- コレコレ感の強い全部盛りでオールインワンな電源タップ!
- 3極対応コンセントと雷サージがギーク的にそそられる!
- USB PDの最低出力が5V・2.8Aになっているのが悲しみ!
大艦巨砲主義系の電源タップ。
USBポート搭載電源タップ、Anker『PowerPort Strip PD 6』をレビュー。6つのコンセント、2つのUSB-A、1つのUSB-C…同時に9デバイス充電可能な凄みよ。しかも、USB PD対応。…待っていたぞ!


リビングや会議室にもよさそうですわね。

一家に一台系やね!
目次
Anker『PowerPort Strip PD 6』って?
Anker PowerPort Strip PD 6ってなに?
コンセントが6つ、USB Type-Aが2つ、USB Type-Cが1つ、というマルチ充電システムといえる最強の電源タップ。とにかく凄い。
- USB-A・USB-C両搭載
- 雷サージ搭載
- アース対応のACコンセント
- 一括スイッチ搭載
- 本体底面のゴム足
- スイングプラグ非採用
- USB-Cの最大出力が30W
- 5V・2.8AなPDO

机をスッキリさせつつ、しっかりとした電源確保がしたい!
…そんな整理整頓好きにおすすめしたい最強の電源タップかもっ!?
本体チェック
■インターフェース
- 電源スイッチ(電源ランプ内蔵)
- サージ保護ランプ
- 保護接地ランプ
- ACコンセント(3極) ×6
- USB Type-A ×2
- USB Type-C ×1
Anker PowerPort Strip PD 6のサイズは 227×95×30mm で、重さは643g。ACコンセントが6ポートある電源タップなので、まあまあ大きめ。サイズ感的に机の上というよりも、机の下に設置したいかも。
ポート構成は、アースに対応した3極のACコンセントが6ポート、PowerIQ対応のUSB Type-Aが2ポート、USB PD対応のUSB Type-Cが1ポート。全部で9つの出力ポートを搭載。
また、電源を一括でオフにできる電源スイッチを搭載しており、その下にあるLEDインジケーターはそれぞれ、サージ保護(雷サージ)と保護接地の状態を示しています。

海外版(PowerPort Strip PD 6)とは、微妙に仕様が違うみたいですなー。

確かに、ケーブルやボタンの形状が変わってますわね。
なんと、Anker PowerPort Strip PD 6には、嬉しいことにフック穴が搭載されています。これなら壁掛けも簡単だし、机の裏に固定もしやすそう。そして、なんともニクいことに、滑り止めのゴム足まで搭載。電源タップにゴム足があるのって、結構珍しいイメージ。
あとは、もはやおなじみの仕様や認証関係の印刷が、本体下面の中央あたりにされています。このあたりはUSB PD充電器っぽい。
電源タップなので、本体の外周に変わったところはありません。USBポートがある以外は、いたって普通な電源タップ然としている感じ。
■インターフェース
- ACプラグ(接地線付き2Pプラグ)
電源タップにあったコンセントが3極ということからもお察しのように、ACプラグはアースありのタイプ。なお、ケーブル長は2.0mと長め。設置状況によっては、ケーブルボックスがあったほうがいいかも。
ACプラグは、3ピンではなく2ピン(接地線付き2Pプラグ)なので、接地極(アース)のない一般家庭のACコンセントでも、変換不要で使えるようになっています。日本の家庭では接地極があるACコンセントは限られているので、この形が正解でしょう。

少しずつ設備側で3Pコンセントが増えつつあるみたいだけど、既存の建物の全戸全部屋3Pコンセント化は難しいよねー。
ACコンセント | USB Type-A | USB Type-C | |
合計最大出力 | 1,500W | ||
- | 30W | ||
最大出力 | 1,500W | 12W | 30W |
ポート数 | 6 | 2 | 1 |
Anker PowerPort Strip PD 6のAC/USBポート数・最大出力
Anker PowerPort Strip PD 6に搭載されている、ACコンセント・USBポート各種の仕様については上表のとおり。
電源タップとしての合計最大出力は1,500W。これは電源タップとして至極普通な仕様。これなら、特に何も気にすることなく使えそう(全部の電源タップに言えますが、消費電力の高い電化製品の電源タップ利用は非推奨)です。
USB全体の合計最大出力は30W。USB Type-Aの最大出力が12W。USB Type-Cの最大出力が30W。つまり、複数のUSBポートを同時利用すると、USB Type-C(USB PD)からフルで30W出力できない仕様です。このあたりの組み合わせに関する挙動については、記事の最後にまとめて補足として記載してあるので、そちらをどうぞ。

