- iPhone 15はUSB-C採用も『MFi認証』継続の可能性
- 懸念すべきは“転送速度”と“映像出力”のプロトコル
- 前時代的な『USB 2.0』からいい加減に卒業すべき
iPhone 15では、Lightningが廃止され、USB-Cが採用される説が濃厚になっています。
ただ、一部報道では、USB-Cにも『MFi認証』を採用するとも。そんな渦中のiPhone 15とUSB-Cですが、個人的にはMFi認証の採用よりも“もっと懸念していること”があるのです。
それはちょっと…困るやんね。
USB-Cの転送速度が『USB 2.0』ならばそう変わらないでしょうが、『USB 3.2 Gen 2』だったりすると、値崩れする可能性は大いにありますわね。
目次
iPhone 15では『Lightning』を廃止し『USB-C』を採用する噂
2023年秋に発売されるであろう『iPhone 15 Series』では、長らく採用されていた『Lightning』を廃止し、その代わりとして『USB-C(USB Type-C)』が採用されると言われております。
やっと、忌まわしき『Lightning』からサラダバーなのであーる。
そもそもの発端は、European Parliament(欧州議会)が承認した、『Common charger directive』によるもの。これにより、EU加盟国でスマートフォンなどの対象デバイスを販売するためには、2024年12月28日までにUSB-C形状の充電ポートを搭載しなければならなくなりました。
もちろんですが、これはAppleも例外ではありません。Lightningしか搭載されていないiPhoneは、近い将来において、このままではEU加盟国で販売することができなくなります。そのような経緯があるため、iPhone 15 SeriesではUSB-Cが採用される、と言われているわけです。
European Parliamentによる“USB-C義務化”のタイムリミットは、2024年12月末。なので、まだ猶予はあるわけですが、報道によると、Appleは早い段階でのUSB-Cへの移行を進めている模様。というのも、Lightningを採用したデバイスはiPhoneだけでなく、AirPodsやMagic Keyboardなど多岐にわたるため、総入れ替えするには時間を要すると見られているからです。
そういう政治的な背景は置いておくとして、単純に汎用性の高い『USB-C』に切り替わるのは大歓迎あーる!
これに反対するユーザーは、そうそういないでしょうね。
USB-Cと比較して、Lightningのアドバンテージって、『MFi認証』が取得されているものなら相性問題を気にしなくてもよい、っていうぐらいだからねー。
iPhone用USB-Cには『MFi認証』が採用される噂
iPhoneなどで採用されているLightningコネクタには『MFi認証』という、製品の互換性や安全性を担保するための製品プログラムが導入されております。
この『MFi認証』があることにより、ユーザーは安心して製品を選ぶことができるというメリットがあるわけです。……というのは表向き。MFi認証を導入することによって恩恵を受けるのは、ユーザーよりもApple自身なのです。
アクセサリメーカーは、MFi認証を受けた製品を販売するために、Appleとライセンス契約を結ぶ必要があります。報道によると、そのライセンス料は製品1つあたり4ドルとのこと。このライセンス料こそ、Appleにとってはドル箱なのです。
そういった理由があるために、iPhoneでのUSB-C採用を渋っていたと言われているのですが、前述したとおり、その目論見もEuropean Parliamentの策略によって、脆くも崩れ去ることとなりました。
しかしながら、ここにきて、AppleはiPhone用USB-Cにも『MFi認証』を導入するのではないか、という報道が出回り始めたのです。
一部報道では、MFi認証を受けたUSB-Cケーブルでないと、データ転送や充電速度に制限が生じるとのこと。もちろん、そんなことをEuropean Parliamentが許すわけもなく、当局はAppleに対して警告文を送ったとも言われております。
これぞ“殿様商売”って感じあーる。
独自規格のLightningならまだしも、ユニバーサル規格のUSB-Cにまで『MFi認証』を導入しようとするなんて、さすがに擁護することができないやんね……。
控えめに言って、論外ですなっ!
iPhone 15のUSB-Cで懸念している事柄
iPhone 15 Seriesが『Lightning』ではなく『USB-C』を採用してくれれば、それは嬉しい限りなのですが、まだ懸念事項は残っております。
その懸念事項こそ、“転送速度”と“映像出力”のプロトコル。
これらの仕様が明確にならない限り、iPhone 15 SeriesでUSB-Cの採用が決まったとしても、手放しで喜ぶことはできないのです。
iPhone 15のUSB-Cと“転送速度”
2015年9月に発売されたiPad Proなどの例外を除けば、Lightningの転送速度は『USB 2.0(最大480Mbps)』に相当します。つまり、ハイエンドスマートフォンである『iPhone 14 Pro』であっても、最大で480Mbpsの転送速度しか出ないのです。Apple ProRAWが扱えることを鑑みれば、はっきり言ってあり得ない仕様です。
これがもし、iPhone 15 Seriesで『USB-C』が採用されれば、話は変わってきます。
慣例どおり、『Apple A Series』のSoCがiPhone 15 Seriesで採用されるとするならば、最低でも『USB 3.2 Gen 1(最大5Gbps)』の転送速度が期待できます。ひょっとすると、『USB 3.2 Gen 2(最大10Gbps)』の可能性もあるでしょう。
しかしながら、iPhone 15 Seriesで採用されるUSB-Cが、USB 2.0のままだとしたら……目も当てられません。
コネクタの形状だけ変えました、というオチだけは避けたいのであーる。
iPhone 15のUSB-Cと“映像出力”
iPhone 15 SeriesのUSB-C採用でもうひとつ期待したいのが、映像出力プロトコル『DisplayPort Alternate Mode(DisplayPort Over USB Type-C)』への対応です。
USB-CがUSB 2.0だとしたら物理的に無理ですが、USB 3.2 Gen 1やUSB 3.2 Gen 2であれば、DisplayPort Alt Modeを実装することが可能になります。なので、転送速度と併せて、DisplayPort Alt Modeへの対応にも注目したいところ。
これに関しては、Google Pixelのように、意図的にDisplayPort Alt Modeを非対応にさせないことを祈るばかりですな。
まとめ「求めるは真のフラグシップ」
『iPhone 15 Series』では、『USB-C(USB Type-C)』が採用される可能性大。
その根拠は欧州議会による、USB-C形状の充電ポート搭載の義務化。ただし、USB-Cにも『MFi認証』が採用されてしまう可能性もゼロではない。
iPhone 15 Seriesで採用されるUSB-Cが、『USB 2.0(最大480Mbps)』だったら、転送速度が旧機種と変わらなくなってしまうこと。
映像出力プロトコル『DisplayPort Alternate Mode(DisplayPort Over USB Type-C)』に対応していないと、Google Pixelのようになってしまうこと。
とにかく、「端子の形状だけ変えました」というオチはやめてほしい。
USB-Cにするならば、しっかりと“フルスペック”にしていただきたい。我々が求めているのは、真のフラグシップなのですから。
Apple ProRAWファイルを、有線で高速転送したいのであーる。
おまけ
そう考えていくと、手持ちの『iPhone 14 Pro』を早々に売却しようか考え中なのであーる。
タイムリミットは夏頃ですわね。
iPhone 14シリーズは、2022年9月に発表されていますから。
うむむー。
それと、Lightning対応機器を買い集めるのも、そろそろ手仕舞いすべきですな。
『Apple 30-pin dock connector』から『Lightning』に移行したときと同じことが、また起こりそうな予感やね。
ま、Lightning関連のアクセサリは、価格が暴落するでしょうな。
おわり
もしも、本当にiPhone 15でUSB-Cが採用されたら、現行のiPhone 14の買取価格が大幅に下落するかもあーる。