- スマホ対応のラベルライターはアプリの使いやすさで選ぶべし!
- 対応カートリッジの多さと印刷の解像度もよく見ておくこと!
- テンプレートのデザイン性も事前にチェックしておくと良き!
失敗しないラベルライター選び。
スマートフォン対応のラベルライター、主要3社の合計7製品をまとめて比較してみました。また、ラベルライター購入時のポイントもDTPデザイナー視点で語っていきます。


ラベルライターって、『テプラ』のことやんね?

『テプラ』はKING JIM製ラベルライターの名称ですわね。
目次
スマホ対応ラベルライターの魅力

本題に入る前に、ラベルライターがスマートフォンに対応していると、どんなメリットがあるのかをちょこっとだけ……。
スマートフォンに対応したラベルライターの魅力としては、
- 従来型よりもサイズが小型な傾向にある
- 利用可能なフォントの種類が多い
- パソコン不要で凝ったラベルデザインが作成可能
- いつでもどこでもデザインを作成可能
という4つが挙げられます。
もちろん、従来型のキーボードを内蔵したラベルライターでも、多彩なフォントが利用可能で、凝ったデザインのラベルが作成可能な製品も中にはあります。なので、スマートフォン対応型ラベルライターの特権という感じ…ではないのですが、何より気軽に凝ったラベルを作成できるのが大きな利点だったりします。

簡単にデザインラベルが作れるラベルライターって感じかな!

気軽さとデザインの充実がキモというわけですね。
比較対象

■KING JIM『テプラ』
- 「テプラ」Lite LR30:実売約5,500円
- 「テプラ」PRO SR-MK1:実売約11,000円
■CASIO『NAME LAND』
- NAME LAND i-ma KL-SP10:実売約5,500円
- NAME LAND Biz KL-E300:実売約10,000円
■Brother『P-touch』
- P-TOUCH CUBE PT-P300BT:実売約5,500円
- P-TOUCH CUBE PT-P710BT:実売約18,000円
- P-TOUCH CUBE PT-P910BT:実売約26,000円
今回はラベルライターのトップ3社(KING JIM・CASIO・Brother)のスマートフォン対応のラベルライターを合計7製品比較していきます。
各社とも、機能を絞ったエントリーモデルは5千円程度。ハイエンドモデルになると、1万円〜3万円になってきます。安いことに越したことはないですが、ラベルライターは1家に1台で十分だと思うので、しっかりと比較検討して最適な1台を選ぶのがおすすめです。

ラベルライター選びに失敗は許されないのであーるっ!