あまり過信はよくなさそうやね。

うーむ、そうかもですなー。
付属品チェック
■付属品一覧
- 結束バンド
- 取扱説明書
Anker PowerPort Strip PD 6の付属品は、結束バンド・取扱説明書、この2つのみ。結束バンドは最初からACケーブルに取り付けられていたので、実質的には付属品は取扱説明書だけ。
ベンチマーク

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。

これ、電源タップやんね?

そうだけど、USBポートがあるし…細かいことは気にしないっ!
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(Anker PowerPort Strip PD 6)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker PowerPort Strip PD 6で接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
USB Type-C | |
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・2.8A 9V・3A 15V・2A 20V・1.5A |
Anker PowerPort Strip PD 6のPDO
Anker PowerPort Strip PD 6のPDOは上表のとおり。USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOが異なっていました。また、USB PDでは、5V出力時は3A出力をしないといけないことになっているのですが、検出された結果は5V・2.8A。USB PDの仕様になぞらえると、規格違反ということになってしまいます。

うーん、これは気になっちゃうかな……。
急速充電規格
USB Type-Aポート(USB BC DCP・PowerIQ対応)からは、Apple 2.4Aのみ検出されました。これはPowerIQの仕様どおり。
USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、同じくApple 2.4Aが検出されました。

こうなってくると、5V出力時に2.8A出力なのがますます謎に……。
使ってみた
最大30WのUSB PC対応USB-Cは使える
一昔前だと、電源タップにUSB Type-Cポートが搭載されるなんて、夢のような世界でした。今ではUSB Type-Cポートを搭載した電源タップも、ボチボチ見かけるのですが、謎っぽいメーカーのもの(失礼)が多く、なんとも微妙に手が出しづらい。
そこで、比較的有名なメーカーに絞って調べてみると、あることはあるけど、USB Type-Cから出てくる出力が5V・3Aと低いのが多い。最大15Wしか電力供給ができないとなると、限界値はiPad Proぐらい。MacBook Airでも厳しめ。
ところが、このAnker PowerPort Strip PD 6に搭載されているUSB Type-Cポートは、USB PDに対応した最大30W出力のもの。しかも、USB Type-Aポートもある。
これなら、iPad Proは当然充電できる。さらに、MacBook AirやMacBook Pro 13インチも、ハードに使わない状況であれば、使いながらのチャージもOK。本当なら、60Wぐらい欲しいところですが、AC/DCコンバーターの組み込みを考えると、30Wぐらいが安全かつサイズ感を維持した最大値なのかもしれません。
USB-Cはモバブーの充電に使うのがおすすめ
——最大30WのUSB PD出力を持った電源タップをどう扱うか。
いろいろな活用法が人によってあると思うが、個人的におすすめなのが、モバイルバッテリーの充電に使うということ。

…なるほど。
私は毎日モバイルバッテリーを空になるまで使うのですが、この空になったモバイルバッテリーの充電が意外と面倒。使っているモバイルバッテリーは同じくAnkerの『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』という大容量のもの。このモバイルバッテリーの充電のために、USB PD充電器のポートを塞ぎたくはないのが本音。
そこで、Anker PowerPort Strip PD 6に搭載されている、USB Type-Cポートをモバイルバッテリーの充電に使ってしまおうというわけです。
ノートパソコンを充電するにはちょっと控えめなUSB PDの最大30W出力ですが、モバイルバッテリーならば十分すぎるスペック。しかも、サクっと充電できる感が気持ちいい。結構おすすめな使い方なので、ぜひ。
雷サージ搭載で安心
ACコンセントは接地極がある3極タイプだし、USBはType-AもType-Cもある。こんなギーク仕様の電源タップだからこそ嬉しいのが、『雷サージ(サージ保護)』が搭載されていること。
そこで気になるのが、その搭載されている雷サージ吸収素子(バリスタ)が、どれくらいの電圧にまで耐えられるかという耐久度。
仕様を見てみると、このAnker PowerPort Strip PD 6の最大サージ電圧は6,000Vとのこと。そして、制限電圧は500V。
この最大サージ電圧の測定方法について、公式サイトに記載はナシ。ですので、どうやって測定したのかは気になるところだったり……。もし、IEC61000-4-5(国際試験規格の一種)だとすると、なかなか悪くない耐久度だと言えるのではないでしょうか。

