- にわかオーヲタが“スマホのDAP化”について考える!
- DAP代わりにするには欠点を克服する必要がある!
- スマホで音楽を聴くならXperiaかROG Phoneが良き!
— ストリーミング中心ならスマホ —
スマホとDAPの両方で音楽を聴いていて思うのが、「スマホはDAP代わりになるのか?」ということ。当然、単に音楽を聴くだけなら可能ですが、どこまでDAPに近づけるのか。それを利点と欠点を踏まえて、にわかオーヲタが考える話。
“取り回しの良さ”と“音質”の両立が課題ですな。
あとは、どこを妥協するかですわね。
目次
「スマホはDAP代わりになるか?」という問題
非常に趣味性の高い『ポータブルオーディオ』というカテゴリーにおいて、この問いに対する一意的な答えを出すのは困難を極める。
音源は何なのか、どのアプリを使って聴いているのか、無線なのか有線なのか、どこまで音質を求めているのか。このように、評価基準が数多存在していることから、ユーザーによってアリ・ナシの判定というのが大きく変わってくるのは明白です。
とはいえ、「人による」と言ってしまうとそれまで。ですので、本稿ではスマホでもDAPでも音楽を聴いているいちユーザーとして、「ちょっと音にこだわる人がスマホをDAP代わりにするのはどうなのか」ということを考えていきます。
「ちょっと音にこだわる」がポイントなんよね!
「音楽が聴けたらそれでいい」でもなく、「音質こそが最重要」でもない、ということですね。
スマホをDAP代わりにする利点と欠点
まずは、スマホをDAP代わりとして使う際の利点と欠点を考えていきます。
今更感…ですなー。
ま、そういうのは言いっこナシで!
スマホをDAP代わりにする利点
- デバイス単体でセルラー通信が可能
- スペックが高いので動作が軽快
- 多くのBluetoothコーデックが利用可能
スマホをDAP代わりにした際の利点として、上掲のような項目が挙げられます。
最大の利点と言えるのが、デバイス単体でセルラー通信ができるので、音楽ストリーミングサービスを、モバイルルーターやテザリングを利用しないで使えること(スマホなので当たり前ですが)。
中には、SIMカードスロット搭載のDAPもあることにはある(『HiBy R8SS』等)のですが、その数はかなり少ない。なので、ここは大きな利点。
また、アプリ自体が異常に重たい『Amazon Music』であっても、それなりのスペックを持っているスマホであれば、かなり軽快に動かすことができる。
Amazon MusicをSoCやRAMが非力なDAPで動かすと、ひとつひとつの動作におけるモッサリ感が凄まじく、ストレスがこの上なく溜まるのです。なので、スペックの高さも加点要素。
とどのつまり、スマホをDAP代わりにする利点は「気軽かつ軽快に音楽を聴ける」、ということになります。
謎なほどに『Amazon Music』アプリは動作が重たいですよね。
そうなんよね。
DAP側のスペックが低くて、Amazon Music HDの音源が意図せずダウンサンプリングされる問題もあったくらいやからね(おそらくRAMが原因)。
スマホをDAP代わりにする欠点
- イヤホンジャック非搭載の機種が大半
- microSDカードスロット非搭載機種の増加
- 専用DACチップ非搭載の機種が大半
- ビットパーフェクト再生がほとんどの機種で不可能(Android)
- ボリューム調整が大味(Android)
スマホをDAP代わりにした際の欠点として、上掲のような項目が挙げられます。
『イヤホンジャック(φ3.5mmステレオミニ)』と『microSDカードスロット』が搭載されていない。なぜかハイエンドスマホほどこの傾向が顕著なのですが、この2つが非搭載というのは、DAP目線ではいただけない欠点でしょう。
また、一部機種を除いて、DACチップや高音質化技術が搭載されていないため、どうしても有線接続での音質に物足りなさが出てしまうこともあります。
加えて、イヤホンジャックは搭載されているものの、そこから出る音が良くない端末も結構あったりするのです。
そして、Androidスマホの場合、AOSPにおける『SRC[*3]』の仕様上、オーディオ出力が48kHz/16bit(or 48kHz/24bit)に制限されてしまい、いわゆる『ビットパーフェクト再生』ができない場合がほとんど。これではハイレゾ音源をフルに楽しめません。
このSRCそのものについては回避可能なのですが、ここの対策が取られているスマホはかなり少なく(おそらくXperiaぐらい)、高音質で聴くという意味では大きなボトルネックになっております。
とどのつまり、スマホをDAP代わりにする欠点は「DAPに求められる根幹機能の実装が乏しい」、ということになります。
