- 大容量クラウドストレージが欲しいのでNASを構築したい!
- Synology製NASを使えば簡単にクラウド化できるのが嬉しい!
- 最大の問題がイニシャルコストが膨れ上がってしまうこと!
高速大容量クラウドストレージを求めて。
完全に脱クラウド化…ではないのですが、自前の大容量クラウドストレージが欲しくなったので、高性能NASを使ったOnPベースのストレージ環境を構築しようと画策してます。
難しいところですわね。
サブスクリプション費用との天秤やね。
クラウド → オンプレミス
私は、かの有名なクラウドストレージサービスである『Dropbox』が大好きで、まだ日本語化がなされていない頃から使っています。そんなこともあり、当然ながらプランはDropbox Plusに加入中。
Dropboxはクラウドストレージサービスの中でも、群を抜いて同期速度が高速。しかも、かなり安定して同期を行ってくれます。さらに、選択型同期にも対応しているので、パソコンの容量を著しく圧迫することもありません。まさに、クラウドストレージのベストプラクティス。
Dropbox信者……。
それは否めないのであーる。
そんな素敵なDropboxにも個人的に困るポイントが。それが、個人用途だとストレージ容量が、最大2TBまでしか存在しないということ(Businessプランなら3TB以上も可能だが高価)。仕事で大量のデータを扱う私からすると、この2TBという容量は意外と少なく、かなり逼迫してきています。…どうしたものか。
そこで考えたのが、 オンプレミス(NASそのもの) + クラウドストレージ(NAS側の提供機能) の合わせ技。私はすでにNASとして、Synologyの『DiskStation DS218j』を使っているのですが、これをメインのストレージとして据え置くにはスペック的に心許ない。そこで、より高性能で多機能な新しいNASを導入しようと画策しているわけなのです。
NASとNAS提供のクラウドストレージ機能 + Dropbox
…の組み合わせで運用していくのだっ!
導入理由
NASの高機能化
NASをリリースしているメーカーといえば、私が使っているSynologyのほかにも、QNAP、NETGEAR、ASUSTOR…など、有名どころはいろいろあります。私はSynologyとQNAPぐらいしか使ったことがないのですが、とにかく最近のNASは、ホームユースやSOHO向けの製品でも非常に高機能化してくれています。
そんな中でも、とりわけソフトウェアに強いのがSynologyのNAS。
ハードウェアこそコンサバティブ(QNAPと比較すると地味で保守的すぎる)なのですが、ソフトウェアの作り込みはピカイチで、UIやUXが洗練されており、常によりよいシステムを提供しようという姿勢が垣間見えます。
SynologyのNASは、標準でクラウドストレージ機能(Synology Drive)を利用することが可能で、特に詳しい知識を必要せずとも、簡単にNASをクラウドストレージ化したり、WANからアクセスできるようになっています。
これが今回の狙いってわけやね?
うぬ!そういうことですなっ!!
LANの高速化
これはNASのクラウドストレージ化…というよりも、NASそのものをローカルで使うときの話になるのですが、比較的イニシャルコストを抑えてLAN環境を高速化できるようになったのも大きな理由。
安価なNASだと1GbE止まりですが、少し上のクラスになると10GbEに対応したRJ-45端子やSFP+端子を持っていたりします。
LANの外まで10GbE化しようとすると、まだハードルは高いのですが、LAN環境なら意外とそこまで大変ではなかったりする印象(メッシュネットワークを構築しなければ)。10GbE対応のスイッチングハブも、多くは数万円で購入可能です。余談ですが、一般家庭ならCategory 6A(Cat6A)が最適だと思っています。ノイズ対策のアースを取るなんて無理な話ですから、UTPケーブルのほうが安牌ではないでしょうか。
LANケーブルは闇が深いから…ねー。
『Cat7』のことを言ってます?
触らぬ神になんとやらだから、それはノーコメントあーるっ!
