- 発表済の新型デジタルペーパーが全然発売されない!
- リリース予定日から10か月が経過しようとしてる!
- 今回はQUADERNO (Gen. 2)にOEM提供して終わりかも!
— どういうこと? —
2021年初頭に発表されていた、Sonyの新型『デジタルペーパー (Gen 3)』が一向に発売されません。「2021年8月リリース予定」とされていたのですが、音沙汰がない状況に。…なので、どうなっているのかを調べてみます。
すでに『デジタルペーパー (Gen 2)』は販売終了ですものね。
いっそ、OEMの『QUADERNO』を買う…とか!?
目次
Sonyの新型『デジタルペーパー (Gen 3)』
Sonyの電子ペーパータブレット(E Inkタブレット)『デジタルペーパー(DIGITAL PAPER)』シリーズ。
そのデジタルペーパーシリーズに、“第3世代”となる新型が存在するのはご存じでしょうか。実は、2021年初頭に『デジタルペーパー (Gen 3)』本体が展示発表されているのです。
以下、『デジタルペーパー (Gen 3)』のスペック。
デジタルペーパー (Gen 3) | |
---|---|
SoC | NXP i.MX 8M Mini |
ROM | 32GB |
画面パネル | E Ink |
画面サイズ | 13.3インチ |
画面解像度 | 1,650×2,200 |
デジタイザーペン | Wacom EMR (Wacom feel IT technologies) |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 (2.4GHz + 5GHz) |
Bluetooth | Ver. 5.0 |
サポートファイル | |
インターフェース | USB Type-C ×1 └ USB 2.0 FeliCa(NFC) |
デジタルペーパー (Gen 3)のスペック
2021年8月リリース予定 → 消息不明
Sony Releases 2021 All-New DPT DIGITAL PAPER 3rd Generation - YouTube
ここからが問題で、この『デジタルペーパー (Gen 3)』、「2021年8月リリース予定」とアナウンスされていたのですが、そこから一向に音沙汰がないのです。
当のSony公式サイトを見ても、新型デジタルペーパーが出た…という記載はなく、トップページに表示されるのは、すでに販売終了となった『デジタルペーパー (DPT-CP1/DPT-RP1)』のほう。
上掲の動画を見る限り、製品のカタログ(“オチ”については後述)も作成されているので、法人向けにこっそりと…はあるかもしれません。ただ、調べた限りでは、海外でもまだ発売するという動きはありませんでした(海外の電子ペーパー販売サイトを覗いても、売っていなかった)。
なので、完全に消息不明になってしまっております。
ただ、スマートフォン向けアプリ『Digital Paper App for mobile』の新規配信が終了していますよね?
うーん、暗雲が漂ってきてますな……。
『QUADERNO (Gen. 2)』にOEM提供して終わり?
- Sony『デジタルペーパー(DIGITAL PAPER)』
- 富士通クライアントコンピューティング『クアデルノ(QUADERNO)』
この2つが兄弟機種であることは、電子ペーパー好きであればご存じかと思います。
デジタルペーパーの第2世代にあたる『DPT-CP1』『DPT-RP1』。クアデルノの第1世代にあたる『FMV-DPP01(FMV-DPP03)』『FMV-DPP02(FMV-DPP04)』。
これらはいずれも、Linfiny Japan(Sony Semiconductor SolutionsとE Inkの合弁会社)のOEMとなっており、対応アプリケーションやデザイン等のチューニングがあるものの、製品自体はほぼ同一のものとなっているのです。
そこで、1つの仮説として思い浮かんでいるのが、前述した新型『デジタルペーパー (Gen 3)』というのは、Sonyから発売はせず、富士通クライアントコンピューティングにOEM提供して終わるのではないか、ということ。
現に、デジタルペーパー (Gen 3)と同じ筐体だと推測される、新型『QUADERNO (Gen. 2)』は、例の展示発表後となる、2021年6月にしっかりと発売されております。展示会では「2021年8月リリース予定」となっておりましたが、ほぼほぼ合致するタイミングです。
極め付けとなるのが、前掲した動画でチラっと見えていた、青いカタログ。
よく調べてみると、Sonyがデジタルペーパー用に発行しているカタログではなく、Linfiny Japanのデジタルペーパー用カタログだったのです。もっと言うと、動画内に「Linfiny e-note」と出ています(アクリル什器の箇所)。
確かに、Linfiny JapanもSonyと関連がある企業ですが、『Sony』ではなく『Linfiny』の名義でしかデジタルペーパーが発表されていない以上、新型デジタルペーパーはSonyからは発売されないのではと予測しています。
クアデルノがSony(Linfiny)のOEMである以上、わざわざSonyが同じ製品を発売するとも思えませんし、これからはOEM提供に徹するということかもしれません(だからスマホアプリの配布もやめたのかも)。
まとめ「新型QUADERNOを買うべきか」
『Sony』と『Linfiny』の関係性から、「Sonyとして新型デジタルペーパーが発売されるのでは」と思っていたわけですが、富士通クライアントコンピューティングの『クアデルノ(QUADERNO)』にOEM提供して終わり…な気がします。
Sonyの旧デジタルペーパーを持っており、かつ新型デジタルペーパーを、“Sony冠”で発売されることを願っているユーザーとしてはモヤモヤするところ。ですが、素直に新型クアデルノを買うべきかもしれません。
悩ましいのであーる。(BOOXに完全移行する?)
おまけ
Linfiny Japanの代表はJohnson Lee氏なんだけど、この方、E InkのCEOなんだよね。
だから、Sonyがデジタイザーペン対応の電子ペーパータブレットを、早期投入していたわけですのね。
ソニーセミコン、恐るべしやね。
カメラ向けCMOSセンサーもそうだし、やっぱやり手ですなー。
おわり
「出す」「出さない」ぐらいは、ハッキリ言ってほしいあーる。