってしまっている点は、謎というか、解せぬ仕様。入れたくなる気持ちも分からなくないですが、これだとQuick Charge非対応のほうが潔い気がします。

とはいえ、USB全体で108Wの出力が可能ですし、PPSにも対応。複数ポート利用時にもUSB PDの出力が制御されている様子がなかったので、Quick Charge 3.0に目を瞑ることができるのであれば、わりとおすすめなUSB PD充電器と言えるでしょう。

二条ねこ

ぜひ、Quick Chargeを入れるならUSB Type-Aポートにっ!

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

SatechiのUSB PD充電器の本命は『100W USB-C PD Compact GaN Charger』なーんだよねー。

さたえり

え?100W出力のUSB Type-Cが2ポートある!?

まの

これなら、Razer Blade Stealth 13の充電もできますわね。

おわり