【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 6』:USB-C・アース・雷サージの電源タップ全部盛り

【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 6』:USB-C・アース・雷サージの電源タップ全部盛り
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記事のポイント
  • コレコレ感の強い全部盛りでオールインワンな電源タップ!
  • 3極対応コンセントと雷サージがギーク的にそそられる!
  • USB PDの最低出力が5V・2.8Aになっているのが悲しみ!

大艦巨砲主義系の電源タップ。

USBポート搭載電源タップ、Anker『PowerPort Strip PD 6』をレビュー。6つのコンセント、2つのUSB-A、1つのUSB-C…同時に9デバイス充電可能な凄みよ。しかも、USB PD対応。…待っていたぞ!

二条ねこ

机に固定したり下に設置すれば…スタバ風になーる!

まの

リビングや会議室にもよさそうですわね。

さたえり

一家に一台系やね!

【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 3』:机固定に最適なUSB-C搭載マルチ電源タップ

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2020年11月18日

Anker『PowerPort Strip PD 6』って?

Anker PowerPort Strip PD 6 - Anker

Anker PowerPort Strip PD 6 - Anker

Anker PowerPort Strip PD 6ってなに?

コンセントが6つ、USB Type-Aが2つ、USB Type-Cが1つ、というマルチ充電システムといえる最強の電源タップ。とにかく凄い。

6
  • USB-A・USB-C両搭載
  • 雷サージ搭載
  • アース対応のACコンセント
  • 一括スイッチ搭載
  • 本体底面のゴム足
  • スイングプラグ非採用
  • USB-Cの最大出力が30W
  • 5V・2.8AなPDO
二条ねこ

机をスッキリさせつつ、しっかりとした電源確保がしたい!
…そんな整理整頓好きにおすすめしたい最強の電源タップかもっ!?

スペック表
製品名 Anker PowerPort Strip PD 6
型番 A9162521
メーカー Anker
合計最大出力 AC 1,500W
USB 30W
インターフェース ACコンセント(3極) ×6
USB Type-A ×2
USB Type-C ×1
急速充電 USB-A Apple 2.4A
USB-C USB PD 3.0
USB-A出力 Apple 2.4A 5V・2.4A
USB-C出力 USB PD
(PDO)
5V・3A
9V・3A
15V・2A
20V・1.5A
サイズ 227×95×30mm
質量 643g
備考 ケーブル長 2.0m
その他 PowerIQ対応
ほこり防止シャッター搭載
サージ保護搭載

本体チェック

Anker PowerPort Strip PD 6上面

Anker PowerPort Strip PD 6上面

■インターフェース

  • 電源スイッチ(電源ランプ内蔵)
  • サージ保護ランプ
  • 保護接地ランプ
  • ACコンセント(3極) ×6
  • USB Type-A ×2
  • USB Type-C ×1

Anker PowerPort Strip PD 6のサイズは 227×95×30mm で、重さは643g。ACコンセントが6ポートある電源タップなので、まあまあ大きめ。サイズ感的に机の上というよりも、机の下に設置したいかも。

ポート構成は、アースに対応した3極のACコンセントが6ポート、PowerIQ対応のUSB Type-Aが2ポート、USB PD対応のUSB Type-Cが1ポート。全部で9つの出力ポートを搭載。

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2020年8月25日

また、電源を一括でオフにできる電源スイッチを搭載しており、その下にあるLEDインジケーターはそれぞれ、サージ保護(雷サージ)と保護接地の状態を示しています。

二条ねこ

海外版(PowerPort Strip PD 6)とは、微妙に仕様が違うみたいですなー。

まの

確かに、ケーブルやボタンの形状が変わってますわね。

Anker PowerPort Strip PD 6下面

Anker PowerPort Strip PD 6下面

なんと、Anker PowerPort Strip PD 6には、嬉しいことにフック穴が搭載されています。これなら壁掛けも簡単だし、机の裏に固定もしやすそう。そして、なんともニクいことに、滑り止めのゴム足まで搭載。電源タップにゴム足があるのって、結構珍しいイメージ。

