- Apple信者のためのハイソサエティな純正USB PD充電器!
- 今どきの充電器に比べるとデカ重だが規格違反がないのが嬉しい!
- 高品質だが価格が高価でUSB PDがRevision 2.0なのが解せぬ!
Appleロゴマーク代が3,000円!?
最大61W出力のUSB PD充電器、Apple『61W USB-C電源アダプタ』をレビュー。今さら選ぶ感もないのですが、Apple信者でUSB PDに規格違反がない充電器が欲しいのであれば…アリかも!?


もとはMacBook Pro 13″の付属品ですからね。

付属品は使わずに、同じものを別途購入するんやね……。
目次
本日のレビュー:61W USB-C電源アダプタ
61W USB-C電源アダプタってなに?
Apple純正の最大61W出力のUSB PD充電器。MacBook Pro 13インチに付属しているものを同じもの。
- 規格違反ナシのUSB PD
- 高いビルドクオリティ
- 神々しいAppleロゴマーク
- 価格が高価
- サイズが巨大
61W USB-C電源アダプタ (61W USB-C Power Adapter) |
||
---|---|---|
型番 | MRW22LL/A (A1947) |
|
メーカー | Apple | |
合計最大出力 | 61W | |
インターフェース | USB Type-C ×1 | |
急速充電 | USB-C | USB PD 2.0 |
USB-C出力 | USB PD (PDO) |
5.2V・3A 9V・3A 15V・3A 20.3V・3A |
サイズ | 73×73×27mm*1 | |
質量 | 204g*1 | |
備考 | - |
61W USB-C電源アダプタのスペック
*1実測値。

Apple純正のUSB PD充電器ってだけで買いたい…はず!
規格違反がないのは嬉しいけど、他社からもっと優秀なUSB PD充電器が出てるから、今さら買う意味は薄いんだけどねー。
デザイン
本体:This is “the” Apple
サイズ | 73×73×27mm |
質量 | 204g |
61W USB-C電源アダプタのサイズと質量
※いずれも実測値。
61W USB-C電源アダプタのサイズは 73×73×27mm で、重さは204g(いずれも実測値)。
最新のパワー半導体である『窒化ガリウム』を採用しているわけでもない、いわば“普通”のUSB PD充電器な本機。なので、お世辞にも小型軽量とは言い難い。2021年にもなると、同じ60W級のUSB PD充電器であっても、このサイズよりも小さく、質量が半分以下の製品がゴロゴロしている。なので、このApple純正のUSB PD充電器も、そろそろリニューアルして行ってほしいところ。

65W出力で100g切りのUSB PD充電器も、市場にぽこじゃか出回ってるからねー。
- 前面
- 後面
本体前面には、USB PDに対応したUSB Type-C(×1)を搭載。
搭載されているUSB Type-Cポートは『USB PD 2.0』に対応しており、最大61W出力となっています。元がMacBook Pro 13インチの付属品ということもあって、USBポートは1つしか搭載されていません。
本体後面には、スイングプラグ方式のACプラグを搭載。
ACプラグの部分は着脱可能となっており、別途『電源アダプタ延長ケーブル』を購入すれば、ACコンセントから離れた場所でも利用可能。なお、この部分はメガネプラグ(IEC C7・IEC C8)での接続です。
- 上面
- 下面
本体下面(底面)には、USBの仕様や各種認証関係のプリントが施されています。当然、PSEマーク搭載。TÜV Rheinlandもありますね。
- 左面
- 右面
本体左右面には、“(Appleロゴマーク)”がデボス加工で刻印されています。ええ、このロゴマーク欲しさにApple純正品を買っているというものです。

…まさに“お布施”ですわね。

そのとおりであーるっ!
USBポート
USB Type-C | |
合計最大出力 | 61W |
最大出力 | 61W |
ポート数 | 1 |
61W USB-C電源アダプタのUSBポート数・最大出力
61W USB-C電源アダプタのUSBポート各種の仕様については上表のとおり。
合計最大出力は61W。搭載されているポートが、USB Type-Cの1つのみなので、当然ですが、USB Type-Cポートの最大出力も同じく61Wになります。…と言いたいところなのですが、出力が20.3V・3A(60.9W)となっているので、微妙に61Wではなかったりします。

“20.3333333…”かもだけどねー。

小数点第一位の循環小数ですわね。
付属品:別途購入した人の特権
■付属品一覧
- 取扱説明書
61W USB-C電源アダプタの付属品は、取扱説明書のみ。
最初に話したように、この『61W USB-C電源アダプタ』というUSB PD充電器は、MacBook Pro 13インチの付属品です。だから、所有しているユーザー数は 充電器本体 < 取扱説明書 になるわけです。つまり、私は取扱説明書のために別購入した…という理屈になります。

