エントリーにしては…高い?
イラストを描く人にとって、Wacomの液タブを持つことは一種の“ステータス”なはず。そんな折、『Wacom Cintiq 16』という激安液タブが出たわけだが…!?
目次
『Wacom Cintiq 16』と『Wacom Cintiq Pro 16』の違い
おそらく、この記事を見ているということは、すでに『Wacom Cintiq 16』のことをご存知な人だと思います。
▼『Wacom Cintiq 16』は、Wacomのエントリー液タブ。
▼『Wacom Cintiq Pro 16』は、4K搭載のハイエンド液タブ。
そこで気になるのが、上位機種である『Wacom Cintiq Pro 16』との違いだと思います。そう、私もそこが気になっていました。
製品名 | Wacom Cintiq 16 | Wacom Cintiq Pro 16 |
解像度
|
FHD | 4K |
色域 | 72% NTSC(CIE 1931) | 90% Adobe RGB(CIE 1976) 85% Adobe RGB(CIE 1931) |
筆圧感知 | 8,192段階 | 8,192段階 |
タッチパネル |
非搭載
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搭載(マルチタッチ) |
無印16とPro16の比較表。
詳しくは公式サイト(Wacom Cintiq 16・Wacom Cintiq Pro 16)を見てもらうとして、ざっくりとした比較はこんな感じです。
個人的に気になるところだけをピックアップしたのですが、
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解像度
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色域
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タッチパネル
が、この2機種では、大きく異なってくる印象です。
色域の規格と広さについて
制作と色域を語る上で、おそらく必ずといっていいほど出てくるのが
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sRGB
-
Adobe RGB
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NTSC
という言葉ですよね。
プロのデザイナーとして普段は働いている私としては、仕事で使うのであればAdobe RGBカバー率が90%はあって欲しい感じ。特に液タブは仕事に直結するので、よりシビアな判定になるかも知れません。
話がそれてしまいましたが、NTSCはさておき(映像制作はしてないので言及できない)、この『Wacom Cintiq 16』のカバー率72%をどう捉えるかです。
Adobe RGBとNTSCは、上画像を見てもらえれば分かるように、そこまでの色域の差異はないようです。もちろん、仕事で使うのであれば、ここもシビアな判定になるので、もっと気にしないといけないのですが、『Wacom Cintiq 16』はエントリーモデルですからね。
解像度について
ディスプレイ関係の違いでいうと、もうひとつ。それが解像度の違い。
両方とも16インチなので、4Kだとしても、ドットバイドット表示はキツいです。エントリーモデルを差し引いても、『Wacom Cintiq 16』の解像度(FHD)は妥当ですし、気にしなくてもいいかなと思います。
Wacom Cintiq 16のポイント
簡単な比較と感想を述べたところで、『Wacom Cintiq 16』の良さそうな点・気になる点をまとめてみました。
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そこそこ安い。
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ペンがかなり良い。
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視差が気になる。
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色域が気になる。
実際に『Wacom Cintiq 16』をお願いして触らせてもらったのですが、ペンは「さすがWacom!」という感じで良好。エントリーといっても、そこは同社の液タブらしいペンのクオリティーでした。
反対に気になったのが、“視差”です。
おそらく、ディスプレイ層とカバー層のギャップがあるのか、『Wacom Cintiq Pro 16』を触ったあとに、『Wacom Cintiq 16』を触ると、ちょっと気になる感じはありました。ただ、『Wacom Cintiq 16』だけ触ったとすると、気にならないレベルですけどね…。
価格は、最近だとこういうのがあるので、凄い安い感じではないですね。もちろん、あの“憧れ”のWacomブランドがこの価格と考えたら、バーゲンプライスですがね。
Wacom Cintiq 16が“買い”な人
今回の『Wacom Cintiq 16』を買うべき人は、
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ペンタブから移行する人
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Wacomブランドが欲しい人
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仕事で使わない人
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価格に許容できる人
だと思いました。
だけど、色域が気になるから、デザイナーやカメラマンとかだと要再考かもー!?
私はあくまで仕事で使うからですが、趣味用途なら、この上ないバランス機だと感じました。ただ、できれば、この販売価格は5万円台が理想だったり…。
Amazonなら、6万円台中盤で買えるけど…うーむ!?
総評:ハイアマチュア向けかもだね!?
『Wacom Cintiq 16』は、この価格でWacomの技術が詰まった液タブが手に入ると思えば、納得いく価格ではあると思います。
ただ、どうしても色域の狭さが、個人的には気になってしまうのも事実。
Macなユーザーは、iPad ProとAstropadという手段もありますし、デスクトップのWindows PCユーザーに『Wacom Cintiq 16』はオススメかもですね。
要検討…ですな。
おまけ
おわり