あとは、もはやおなじみの仕様や認証関係の印刷が、本体下面の中央あたりにされています。このあたりはUSB PD充電器っぽい。

Anker PowerPort Strip PD 6前面

Anker PowerPort Strip PD 6前面

Anker PowerPort Strip PD 6後面

Anker PowerPort Strip PD 6後面

Anker PowerPort Strip PD 6左面

Anker PowerPort Strip PD 6左面

Anker PowerPort Strip PD 6右面

Anker PowerPort Strip PD 6右面

電源タップなので、本体の外周に変わったところはありません。USBポートがある以外は、いたって普通な電源タップ然としている感じ。

Anker PowerPort Strip PD 6 ACプラグ部分

Anker PowerPort Strip PD 6 ACプラグ部分

■インターフェース

  • ACプラグ(接地線付き2Pプラグ)

電源タップにあったコンセントが3極ということからもお察しのように、ACプラグはアースありのタイプ。なお、ケーブル長は2.0mと長め。設置状況によっては、ケーブルボックスがあったほうがいいかも。

ACプラグは、3ピンではなく2ピン(接地線付き2Pプラグ)なので、接地極(アース)のない一般家庭のACコンセントでも、変換不要で使えるようになっています。日本の家庭では接地極があるACコンセントは限られているので、この形が正解でしょう。

二条ねこ

少しずつ設備側で3Pコンセントが増えつつあるみたいだけど、既存の建物の全戸全部屋3Pコンセント化は難しいよねー。

Anker PowerPort Strip PD 6インターフェース部分

Anker PowerPort Strip PD 6インターフェース部分

  ACコンセント USB Type-A USB Type-C
合計最大出力 1,500W
- 30W
最大出力 1,500W 12W 30W
ポート数 6 2 1

Anker PowerPort Strip PD 6のAC/USBポート数・最大出力

Anker PowerPort Strip PD 6に搭載されている、ACコンセント・USBポート各種の仕様については上表のとおり。

電源タップとしての合計最大出力は1,500W。これは電源タップとして至極普通な仕様。これなら、特に何も気にすることなく使えそう(全部の電源タップに言えますが、消費電力の高い電化製品の電源タップ利用は非推奨)です。

USB全体の合計最大出力は30W。USB Type-Aの最大出力が12W。USB Type-Cの最大出力が30W。つまり、複数のUSBポートを同時利用すると、USB Type-C(USB PD)からフルで30W出力できない仕様です。このあたりの組み合わせに関する挙動については、記事の最後にまとめて補足として記載してあるので、そちらをどうぞ。

さたえり

あまり過信はよくなさそうやね。

二条ねこ

うーむ、そうかもですなー。

付属品チェック

Anker PowerPort Strip PD 6付属品

Anker PowerPort Strip PD 6付属品

■付属品一覧

  • 結束バンド
  • 取扱説明書

Anker PowerPort Strip PD 6の付属品は、結束バンド取扱説明書、この2つのみ。結束バンドは最初からACケーブルに取り付けられていたので、実質的には付属品は取扱説明書だけ。

ベンチマーク

二条ねこ

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。

さたえり

これ、電源タップやんね?

二条ねこ

そうだけど、USBポートがあるし…細かいことは気にしないっ!

Vbus Hot

チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(Anker PowerPort Strip PD 6)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。

Bridged CCs

USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker PowerPort Strip PD 6で接続が検出され、充電が開始されていました。

PDO

  USB Type-C
Revision Power Delivery 3.0
PDO 5V・2.8A
9V・3A
15V・2A
20V・1.5A

Anker PowerPort Strip PD 6のPDO

Anker PowerPort Strip PD 6のPDOは上表のとおり。USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。

テスターで測定したところ、出力されたPDOが異なっていました。また、USB PDでは、5V出力時は3A出力をしないといけないことになっているのですが、検出された結果は5V・2.8A。USB PDの仕様になぞらえると、規格違反ということになってしまいます。

