- 希少なPPS対応USB PD充電器なので1つ持っておくと便利!
- 規格違反的な仕様がないので実に使いやすい!
- スイングプラグじゃないのがネックもそれ以外はかなり良い!
PPS対応のUSB PD充電器の暫定1位。
45W出力のUSB PD充電器、Samsung『45W Travel Adapter』をレビュー。Samsung純正なので、独自急速充電規格…と思いきや、まさかのPPS対応。5Aケーブルも付属なので、これは隠れた名充電器かも!?
PPS対応のUSB PD充電器の時点で珍しいですよね。
しかも、ピュアな仕様なんやね!
目次
Samsung『45W Travel Adapter』って?
45W Travel Adapterってなに?
Programmable Power Supply(PPS)に対応した、最大45W出力のSamsung純正USB PD充電器。USB Type-Cが1ポート構成。
- 希少なPPS対応。
- USB-Cケーブル(5A対応)付属。
- 独自急速充電規格の出力がない。
- 他のコンセントに干渉しづらいデザイン。
- スイングプラグではない。
- LEDインジケーター非搭載。
PPS対応のデバイス(Galaxy Note10+など)を持っていて、PPSを使ってみたい!
…そんな人におすすめしたいUSB PD充電器なのであーる!
本体チェック
■インターフェース
- USB Type-C ×1
45W Travel Adapterのサイズは、 53.1×30.1×68.3mm で、重さは92g。最大出力は45W。窒化ガリウムパワー半導体は非採用なので、群を抜いて小さい…というわけでないが、45W出力としては比較的コンパクトな部類に入る。
45W Travel Adapterのポート構成は、USB PDに対応したUSB Type-Cポートが1ポートのみ。なので、 1ポートの最大出力 = 45W という仕様。なお、USB PDはオプション機能である『PPS(Programmable Power Supply)』にも対応。
■インターフェース
- ACプラグ ×1
45W Travel Adapterの後面には、ACプラグを搭載。残念ながら、可動式のACプラグ(スイングプラグ)ではありません。
45W Travel Adapterの上面には、「Super Fast Charging」と刻印されており、急速充電に対応していることが分かります。なお、本製品が対応しているには『Super Fast Charging 2.0』というもので、Samsung的に言うPPSだったりします。
45W Travel Adapterの下面には、USB PD充電器恒例の認証関係やUSB出力に関する仕様が印刷されています。当然、PSEマークあり。
「Galaxy」と書かれた部分の下に細かく書かれているのが、USB PDの仕様について。45W Travel AdapterはPPSにも対応しているので、かなり細かく出力が記載されています(出力は前掲のスペックシートに記載)。ここについては後述。
45W Travel Adapterの左右面には、特に何もありません。
付属品チェック
■45W Travel Adapterの付属品一覧
- USB Type-C to USB Type-Cケーブル
45W Travel Adapterの付属品は、USBケーブルのみ。取扱説明書やクイックスタートガイドは付属していませんでした。
45W Travel Adapterは本機のPPSの仕様上、3A以上の出力を行う場合があるので、5A対応のUSB-C to USB-C ケーブル(E-Markedケーブル)が必要なのですが、しっかりと対応のUSBケーブルが付属。
高出力を謳っているUSB PD充電器はかなりの数がありますが、5A対応のUSB Type-Cケーブルを付属してくれているメーカーは少ない印象。そういった意味では、かなりSamsungはユーザーフレンドリーと言えるはず。
ベンチマーク
USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(45W Travel Adapter)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、45W Travel Adapterで接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・2.25A |
45W Travel AdapterのPDO
45W Travel AdapterのPDOは上表のとおり。
45W Travel AdapterはPPSに対応していることからも分かるように、USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』となっており、それがテスターの通知からも判別できます。また、テスターに通知されたPDOは、スペックシートに表記されたPDOと差のないものでした。
PPS
Revision | Power Delivery 3.0 |
PPS | 3.3V–11V・5A 3.3V–16V・3A 3.3V–21V・2.25A |
45W Travel AdapterのPPS
45W Travel AdapterのPPSは上表のとおり。
45W Travel Adapterは、USB PDのオプション機能である『PPS』に対応しているので、別途PPSの対応がテスターで確認できました。
テスターに通知されたPPSは、5A(スペックシート上:4.05V)・3A(スペックシート上:2.8V)・2.25A(スペックシート上:2.1V)となっていました。なお、電圧に関しては、スペックシートに記載されたものがテスターで確認できました。
急速充電規格
USB Type-Cポート(USB PD)からは、Apple 2.4A・Quick Charge・Samsung AFC・Huawei FCP・Huawei SCP、いずれの急速充電規格も検出されませんでした。
うーん、素晴らしいっ!
