- Apple傘下だけどBeats製品はUSB-C化しつつある!
- Lightning採用のBeats製品が急激に廃止されている!
- BeatsはAndroidに歩み寄るというAppleの作戦かも!
“なら全部USB-Cにして”
Appleに買収されて以来、多くのBeats製品は『Lightning』採用でした。しかし、ここ数年のBeats製品は『USB Type-C』を採用しています。そんな Lightning → USB Type-C の謎を考察してみます。
おおー!?
見事にUSB Type-Cに移行していますわね。
目次
AppleとBeatsの関係
Beats(Beats Electronics/Beats by Dr. Dre)という企業には紆余曲折があり、2014年以降はApple傘下となっています。
当初はMonster Cableと提携しており、同社がBeats製品の製造を請け負っていました。しかし、途中でMonster Cableとの関係はなくなり(最終的に裁判にまで発展する揉めっぷり)、Beatsは自社で製品展開をすることになります。
その後、HTCが買収したり、投資ファンドが買収したり…とあって、現在はApple傘下という経緯です。
この“2014年”が端子を見る際のキーポイントなんよね。
Appleが買収する前と後ですわね。
Beats製品の充電端子
前述したように、BeatsとAppleが関係性を持ち始めたのは2014年以降のこと。
なので、AppleがBeatsを買収した以降における、各Beats製品の充電端子を時系列順で見ていきます。
Micro USB時代
AppleがBeatsを買収してから初めて登場したのが、この『Beats Solo2 Wireless』でした。2014年11月発売。
Apple = Lightning というイメージが強いですが、当時はLightningではなく、Micro USBを採用していました。
その後、Beats製品にはしばらくApple傘下ではありながら、Micro USBが採用されています。例えば、2016年発売の『Powerbeats3 Wireless』も、LightningではなくMicro USBです。
でも、チップは『Apple W1』なんよね。
うーむ、不思議な感じですな。
Lightning時代
そこからしばらくして、Micro USBに代わってLightningが採用され始めます。その代表例が、2019年発売の『Solo Pro』。
2017年発売の『BeatsX』でもLightningが採用されているので、時間軸的には 2016年 〜 2017年 というのがMicro USBからLightningに移行したターニングポイントでしょう。
Lightning採用のBeats製品というのは数多く存在し、『Powerbeats Pro』や『Powerbeats』も該当します。
USB Type-C時代
Micro USBからLightningへの移行も完了しつつある中、彗星の如く登場したのは『Beats Flex』でした。こちらは2020年発売。
同じ2020年には『Powerbeats』も発売されているのですが、このタイミングでLightningからUSB Type-Cに移行しています。なので、移行のターニングポイントは2020年と言ってもよいでしょう。
そうそう、USB Type-C採用のBeats Flexが特殊だった…というわけではなく、これ以降に発売されているBeats製品(『Beats Studio Buds』や『Beats Fit Pro』)は軒並みUSB Type-Cになっています。
Lightning離れするBeats製品
Apple買収後のBeats製品を時系列順で追っていきましたが、Beats製品のLightning離れが急激に加速しています。
Apple StoreオンラインやBeats公式サイトを見てもらうと分かるように、Lightningを採用しているBeats製品がことごとく消滅しているのです。そう、『Solo Pro』も『Powerbeats』もディスコンになってます。生き残っているのは『Powerbeats Pro』のみ。
Solo Proは2019年発売なので、生産終了となっても何ら違和感はありません。しかし、Powerbeatsは2020年発売と、かなり短命なワイヤレスイヤホンになってしまいました。
そのくせ(というのも変だけど)、それ以前から発売されているBeats製品はなぜか現役なのです。そうです、どう考えてもLightning端子が原因としか思えないのでして。
た、確かに。
Micro USB搭載のBeats製品は残ってるではないかっ!?
そうなんよね。
露骨に脱Lightningをしてるんよ、Appleなのに。
Lightning離れしないApple製品
ならば、Apple全体が Lightning → USB Type-C に移行しているのかと言われたら微妙なところ。
iPadファミリーこそ、少しずつUSB Type-Cに移行していますが、iPhoneはいまだにLightningのまま。最近リリースされた、MagSafe(for iPhone)対応のAirPodsもLightningコネクタ採用です。
Lightningの転送速度が——や、MFi認証のライセンスビジネスが——という話は置いておくとして、Beats製品はAppleの中でも分家的な扱いなのか、とにかく異質ということが見て取れます。
iPhoneはUSB Type-Cに移行せずに、そのままポートレス化するという話もありますものね。
そうなんよね。
USB Type-Cの防水処理問題もあるかもだけど、何か“守りたいもの”が見え隠れするやんね。
カギは異質な『Beats Studio Buds』
とりわけ『Beats Studio Buds』は、広義でのApple製品としては“異質”な存在だったりします。
このBeats Studio Budsに搭載されているBluetooth SoCは、いつもの『Apple W1』や『Apple H1』ではなく、台湾MediaTek社の『MediaTek MT2821A』が採用されているのです(本機向けにカスタマイズは行われているそう)。
私はBeats Studio Buds所有者なのですが、実際そういうこともあってか、 Android > iPhone にウェイトを置いたイヤホンだと感じています。正直、Apple製品とは思えないくらい、iPhoneとの親和性が微妙なのです(空間オーディオは使えるけど)。
いや、むしろAndroidのほうがGoogle Fast Pairを使ってペアリングの切り替えがしやすいという……。
BeatsがUSB Type-Cを採用する理由
Beats Studio Budsの搭載SoCがApple製でないことや、Beats製品全体を通してLightningを廃止する動きがあることから、Androidにかなり歩み寄っていることが分かります。それこそ、Lightningではなく、USB Type-Cを積極採用する理由でしょう。
そこで感じるのが、AirPodsファミリーは従来どおりApple製品との親和性を重視し、Beats製品はApple製品との親和性を確保しつつも、Androidでの使い勝手や親和性も同時に高めているということ。
だからこそ、Beats製品がLightning採用だと不都合が起こる。よって、Lightning搭載モデルをそそくさと取り下げた、ということなのでしょう。そのことから、現行製品で唯一のLightning採用モデルであるPowerbeats Proが生産終了となるのも、もはや時間の問題だと感じています。
まとめ「Androidに歩み寄るBeats製品」
Beats製品がUSB Type-Cに移行することで、
- AirPodsファミリー:Appleユーザーのためのデバイス
- Beatsファミリー:みんなのデバイス
と、綺麗に棲み分けができるのです。
そうすることによって、互いに食い合いもないですし、AirPodsファミリーのプレミアム感も演出できたりもします。これも、元はBeatsが別メーカーだったからなせる業でしょうか。
AirPodsもUSB Type-Cやと便利…やのにね。
おまけ
うーむ、Appleは策士ですな!
ま、端子が元のユニバーサル規格に戻っただけやねんけどね。
最初はMicro USBでしたものね。
おわり
例えばやねんけど、
…なんよね!