この記事はSUNVALLEY JAPAN様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- 小型なのに65W出力・4ポート搭載はとにかく使いやすい!
- バッグに忍ばせておける据え置き型USB PD充電器!
- USB PDの規格違反を気にする人におすすめしたいピュア仕様!
直挿しじゃない派なら超おすすめ。
合計最大65W出力のUSB PD充電器、RAVPower『RP-PC136』をレビュー。窒化ガリウム半導体搭載の未来を感じる充電器…だけじゃなく、とにかく仕様がピュア。USB-AもUSB-Cも使いたい人にはベストな充電器ですぞ!
USB-CはUSB PDのみ。
USB-AはQC搭載。
…素敵ですわ!
しかもGeN搭載やもんね!
目次
RAVPower『RP-PC136』って?
RP-PC136ってなに?
USBが合計4ポート搭載、合計最大出力65Wで窒化ガリウム半導体採用のUSB PD充電器。最大65W出力対応のUSB Type-Cポートを2つ搭載。
- 規格違反ナシのUSB PD
- 干渉しづらいUSBポート配置
- QC 3.0対応USB-Aポート
- 可搬性の高いサイズ感
- USB-C ×1 の場合のみ65W
ACプラグ直挿しじゃなくて、規格違反のないピュアなUSB PD充電器が欲しい!
…そんな人のためのベストバイでおすすめなUSB PD充電器だぞっ!
本体チェック
■インターフェース
- LEDインジケーター
PD Pioneer 65W 4-Port GaN Tech USB C Desktop Charger(以下、RP-PC136)のサイズは 75×41×41mm (実測値)で、重さは160g。話題の窒化ガリウムパワー半導体(GaN Power IC)採用ということもあり、びっくりするくらいに軽いのが特徴的。
そして、本体上面には“RAVPOWER”のロゴがプリントされている。ボディーはサラサラとしているマット調で、指紋が目立ちにくいのも良き。なお、分かりづらいが、グレーっぽい部分とブラックっぽい部分の間に通電を示すLEDインジケーターが搭載されています。
LEDインジケーターはほんのり光るタイプだから、目障りな感じがしないのがまーるっ!
本体下面にも、“RAVPOWER”のロゴタイプが。そういえば、RAVPowerは両面にロゴを入れてくるのでした(だからどう、というのはありませんが)。
■インターフェース
- USB Type-A ×2
- USB Type-C ×2
本体前面には、USB Type-Aが2ポート・USB Type-Cが2ポート、合計4ポートのUSBを搭載。
このうち、USB Type-Aポートには『iSmart』という、RAVPower独自のテクノロジーが採用されており、Quick Chargeに対応しています。そして、USB Type-Cポートは、当然ですが『USB PD』対応です。
■インターフェース
- IEC C7(AC電源)
本体後面には、IEC C7(AC電源ジャック)と、USBの仕様や認証関係のプリントが施されています。にしても、ギッシリ印刷されていますね……。
RP-PC136はご覧のとおり、ACプラグ直挿しではなく、ACケーブルを使ったUSB PD充電器になっています。なので、ちょっとした時間にサクっと使うというよりかは、自宅やオフィス、出張先のホテルなどで使うのに向いていると言えるでしょう。
本体左右面はこんな感じ。
こう見るとデザインが特徴的。従来の据え置き型タイプのUSB PD充電器というのは、細長い筐体をしていましたが、今回のRP-PC136はもっと四角っぽい感じ。正四角柱なデザインになっています。
USB Type-A | USB Type-C | |
合計最大出力 | 65W | |
最大出力 | 18W | 65W |
ポート数 | 2 | 2 |
RP-PC136のUSBポート数・最大出力
RP-PC136に搭載されている、USBポート各種の仕様については上表のとおり。
合計最大出力は65W。USB Type-Aの最大出力は18W。USB Type-Cの最大出力は65W。複数のUSBポートを利用すると、各USBポートの最大出力が変化する仕様になっています。複数USBポート利用時の挙動については最後に補足としてまとめていますので、そちらを参考にどうぞ。
付属品チェック
■RP-PC136の付属品一覧
- ACケーブル
- 取扱説明書
- サンクスカード
RP-PC136の付属品は、ACケーブル(電源ケーブル)・取扱説明書・サンクスカード、これらの合計3つ。
せっかくのコンパクトな本体なので、ACケーブルは各自もっと細身の製品にリプレースするのがおすすめ。電源はIEC C7(メガネタイプ)の一般的な形状なので、『KB-DM2L-1』や『BSACC0510BKA』に交換すると取り回しやすくなるはず。
ベンチマーク
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(RP-PC136)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、RP-PC136で接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
Revision | Power Delivery 3.0 | |
PDO | 5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・3.25A |
5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・3.25A |
RP-PC136のPDO
RP-PC136のPDOは上表のとおり。USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOはスペックシートに記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時にちゃんと3Aが出力されています。
バッチリあーるっ!