二条ねこ

うーん、これは気になっちゃうかな……。

急速充電規格

USB Type-Aポート(USB BC DCP・PowerIQ対応)からは、Apple 2.4Aのみ検出されました。これはPowerIQの仕様どおり。

USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、同じくApple 2.4Aが検出されました。

二条ねこ

こうなってくると、5V出力時に2.8A出力なのがますます謎に……。

使ってみた

最大30WのUSB PC対応USB-Cは使える

電源タップに最大30W対応のUSB Type-Cがあるのが強い。

電源タップに最大30W対応のUSB Type-Cがあるのが強い。

一昔前だと、電源タップにUSB Type-Cポートが搭載されるなんて、夢のような世界でした。今ではUSB Type-Cポートを搭載した電源タップも、ボチボチ見かけるのですが、謎っぽいメーカーのもの(失礼)が多く、なんとも微妙に手が出しづらい。

そこで、比較的有名なメーカーに絞って調べてみると、あることはあるけど、USB Type-Cから出てくる出力が5V・3Aと低いのが多い。最大15Wしか電力供給ができないとなると、限界値はiPad Proぐらい。MacBook Airでも厳しめ。

USBポートが3つもある電源タップは便利。

USBポートが3つもある電源タップは便利。

ところが、このAnker PowerPort Strip PD 6に搭載されているUSB Type-Cポートは、USB PDに対応した最大30W出力のもの。しかも、USB Type-Aポートもある。

これなら、iPad Proは当然充電できる。さらに、MacBook AirやMacBook Pro 13インチも、ハードに使わない状況であれば、使いながらのチャージもOK。本当なら、60Wぐらい欲しいところですが、AC/DCコンバーターの組み込みを考えると、30Wぐらいが安全かつサイズ感を維持した最大値なのかもしれません。

USB-Cはモバブーの充電に使うのがおすすめ

電源タップのUSB Type-Cポートをどう使うか。

電源タップのUSB Type-Cポートをどう使うか。

——最大30WのUSB PD出力を持った電源タップをどう扱うか。

いろいろな活用法が人によってあると思うが、個人的におすすめなのが、モバイルバッテリーの充電に使うということ。

まの

…なるほど。

私は毎日モバイルバッテリーを空になるまで使うのですが、この空になったモバイルバッテリーの充電が意外と面倒。使っているモバイルバッテリーは同じくAnkerのAnker PowerCore III Elite 25600 87Wという大容量のもの。このモバイルバッテリーの充電のために、USB PD充電器のポートを塞ぎたくはないのが本音。

30WのUSB PDはモバイルバッテリーの充電に使うが吉。

30WのUSB PDはモバイルバッテリーの充電に使うが吉。

そこで、Anker PowerPort Strip PD 6に搭載されている、USB Type-Cポートをモバイルバッテリーの充電に使ってしまおうというわけです。

ノートパソコンを充電するにはちょっと控えめなUSB PDの最大30W出力ですが、モバイルバッテリーならば十分すぎるスペック。しかも、サクっと充電できる感が気持ちいい。結構おすすめな使い方なので、ぜひ。

【レビュー】Anker『Anker PowerCore III Elite 25600 87W』—PD対応USB-C×2な最強モバイルバッテリー

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2020年10月11日

雷サージ搭載で安心

ガジェットを接続するからこそ欲しい、雷サージの存在。

ガジェットを接続するからこそ欲しい、雷サージの存在。

ACコンセントは接地極がある3極タイプだし、USBはType-AもType-Cもある。こんなギーク仕様の電源タップだからこそ嬉しいのが、『雷サージ(サージ保護)』が搭載されていること。

一括スイッチも電源タップにあるから便利なのです。

一括スイッチも電源タップにあるから便利なのです。

そこで気になるのが、その搭載されている雷サージ吸収素子(バリスタ)が、どれくらいの電圧にまで耐えられるかという耐久度。

せっかくの3極だから、スペックは細かく記載してほしい。

せっかくの3極だから、スペックは細かく記載してほしい。

仕様を見てみると、このAnker PowerPort Strip PD 6の最大サージ電圧は6,000Vとのこと。そして、制限電圧は500V

この最大サージ電圧の測定方法について、公式サイトに記載はナシ。ですので、どうやって測定したのかは気になるところだったり……。もし、IEC61000-4-5(国際試験規格の一種)だとすると、なかなか悪くない耐久度だと言えるのではないでしょうか。

