- 一部ユーザーは“iPhoneのApple Pencil対応”を熱望
- 一定のニーズはあるがAppleは対応させる気ゼロだと推測
- 対応させない最大の理由はAll-in-One化しない戦略かも
「iPhoneもApple Pencil対応にして!」と思うユーザーも多いなか、対応する兆候は一切ナシ。そこで、なぜAppleは『iPhone』を『Apple Pencil』対応にしないのか、ということを改めて考えていきます。
風物詩みたいなものですよね。
おなじみというか…ネタ枠!?
目次
“iPhoneのApple Pencil対応”の噂
新型iPhoneのリークが盛んな時期になってくると、「iPhone ●●はApple Pencil対応の噂!?」という話題が毎年のように出てきます。…そして、結果はお察しのとおり。
『iPhone 14』はもちろん、『iPhone 15』もApple Pencilには対応しないようですな。
『iPhone 15』って、もう来年の話をしてるんやね。
そもそも、この手のガジェットに関する噂というものには、①ハードウェアやソースコードのリークに基づく信憑性の高いもの、②アナリストが初出のそこそこ信憑性のあるもの、③根拠はないがユーザーの希望を好き勝手に書いている信憑性の低いもの、という以上の3種類があると捉えております。
そして、この“iPhoneのApple Pencil対応”という噂については、そうなる証拠や根拠もない風の便りになるので、③に該当するというわけです。
そうは言っても、iPhoneのApple Pencil対応を望んでいるユーザーは少なくありません。大多数のユーザー望んでいる…では決してありませんが、そこまでマイノリティな要望でもなさそう。あくまで筆者の所感にはなりますが。
ねこさんは、“iPhoneのApple Pencil対応”を望む派ですよね?
もちろんであーる!
でも、対応する・対応しない、の2択なら後者だとは思うけどねー。
“iPhoneのApple Pencil対応”が実現しない理由
故Steve Jobs氏が初代iPhone発表時に述べた「誰がスタイラスを望むのか?最高のデバイスは指である」を、Appleが頑なに守っている説。
最新の『Apple Pencil (第2世代)』は、iPhoneに対応させることが構造上難しく、iPhoneに対応させようとすると、新たなApple Pencilをリリースする必要がある。なので、やらない説。
「iPhoneもApple Pencil対応にして!」と言っているユーザーは実は少数で、マーケットとして対応させる魅力がない説。
『iPad』と機能が被らないようにして、両方とも売る戦略。Appleからの「Apple Pencilを使いたいなら、iPadを買って」という意思表示、という説。
そういうわけで、“iPhoneのApple Pencil対応”が実現しない理由というのを、いくつかの仮説に分けて考察してみます。
①Steve Jobs「Who wants a stylus?」
Steve Jobs introduces iPhone in 2007
初代iPhoneが発表される際、故Steve Jobs氏が「Who wants a stylus?」「We're gonna use our fingers.」と、言い放ったのは非常に有名な話。
もし、Appleが頑なに「誰がスタイラスを望むのか?最高のデバイスは指である」を守っているとすれば、iPhoneがApple Pencilに対応しないというロジックも成立します。
しかしながら、こうSteve Jobs氏が発言したのは2007年。それからタッチパネルの精度も格段に向上し、『スタイラスペン』ではなく『デジタイザーペン』での正確かつ緻密な描画が、スマートフォンやタブレットのような小さな画面でも可能となりました。そして、当のAppleについても、ご存知『Apple Pencil』があるわけでして。
つまり、Steve Jobs氏が言ってるから——というのを引き合いに出すのは、今となっては少々無理があるのです。
ネタとして理由に挙げてみたけど、Appleがこの発想にずっと囚われているとは到底思えないし、それこそ「Stay hungry, stay foolish」に反するのであーる。
私たちのほうかもしれませんわね、いまだにこの固定観念に囚われているのは。
