- USB PDは 90W + 18W のハイパワー!
- 合計4ポートで据え置きUSB PD充電器としておすすめ!
- Quick ChargeがCにあってAにないのが謎すぎる!
神経質にならなければおすすめ。
合計最大108W出力のUSB PD充電器、Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』をレビュー。いわゆる据え置きタイプのUSB PD充電器。実はこっそりPPS対応。Quick Charge内包を気にしないなら、結構アリな充電器です。


PPS対応とは珍しいですわね。

あとはUSB PD周りの仕様だけやね!
目次
Satechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』って?
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerってなに?
USBが合計4ポート搭載。合計最大出力108Wの超ハイパワーUSB PD充電器。最大90W出力対応のUSB Type-Cポートを搭載。
- 合計最大108Wの高出力で頼もしい。
- USB-C 1ポートで90Wまで出力可能。
- USBポート同士が適度に空いている。
- Macに調和するスペースグレイカラー。
- Quick ChargeがUSB-Cから出ている。
- Quick ChargeがUSB-Aから出てない。

USB Type-CからQuick Chargeが出ていても気にしないから、とにかく使いやすいものが欲しい!
…そんな人におすすめなハイパワーUSB PD充電器であるっ!
本体チェック
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのサイズは 120.7×79.5×30.2mm で、重さは416.7g。流行の窒化ガリウムパワー半導体(GaN Power IC)は非採用ですが、このサイズ感で合計最大108W。結構小さめかも。
そして、本体上面には、“SATECHI”なロゴタイプがチラリ。カラーリングもMacなどのApple製品と調和するスペースグレイになっています。
本体下面はこんな感じ。うーん、スペースグレイはかっこいい。
■インターフェース
- LEDインジケーター
- USB Type-A ×2
- USB Type-C ×2
本体前面には、USB Type-Aが2ポート・USB Type-Cが2ポート、合計4ポートのUSBを搭載。AとCがバランス良く2ポートずつ搭載されているので、据え置き用のUSB PD充電器としては十分なポート構成。

各USBポートのクリアランス確保もバッチリあーる。
■インターフェース
- IEC C7(AC電源) ×1
本体後面には、IEC C7(AC電源)とUSBの仕様や認証関係の印刷があります。もちろん、PSEマークあり。
ご覧のとおり、ACプラグ直挿しタイプではなく、ACケーブルを使ったタイプ。なので、カフェや新幹線で使うというよりかは、自宅やオフィス、出張先で使うのに向いているでしょう。
本体左右面はこんな感じ。特に何もないスペースグレイ。
USB Type-A | USB Type-C | |
合計最大出力 | 108W | |
最大出力 | 合計12W | 上:90W 下:18W |
ポート数 | 2 | 2 |
108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのUSBポート数・最大出力
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerに搭載されている、USBポート各種の仕様については上表のとおり。
合計最大出力が108Wなので、単純計算上では全部のUSBポートを利用すると、 12W + 90W + 18W = 120W になり、フルパワーで使えない仕様になっています。Satechiの公式サイトには、複数USBポート利用時の最大出力が記載されていなかったので、こちらについては実際に測定して、レビュー記事の最後に補足としてまとめております。
付属品チェック
■108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの付属品一覧
- ACケーブル
- クイックスタートガイド
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの付属品は、ACケーブル(電源ケーブル)・クイックスタートガイド、この2つのみ。

付属品で掘り下げる部分はなさそうであーる。
ベンチマーク

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(108W Pro USB-C PD Desktop Charger)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerで接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
Revision | Power Delivery 3.0 | |
PDO | 5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・4.5A |
5V・3A 9V・2A 12V・1.5A 15V・1.2A |
108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPDO
108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPDOは上表のとおり。Revisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOはスペックシートに記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時にちゃんと3Aが出力されています。
PPS
USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
Revision | Power Delivery 3.0 | - |
PPS | 3.3V–11V・4.05A | - |
108W Pro USB-C PD Desktop ChargerのPPS
スペックシートや公式サイトに記載はありませんでしたが、テスターで測定したところ、1ポートめのUSB Type-C(90W出力のほう)だけ、PPSに対応していました。なので、その結果を上表にまとめております。

まさかの、こっそりPPS対応USB PD充電器だったあーるっ!
急速充電規格
USB Type-Aポート(USB BC DCP対応)からは、Apple 2.4A・Samsung(5V・2.4A)、以上の2つが検出されました・
USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、Apple 2.4A・Quick Charge 3.0、以上の2つが検出されました。

USB Type-Aポートに搭載せずに、USB Type-CポートにだけQuick Chargeを搭載させる意味とは……!?
使ってみた
最大90WのUSB PD出力は正義
USB Type-C(1) | USB Type-C(2) |
90W | 18W |
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの最大出力
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerには、合計2ポートのUSB PD対応USB Type-Cがあり、それぞれ上表のとおりの最大出力となっています。
ここで注目すべきなのが、1つめのUSB Type-CポートのUSB PD最大出力が90Wという高出力であること。90Wもあれば、MacBook Pro 13インチはもちろん、MacBook Pro 16インチも充電可能(6W不足してるけど充電可能)。これなら、大半のUSB PD対応のWindowsノートパソコンも大丈夫そう。

