- Anker GaN II採用で45WのPD出力でもここまで小型軽量になった!
- 美しいパッケージングと高いビルドクオリティにウットリしてしまう!
- 暗黒時代を乗り越えたAnkerが生んだUSB充電器のマイルストーン!
第2世代Anker GaN IIだ!
最大45W出力のUSB PD充電器、Anker『Anker Nano II 45W』をレビュー。窒化ガリウム搭載機がさらにパワーアップし、より小型軽量に。…その実力に刮目せよ!
一緒に変な声が漏れてるんやけどっ!?
Navitas Semiconductor社ではなく、Power Integrations社のGaN Power ICを採用しているのですね。…なるほど。
目次
本日のレビュー:Anker Nano II 45W
Anker Nano II 45Wってなに?
Anker第2世代の窒化ガリウムパワー半導体(Anker GaN II)を搭載した、最大45出力のUSB PD充電器。PowerIQ 3.0(Gen2)採用で、ダイレクトチャージ(PPS)にも対応。USBポートは合計1基搭載。
- 45W出力とは思えない小型設計
- GaN Power IC採用
- Quick Charge 4対応
- ダイレクトチャージ(PPS)対応
- 高いビルドクオリティ
- USB-Cに独自急速充電規格を内包
- 若干発熱が気になる筐体
Anker Nano II 45W | ||
---|---|---|
型番 | A2664N11 | |
メーカー | Anker | |
合計最大出力 | 45W | |
インターフェース | USB Type-C ×1 | |
急速充電 | USB-C | USB PD 3.0 Quick Charge 4 Apple 2.4A |
USB-C出力 | USB PD (PDO) |
5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・2.25A |
USB PD (PPS) |
3.3V–16.0V・3A 3.3V–21.0V・2.25A |
|
サイズ | 35×38×41mm | |
質量 | 68g | |
備考 | PowerIQ 3.0(Gen2)採用 GaN Power IC採用 PPS対応 |
Anker Nano II 45Wのスペック
ますます加速する、GaN搭載USB充電器決戦の本命候補が降臨!
一時期の暗黒時代が嘘のような、取り回しと使い勝手の良さがあって、やっとAnker“らしさ”が帰ってきたような気がするぞぞぞ!!
デザイン
本体:第2世代GaNは小さく美しい
サイズ | 35×38×41mm |
質量 | 68g |
Anker Nano II 45Wのサイズと質量
Anker Nano II 45Wのサイズは 35×38×41mm で、重さは68g。
Ankerは以前から『窒化ガリウムパワー半導体(GaN Power IC)』を積極的に採用していますが、本機ではさらにパワーアップ。第2世代となる『Anker GaN II』を搭載しており、小型化・低発熱化をより高めてきました。
しかも、Ankerなのに黒い!
黒は負けハード!安定の黒!!
…全然関係ないですし、いつの時代のことを言っているのやら。
本体前面には、USB Type-C(×1)、を搭載。
USB Type-Cポートは最大45W出力で、Anker独自の『PowerIQ 3.0(Gen2)』に対応。それにより、『USB PD 3.0』・『Quick Charge 4』・『Apple 2.4A』に対応しています。また、ダイレクトチャージである『PPS』もサポートしています。
本体後面には、スイングプラグ方式のACプラグ、を搭載。
小型軽量・高出力を謳っている本機ですが、ちゃんとストレートプラグではなくスイングプラグを採用しています。ちなみに本シリーズの30Wタイプ(Anker Nano II 30W)のみ、ストレートプラグだそう。なお、本機はこの面に仕様や認証関係のプリントがされています。
本体上下面(天面・底面)には、何もありません。
本体左面には、「Nano II 45W」とプリントされています。
超どうでもいいことですが、このフォント感といい、“45W”という文字を細い丸括弧で囲っているところといい、どことなくAppleライクな雰囲気を醸し出しています。あ、でも、Anker社創業の経緯から考えると、Appleというよりかは『Google』ライクと形容するほうが正しいのかもしれません。
Anker製品はApple Storeでも取り扱ってるから、やっぱりAppleライク…かなー!?