使ってみた
ダイレクトチャージPPS対応
USB PD Rev. 3.0 Ver. 1.1以降では、Sink Directed Charging(ダイレクトチャージ)である『PPS(Programmable Power Supply)』がオプション機能として提供されているのですが…とにかくPPS対応のUSB PD充電器は少ない。
そこで見つけたのが、今回の45W Travel Adapterだったというわけです。先日、同じくPPS対応のAnker『Anker PowerPort III 65W Pod』を購入したので、これをうまく使い分けられれば…というところ。
ちなみに、Galaxy Note10+が代表的(だと思う)なPPS対応のデバイスですが、同機種にもPPS対応のUSB PD充電器が付属しています。ただ、こちらは最大25W出力と少し控えめな出力構成。Galaxy Note10+自体は、最大45WまでのPPS充電に対応しているので、どちらにせよ、今回の45W Travel Adapterを持っておくのが良さげ。
PDOもQuick ChargeもUSB-IF準拠
45W Travel Adapterの個人的に気に入っている最大のポイントが、PDOに変な通知がなく、そしてQuick Charge等の独自の急速充電規格の出力がないということ。つまり、USB-IF的な規格違反がないという点。
気にする人は、とことん気にするポイントですものね。
そうなのであーる。
PDOに変な通知が混ざっているのは困ったさん…として、Quick Chargeが内包されているか否かは個人の好みになってくる部分も少なくない。現に、Ankerの『PowerIQ 3.0(Gen2)』には、みずからQuick Charge 3.0(2.0)を内包していることを公言している。なので、個人的にはある一定のクオリティ以上は趣味嗜好で選べばよいと思っている。
なので、Quick Chargeが内包されていたらダメとはもはや思っていない(諦めた)のですが、やっぱりピュアなUSB PD充電器も欲しいところ、ましてや、この45W Travel AdapterはPPS対応。そういった意味では、かなり希少性の高いUSB PD充電器なのかも。
嬉しい5Aケーブル付属
意外と嬉しいのが、USB PDで3A以上の出力を行う際に必要な、5A対応のUSB-C to USB-C ケーブル(E-Markedケーブル)を付属してくれている点。
USB PD界隈に明るい人なら、自分で別途用意すればよい話。ただ、世の中の大半の人がUSB PDについて、そこまで詳しくない(そもそも興味もない)はず。そう考えると、ちゃんと最初からフルセットで揃えられている45W Travel Adapterは、かなりユーザーフレンドリー。
どちらにせよ、5A対応のUSB-C to USB-C ケーブルを別途用意すると、そこでまたコストがかかってしまうので、最初からケーブル付属というのは、かなり大歓迎だったりします。もし不要ならば、そっと箱にしまうだけですので。
スイングプラグなら完璧だった
今回の45W Travel Adapterは、PPS対応のUSB PD充電器としては、2020年のベストチョイスに入っているのですが、唯一残念なのが可動式プラグ(スイングプラグ)ではないこと。ここがストレートなACプラグなのが、かなりもったいない。
ACプラグが剥き出しだと、ガジェットポーチ等に入れて持ち運ぶときに他のデバイスを傷つけかねない。なので、もし持ち運ぶなら、ACプラグキャップを別途用意しておくと便利でおすすめ。
まとめ「PPS対応USB PD充電器を探してるならこれ」
そういうわけで、Samsung『45W Travel Adapter』のレビューを総括すると…
- PPS対応の45W出力USB PD充電器
- Samsung独自と思いきやピュアなUSB仕様
- 5Aケーブルを付属してくれている親切設計
- スイングプラグでないのが残念
という感じでした。
PPS対応でかつ、Quick Charge等の独自の急速充電規格に対応“していない”USB PD充電器はあまり見かけないので、個人的にはこれだけで買う価値あり。
5A対応のUSB-C to USB-C ケーブル(E-Markedケーブル)も同梱されているので、Galaxyシリーズを持っているなら、普通にSamsung純正品から買うのがおすすめと言えるかもしれません。うーん、これはアタリ!
ACプラグキャップを併用して、上手に持ち運ぶのであーるっ!
おまけ
『Super Fast Charging 2.0』って言われると…だけど、普通のPPSだから使いやすいんだよねー。
Samsung独自の急速充電規格ではない、ということですものね。
これでスイングプラグやったら、ほぼ完璧やのにね。
そうなのであーる。そこだけがねー。
おわり
珍しいピュアなPPS対応…だとっ!?