- Google Pixel 5 = つまらない 論について考えた!
- つまらないと感じるのは私がガジェット好きのギークだから!
- 一般ユーザー目線に立つとギミックなしが最適解なのかも!
シンプルこそ美しい。
2020年10月に開催されたGoogleのオンラインイベント、Launch Night In。そこで発表された『Google Pixel 5』が、ガジェット好き界隈では「つまらない」と言われているそう。そこで本当につまらないのか、そこをギークが考えてみます。
SoliもActive Edgeも非搭載なのに…ですか?
5Gもミリ波非対応なのに?
目次
Google Pixel 5とは?
本題に入る前に、少しだけ『Google Pixel 5』というデバイスについてのおさらいをしていきます。
Help at the Speed of 5G | Introducing the new Pixel 5 and Pixel 4a with 5G - YouTube
■Google Pixel 5とは?
Googleが生み出した5G(Sub6)対応のスマートフォン。防水・Qiワイヤレス充電に対応。
Google Pixel 5は、Google Pixelシリーズ(Pixelシリーズ)の第5世代めとなるスマートフォンで、2020年10月1日に開催された『Launch Night In』で発表されました。発売日は2020年10月15日で、価格は74,800円。
下記の『Google Pixel 5のスペック』という部分に、Pixel 4との比較も含めて、Google Pixel 5のスペックをまとめています。本記事では、“Pixel 4から失われたもの”についても触れていくので、事前に確認してもらえると、より理解しやすくなるはずです。
Google Pixel 5 = つまらない
Google Pixel 5は、先代のPixel 4からいろいろ機能を削られていたり、スペックを落とされている部分があったりして、ガジェット好きなギーク界隈では「つまらないデバイス」と言われていたりもするそう。
確かに、今回のGoogle Pixel 5には表立った革新的な機能はなく、他社のAndroidスマートフォンのフラグシップモデルと比べても、数段見劣りする部分があったりします。そういう意味では、つまらないと言っている人の気持ちも分からないことはなく、個人的にはGoogle Pixelっぽいというよりかは、Google Nexusっぽいイメージがしっくりきています。
IKEAっぽいというより、無印良品っぽい感じっ!
うーん、分かりづらい……。
失われたガジェット感
Google Pixel 5が「つまらない」と言われる理由、それはPixel 4で搭載していた面白いギミックが軒並み廃止されたため。
そこで、ここからはPixel 4からGoogle Pixel 5になったタイミングで廃止された機能と搭載された機能について触れていきます。
廃止された機能
Pixel 4からGoogle Pixel 5になったことで、廃止された機能は以下のとおり。
■Google Pixel 5で廃止された機能
- Soli(Motion Sense)
- Active Edge
- Pixel Neural Core
Pixel 4でギークの心をわしづかみにした『Soli』を利用した『Motion Sense』という機能。このMotion Senseによって、Pixel 4に触れることなくジェスチャーのみで操作可能に——ということだったのですが、Google Pixel 5ではまるっと廃止。Soli自体がありません。
また、Google Pixelシリーズおなじみとなっていた、スマートフォンの両サイドをギュっと握るとGoogle Assistantが起動する『Active Edge』。Google Pixelユーザーないし、HTCユーザーには馴染み深い機能(HTCでは『Edge Sense』)ですが、Google Pixel 5ではActive Edgeをバッサリと廃止。
そして、『Pixel Neural Core』というコプロセッサーも廃止。これはGoogle Pixel 5が 顔認証 → 指紋認証 となった兼ね合いもあるそうですが、SoC(Qualcomm Snapdragon 765G)で代用できるようになったため非搭載になったそうです。
要するに、Pixel 4で“エモみ”の部分だった、Soli(Motion Sense)やActive Edgeが廃止されてしまったことで、 Google Pixel 5 = つまらない というイメージになってしまっているわけです。
搭載された機能
反対に、Pixel 4からGoogle Pixel 5になったことで、搭載された機能は以下のとおり。
■Google Pixel 5で搭載された機能
- Pixel Imprint
- Battery share
『Pixel Imprint』とは、要するに指紋認証のこと。その代わり、Google Pixel 5では顔認証が非搭載なので、これを新搭載や新機能と言うのはちょっと違う(過去には『Nexus Imprint』もあったので)かも……。
『Battery share』とは、Qiワイヤレス充電規格と用いたリバースチャージのこと。少し前に登場したGoogle純正の完全ワイヤレスイヤホン『Pixel Buds』もQi対応なので、このBattery shareを利用すれば、Google Pixel 5からPixel Budsへ電力供給ができるというわけです。Samsung Galaxyではすでに搭載されている機能なので、リバースチャージを使ったことがある人もいるはずです。
搭載された機能を考えると分かるように、ギミックらしいギミックは特にありません。もちろん、5Gは新搭載ですがSub6止まりですし、2020年発売のスマートフォンであるなら、特段目新しい機能ではありません。Battery shareも然りです。
ギークと一般ユーザーの乖離
…こうやって話していくと、Google Pixel 5はガッカリ端末と思ってしまうのですが、それはおそらく私がガジェット好きのギーク女子だから。そう、きっと私が一般ユーザーだったなら、Google Pixel 5がつまらないとは思わなかったはず。
ここがキモというわけですわね?
そうそうっ!
つまらないって思うのはデバイスのせいじゃなくて、ターゲット層がズレてたからかなって!
