- MagSafeとQiの両方使って感じる『MagSafe』の良し悪しを考えた!
- 充電ミスが起こりづらいのと充電完了後の発熱量の低さが良いところ!
- Qiとして使うと充電速度が遅いのと発熱量が多くなるのが残念かも!
Qiを使うのは最終手段!?
Appleのワイヤレス充電規格『MagSafe』。これが『Qi』を比較して、優れている点・劣っている点を、両方使っているユーザー目線で考えてみます。


MagSafeもQiとして使えるもんね。

想像以上に優秀ですよね。
目次
MagSafe vs Qi
MagSafe | Qi | |
最大出力 | 15W(iPhone 12 mini以外) 12W(iPhone 12 mini) 7.5W(Qi) |
15W(EPP) 5W(BPP) |
互換性 | MagSafe Qi |
Qi |
MagSafeとQiの仕様比較
本題に入る前に、『MagSafe』と『Qi』の仕様比較と簡単な解説をしておきます。
『MagSafe』とは?

『MagSafe(MagSafe for iPhone)』とは、Appleが展開しているワイヤレス充電規格。
現在、MagSafeでは最大15Wのワイヤレス充電が可能。Qi互換のワイヤレス充電器としても利用可能で、その際には最大7.5Wの電力供給を行う。また、強力な磁石でデバイスとくっついてワイヤレス充電ができるようになっています。

Qi互換充電器としても作動するのがミソですわね。

Qiがあるとないとでは大違いだよねー。
『Qi』とは?

『Qi』とは、Wireless Power Consortium(WPC)が定めているワイヤレス充電規格。
このQi規格には、Apple・Google・Samsung等が参加しています。Qiには複数のプロファイルが存在しており、ベンダーに独自拡張を許可しているPPDE(Proprietary Power Delivery Extension)を除けば、最大で15Wのワイヤレス充電が可能になっています。

iPhoneとかGoogle Pixelのワイヤレス充電は、PPDEで拡張したQiを採用してるんだよねー。

デバイスによって微妙な違いがあるわけやね。
MagSafeが優れている点
スイートスポット充電が可能

MagSafeは内蔵されている磁石により、ワイヤレス充電を行う位置が固定されています。それにより、常に“スイートスポット”でワイヤレス充電が行えるという優位性があります。
従来のQiワイヤレス充電器は、デバイスを自由に設置できる反面、少しでもコイル部分からずれてしまうと、給電能力が落ちてしまうことが多々ありました。製品によっては設置判定がシビアなものもあり、充電器の上にしっかり置いていたのに実は全然充電されてなかった…なんてことも。

ワイヤレス充電はシームレスな反面、ケーブルで充電するときのような確実性がありません。その良いとこ取りなのが、この『MagSafe』という規格なのです。

MagSafeの規格的に当たり前のことを言ってるだけなんだけど、実際に使っていると、この優位性が実感できるのであーる。
充電完了後の発熱の低さ

Qiに比べてMagSafeでは、ワイヤレス充電完了後(= デバイスのフル充電後)における、充電器自体の発熱量の低さも優れていると感じます。
もちろん、Qiワイヤレス充電器にもいろいろあるので、一概に全部がそうとは断定できません。ただ、今まで購入してきたQiワイヤレス充電器の多くは、ワイヤレス充電が終わっても発熱が凄いものが多かったのです。この発熱量の多さは、普段からQiを使っているユーザーなら分かってもらえるはず。
充電が終わっても発熱し続けているということは、デバイスのバッテリー劣化の観点から歓迎できるものではありません。こんなことを思い始めると、就寝前にQiワイヤレス充電器にスマートフォンを置きっぱなし…というのも考えもの。
ところが、MagSafeは充電中も充電完了後も、その発熱量が抑えらています。測定機器を使ったわけではないのですが、体感できるレベルで低発熱なので、その差を確実に感じ取ることができます。
MagSafeが劣っている点
iPhone以外のQi充電能力

MagSafeはQiと互換性はあるものの、Qi充電器としては常用するのを躊躇するくらいに充電能力が低くなっています。
規格上は最大7.5Wという充電能力を持っていることになっているので、数値的に見るとそこまで悪くないように思えます。ただ、iPhone以外のQi対応デバイスをワイヤレス充電しようとすると、かなり充電速度が遅くなってしまうのが気になるところ。

MagSafe系の充電器がWireless Power Consortiumの公式サイトに掲載されていないため、仕様が確認できず推測になってしまうのですが、この最大7.5WのQi充電というのは、QiのPPDEプロファイルのような気がしています。なので、もしPPDEと仮定すると、iPhone以外のデバイスでは、Qiの給電能力が最大5Wまでに落ちてしまう可能性が高くなってきます。
試しに、Galaxy Note20 Ultra 5GをMagSafe充電器でワイヤレス充電してみると、「ワイヤレス充電」とだけ表示されます。同機はワイヤレス急速充電に対応していると、「急速ワイヤレス充電」と表示されるので、少なくとも通常充電であることが分かります。

SamsungはSamsungでPPDEで拡張された急速充電を採用してるから、このあたりの切り分けが困難なんだよねー。

ただ、AppleがSamsung独自PPDEを採用する可能性は極めて低いですよね。

だよねー。
そう考えると、iPhone以外では最大5W(BPP)なのかも!?
充電完了後の発熱の高さ

さっきは、「MagSafeは充電完了後の発熱の低さが凄くて良い」と言ったのですが、これはあくまでMagSafeで充電したときの話。Qi互換で充電すると、打って変わって発熱量が凄まじいのです。
このことを考えると、MagSafe充電器の製品設計によって低発熱に抑えらているというよりも、『MagSafe』という規格そのものが発熱量において優秀と言えそうです。
まとめ「MagSafeはMagSafeとして使うのが良き」

『MagSafe』という規格は、Qi互換としても利用可能です。なので、汎用性も高く、取り回しの良いワイヤレス充電規格だと思っています。
しかし、Qiワイヤレス充電器としてだけ見ると、発熱量や充電能力の低さが気になる。そういうことからも、MagSafeに内包されているQi互換に関しては、“どうしても”という場面でのみ使うほうがよいでしょう。
MagSafeはMagSafeとして使う、というのがベストなのでした。

デバイスに応じてワイヤレス充電器を使い分けるのが、当然だけど良きってことであーる。
おまけ

ワイヤレス充電といえば、Wireless Power Consortiumの『Qi』とAppleの『MagSafe』が有名だけど、Power Matters AllianceとAirFuel Allianceの『Powermat』も競合規格としてあるあーる。…日本だと認知度低いけど。

QiとPowermatの力関係は、AppleがQi側に付いたことで、かなりQi(WPC)が有利になりましたからね。

Powermatの充電器は、アメリカのスターバックスで設置されてるとこを見たかも……!?

最終的には、PowermatもQi(WPC)に参加することで落ち着いたから…やっぱり、Qiは強いっ!!
おわり
MagSafe:iPhoneメインならこっち
Qi:Androidメインならこっち
…ですなっ!