- 利用用途や目的によってキーボード配列に合う・合わないがある!
- 開発をしながらブログを書いているとJISとUSの両価感情が生まれる!
- メインの目的に即したキーボード配列を選ぶのがおすすめ!
アンビバレントなキーボード問題。
パソコンやタブレットのキーボード配列をどちら(JIS or US)にすべきか。これを開発とブログをやっている私が、悩み考えていくお話。
だから、“アンビバレント”なのですね。
うーん、奥が深そうやね……。
目次
趣旨
本稿の趣旨は、開発やブログをやっている私のようなユーザーは、パソコンやタブレットにおいて、どちらのキーボード配列(JIS or US)を選ぶべきかを考えていくことです。
私は基本的に、MacやiPadで仕事をすることが多いのですが、アプリや開発環境の関係でWindowsも使っています。ですので、これら3つの環境での利用を考慮した上で進めていきます。なお、キーボードの見た目が美しいのはどっち——のようなことついては一切触れてません。あくまで、いかに快適に使うかのみにフォーカスしています。
目的に即したキーボード配列
ブログに最適なJIS配列
ブログに限らず、日本語で読むユーザーに向けた文章を作成する上では、IME切り替えの容易さから、JIS配列のほうが適しています。
当たり前のことですわね。
…あ。
英語とは異なり、CJKV(中国語・日本語・朝鮮語・ベトナム語)というのは、“変換”という操作が必要になってきます。ですので、MacやWindowsのスペースキーの両隣にはご存知のとおり、IMEを切り替えるキー(Mac:英数とかな|Windows:無変換と変換)が配されています。当然、文字変換という概念がないUS配列には、そのようなキーはありません。
もちろん、US配列のパソコンでも日本語入力は当然可能。ただ、文字変換の概念がないため、IMEの切り替えが手間(Mac:⌃ + Space|Windows:Alt + `)で、かつ切り替えがトグル方式(英語 → 日本語 → 英語 → …)なのが欠点。
ところで、IMEを英数キーとかなキーで、切り替えられる最大のメリットは何でしょうか。それは、現在のIMEが『英数』なのか『かな』なのかを一切確認せずに、英数キーを押下すれば、かならず英語で入力できるということにあります。もちろん、その逆も然り。とどのつまり、“無の状態”でIMEを切り替えられるというのが、 ⌃ + Space で切り替えるトグル方法とは、大きくストレスレベルが変化してくるというわけです。
このように、日本語と英語をシームレスに行き来できるという点において、JIS配列のキーボードは非常に優秀。したがって、ブログを書くのであればJIS配列がよい、となるわけです。
当たり前の話なんだけど、IME切り替えの原理を知ると、やっぱりJIS配列は便利だよねーっと思うのであーる。
開発に最適なUS配列
一方で、ウェブやアプリを開発(コーディング)しているのであれば、US配列のほうが適しています。
日本人が使っても…ってこと?
“開発”という目的ならねー。
開発をする場合においても日本語を入力する機会はありますが、開発に使用する言語そのものが英語ベースなので、必然的に英語を入力する機会が圧倒的に多くなります。ですので、前述したようなIME切り替えの煩雑さというのは、さして気になりません。
また、開発する際に多用する記号(引用符や括弧)が、綺麗に対になるように配されているメリットも非常に大きい。対になるキーが上下や左右に揃って配されているため、ホームポジションを崩すことなく、非常に小気味良くタイピングすることが可能です。
このように、ほぼほぼ英語入力で完結してしまう場合においては、US配列のキーボードは非常に優秀。したがって、ウェブやアプリを開発するのであればUS配列がよい、となるわけです。
もちろん、JIS配列のパソコンで開発している人も多いから、好みといえば好みになっちゃうけど、わたしならUS配列を選ぶかなっ!(UK配列でも良き)
キーボード配列のアンビバレンス
JIS配列は日本語圏ユーザー向け。
US配列は英語圏(主に米国)ユーザー向け。
…こんなことは言わずもがなですが、私のような日本人が開発(US配列が便利)とブログ(JIS配列が便利)をやっていると、求めているキーボード配列にアンビバレンスが生じてしまうのです。
不協和音を僕は恐れたりしない〜♪
…それ、違う歌やんね。
しかも『アンビバレンス』ではなくて、『アンビバレント』ですからね。
JISキーボード配列:記号の配置が非対称
ブログを書くのに適しているJIS配列ですが、記号の配置が非対称で位置もバラバラという点から、開発で使うには多少の不便を強いられることになります。