多くのユーザーにギミックは不要
Google Pixel 5では前述のとおり、Soli(Motion Sense)とActive Edgeという、2つの要素がPixel 4からオミットされています。ただ、それらをオミットしてスペースが空いたからか、Google Pixel 5ではバッテリーが大幅増加(2,800mAh → 4,000mAh)となっていたり、販売価格もかなり安くなってくれました(SoCもSDM 700番台に抑えたのも要因の1つ)。
分かりやすく言えば、ギークがエモみを感じるギミックをごっそり削って、その代わりに一般ユーザーが喜ぶバッテリー容量とリーズナブルな価格を手に入れたということ。
世の中のスマートフォンを利用するユーザーのほとんどは“非”ギーク。そう考えると、Google Pixel 5というデバイスはギークに向けたデバイスではなく、より一般ユーザーが手に取りやすいデバイスにした。だから、余計(だと判断された)なギミックがオミットされたということな気がします。
デバイスをギーク目線だけで見てはいけない
このGoogle Pixel 5というデバイスで感じるのは、決してデバイスはギークのためだけに存在しているのではないということ。ネットの海ではギークだらけですが、リアルの世界ではマイノリティーということを忘れてはいけません。これは私自身の戒め。
もちろん、Soli(Motion Sense)もActive Edgeも面白い機能なので、Google Pixel 5でも使いたかった…というのが本音。ですが、それと引き換えにバッテリー容量が半分になると言われてしまうと…なんだか複雑な気分になってしまいます。これが非ギークなら、なおさらでしょう。
一般ユーザーはスマートフォン1台持ちがほとんどなので、それらのどちらかを取るとなれば、十中八九バッテリーでしょう。きっと、そこでSoliなどを取るのはギーク。そこで感じたのが、デバイスをギーク目線だけでは見てはいけないということ。Google Pixel 5が想定している顧客が私ではないということなのでした。
コテコテなデザインが好きな人が、無印良品やUNIQLOを求めないのと同じ感じであーる。
GoogleはAppleではない
——Googleはテック企業なのだから、革新的な機能を入れるべきではないか。
そんなことをふと思ったのですが、よく対比されるApple(とiPhone)とは異なり、Androidスマートフォンというのは他社からも無数にリリースされていますし、そもそもGoogleはAppleほどハードウェアメーカーではありません。Googleが売りたいのはハードウェアではなく、その後ろに存在しているサービスやデータなのです。
なので、Google Pixelを尖ったAndroidスマートフォンにするよりは、非常にニュートラルでベーシックなデバイスにしたほうが良いとの判断かもしれません。変態端末と化したAndroidスマートフォンは他社から出ていますので。iOSデバイスはAppleしか出せないので、自分で革新性やギミックをプロモーションしていく必要があるのですが、Googleはそこまでハードウェアをプッシュする必要性がないとも捉えることができるのです。
それもあってか、近年のGoogleはハードウェアの撤退(Pixel Slateとか)や、機能をオミットを本当にバッサリやってきます。それこそ、少し前のAppleみたいくバッサリと。Googleからすると、ハードウェアは“実験場”なのかもしれません。
だからこその一期一会なエモみもあるんだけどねー。
それがSoliやったのかもやね!
Google Pixel 5 = シンプル&ミニマル
話が変な方向にブレてきましたが、発表当初こそ「つまらない」と感じていたGoogle Pixel 5ですが、いろいろ考えていくうちに「これがいい」と180°考えが変わってきました。
見事な手のひら返しですわね。
んごご……。
Google Pixel 5には変態ギミックはありませんが、必要十分なスペックだけを詰め込んだ、いわば“贅肉”のないスマートフォン。シンプルとミニマリズムをGoogleなりに体現したスマートフォンなのです。
私のメインのAndroidスマートフォンはSamsung Galaxy Note20 Ultra(5G)なのですが、まさにそれとは対極に位置するのがこのGoogle Pixel 5。確かにGoogle Pixel 5はつまらないかもしれないのですが、Google Pixel 5ベースで考えると、Galaxy Note20 Ultraは“贅肉と豪奢”なスマートフォンとも感じたりもします。もちろん、それはそれでギーク心をくすぐるのでアリ。
とにかくシンプルでベーシックに使いやすい。そして贅肉のない美しさ。これこそ、Google Pixel 5最大の魅力。このギーク感のなさに共感できるのであれば、むしろ積極的に買ってもよいスマートフォンでないかと思うわけです。
まとめ「Google Pixel 5はつまらなくていい端末」
確かに、Soli(Motion Sense)やActive Edgeのようなギミック感はなく、捉え方や期待していたユーザーからすると、Google Pixel 5は期待はずれであり、つまらないスマートフォン。
ただ、考えれば考えるほど、Google Pixel 5はつまらない端末でいい、つまらない端末がいい、そういうふうに思うようになりました。まさにシンプルイズベスト。
最近のiPhoneがシンプルさを忘れて豪奢になりはじめたので、個人的にはGoogle Pixel 5のほうが、在りし日iPhoneっぽくて好きだったりします。とにかく、ギークは面倒な生き物なのです。うんうん。
もしGoogle Pixel 5を買ったら、それは非ギークの自分が勝利した瞬間かもっ!?
おまけ
語りましたわね。
なんだか、Google Pixel 5には謎の魅力があるんだよねー。というか、最近のGoogleデバイスに惹かれつつあるぞぞぞ……。
とか言いつつ、iPhoneは買うんやろうね。
当然!あれは“儀式”なのだっ!!
おわり
実は面白いGoogle Pixel 5ちゃんっ!