力こそパワー!ジャスティス!!
SatechiらしいMacと調和するデザイン
これは使い勝手やスペックとまったく関係ないのですが、Satechi製品といえば、Macと調和するデザインなのが特徴的。それゆえ、Mac好きはSatechi好きというイメージ。
今回の108W Pro USB-C PD Desktop Chargerも、実にSatechiらしいデザインコンセプト。SatechiのUSB PD充電器は、一見しただけでSatechi製品であることが分かります。これもある意味ではスペックですし、アイコンであり、アイデンティティーであるわけです。
ちなみに、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerのホディーは、アルミニウムっぽくみえるプラスチック。「アルミじゃないから高級感がなくて残念」という声もありそうですが、アルミにするとデバイスと接触したり擦ったりしたときに、デバイスを傷つけかねないので、個人的にはプラスチックのほうが好き。

もちろん、放熱性を考えるならアルミボディーが最適解だとは思うけどねー。

捉え方次第、ということですわね。
こっそりとPPS対応
108W Pro USB-C PD Desktop Chargerは、メーカー公式にはPPS対応と謳っていないのですが、前掲したベンチマークのとおり、1つめのUSB Type-Cポート(90W)のほうだけ『PPS(Programmable Power Supply)』に対応していました。これは嬉しい発見。
まだPPS対応のデバイスは少ないですが、Galaxy Note10+やGalaxy Note20 Ultra 5Gをメインスマートフォンとして使っている私的には、PPS対応は大歓迎。Samsung的には『Super Fast Charging』と呼ばれていますが、呼称だけが違うだけですし、PPSはデバイスに優しい充電方式なので、他社も積極的に採用してほしいところ。
ちなみに、Galaxy Note20 Ultra 5Gでは、最大25WのPPSでの充電に対応しています。
Quick ChargeはUSB-Aに欲しい
USB-IFの規格違反云々は、極端な違反でないなら許容するようになったのですが、この108W Pro USB-C PD Desktop Charger、なぜかQuick ChargeがAでなくCにだけ搭載されています。規格が——というのはさておき、それならなぜUSB Type-AにQuick Chargeを搭載しなかったのかが謎。
おそらく、多くのユーザー的には、USB Type-C(USB PD)に“むりやり”Quick Charge 3.0を入れるくらいなら、素直にUSB Type-AにQuick Charge 3.0を搭載してほしかったと思うはず。それなら、もっとUSB Type-Aポートを活用できるはずですし、重箱の隅をつつく人もいなかったはず。
個人的にはQuick Chargeは使わない派なので、こういうツッコミどころを残す仕様にするくらいなら、Quick Charge 4(または、Quick Charge 4+)を搭載するか、いっそのことQuick Chargeをバッサリオミットしてもよかったのでは、と複雑な気分。別に私は気にしないけど、ツッコミどころが…ね。

それにしても、Quick Charge 4+普及しないなー。

有名どころだとBelkinぐらいですものね。Ankerは独自路線ですし。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
Satechiの公式サイトには、108W Pro USB-C PD Desktop Chargerの複数USBポート利用時の最大出力について記載がなかったので、利用ポート別に分けて検証しました。その結果を以下の表にまとめています。
利用ポート | ||||
USB Type-A(1) | USB Type-A(2) | USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
最大出力 | 合計12W | 90W | 18W |
1ポート利用時の最大出力表
利用ポート | ||||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) |
USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | 合計12W | USB-C(1):90W USB-C(2):18W |
USB-A:合計12W USB-C(1):90W |
USB-A:合計12W USB-C(2):18W |
2ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1) |
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A:合計12W USB-C(1):90W |
USB-A:合計12W USB-C(2):18W |
USB-A:合計12W USB-C(1):90W USB-C(2):18W |
3ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A:合計12W USB-C(1):90W USB-C(2):18W |
4ポート利用時の最大出力表
調べてみたところ、PDOが複数USBポート利用時に制御されているような結果は出ませんでした。なので、108Wをオーバーした場合は、全体的に出力が下がっているか、USB Type-Aポートの出力が下げられている可能性があります。
まとめ「QC不要だけど隠れPPS対応のハイパワーUSB PD充電器」
そういうわけで、今回のSatechi『108W Pro USB-C PD Desktop Charger』のレビューを総括すると…
- 合計最大108W出力は超頼もしい
- USB-C単ポートで90WのUSB PD出力可能
- こっそりPPSに対応しているのは嬉しい
- Quick ChargeはUSB-Aにつけてほしい
という感じでした。
Quick Charge 3.0が、USB Type-AではなくてUSB Type-Cに入ってしまっている点は、謎というか、解せぬ仕様。入れたくなる気持ちも分からなくないですが、これだとQuick Charge非対応のほうが潔い気がします。
とはいえ、USB全体で108Wの出力が可能ですし、PPSにも対応。複数ポート利用時にもUSB PDの出力が制御されている様子がなかったので、Quick Charge 3.0に目を瞑ることができるのであれば、わりとおすすめなUSB PD充電器と言えるでしょう。

ぜひ、Quick Chargeを入れるならUSB Type-Aポートにっ!
おまけ

SatechiのUSB PD充電器の本命は『100W USB-C PD Compact GaN Charger』なーんだよねー。

え?100W出力のUSB Type-Cが2ポートある!?

これなら、Razer Blade Stealth 13の充電もできますわね。
おわり
実はこっそり…PPSに対応してーるっ!やったー!!