急速充電規格
USB Type-Aポート(USB BC DCP・iSmart対応)からは、Apple 2.4A・Quick Charge 3.0・Samsung AFC・HUAWEI FCP(Fast Charger Protocol)、の以上4つが検出されました。
USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、独自急速充電規格は検出されませんでした。
うむむ!?素晴らしいぞ…これはっ!
完璧ですわね。
使ってみた
4ポート搭載なのにコンパクト
このRP-PC136には、パワー半導体として『窒化ガリウム(GaN)』が採用されているわけですが、そのおかげでとーってもコンパクト。なのに、据え置きのUSB PD充電器らしく、しっかり4ポートもUSBがある。
かがくのちからってすげー!
RP-PC136 | 108W Pro USB-C PD Desktop Charger | HyperJuice 100W GaN USB-C Charger | TUNEMAX 100W GaN | |
最大出力 | 65W | 108W | 100W | 100W |
サイズ | 75×41×41mm | 120.7×79.5×30.2mm | 85.3×60.8×28.9mm | 85.3×60.8×28.9mm |
質量 | 160g | 416.7g | 205g | 208g |
4ポート搭載USB PD充電器のサイズ比較
合計最大出力が異なるので、フェアな比較にはなっていないのですが、今回のRP-PC136がいかにコンパクトで軽量なのかがなんとなく伝わるはず。ちなみに、比較対象はすべて、USB Type-AとUSB Type-Cが2ポートずつの構成のUSB PD充電器です。
65Wという最大出力でも全然アリな人なら、このコンパクトさは重宝するはず。ACケーブルが必要なタイプのUSB PD充電器なので、据え置きっぽい感じですが、私はガジェットポーチに入れて普段使いの充電器として持ち歩いています。
100W出力までは不要だから、多ポートでコンパクトなUSB PD充電器を探しているって考えてるなら、かなりアリな選択肢であーるっ!
実はコンセント直挿しではないのが便利
このRP-PC136が、ACコンセント直挿しじゃないタイプということを、ガッカリしている人もいるかも。ですが、実は複数ポートあるUSB PD充電器だと、今回のような別途ケーブルが必要なタイプのほうが便利で安全だったりします。
確かに、コンセント直挿しタイプのUSB PD充電器は持ち運びに便利ですし、カフェ等で利用してもスッキリしていて威圧感がありません。
ただ、これがコンパクトなUSB PD充電器だったらよいのですが、高出力で重ためのUSB PD充電器となると話は別。カフェ等のコンセントの設置場所によっては、重ためのUSB PD充電器は、自重によって落下してしまう危険性が実はあったりします。特に壁に接しておらず、微妙に空中に浮いているタイプのコンセントは要注意。
確かにカフェのコンセントって、ちょっと変わった場所にありますものね。
そうなんだよねー。
そのせいで、落ちそうで結構ヒヤヒヤしたことがあるのであーる……。
そう考えていくと、USBポート数が豊富で比較的高出力なRP-PC136は、コンセント直挿しタイプではなく、ACケーブルタイプで正解なのです。これなら自重で落ちる心配はありませんし、利用時のケーブルマネジメントもやりやすかったりします。
外で使うなら、
- 軽い低出力なUSB PD充電器:コンセント直挿しタイプ
- 重い高出力なUSB PD充電器:ACケーブルタイプ
っていう使い分けがいいかもっ!?