うーん、どっちでもいい!
USBポート
USB Type-C | |
合計最大出力 | 45W |
最大出力 | 45W |
ポート数 | 1 |
Anker Nano II 45WのUSBポート数・最大出力
Anker Nano II 45WのUSBポート各種仕様については上表のとおり。
合計最大出力は45W。USBポートはType-Cの1ポートしか搭載されていないので、当然ですが、USB Type-Cの最大出力も45Wになります。USBポートが1基構成の充電器はこのあたりが単純明快で、最大出力のことを何も気にせずに使えるのが利点。
Anker的にも、「Apple純正のUSB PD充電器の代替として使ってねー!」感があるから、USBポート1基構成なのかもですなー。
付属品:中は普通で外が豪奢
■付属品一覧
- 取扱説明書
Anker Nano II 45Wの付属品は、取扱説明書、のみ。
取扱説明書(ユーザーマニュアル)に関しては、いつものAnker製品という感じなので、取り立てて語ることもありません。
それよりも注目したいのが、中にUSB PD充電器が入っているとは考えづらいほど豪奢なパッケージデザイン。
なんと、蓋がマグネットになっており、そこを開くと製品とご対面できるという、いかにもコストがかかってそうな作りになっていました。きっと、それだけ『Anker Nano II』シリーズに力が入っているのでしょう。
こういうデザインだと、パッケージも残したくなるから困るのであーる。
測ってみた
USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
テスターで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時には、ソース(Anker Nano II 45W)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済でeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker Nano II 45Wで接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・3A 15V・3A 20V・2.25A |
Anker Nano II 45WのPDO
Anker Nano II 45WのPDOは上表のとおり。
USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは、本体裏面や取扱説明書に記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時には、しっかりと3A出力されていることも同時に確認できました。
うんうん!ばっちりの完璧さんですなっ!!
PPS
Revision | Power Delivery 3.0 |
PPS | 3.3V–16.0V・3A 3.3V–21.0V・2.25A |
Anker Nano II 45WのPPS
Anker Nano II 45WのPPSは上表のとおり。
PPSもPDOと同様に、本体や取扱説明書に記載されているものと差異はありませんでした。出力されたPPSの電圧可動範囲も、しっかりと仕様範囲内に収まっています。
これは…15V Progと20V Progですなっ!
あとはPPS対応のデバイスが増えることを祈るばかりですわね。
ほんと、そうなのであーる。
急速充電規格
USB Type-C |
Quick Charge 4 Apple 2.4A |
Anker Nano II 45Wの急速充電規格
Anker Nano II 45Wが対応している急速充電規格は上表のとおり。
PowerIQ 3.0(Gen2)対応を謳っているので、やはり『Quick Charge』と『Apple 2.4A』が検出されました。USB Type-Cから、USB PD以外の独自急速充電規格が出てしまっているので、超神経質な人は気になるかもしれません。
検出されたQuick Chargeプロトコルは『Quick Charge 4』なので、とりあえずはUSB PDと互換性が保たれている形。なお、Quick Charge 4はUSB PDと互換性がある代わりに、レガシーなQuick Chargeとの後方互換性がありませんので、その点は注意しておきましょう。
『Quick Charge 4+』じゃなくて、『Quick Charge 4』って…意外と珍しい気がするぞっ!?
現行は『Quick Charge 5』なんよね?
うぬっ!こっちは100W以上出力可能なのであーる!