構成
実際に導入する想定で、NASの構成を仮で考えてみました。なお、無い袖は振れないので、そのうち…です。
普段の無駄遣いが祟りましたわね。
前述のとおり、メジャーなNASメーカーは数多ありますが、ソフトウェアの使いやすさから、今回もSynology製のものを採用します。HDDやSSDに関しては導入するタイミングによって変わるかもしれませんが、NASに関してはメーカーを決め打ちしています。
NAS
- 価格:約10万円
- 仕様
- CPU:AMD Ryzen V1500B
- RAM:4GB(最大32GB対応)
- ドライブベイ
- 3.5″ドライブベイ(SATA) ×6
- M.2ドライブスロット(NVMe) ×2
- 外部インターフェース
- RJ-45(1GbE) ×4
- USB 3.2 Gen 1 Type-A ×3
- eSATA ×2
NASに関しては、Synology『DiskStation DS1621+』で決めています。これを使いたいからNASを組みたいくらいなのです。
コンサバティブな印象のあるSynology。ですが、本機はCPUにx86アーキテクチャのRyzenを採用しており、Docker等の仮想環境構築目的でも非常に有用。キャッシュ用のM.2スロットもReadとWrite用に2基搭載されているので、高速化を見込めるのも嬉しいところ。個人的にはAC/DCコンバーターが内蔵されているのも好印象です。
かなりオールSSDでのNAS構築に向いているモデルだと思うのですが、残念なことに搭載されているRJ-45が1GbE止まり。ですので、10GbE接続をするには、後述するPCIe接続のNICが必要となってきます。
HDD
- 価格:約2.5万円(×6個)
- 仕様
- ストレージ:8TB
- キャッシュ:256MB
- 回転数:7,200rpm
- 接続インターフェース:SATA
HDDに関しては、信頼と実績のWestern Digital『WD Red Plus NAS Hard Drive 3.5"(8TB)』をセレクト。ちなみに6ベイなので、購入するとしたら6個買いです。
せっかくなので、同じくWestern Digital製のNAS向けSSD(WD Red SA500 NAS SATA SSD)も考えたのですが、どうしてもNASにSSDを採用するのに抵抗感があったので、無難にHDDを選択。Synologyのことをコンサバティブと言ってますが、私も結構なコンサバティブかも……。
SSD
- 価格:約2.3万円(×2個)
- 仕様
- ストレージ:400GB
- フォームファクタ:M.2(2280)
- 接続プロトコル:NVMe
- 接続インターフェース:PCI Express(3.0 ×4)
- 転送速度
- 128KB・QD32(Read):3,100MB/s
- 128KB・QD32(Write):550MB/s
- TBW:500TB
キャッシュ用のSSDとしては、Synology『SNV3400-400G(400GB)』を選択しました。いわゆる“純正品”というものです。
正直、Synology純正のSSDは割高なので、購入するのにちょっと躊躇する部分も無きにしもあらず。ただ、メーカーの製品互換リストには本機(SNV3400シリーズ)しか掲載されておらず、未検証のものをここで紹介するわけにはいかないので、一応ということで純正品を選んでいます。
NIC
- 価格:約3万円
- 仕様
- 接続インターフェース:PCIe(3.0 ×8)
- 外部インターフェース:RJ-45 ×2
- データ転送レート:10Gbps
- 搭載機能
- Link Aggregation
- Jumbo Frame
- TSO
- チェックサムオフロード
前述のとおり、DiskStation DS1621+に標準搭載されているRJ-45端子は1GbEまでしか対応していないので、Synology『E10G18-T2』を購入して、10GbEに対応させてあげます。
こちらもSynology純正なので、ちょっと価格はお高め。ただ、NICに関しては相性がすごく出るみたいなので、メーカーで正式対応を謳っている本機を選択するのが無難だと判断しました。同じタイプのSFP+版がありますがベンダーロックインの問題があるので、暫定的にRJ-45版を選んでいます。
まとめ「イニシャルコストさえクリアすれば導入したい」
NASもピンキリですが、強固な冗長性と高速化を図ろうとすると、やはりかなりイニシャルコストがかかってしまう感は否めません。ちなみに、今回紹介した構成だと約30万円ぐらい。
これだと、クラウドストレージでいいかな…となってしまいそうな予感。HDDの容量やNICを諦めて、20万円以下に収められそうなら導入するかもしれません。
予算確保しつつ、いろいろ練り直す必要がありそうであーる。
おまけ
HDDの容量を2TBに落としてNIC非搭載にしたら、8万円くらいは浮きそうな…うーむ。当面は1GbEでも許容して……。
NASのグレードは落とさないのですか?
DiskStation DS1621+が欲しいからNASを組むのであって、そこは一切譲れないポイントなのであーるぞっ!
NASを導入する動機が不純やねんけど。
まったくですわ……。
おわり
コストが…ねー。