- 『Meta Quest Pro』のバッテリーは着脱式ではない
- “Pro”なのにバッテリー交換不可なのは甚だ疑問
- 2時間しか持たないバッテリーを内蔵させる意味とは!?
期待のVR/MR HMD『Meta Quest Pro』。バッテリー駆動時間が 1時間 〜 2時間 と短いことが懸念されてますが、バッテリーが簡単に交換できない仕様こそ、クリティカルな問題ではないでしょうか。


発売前の製品なので、評価するには時期尚早ですがね。

バッテリー寿命が来たら、やっぱり修理扱いになるんかな!?
Meta Quest Proはバッテリー交換不可

Image:Meta
The Vergeによる先行レビューによると、『Meta Quest Pro』のバッテリーは非着脱式(= 本体内蔵型バッテリー)のため、ユーザー自身で簡単に交換できる構造にはなっていないようです。

この時点で嫌な予感しかしないあーる。

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このMeta Quest Proのバッテリーは、ヘッドセットの背面に湾曲した形で内蔵されております。
バッテリーが内蔵されている正確な位置などは、まだ分解動画が出ていないため分かりかねます。ただ、おおよその形状については、『Meta Connect Keynote 2022』内の製品紹介映像で推測することが可能です。

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気になるのが、“バッテリーがどのように内蔵されているのか”ということ。
バッテリーそのものが、接着剤や両面テープで固定されてしまっているのか、それとも分解すれば簡単に交換できるのか、そこまではハッキリしておりません。なので、これから出てくるであろう情報には注視したいところ。
いずれにせよ、バッテリー交換時に本体の分解が必要となると、その時点でメーカーサポートが終了するのは目に見えています。

同じMeta製品だと、Meta Quest 2本体のバッテリー交換が、かなり深くまで分解しないといけない仕様になってるから、ちょっと……というか、かなり心配ですな。

Meta Quest Proのバッテリーは背面に搭載されているので、さすがにMeta Quest 2よりは簡単そうですがね。
“Pro”ならば保守性は良くあるべき

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充電は専用ドック/USB-C接続で行う仕様
今の時代、“バッテリーが着脱不可”という仕様自体は、そこまで異質なものではありません。むしろ、スタンダードだと言えるでしょう。
しかしながら、Meta Quest Proは、製品名にもあるように“Pro”なのです。コンシューマだけでなく、エンタープライズでの利用も想定しているプロ機なのです。そして、プロが使う上で大切なことといえば、保守性がどれだけ良いか、なのです。
このMeta Quest Proは、バッテリー駆動時間も 1時間 〜 2時間 と短いため、必然的にバッテリーサイクルが早く回転してしまいます。つまり、バッテリーの劣化速度が早くなる、というわけです。
バッテリー駆動時間の短さに関しては、パフォーマンスと天秤にかけた結果なのでしょうが、それならば「なぜバッテリーを着脱式にしなかったのか?」と、甚だ疑問が残ります。
仮に、バッテリーが着脱式であれば、予備バッテリーを数個用意しておけるため、バッテリー駆動時間が短いという弱点もフォローすることが可能です。そして、バッテリーが寿命を迎えても、新しいバッテリーに交換するだけ。何ら難しいことはありません。
給電しながらの駆動でもバッテリーが傷まない機能(バッテリー閾値が80%で止まる『いたわり充電』のような機能)があれば、話は別。ですが、もしそのような機構すら備わっていないのであれば、20万円以上するプロ機として、あまりにもお粗末な仕様としか思えません。
辛辣な言葉ばかり並べて申し訳ないですが、真面目に導入を検討しているからこそ、気になってしまうのです。

基本的には、常時給電をして利用することになると思うから、余計に心配なんだよねー。

それ、確実にバッテリーが痛む使い方やもんね。
HTC VIVE Focus 3の仕様を見習うべき
スタンドアロン型のVR HMDというのはバッテリーが着脱できないもの……だったら納得がいくのですが、競合他社であるHTCの『VIVE Focus 3』は、ちゃんとバッテリーが着脱式になっており、ご丁寧に交換用のバッテリーまで用意されております。
もちろん、このHTC VIVE Focus 3のように、バッテリー着脱式であるのが理想ではありますが、そのぶんコスト高になるので、コンシューマ機ではバッテリーが交換できない仕様でも仕方ありません。
しかし、繰り返しになりますが、『Meta Quest Pro』は“Pro”の名のとおり、エンタープライズでの利用も想定しているプロ機で、かつハイエンドモデルなのです。同じMetaでも『Meta Quest 2』とは話がまったく違うのです。
そして、バッテリーが着脱式である、HTC VIVE Focus 3ついても、Meta Quest Proと同様に、エンタープライズでの利用を想定しています。
つまり、これこそがプロ機としてのあるべき姿なのです。

『Meta Quest Pro』のライバルは『VIVE Focus 3』、というわけじゃないけどね。

あくまで、“バッテリー”に限定した話ですものね。
まとめ「プロ機の理想はバッテリー着脱式」

ひとまず、iFixitがリペアマニュアルを出してくれるまで、『Meta Quest Pro』の購入は控えることにしています。
その結果、バッテリー交換が困難だということであれば、残念ですが見送ります。

関係ないけど、Let's noteは偉いっ!
おまけ

ちなみに、価格については妥当だと思ってるあーる。

為替レートの問題もありますし、エンタープライズ向けと考えれば…ですわね。

競合になりそうな、『Microsoft HoloLens 2』や『Magic Leap 2』のほうがお高いもんね。
おわり
ハードウェア設計のノウハウが少ないからか、どうもチグハグしてる感じが…ねー。