そんな大袈裟な……。
選び方のポイント

スマートフォン対応のラベルライター、全7製品を比較していくと同時に、購入時に絶対に抑えておきたいポイントを5つを紹介しておきます。
【ポイント1】専用アプリ
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
アプリ | TEPRA Lite | Hello | LABEL DESIGN MAKER i-ma | LABEL DESIGN MAKER | Brother P-touch Design&Print 2 | Brother P-touch Design&Print 2 | Brother P-touch Design&Print 2l |
対応アプリ比較表
1つめのポイントは、専用スマートフォンアプリの機能性や使い勝手。
“スマートフォン対応”と謳っているくらいなので、当然ながら操作はスマートフォン用アプリから行います。なので、そのアプリの完成度というのが、そのままラベルライター自体のクオリティに直結してきます。極端な言い方をすれば、アプリを試しに使ってみてダメと感じたら却下でいいと思います。
メーカーや機種によってアプリは異なりますが、いずれも無料(当然ですが)でダウンロードできるので、購入前にデモとして試してみることを強くおすすめします。
【ポイント2】対応カートリッジ(交換テープ)
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
対応テープ | 11mm 13mm 15mm |
4mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm 36mm |
テープ種類 | △ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
対応カートリッジ比較表
2つめのポイントは、対応しているカートリッジ(交換テープ)のサイズ・素材・デザインの充実性。
テープ幅の豊富さもそうなのですが、テープ自体の種類(非光沢・光沢・マスキングテープ・アイロン転写など)がどれくらい対応しているのかも要確認。当然、対応しているカートリッジが多ければ多いほど良いので、ここも購入前にはよく確認しておきましょう。
余談ですが、ラベルライターにもプリンターのような『互換テープ』という他社製のカートリッジが存在しています。これらは純正品よりも安価に手に入りますが、メーカー的には非推奨となっているので、利用する場合はあくまで自己責任で使いましょう。
【ポイント3】転写方式と印刷画質
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
印刷方式 | 感熱式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 |
解像度 | 180dpi | 360dpi | 200dpi | 200dpi | 180dpi | 180dpi*1 | 360dpi |
テープカッター | 手動 | 自動 | 手動 | 自動 ハーフカット機能有 |
手動 | 自動 | 自動 ハーフカット機能有 |
対応印刷方式比較表
3つめのポイントは、ラベルライターの印刷クオリティ。
- 印刷方式:感圧式 < 熱転写方式
- 解像度:180dpi < 200dpi < 360dpi
…となっているので、これを参考にしてみてください。
【ポイント4】サイズ・質量
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
サイズ | 71×46×76mm | 55×133×146mm | 57×154×137.5mm | 131.7×136×61mm | 115×61×115mm | 128×67×128mm | 138×94×138mm |
質量 | 132g | 470g | 425g | 495g | 380g | 580g | 1,170g |
サイズ・質量の比較表
4つめのポイントは、ラベルライター自体のサイズや質量。
いくらスマートフォン対応と言っても、ラベルライターをモバイルすることはまずないので、自宅やオフィス内で使うことを想定したサイズ感で考えるのがおすすめです。ですので、ラベルライターの質量はそこまで気にしなくてもよいでしょう。サイズは収納の邪魔にならないという点で考えると、よりコンパクトなラベルライターのほうがよいと言えるかもしれません。
【ポイント5】電源方式
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
バッテリー | 単4型乾電池 ×4 | 単3型乾電池 ×6 | 単3型乾電池 ×6 | × | 単4型乾電池 ×6 | Li-ion充電池 | Li-ion充電池 |
ACアダプター | × | ○ (専用品) |
○ (専用品) |
○ (専用品) |
○ (専用品) |
◎ (USB充電器) |
◎ (USB充電器) |
電源方式比較表
5つめのポイントは、ラベルライターの電源方式。
理想は、バッテリー駆動もAC電源駆動も両方できること。一部のラベルライターはどちらかの駆動方式しかできないものがあるので、自分の利用シーンに合わせて考えておきましょう。
比較表

これまでのことを踏まえて、全部の項目を比較表にしてみたのであーるっ!
KING JIM | CASIO | Brother | |||||
シリーズ名 | テプラ | NAME LAND | P-touch | ||||
製品名 | 「テプラ」Lite LR30 | 「テプラ」PRO SR-MK1 | NAME LAND i-ma KL-SP10 | NAME LAND Biz KL-E300 | P-TOUCH CUBE PT-P300BT | P-TOUCH CUBE PT-P710BT | P-TOUCH CUBE PT-P910BT |
型番 | LR30 | SR-MK1 | KL-SP10 | KL-E300 | PT-P300BT | PT-P710BT | PT-P910BT |
印刷方式 | 感熱式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 | 熱転写方式 |
解像度 | 180dpi | 360dpi | 200dpi | 200dpi | 180dpi | 180dpi*1 | 360dpi |
テープカッター | 手動 | 自動 | 手動 | 自動 ハーフカット機能有 |
手動 | 自動 | 自動 ハーフカット機能有 |
最大印刷幅 | 9mm | 18.1mm | 12mm | 18mm | 9mm | 18mm | 32mm |
対応テープ | 11mm 13mm 15mm |
4mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm |
3.5mm 6mm 9mm 12mm 18mm 24mm 36mm |
テープ種類 | △ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
スマホ対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
パソコン対応 | × | × | × | ○ | × | ○ | ○ |
アプリ | TEPRA Lite | Hello | LABEL DESIGN MAKER i-ma | LABEL DESIGN MAKER | Brother P-touch Design&Print 2 Brother iPrint&Label |
Brother P-touch Design&Print 2 Brother iPrint&Label |
Brother P-touch Design&Print 2 Brother iPrint&Label |
バッテリー | 単4型乾電池 ×4 | 単3型乾電池 ×6 | 単3型乾電池 ×6 | × | 単4型乾電池 ×6 | Li-ion充電池 | Li-ion充電池 |
ACアダプター | × | ○ (専用品) |
○ (専用品) |
○ (専用品) |
○ (専用品) |
◎ (USB充電器) |
◎ (USB充電器) |
サイズ | 71×46×76mm | 55×133×146mm | 57×154×137.5mm | 131.7×136×61mm | 115×61×115mm | 128×67×128mm | 138×94×138mm |
質量 | 132g | 470g | 425g | 495g | 380g | 580g | 1,170g |
スマートフォン対応ラベルライター比較表
*1パソコンからのみ 180dpi×360dpi で印刷可能。