二条ねこ

この6,000VがIEC61000-4-5準拠だとすると、JEC210/212規格に変換すると…15,000Vくらいかなー!?わかんないけど……。

さたえり

うーん、雷サージって深堀りすると難しいんやね。

非スイングプラグは不便

ケーブルが太くて、スイングプラグじゃないのがネック。

ケーブルが太くて、スイングプラグじゃないのがネック。

アース線が含まれているので、このAnker PowerPort Strip PD 6のケーブル部分はガッシリ太め。仕方ないけど、ちょっと取り回しは大変。しかも、ケーブルが長いので余計に気になってしまうのが…ね。

これはL字プラグに変換したくなるやつ。

これはL字プラグに変換したくなるやつ。

ケーブルが太いのは仕方ないとして、スイングプラグじゃないのがネック。しかも、L字でもなくストレートプラグ。これがまた取り回し難。

なので、おすすめなのが、スペーサーを噛ませてL字にしてしまうこと。スペーサーは、Panasonicの『ローリングタップ《WH2129WP》』が特に便利。その名のとおり、プラグの向きを回転させることができる優れたスペーサーです。

PDOが5V・2.8A出力は解せぬ

5V出力時に2.8A出力なのが残念無念。

5V出力時に2.8A出力なのが残念無念。

これさえなければ…なところが、USB PDが5V出力時に3Aではなく、2.8Aで出力されているということ。

USB PD界隈がカオスなのは理解しているので、USB PDにQuick Charge等が内包されてしまっているレベルのUSB PD充電器、これは個人的には許容範囲内。ただ、5V・2.8AなPDOは…うーん、それよりも気になるかも。

USB PDの仕様にモヤモヤする。

USB PDの仕様にモヤモヤする。

ただ、実利用で困ることは少ないとは思うので、そこまで致命的ではなかったりします(規格違反だからダメだけど)。ただ、精神衛生上モヤモヤとする感じ。百歩譲って、5V・2.4A出力されてしまってるなら、Apple 2.4A病かな、と思うのですがなぜに2.8Aよ……。

二条ねこ

あーあ、って感じあーる……。

さたえり

めっちゃ落胆してるやん。

補足

複数USBポート利用時の電力供給量

Anker PowerPort Strip PD 6のUSBポート構成

Anker PowerPort Strip PD 6のUSBポート構成

今回のAnker PowerPort Strip PD 6には、合計3つのUSBポートが搭載されています。それらのUSBポートを、同時に複数利用した場合での各ポートの最大出力について、以下の表に利用ポート別にまとめてみました。

  利用ポート
USB Type-A(1) USB Type-A(2) USB Type-C
最大出力 12W 12W 30W

1ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)
USB Type-A(1・2)

USB Type-C
最大出力 USB-A(1):12W
USB-A(2):12W
USB-A(1・2):12W
USB-C:18W

2ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)

USB Type-C
最大出力 USB-A:合計12W
USB-C:18W

3ポート利用時の最大出力表

まとめ「机に固定したいスタバ系USB-C搭載電源タップ」

USB PDはしっかりしてほしかったけど、それ以外はアリ。

USB PDはしっかりしてほしかったけど、それ以外はアリ。

そういうわけで、今回のAnker『PowerPort Strip PD 6』のレビューを総括すると…

  • コンセント + USB-A + USB-C は凄い
  • 雷サージとアース対応コンセントがニクい
  • USB-CはUSB PD対応で30Wまで出力が良き
  • USB PDのPDOにちょっと不満
  • スイングプラグかL字プラグ希望

という感じ。

USB PDのPDOに残念感があるのですが、電源タップとUSB PD充電器が一体になっている製品で有名メーカー製は少ないので、選択肢としてはベターという感じ。ただ、気にはなるので、ベストではないかと。

ただ、机に固定しやすいように、フック穴が設けられていたり、滑り止めのゴム足が搭載されているという点は高評価。この手のUSBポート搭載電源タップは、机に固定してスタバ風にしたくなる系なので、そこはAnkerらしく考えられているという感じでした。

二条ねこ

後継機種では、USB PDの仕様改善と最大出力向上をしてほしいぞっ!

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

キャッチフレーズは“電源タップ界の全自動卵割り機”であーるっ!

さたえり

う、うーん…ナシやね。

まの

波野家のある人が出入り禁止になりますわね。

おわり