②Apple Pencilの構造
Apple Pencilには、第1世代と第2世代があり、最新のApple Pencil(= 第2世代)は、マグネットでiPadとペアリングおよび充電をする仕組みになっています。
すでにお察しかもしれませんが、『Apple Pencil (第2世代)』をiPhoneに対応させようとするならば、iPhone本体のどこかに接点を設けないといけません。加えて、iPhoneのサイズに対して、Apple Pencilは長すぎる。
MagSafe for iPhoneを用いれば、技術的にはできなくはなさそう。ただ、その見た目にスマートさの欠片もないので、やはり専用設計のApple Pencilを開発する必要が出てきます。
そうなってくると、ただでさえ第1世代と第2世代で互換性がないにもかかわらず、また別のApple Pencilバリエーションを増やすことになる。そんなApple Pencil乱立状態を、Appleもユーザーも決して歓迎しません。
もし、iPhoneでのApple Pencil対応を計画しているのなら、第2世代を投入した段階でそういう方向に舵取りしていたでしょう。ですから、少なくとも第2世代が現役のあいだは対応する見込みはなくなってきます。
Apple Pencilの第1世代・第2世代に互換性がない、これってスルーされがちですが、結構クリティカルな問題ですよね。
他のデジタイザーペンのプロトコル(例:Wacom EMR)だと、そういうのはないからねー。
③マーケットと需要
元も子もない話ですが、「iPhoneもApple Pencil対応にして!」と言っているユーザーはそこまでおらず、結果として需要もないと判断され、対応する必要性もないと結論づけている可能性は大いにあります。
需要の話になってくると、「いやいや、Galaxy Noteを支持するユーザーは多いよ!」という反論も出てくるでしょう。しかし、筆者も含めて、こう思い込んでいること自体が、SNS時代特有のエコーチェンバー現象のトラップに嵌っている可能性が高い。つまり、そう思っているだけで、実際はそうではない。
『デジタイザーペン対応スマートフォン』というカテゴリ自体、マーケット全体を俯瞰で見ると、 デジタイザーペン非対応機種が大半 = ニッチ となるわけですし、一部のクラスタだけが熱心に望んでいる話ということかもしれません。
どうしても主観が入っちゃうわけやもんね。
そうなのであーる。
実際はマイノリティでも、エコーチェンバーによってマジョリティだと錯覚しちゃうからねー。
④Appleの緻密な戦略
Apple製品の多くは、競合他社(例:Samsung)とは異なり、いわゆる『All-in-Oneデバイス』というのをリリースしません。なので、iPhoneもそれに倣って、Apple Pencilに対応させない可能性は大いにある。
例えば、『MacBook』はタッチパネルでもなければ、コンバーチブルでタブレットにもならない。加えて、『iPad』はキーボードとマウスが使えるようになっても、macOSを搭載することはない。そして、『Apple Watch』はiPadではペアリングできない。
こうすることによって、自社内でシェアの食い合いを防ぐことができるし、目的や用途に応じたデバイスの最適化がしやすくなる。そして、何より「Apple Pencilが使いたいなら、iPadを買ってね」という明確な意思表示ができるわけです。
このようなラインナップ構成を、コンサバティブと言うか、質実剛健と言うか、それは人それぞれ。ただ、この方式で利益が出ているのですから、(ユーザーがどう思ってるかは別として)ビジネスの戦略的には正解なのでしょう。
奇を衒わない、とも言えますわね。
まとめ「Apple Pencil対応は夢のまた夢」
いろいろな仮説を立てて考えてみましたが、“iPhoneのApple Pencil対応”…というのは、夢のまた夢になりそうです。
iPhone対応の『Apple Pencilっぽいペン』、どれも書き味や精度がイマイチ納得いかないのであーる。
おまけ
つまりは、Galaxyシリーズが最強!やったぜ!!
ちょ、ええーー!?
ステマ…いや、モロマですわね。
というか、両方買えば正解なのであーる。
おわり
新型iPhoneが発表される時期になると、毎年「iPhoneがApple Pencil対応に?」な噂が出るけど、結局は対応しないオチなのであーる。