マニア納得のUSB PD仕様
USB PD界隈は非常にカオスなことになっており、細かいことを気にすると、どれを買えばよいのか分からなくなってくるレベル。それが、USB-IFの仕様に準拠したピュアなUSB PD充電器を探すとなるとなおさら。
これはUSBマニアの永遠のテーマであーる。
そんな我ら(?)がUSBジャンキーでマニア的に嬉しいのが、今回のRP-PC136のUSB PDの仕様がとってもピュアなこと。
RP-PC136のUSB Type-Cポート(USB PD対応)からは、USB BD DCP“しか”出力されていないというピュアっぷり。当然、5V出力時には、ちゃんと3A出力が検出されています。これなら、「USB PDにQuick Chargeが入っていることは許せぬ!」とちゃぶ台返しをするようなこともありません。
おかげで犬が吠えなくなりましたー!
こら!平然と嘘をつくな!!
USB-AがQuick Charge対応
USBつながりで嬉しいのが、USB Type-Aポートが、Apple 2.4AやQuick Chargeのような急速充電規格に対応していること。
すっかり使うことが減ってしまった(私だけ?)USB Type-Aポートですが、そうはいっても規格的に廃止されたわけでもないですし、しっかり使っていきたいポートのひとつ。そんなUSB Type-Aポートに、Quick Chargeが搭載されている点はポイントが高い。ちなみに、Samsung AFCやHUAWEI FCPにも対応しています。
USB PDはUSB PDらしく振る舞ってくれるのに対して、USB Type-AはQuick Charge等の急速充電てんこ盛り。なんというか、お手本のようなUSB PD充電器の在り方と言えるのではないでしょうか。こういうのがもっと増えてほしい……。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
今回のRP-PC136には、合計4つのUSBポートが搭載されています。これらのUSBポートは、利用するUSBポートの組み合わせによって、最大出力が変化する仕様になっています。それらの最大出力の挙動を、下表に利用ポート別にまとめております。
利用ポート | ||||
USB Type-A(1) | USB Type-A(2) | USB Type-C(1) | USB Type-C(2) | |
最大出力 | 18W | 18W | 65W | 65W |
1ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) |
USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1・2) |
|
最大出力 | USB-A(1):12W USB-A(2):12W |
USB-C(1):45W USB-C(2):18W |
USB-A(1・2):18W USB-C(1・2):45W |
2ポート利用時の最大出力表
利用ポート | ||
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1・2) |
USB Type-A(1・2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A(1):12W USB-A(2):12W USB-C(1・2):45W |
USB-A(1・2):18W USB-C(1):18W USB-C(2):18W |
3ポート利用時の最大出力表
利用ポート | |
USB Type-A(1) + USB Type-A(2) + USB Type-C(1) + USB Type-C(2) |
|
最大出力 | USB-A(1):12W USB-A(2):12W USB-C(1):18W USB-C(2):18W |
4ポート利用時の最大出力表
まとめ「こだわり派におすすめなピュアなUSB PD充電器」
そういうわけで、今回のRAVPower『RP-PC136』のレビューを総括すると…
- 4ポートで65W出力と考えると軽い
- ACケーブルタイプなのが意外と使いやすい
- USB PDに規格違反のないピュアな仕様
- USB Type-AがQuick Chargeに対応
- もうちょっと高出力だともっと嬉しい
という感じの感想です。
USB PDからQuick Chargeなどの他の急速充電規格が出ていない。これをとにかく気にするユーザーからすれば、とにかくおすすめのおすすめ。そして、USB Type-Aポートの扱いも上手な印象。
コンセント直挿しじゃないのが好みが分かれそうな予感ですが、多ポートのUSB PD充電器は、意外とACケーブルタイプのほうが安全で便利だったりします。価格もリーズナブルなので、個人的にはかなりおすすめなUSB PD充電器に入ると言えます。
このピュアな仕様のまま、RAVPowerにはもっと高出力なUSB PD充電器を作ってほしいっ!
おまけ
こういう仕様のUSB PD充電器が増えればなー。
一喜一憂する必要もなくなりますからね。
…それはそれで面白くないかもっ!?
えっ!?
おわり
うーん、とにかく仕様が素晴らしいぞっ!