この6,000VがIEC61000-4-5準拠だとすると、JEC210/212規格に変換すると…15,000Vくらいかなー!?わかんないけど……。

うーん、雷サージって深堀りすると難しいんやね。
非スイングプラグは不便
アース線が含まれているので、このAnker PowerPort Strip PD 6のケーブル部分はガッシリ太め。仕方ないけど、ちょっと取り回しは大変。しかも、ケーブルが長いので余計に気になってしまうのが…ね。
ケーブルが太いのは仕方ないとして、スイングプラグじゃないのがネック。しかも、L字でもなくストレートプラグ。これがまた取り回し難。
なので、おすすめなのが、スペーサーを噛ませてL字にしてしまうこと。スペーサーは、Panasonicの『ローリングタップ《WH2129WP》』が特に便利。その名のとおり、プラグの向きを回転させることができる優れたスペーサーです。
PDOが5V・2.8A出力は解せぬ
これさえなければ…なところが、USB PDが5V出力時に3Aではなく、2.8Aで出力されているということ。
USB PD界隈がカオスなのは理解しているので、USB PDにQuick Charge等が内包されてしまっているレベルのUSB PD充電器、これは個人的には許容範囲内。ただ、5V・2.8AなPDOは…うーん、それよりも気になるかも。
ただ、実利用で困ることは少ないとは思うので、そこまで致命的ではなかったりします(規格違反だからダメだけど)。ただ、精神衛生上モヤモヤとする感じ。百歩譲って、5V・2.4A出力されてしまってるなら、Apple 2.4A病かな、と思うのですがなぜに2.8Aよ……。

あーあ、って感じあーる……。

めっちゃ落胆してるやん。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
今回のAnker PowerPort Strip PD 6には、合計3つのUSBポートが搭載されています。それらのUSBポートを、同時に複数利用した場合での各ポートの最大出力について、以下の表に利用ポート別にまとめてみました。
利用ポート | |||
USB Type-A(1) | USB Type-A(2) | USB Type-C | |
最大出力 | 12W | 12W | 30W |
1ポート利用時の最大出力表
利用ポート | ||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C |
|
最大出力 | USB-A(1):12W USB-A(2):12W |
USB-A(1・2):12W USB-C:18W |
2ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C |
|
最大出力 | USB-A:合計12W USB-C:18W |
3ポート利用時の最大出力表
まとめ「机に固定したいスタバ系USB-C搭載電源タップ」
そういうわけで、今回のAnker『PowerPort Strip PD 6』のレビューを総括すると…
- コンセント + USB-A + USB-C は凄い
- 雷サージとアース対応コンセントがニクい
- USB-CはUSB PD対応で30Wまで出力が良き
- USB PDのPDOにちょっと不満
- スイングプラグかL字プラグ希望
という感じ。
USB PDのPDOに残念感があるのですが、電源タップとUSB PD充電器が一体になっている製品で有名メーカー製は少ないので、選択肢としてはベターという感じ。ただ、気にはなるので、ベストではないかと。
ただ、机に固定しやすいように、フック穴が設けられていたり、滑り止めのゴム足が搭載されているという点は高評価。この手のUSBポート搭載電源タップは、机に固定してスタバ風にしたくなる系なので、そこはAnkerらしく考えられているという感じでした。

後継機種では、USB PDの仕様改善と最大出力向上をしてほしいぞっ!
おまけ

キャッチフレーズは“電源タップ界の全自動卵割り機”であーるっ!

う、うーん…ナシやね。

波野家のある人が出入り禁止になりますわね。
おわり
机に固定したり下に設置すれば…スタバ風になーる!