少しずつ良し悪しがある感じですわね。

うーむ、悩みどころですなー。
専用アプリの完成度
専用のアプリなのですが、
- テンプレート:Hello ≧ Brother P-touch Design&Print 2 > TEPRA Lite > LABEL DESIGN MAKER ≧ LABEL DESIGN MAKER i-ma
- 使い勝手:Brother P-touch Design&Print 2 > TEPRA Lite > LABEL DESIGN MAKER = LABEL DESIGN MAKER i-ma ≧ Hello
…という感じの印象を実際に使って感じました。
前述したように、いずれのアプリも購入前にダウンロードして試せるので、まずはアプリの完成度を判断して、それからラベルライターを購入するのがベストな方法です。

そういうわけで、自分の目で確認してくださりー!

という名の“手抜き”やね……。
ねこ的おすすめ
全部入りのフルスペックが欲しい:P-TOUCH CUBE PT-P910BT

「とにかく全部入りのフルスペックが欲しい!」
…と思っているならば、Brother『P-TOUCH CUBE PT-P910BT』がおすすめ。
スマートフォンだけでなく、パソコンからのラベル作成にも対応しており、対応カートリッジ自体もかなり豊富。実は、アプリも紹介した『Brother P-touch Design&Print 2』だけでなく、さらに高機能な『Brother iPrint&Label』という業務用アプリにもこっそり対応しており、イチから作り込むなら本機がベストバイ。
ラベルデザインのテンプレートもおしゃれなものが多く、アプリのUIの垢抜けない感じはありつつも、Brotherらしい質実剛健な作りが好印象。ちょっと高価なのが難ですが、長く使う予定なら、P-TOUCH CUBE PT-P910BTがアリ。高いと感じるなら、1つ下のモデルであるP-TOUCH CUBE PT-P710BTでもよいかもしれません。
簡単におしゃれなラベルを作りたい:「テプラ」PRO SR-MK1

「テンプレート中心で使う予定でおしゃれなラベルを作りたい!」
…と思っているならば、KING JIM『「テプラ」PRO SR-MK1』がおすすめ。
スマートフォンのみ対応でパソコン非対応なのがネックだが、そのぶんだけ価格が安価なのが良き。1万円ちょっとで360dpiの解像度で印刷できるというのが、絶大なるアドバンテージがあるでしょう(同じく360dpiのP-TOUCH CUBE PT-P910BTは約2.5万円)。
ラベルデザインのテンプレートはかなりデザイン性が高く、簡単に既製品っぽいラベルが作れるのが推しポイント。ただ、ネックとなるのが、イチからラベルをデザインしようとすると、かなりストレスがたまるUI/UX設計の悪さ。なので、テンプレートをカスタマイズして作成していく、という作り方にフィットするならおすすめと言えるでしょう。
まとめ「スマホ対応ラベルライターはアプリで選ぶ」

スマートフォン対応ラベルライター選びをまとめると、
- アプリは事前にダウンロードして試しておくこと
- 対応カートリッジの種類とサイズは確認しておくこと
- 印刷解像度にこだわりがあるなら注視しておくこと
…という、3つは購入前に抑えておきましょう。

特にアプリの完成度は最重要事項なのであーるっ!
おまけ

ラベルライターもいいけど、エンボステープライターもいいよねー!

懐かしの『ダイモ』ですわね。

…懐かしい!レトロな感じが可愛いやんね!!
おわり
大事なのは、
なのであーるっ!