普段からJIS配列のキーボードで開発を行っているのであれば、そこまで気にならないかもしれません。ただ、US配列のキーボードで開発をしてしまうと、こちらのほうがスムーズの開発が行えることに気づき、非常に悶々とした日々を送ることになります。
USキーボード配列:IMEの切り替えが面倒
ウェブやアプリの開発に適しているUS配列ですが、IMEの切り替えが面倒という点から、ブログ等の文章を書く(打つ)行為においてはストレスが生じてしまいます。
コンビネーションキーでのIME切り替えに慣れれば…という部分はあるのですが、どう考えても英数キーやかなキーで、ポンと一発で切り替えられるほうが便利に決まっています。しかも、これらのキーはローテーションで切り替わるものではないので、とにかく押下すればなんとかなるのが素晴らしいところ。だからこそ、US配列でのIME切り替えはストレスフルなのです。
解決策
[1]US配列のキーバインド変更
真っ先に思い浮かぶ解決策なのが、US配列のパソコンを購入して、キーボードショートカットやキーバインドの変更でIME切り替えを簡単にするというもの。
Macであれば、『⌘英かな』や『Karabiner-Elements』のようなサードパーティ製のアプリを利用すれば、左右の⌘キーをJIS配列のときと同じように、英数キー・かなキーとして振る舞わせることが可能です。Windowsにおいても、キーバインドを変更するアプリはいくつも存在しているので、こちらの場合も対処は可能です。
メジャーな解決策ですわね。
Macはそうでもないけど、Windowsだとキーバインド変更は必須って感じですなー。
[2]外付けキーボードの活用
ちょっと離れ業ライクなのですが、現在使っているパソコンのキーボード配列と逆の配列を持った外付けキーボードを併用するという案も検討中。要するに、JIS配列のノートパソコンを使っているなら、US配列の外付けキーボードを使う…といった感じです。
Macの場合は、JIS配列とUS配列のキーボードをネイティブで混同することが可能なので、特にこれといってすることはありません。Windowsの場合はレジストリを変更する必要がありますが、ハードルが高くないので、こちらもすんなりといけるはずです。
問題点
iPadのキーボード設定
当初は、解決策の[1]で示した方法(US配列をパソコンを購入してキーバインド変更で日本語入力に最適化)で解決する…と思っていたのですが、iPadだとその方法が使えなくて“詰み”になってしまいました。
iPadにおいては、アプリを使ったキーバインド変更という手段が用意されていないので、最初のほうで話した ⌃ + Space を使ってあげる必要があります。
もちろん、iPadの利用頻度が少ないのであれば、若干の煩わしさは残りますが、このデフォルトのIME切り替え方法でも許容はできるでしょう。それが嫌であれば、iPadのキーボードだけJIS配列を選ぶという手もあります。ただ、そうしてしまうと、IMEの切り替え方法やキーボード配列がOSによってバラバラになってしまい、非常に気持ち悪いことになってしまいます。
結論
■私の中でのキーボード使い分け結論
- メインで利用するパソコンのキーボードはJIS配列
- 開発のみで利用するパソコンのキーボードはUS配列
結局のところは良い解決策が見当たらなかったので、利用用途に応じてキーボード配列の異なるパソコンやタブレットを使い分ける、というトンデモ方法に落ち着きました。
え…ええー!?
いろいろツッコミどころを残しましたわね。
JIS配列のキーボードでも開発はできなくない(使っているうちに慣れそう)ですし、US配列のIME切り替えの不便さを考えると、ベースはJIS配列にして、使いたいときだけUS配列を用いるという形で良い気がしています。
私の場合はデバイスごとチェンジするという手に出ましたが、外付けキーボードを使う方法でもアリかもしれません。ちなみに、US配列をベースにして、アプリでキーバインドを変更するというのは、既存のアプリで割り当てているキーバインドとコンフリクトすることや、そもそもiPadではその方法が使えないということから却下しています。
まとめ「基本はUS配列で下1列だけJIS配列が欲しい」
ブログを書くならJIS配列。
コーディングするならUS配列。
…このアンビバレンスな悩みは尽きません。
実はいろいろ話してきましたが、手持ちのWindowsパソコンやChromebookにおいては、JIS配列とUS配列が混在したりしてます。これはどちらかしか取り扱ってない不可抗力のせいです。…そういうわけで、完全に泥沼なのです。ですなの。
意外とどっちでもよかったり……!?
おまけ
善書紙筆を択ばずっ!
…それを言ったら。
……終わりですわね。
おわり
日本語でブログを書くならJIS配列。
システム開発をするならUS配列。
…これが悩ましいのであーる。