意味不明すぎるんやけど……。

頭がおかしいですわね。
測ってみた

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
テスターで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時には、ソース(61W USB-C電源アダプタ)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済でeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、61W USB-C電源アダプタで接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
Revision | Power Delivery 2.0 |
PDO | 5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・3A |
61W USB-C電源アダプタのPDO
61W USB-C電源アダプタのPDOは上表のとおり。
USB PDのRevisionは『Power Delivery 2.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは、本体や取扱説明書に記載されているものと差異が生じていました。とはいえ、5V出力時には、ちゃんと3A出力が行われており、PDO上からも何ら問題はありません。しかし、テスター上では最大60W出力になっています。
Apple公式のPDO表記が変なのは以前からのことなので、今さら驚くことでもなかったりします。いずれにせよ、USB PDに規格違反はなかったという結果になりました。

規格違反じゃなければ、すべておけおーあーるっ!
急速充電規格
USB Type-Cポートは、USB PD 2.0に対応。
テスターで測定したところ、独自急速充電規格は検出されませんでした。

バッチリでござるっ!こっちも規格違反なし!!

さすがはApple純正のUSB PD充電器ですわね。
使ってみた
規格違反ナシのピュア充電器

この61W USB-C電源アダプタは、そもそもMacBook Pro 13インチにバンドルされているUSB PD充電器。なので、わざわざ私のように、この充電器単体で購入する人はそこまで多くはないでしょう。

ならば、本機を買う意味はないのか…ということは決してなく、もしあなたが規格違反のない高出力なUSB PD充電器が欲しい、というのであれば一考の余地はあるはず。これは言い換えれば、規格違反のないUSB PD充電器がそれだけ少ないということの裏返しですが……。
USB-IFに準拠していることに対して、どれだけシビアになるかはユーザー次第。とはいえ、ピュアなUSB PD充電器が欲しくて、その上Appleが好き…というのであれば、購入の選択肢に入れてもよいかもしれません。
60W級としてはデカ重

USB PD充電器界隈もさすがに熟れてきており、高出力でありながら小型軽量というのが、ある種のデファクトスタンダードになりつつあります。そう考えてしまうと、今回の61W USB-C電源アダプタは、今どき感の欠片もないデカ重な感じが気になるかも。

Apple純正品ということにこだわりがないのであれば、DIGIFORCE『DIGIFORCE 65W USB Type-C GaN Fast Charger』やCIO『CIO-G65W1C』など、同出力かそれ以上の出力で、かつ小型軽量な製品が溢れかえっています。なので、どうしてもApple純正品でないと嫌、という人以外はこれらの他社製品を検討することをおすすめします。
価格はAppleへのお布施

今どきのUSB PD充電器と比べると、窒化ガリウムパワー半導体を採用していないこともあり、最大出力数のわりにはサイズ感が大きい。これに関しては、そこまで気にしなければそれまでなのですが、そもそもの販売価格が“Appleへのお布施”価格なのは気になるところ。
…Apple Storeでの販売価格はなんと、7,480円(税込)。

うーん、高い!

さすがは純正品……。

これを見て「安い」と言う人は誰もいないでしょう。本機と同等スペックのUSB PD充電器で他社製品ならば、半値以下で購入できることを考えると、この販売価格は高すぎると言わざるを得ません。
もちろん、Apple純正品には純正なりのサポートもありますし、何から何まで高いとは言いませんが、神々しきAppleロゴマークがなかったら、これは一体いくらの価値があるのか…と勘ぐってしまいます。
まとめ「Appleロゴとピュアを愛する者への純正品」

そういうわけで、今回のApple『61W USB-C電源アダプタ』のレビューを総括すると、
- 規格違反のないUSB PDが素晴らしい
- Apple製品らしく高いビルドクオリティ
- Apple純正品はエクスペンシブ
- 純正にこだわらなければ他社製品がアリ
…という感じ。
販売価格が高価なのは残念ですが、Apple純正品らしく、高いビルドクオリティと規格違反のないUSB PD仕様に関しては大きな魅力。とはいえ、2021年にもなると、サードパーティーから出来の良いUSB PD充電器が数多くリリースされているので、あえて本機を選ぶ理由があるかと聞かれると微妙なところ。
価格の高さやデカ重なサイズ感は気になるのですが、Apple信者的には買っておきたい充電器でもあります。…つまり、これはAppleへのお布施アイテムなのです。ですなの。

価格がもう少し安かったら、どんなユーザーでも勧められるのになー。
おまけ

これを買うことが、Appleへの投げ銭なのかも!?

うーん、それは違うんやない!?

発言がまさにApple教ですわね……。
おわり
GaN Power IC非搭載だし、PPSもないっ!
…あるのは、神々しいAppleロゴマークのみ!!