- 『Meta Quest 2』値上げにより『Pico Neo3 Link』に注目
- Pico Neo3 Linkも『スタンドアロン』『PC VR』の両方に対応
- Pico Neo3 Linkの懸念点は専用ストア『Pico Store』のアプリ数
『Meta Quest 2』の値上げにより、『Pico Neo3 Link』という、スタンドアロン/PC VR両対応のVR HMDに注目しています。スペックを比較すると遜色ないようですが、“プラットフォームの充実”がネックになりそうです。
お目当てのアプリがない問題、ですわね。
そう考えると、やっぱり『Meta Platforms』と『HTC』は強いやんね。
目次
『Meta Quest 2』値上げの衝撃
Meta PlatformsのVR HMD『Meta Quest 2』が、2022年8月1日に実施された価格改定により、2万円強の大幅値上げとなったことは記憶に新しい。
| 128GBモデル | 256GBモデル |
新価格 | 59,400円 | 74,400円 |
旧価格 | 37,180円 | 49,280円 |
このMeta Quest 2の値上げについては、元の価格設定が安すぎたため、改定後の価格でも十分に適正価格の範疇ではある。とはいえ、値上げには変わりないので、やはりネガティブな印象が付いてしまうことは避けようがない。
消費者マインドとしては、値上げ直後に買うのは悔しいと感じるもの。そこで、何かMeta Quest 2の代替になりそうなVR HMDはないものか、と探すわけです。
そういう経緯もあり、VR界隈で注目されつつあるのが『Pico Neo3 Link』というVR HMDというわけなのです。ですなの。
あれ?ねこちゃんって、もう『Meta Quest 2』持ってるやんね!?
そうだけど、もう1台欲しくなったのであーる。
わたしが持ってるのは“Oculus”ロゴ版だから、リニューアルされた“Meta”ロゴ版とは別腹というわけで……。
意味不明なロジックを展開してきましたわね。
『Pico Neo3 Link』という代替案
スタンドアロン型でありながら、PC VRにも対応した6DoF VR HMD(Meta Quest 2と同様)。
Qualcomm Snapdragon XR2プロセッサ採用で、メモリは6GB、ストレージは256GB。両眼で3664×1920という高解像度を誇る。また、最大120Hzのリフレッシュレートにも対応。
Introducing Pico Neo3 Link
Pico Neo3 Linkの外観は公式動画のとおり。かなり、Meta Quest 2っぽい趣。
Meta Quest 2と比べると装着感が良いとの評判で、Quest 2 Elite Strapが最初から装着されているようなストラップ構造になっています。バッテリーもストラップ背面にオフセットされているため、重量バランスも考えられている模様(Meta Quest 2の重量バランスが酷いだけとも言える)。
Pico Neo3 Link:Unboxing and Setup Guide
Pico Neo3 Linkもスタンドアロンで駆動するので、セットアップ時にガーディアンを設定して……と、Meta Quest 2と同じような感じです。
『Pico Link』というアプリケーションを用いることにより、Pico Neo3 LinkもMeta Quest 2と同様にPC VR(無線/有線)としても利用可能。
こんな感じで、Meta Quest 2で可能なことは、このPico Neo3 Linkでも網羅されています。なのに、販売価格はMeta Quest 2(256GB)と比べると、約2.5万円も安い49,280円。値上げ前のMeta Quest 2価格が、ちょうどPico Neo3 Linkの価格という感じに。
なので、Meta Quest 2の代替として『Pico Neo3 Link』が良さげでは、となるわけです。
しかも、最初からPC VRするためのUSBケーブルが付属しているから、もうちょっと安い感じもするのであーる。
話だけ聞くと、悪くなさそうですわね。
でしょー!
だから、Meta Quest 2を持っている民としても、この『Pico Neo3 Link』も気になっちゃうんだよね。
『Meta Quest 2』『Pico Neo3 Link』の仕様比較
| Meta Quest 2 | Pico Neo3 Link | VIVE Focus 3 |
---|---|---|---|
販売価格 | 59,400円から | 49,280円 | 130,900円 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon XR2 | Qualcomm Snapdragon XR2 | Qualcomm Snapdragon XR2 |
トラッキング | 6DoF | 6DoF | 6DoF |
解像度 | 3664×1920 | 3664×1920 | 4896×2448 |
リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | 90Hz |
FOV (Horizontal) |
97° | 98° | 116° |
スマホアプリ | Oculus | Pico VR | VIVE Manager |
プラットフォーム | Oculus Home | Pico Store | VIVEPORT |
SteamVR | SteamVR | SteamVR | |
スタンドアロン | 対応 | 対応 | 対応 |
PC VR | 対応 | 対応 | 対応 |
スタンドアロン/PC VR両対応のVR HMDである、『Meta Quest 2』『Pico Neo3 Link』のスペックを比較すると上表のとおり(ついでに『VIVE Focus 3』も比較した)。
スマートフォンアプリやプラットフォームの違いは当然あるものの、スペック的には同等と言ってよさそう。なので、巷で言われているように、Meta Quest 2の代わりにPico Neo3 Linkを導入するというのも、確かにアリな気がしてきます。
良い意味で、『Meta Quest 2』がスタンドアロン型のVR HMDのベンチマークとして存在してくれてるあーる。
懸念点は『プラットフォーム』の充実
全体的に良さそうなPico Neo3 Link。ですが、スタンドアロンで動かしたときに、どれくらいプラットフォームが充実しているのかが気になるところ。
スタンドアロン利用時は『Pico Store』経由でアプリを購入することになるので、どんなラインナップなのか見てみることにします。
『SUPERHOT』や『Eleven Table Tennis』のような、ド定番ゲームはラインナップされているようです。
これは知っていたのですが、Pico Storeには『VRChat』がありません。
『Beat Saber』は、開発元のBeat GamesがMeta Platforms傘下ということもあり、提供されていないようです。
個人的に推しゲームのひとつである、Amata Gamesの『オノゴロ物語 ~THE TALE OF ONOGORO~』もありません(SteamVR版が今秋リリースするのでPC VRでプレイは可能)。
予想はしてたけど、スタンドアロンが弱いですな。
購入前に、『Pico Store』でラインナップを確認しておくべきですわね。
まとめ「完全に同じ体験はできなさそう」
『Meta Quest 2』の代替として、『Pico Neo3 Link』を導入すると考えると、プラットフォームが充実してないのでスタンドアロンが弱い、ということを認識しておくほうが良さげ。
個人的には、Meta Quest 2を2台購入する代わりにPico Neo3 Linkを導入しようと考えているので気になりませんが、まだVR HMDを持っていないのであれば、一度アプリストア(Pico Store)はチェックしておくべきでしょう。
Pico Neo3 Linkのコントローラーにはタッチセンサーがないようだし、VRChat用としては不向きかもですな。
おまけ
Meta Quest 2は、VR HMDのiPhoneのような位置付けになってるというか……プラットフォームやアクセサリーで囲い込んだ感じがありますな。
Appleが参入していないから、なおさらですわね。
このあたりの立ち回りは、Facebookのころから上手やんねぇ。
おわり
スタンドアロンVR HMDには、スマホ黎明期のようなカオスさがありますなー。