- USB-C ×2 で20,000mAh超の最強モバイルバッテリー!
- 最大87W出力可能でMacBook Pro 16″も充電できる!
- パススルー充電非対応なのがとにかく悔やまれる!
合計4ポートの最強モバブーちゃん…かも!?
USB PD対応モバイルバッテリー、Anker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』をレビュー。 USB-A ×2 + USB-C ×2 という合計4ポート搭載で、25,600mAhの大容量。そして、87Wの高出力。…そう、これはMacBook Pro 16″ユーザーに向けた最強モバイルバッテリーだ!
…“ほぼ”!?
煮え切らないアンサーですわね。
目次
Anker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』って?
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wってなに?
USBが合計4ポート搭載、25,600mAhの大容量、87Wの高出力。Anker史上最強のモバイルバッテリー。
- USBが合計4ポート搭載。
- PD対応USB Type-Cポートを2つ搭載。
- MacBook Pro 16″も充電可能。
- 安定のAnker製ビルドクオリティー。
- パススルー充電に非対応。
- PowerIQ 3.0(Gen2)には賛否アリ。
MacBook Pro 16″が充電できる高出力なモバイルバッテリーを探している!
…そんな人におすすめしたい最強クラスのUSB PDモバブーちゃんっ!
本体チェック
■インターフェース
- 電源ボタン(+ LEDインジケーター)
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wのサイズは 183.5×82.4×24.0mm で、重さは573g。容量が20,000mAh超の25,600mAhでUSB PD対応ということもあり、なかなかのサイズ感とズッシリ感。
そして、本体上面には、バッテリー残量を示すLEDインジケーターが内蔵された電源ボタンを搭載。LEDインジケーターは8個搭載で、バッテリー残量を比較的正確に認識できる点が高評価。表面のヘアライン処理も安っぽくなく、Ankerらしい高いビルドクオリティーを誇っている。
本体下面には、USBの入出力や容量、認証関係の印刷がされています(写真では見えないけど……)。
■インターフェース
- USB Type-A ×2
- USB Type-C ×2
本体前面には、USB Type-Aが2ポート・USB Type-Cが2ポート、合計4ポートのUSBを搭載。モバイルバッテリーで4つもUSBポートがある製品は非常に珍しく、なかなか壮観なインターフェース群に。当然、一度に4つのUSBポートからデバイスへ充電可能。
まさに最強のポート構成にうっとり〜あーる。
本体後面には特に何もありません。
本体左右面にも特に何もナシ。
モバイルバッテリーによっては、モバイルバッテリーへ充電するためのUSBポートだけ左右に避けられているものもありますが、Anker PowerCore III Elite 25600 87WはUSB PDによる充電に対応していることもあり、非常にスッキリとしたポート構成になっています。
USB Type-A | USB Type-C | |
最大出力 | 18W | 87W |
ポート数 | 2 | 2 |
PowerIQ | PowerIQ 2.0 | PowerIQ 3.0(Gen2) |
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wの各USBポート最大出力とPowerIQの仕様表
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wに搭載されている、USBポート各種の仕様については上表のとおり。
それぞれ単一ポート利用時は、USB Type-Aが最大18W・USB Type-Cが最大87W、となっており、これは2つあるポートのどちらを利用しても一緒。ただ、複数のUSBポートを同時利用すると、各ポートごとの最大出力が異なってきます。これがちょっとややこしいので、複数ポート利用時の挙動については、本記事の最後に補足しています。
また、全USBポートがAnker独自の急速充電規格(正確に言うと急速充電規格ではない)である『PowerIQ』に対応。USB Type-Aポートは『PowerIQ 2.0』に対応しており、USB Type-Cポートは『PowerIQ 3.0(Gen2)』に対応しています。
最近のAnkerの総決算的なモバイルバッテリーって感じであーる。
付属品チェック
■Anker PowerCore III Elite 25600 87Wの付属品一覧
- USB Type-C to USB Type-Cケーブル(3A)
- トラベルポーチ
- 取扱説明書
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wの付属品は、USBケーブル・トラベルポーチ・取扱説明書、という3つ。
非常に親切なAnkerさん、ちゃんとトラベルポーチを付属してくれています。これが地味に嬉しいポイント。なお、Anker PowerCore III Elite 25600 87Wは3A以上の入出力に対応しているのですが、付属しているケーブルは5A非対応。ここは、RAVPower『RP-PC128』のように5Aケーブルを付属してほしかったところ。
付属するなら5Aケーブルにしてほしかったですわね。
うーむ、謎あーる。
ベンチマーク
USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(Anker PowerCore III Elite 25600 87W)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker PowerCore III Elite 25600 87Wで接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
Revision | Power Delivery 3.0 | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・4.35A |
5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・4.35A |
Anker PowerCore III Elite 25600 87WのPDO
※単独利用時。
Anker PowerCore III Elite 25600 87WのUSB PDのRevisionは、公称どおり『Power Delivery 3.0』でした。なお、USB PD 3.0 PPSには非対応。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは上表のとおりで、スペックシートに記載されているものと差異はありませんでした。ちゃんと、5V出力時に3Aが出力されています。
複数ポート利用時については…のちほどっ!