とか言ってるうちに、USB PDも『EPR』で240Wまで出せるようになるんだけどねー。
…恐ろしい時代やね。
使ってみた
45Wの小さなAnker集大成
この『Anker Nano II 45W』は、小さい。とにかく小さい。小型。
Ankerといえば、USB充電器やモバイルバッテリーの市場を、黎明期から走り続けているトップランナー。しかし数年前から、競合他社の猛追、独自規格『PowerIQ 3.0』の謎仕様(PDOに5V・2.4Aが検出される規格違反)…などなど、一時期のAnker製品はユーザーからすると“暗黒時代”とも言えるほどに迷走していたように思える。
そういうこともあり、今回のAnker Nano II 45Wに関しても、少しばかり心配していたところはありました。
ところが、いざ実際に使ってみると、そんな心配は杞憂に終わったのでした、安堵。Ankerも気合が入っているのか、このAnker Nano II 45Wは恐ろしいほどに出来が良いのです。
単に小型軽量で高出力というだけではなく、細部にわたる作り込みの良さやパッケージデザインのおもてなし感。総合力の高いUSB PD充電器が、このAnker Nano II 45Wであるということ。この何もかもに、Ankerの集大成を感じてしまったわけなのです。ですなの。
小型 + 高出力 = 正義
Anker Nano II 45Wのような、小型筐体ながら高出力を持つUSB PD充電器というのは、ありとあらゆるデバイスがUSB充電できるようになった昨今では“正義”である。
Apple純正の『20W USB-C電源アダプタ』と比べると…ご覧のとおり。
Apple純正のUSB PD充電器は20W出力。今回レビューしているAnker Nano II 45Wは45W出力。あとはお察しです。
Samsungの『45W Travel Adapter』と比べても小さい。
45W Travel Adapterも、USB PD PPS対応で一時期重宝していたのですが、どうしても非スイングプラグなのが取り回し難でした。これでようやく役目が交代となりそうです。
Samsungも窒化ガリウムを使った充電器を発表したから、今度はそっちも買わないといけないのであーる。
無駄遣いの極みやね……。
謎の義務感。
QC 4とUSB PD PPSの両対応
■対応している急速充電規格
- USB PD PPS
- Quick Charge 4
- Apple 2.4A
ここは賛否が分かれるところではあるけど、『USB PD PPS』と『Quick Charge 4』の両方に対応しているのは個人的にはアリ。(『Apple 2.4A』は個人的には不要だけど)
とはいえ、Quick Charge 4は、USB PDとの互換性を保つために、Quick Charge 3.0以下の後方互換性をバッサリと切っているので、思っている以上に対応機種が限られてくる点は注意が必要です。
Quick Charge 4のQCもPPSみたいなものだからねー。
確か、QCモードとPDモードが搭載されていて、PDモードなら5Vと9V、QCモードなら 3.6–20V 内を20mVでステッピングするのですよね?
そんな感じだったと思われる!
Quick Charge 5もPPS路線を継承するみたいだし、これが落とし所になるなら、とりあえずのPDとQCの共存はできそうな感じですなー。
まとめ「暗黒時代の乗り越えたAnkerの光」
そういうわけで、今回のAnker『Anker Nano II 45W』のレビューを総括すると、
- 質実剛健なAnkerらしい製品が帰ってきた
- 最高のおもてなし精神を感じるデザイン
- 45W出力でこの小型軽量さなら不満ナシ
- QC 4とPPSの両対応が嬉しい限り
…という感じ。
小型軽量で45Wという、ほどほどの良い高出力。そして、工業製品としてのビルドクオリティの高さ。美しさとUXを高めたパッケージデザイン。…まさに“これぞAnker”という感じが帰ってきた瞬間なのです。たぶん。
今や他社のUSB PD充電器を見渡しても、なかなかに魅力的な製品がぽこじゃかリリースされてきています。そんな中、開拓者であるAnkerがそのらしさを取り戻してきたので、よりこの界隈が面白くなってきそうです。とにかく、「買って損なし」と言い切れる良充電器でした。
これは『Anker Nano II 65W』の登場が楽しみになってくるぞっ!
おまけ
気づけば、右も左もPPS対応のUSB PD充電器が増えたっ!
あとはデバイスが対応してくれれば…なのですよね?
うぬっ!
Qualcomm縛りになるけど、Quick Charge 5の仕様を見てると、PPSの普及や発展は見込めそうなのであーる。
そうなると、残るはノートパソコンやね。
うむむ…そっち界隈も追いかけないとですなー。
おわり
ち…小さいぃいい!!!ぴゃおーん!!