高解像度は正義…ではない?
今やディスプレイの主流になりつつある“4Kモニター”だが、PCのモニターに使うなら再考すべき。実は、4K/5Kモニターは、PCモニターにはオススメじゃないかも?


…って、そうなんですか?

高解像度=綺麗ってのも違うし、今回は敢えてデメリットを挙げていくのであーる!
目次
4K/5Kモニターのデメリット

いきなりですが、4Kモニターや5Kモニターが“ダメ”な理由を書いていきます。
これは、Macユーザーも該当しますが、どちらかといえばWindowsユーザーに読んで欲しい事項が多いです。


デメリット1.スケーリングで画質が落ちる?

まず1つ目のデメリットは、“スケーリング”で画質が落ちてしまうことがあるということです。


スケーリングの説明は非常に長くなるので、後で別枠で話します。なので、まずは“こういうことがある”ことを知っておいてください。
4K/5Kモニターを使っているからといって、必ずしも4Kや5Kのコンテンツを視聴するとは限らないはずです。FHDやHDの映像を見たりすると思います。
しかし、このとき映像はFHDモニターでFHDコンテンツを見ているときよりも、4KモニターでFHDコンテンツを見ているほうが画質が汚く感じるのです。これがスケーリングと関係しています。

また、映像だけではなく、ソフトウェアでも“引き伸ばし”の罠に陥ることあります。
まだ高DPI(高解像度)に対応していないソフトウェアだと、表示がいつもよりぼやけて表示されてしまうのです。


ちなみに、テレビではこういうことが起きにくいように、各社アップコンバートの技術を高めています。ただし、PCでは別途アップコンバーターが必要になってきます。
デメリット2.PCに負荷が掛かりやすい

2つ目のデメリットは、高解像度故にPCに負荷が掛かりやすいということです。



4KモニターだとFHDの4倍、5KモニターだとWQHDの4倍の解像度を誇っているので、その分の負荷が掛かります。
また、後述するスケーリングを行うと、それもPCに負荷が掛かります。

デメリット3.モニター自体が高価

3つ目のデメリットは、モニター自体の価格がまだまだ高価ということです。


もしモニターの予算が10万円なら、10万円の4K/5Kモニターを買うよりも、5万円のFHD/WQHDモニターと5万円のPCパーツでもよいわけですしね。
高解像度=高画質はマチガイ

必ずしも4Kや5Kが、FHDやWQHDよりも高画質とは限りません。
これは重要なことながら、“スペックのマジック”に陥ってしまいがちです。
ついつい、分かりやすいスペックである解像度に目が行って、4Kや5Kは絶対に綺麗と思ってしまいますが、それは間違い。FHDやWQHDのディスプレイのほうが綺麗に見えてしまうものもあります。



カメラも高画素=高画質じゃないもんねっ!
画質はディスプレイの解像度やパネルの種類、画像処理エンジンなど、さまざまな要素から成り立っています。
ついつい、スペックで4Kや5Kが綺麗と思ってしまいますが、必ずしもそうではないということを頭に入れておいてください。
▼ゲーミングモニターは画素でこそ負けていますが、応答速度は4K/5Kモニターに勝っています。つまり、そういうこと。
スケーリングについて

先程から何度か登場している“スケーリング”について、簡単に解説していきます。

スケーリングを非常に簡単に言うと、4Kディスプレイを見かけ上FHDディスプレイとしたり、5Kディスプレイを見かけ上WQHDディスプレイにすることです。


Apple的に言うと、『Retinaディスプレイ』ですね?

要するに、拡大表示をしているということです。ちなみに、このスケーリングは200%表示が良いとされています。
なので、4KはFHDに、5KはWQHDにスケーリングとするのが、ポピュラーな利用方法になります。
スケーリング論はかなり長くなるので、詳しく知りたい人は下のエントリーを読んでみてください。
Windowsはスケーリングが下手?

そんなスケーリングですが、iOSやmacOSではWindowsに先んじて、行ってきました。Apple的に言うと『Retinaディスプレイ』ですね。
macOSではそこまで気にならないスケーリングですが、Windowsではイマイチ安定しない様子。表示がぼやけていたりするそうです。

冒頭で話していた、Windowsユーザーにこそ気をつけて欲しいというのは、こういうことだったのです。
WQHDモニターがオススメな理由

さて、4K/5Kモニターのデメリットを知ってもらった上で、今度はWQHDモニターを選ぶメリットを紹介します。
- 5Kのみなし解像度=WQHDになる。
- PCに負荷が掛かりにくい。
- モニターの価格が安い。



モニターの価格やPCに負荷が掛かりにくいのは、これまでの説明でお分かりいただけたと思います。
5Kのみなし解像度とは、要するに200%にスケーリングしたということです。5Kディスプレイを一般的な200%スケーリングを行うと、ちょうどWQHDと同じ解像度になります。ならば、WQHDモニターでよいのでは、となるわけです。

▼ちなみにWQHDモニターなら、I-O DATAの『EX-LDGCQ241DB』が安くて高画質、リモコン付きでオススメ。
総評:時代は“ドットバイドット”から“スケーリング”へ?

4K/5Kモニターのデメリットを話してきましたが、決して全部がダメというわけではありません。必要な人にとっては、4K/5Kモニターがベストにもなりえます。


動画クリエイターとか、ソフトウェア開発者だねっ!
動画クリエイターやアプリ開発者は、ドットバイドットで作業する必要があるので、4K/5Kモニターのほうがオススメです。
反対に、作業領域の確保目的だとWQHDモニターがオススメ。4Kや5Kでもスケーリングすれば、結局は“みなし”解像度は下がりますので。
▼4Kモニターなら、USB Type-C端子搭載の『32UD99-W』がオススメ。
▼5Kモニターなら、iiyamaの『XB2779QQS-S1』が10万円以内で買えるので、お買い得そう。
適材適所。そういうことなのでござる。
おまけ







おわり
オヌヌメはWQHDモニターだっ!