急速充電規格
USB Type-Cポート(USB PD)は、PowerIQ 3.0(Gen2)に対応している関係から、公称でQuick Charge 3.0に対応しています。テスターで測定したところ、Quick Charge 3.0とSamsung AFCが検出されました。Samsung AFCはQuick Charge 2.0ベースなので、QC 3.0を搭載したからくっついてきたのでしょう。
USB Type-Aポートは、PowerIQ 2.0に対応している関係から、こちらもQuick Charge 3.0対応。同様にテスターで測定したところ、Apple 2.4A・Quick Charge 3.0・Samsung AFC・HUAWEI FCPが検出。要するに、Apple独自の急速充電規格を除けば、こちらもQCベースなのでしょう。
使ってみた
MacBook Pro 16″充電可能な87W出力
久しくモバイルバッテリー“漁り”をしていなかったのですが、このAnker PowerCore III Elite 25600 87Wには「待ちに待ってた!」と言えるポイントがあって、その1つめがMacBook Pro 16インチが充電できるぐらいの高出力であること。その最大出力、なんと87W。
USB PDに対応してるモバイルバッテリーは珍しくないが、その多くが最大60W程度。これでは、MacBook Proの13インチは充電できても16インチはちょっと厳しい。なので、シーンによっては、MacBook Pro 16インチのバッテリー確保に苦労していました。
ところが、今回のAnker PowerCore III Elite 25600は最大87W出力のUSB PDに対応。MacBook Pro 16インチの純正USB PD充電器は96Wなので、足らないといえばそうなのですが、実利用上問題ないぐらいにゴリゴリ充電して使えています。
USB-C ×2 はとにかく頼もしい
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wの「待ちに待ってた!」なポイント、その2つめがUSB Type-Cが合計2ポートあること。ここが意外と重要。
USB Type-Cポートは当然、どちらもUSB PDに対応。両方のUSB Type-Cポートを利用すると、最大出力が下がる(87W → 60W&18W)のが難点だけど、MacBook Pro 13インチユーザーならこれでも平気な出力レベル。最大出力を見ていると、明らかにMacBook Pro 13インチとiPad Proを同時充電することを想定しているのでしょう。つまり、Appleユーザーに最適化されているというわけです。
20,000mAh超だし、Appleユーザーのための無限ノマドツールかもっ!?
合計4ポートのUSBは最強の証
正直、USB PDの出力だけで言ったら、HYPER『HyperJuice 130W USB-C Battery Pack』のほうが勝っている(こちらは100W出力対応)のですが、このAnker PowerCore III Elite 25600 87Wの最大の利点が、4つもUSBポートが存在すること。
もちろん、ただ4つUSBポートがあるという“お飾り”ではなく、ちゃんと全部のポートが同時に利用可能。つまり、一度に4つまでデバイスを同時充電することができちゃうのです。これが超頼もしい。これは、ある意味での最強モバイルバッテリーと言ってもよいはず。
全部のUSBポートを使っても、USB Type-Aは最大15W、USB Type-Cは最大45Wまで出力できるのも嬉しい限り。20,000mAh超えの大容量だからこそ、こういった欲張りな使い方ができるというものなのです。ですなの。
パススルー充電非対応が惜しい
USB PD対応のUSB Type-Cが2ポートあり、最大87W出力、そして25,600mAh。正直、Anker PowerCore III Elite 25600 87Wに不満はない…『パススルー充電』が非対応なことを除いては。
特にAnker公式サイトに記載がなかったので、淡い期待を抱いて試してみたわけですが、残念ながらパススルー充電には対応していませんでした……。
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wに搭載されているUSB Type-Cポートは、どちらもUSB PDの入出力に対応しているので、ひょっとしたら…と思っていたのですが、モバイルバッテリーへ電力を入力すると、モバイルバッテリー側からは電力を出力できなくなるみたいです。もし、パススルー充電対応だったら、超おすすめできたはず。ここだけが無念。
惜しいっ!惜しすぎるぞぉおおお!!
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
Anker PowerCore III Elite 25600 87Wは前述のとおり、同時利用するUSBポートの数やタイプによって、最大出力が変化してきます。なので、パターン別に分けて各USBポートの最大出力を以下の表にまとめてみました。利用時や購入前の参考にしてみてください。
利用ポート | ||||
USB Type-A(1) | USB Type-A(2) | USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
最大出力 | 18W | 18W | 87W | 87W |
1ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1・2) |
USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | 合計15W | USB-A:18W USB-C:60W |
USB-C(1):18W USB-C(2):60W |
2ポート利用時の最大出力表
利用ポート | ||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1・2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A:合計15W USB-C:60W |
USB-A:15W USB-C(1):18W USB-C(2):45W |
3ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A:合計15W USB-C(1):18W USB-C(2):45W |
4ポート利用時の最大出力表
まとめ「最強に近いUSB全部盛りのモバイルバッテリー」
そういうわけで、今回のAnker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』のレビューを総括すると…
- 25,600mAhという超大容量
- USB-A ×2 + USB-C ×2 で合計4ポート
- USB PDは最大87W出力可能
- パススルー充電非対応が惜しい
- 最大出力は利用ポートによって変化
という感じでした。
個人的にはパススルー充電が欲しかった。それさえ対応していれば、多少のUSBポートの出力がややこしいことは目をつぶっても、もっともっと“最強”と声を大にして評価できたはず。
賛否両論なPowerIQも、『PowerIQ 3.0(Gen2)』からは個人的に許容できるものになった(できればUSB-IFにちゃんと準拠してほしいけど)ので、出力的には基本的は問題ナシ。総じておすすめできるモバイルバッテリーなのですが、だからこそのパススルー充電が欲しかった。
後継機種ではパススルー充電にも対応してほしいっ!
おまけ
今度はモバイルバッテリー沼の世界へ…ホップステップかーるいすっ!!
つかう → つるぎ → セルフ
…やね。
わたしは つるぎのはを ひだりむねに……。(そして辞世の句)
おわり
ほぼ最強でほぼ完璧なモバブー様っ!