USB DACを使ってもOKなら、iPhoneのほうがハイレゾ出しは楽だよねー。
その代わり、Bluetoothコーデックが貧弱になっちゃうけどね。
スマホのDAP化へのソリューション
スマホをDAP代わりにしようとした際、
- セルラー通信が可能なので気軽に使える
- 比較的高性能なので快適に使える
- イヤホンジャックやmicroSDカードスロットがない
- 高音質化に寄与するハード/ソフト的要素が乏しい
- Androidの場合ビットパーフェクト再生が困難
という、利点・欠点がハッキリしました。
利点については良いとして、これだけ欠点が列挙されてしまうと「スマホをDAP代わりに使うのは“ナシ”だ」とガッカリしてしまうでしょう。
しかしながら、上掲の欠点については、DAP代わりとなるスマホ選びさえ間違えなければ、ほぼすべての欠点が解消されるのです。
とどのつまり、
- イヤホンジャック → あるスマホを選ぶ
- microSDカードスロット → あるスマホを選ぶ
- 高音質化の要素 → あるスマホを選ぶ
- ビットパーフェクト再生 → できるスマホを選ぶ
と、なれば万事解決。
もちろん、予算や好みの問題から、全部が全部…というのは難しいかもしれません。とはいえ、可能な限り欠点が解消できるスマホを選ぶようにすれば、スマホをDAP代わりに使うことに関して、 ナシ → アリ へとシフトチェンジできるでしょう。
DAP代わりにする“スマホ選び”が肝心なんよね!
なーるのほーど。
DAP代わりとして薦めたいスマホ
[1]Sony『Xperia 1 III』
Xperia 1 III | |
---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 888 5G |
RAM | 12GB |
ROM | 512GB |
イヤホンジャック | 搭載 |
microSDカードスロット | 搭載 (microSDXC・最大1TB) |
高音質化要素 | DSEE Ultimate |
ビットパーフェクト再生 (SRC回避) |
対応 |
Hi-Res Audio | 認証済 |
Xperia 1 IIIの主な仕様
※型番:XQ-BC42
スマホをDAPとしても使うのであれば、Sony『Xperia 1 III』がベストバイ。
最近のXperiaシリーズは、Androidスマホでありながら、SRCを回避しビットパーフェクト再生ができるように作られております。しかも、Xperia 1 IIIに搭載されているイヤホンジャックは、ボリュームを上げても音が歪みづらい作りになっています。なので、有線派にもおすすめ。
専用DACチップこそないものの、Sonyの高音質化技術『DSEE Ultimate』が採用されており、WALKMANの血が流れているといっても過言ではないでしょう。
[2]Sony『Xperia 10 III Lite』
Xperia 10 III Lite | |
---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 690 5G |
RAM | 6GB |
ROM | 64GB |
イヤホンジャック | 搭載 |
microSDカードスロット | 搭載 (microSDXC・最大1TB) |
高音質化要素 | DSEE Ultimate |
ビットパーフェクト再生 (SRC回避) |
対応 |
Hi-Res Audio | 認証済 |
Xperia 10 III Liteの主な仕様
※型番:XQ-BT44
「Xperia 1 IIIは良いと思うけど、価格が高い(Xperia 1 IVも出そうだし)」というのであれば、同じくSonyの『Xperia 10 III Lite』がおすすめ。
端的に言ってしまえば、Xperia 1 IIIとオーディオ性能はほぼ一緒。もちろん、削られている要素もありますが、Xperia 10 III Liteも『ビットパーフェクト再生』対応で『DSEE Ultimate』搭載です。Bluetoothコーデックも充実しています。
元の価格は約46,800円(税込)なのですが、『楽天モバイル』や『IIJmio』を利用し、携帯回線とセットで購入すれば 1万円台後半 〜 2万円台前半 で入手可能です。
[3]ASUS『ROG Phone 5s』
ROG Phone 5s | |
---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 888 Plus 5G |
RAM | 16GB |
ROM | 512GB |
イヤホンジャック | 搭載 |
microSDカードスロット | 非搭載 |
高音質化要素 | ESS製DAC搭載 |
ビットパーフェクト再生 (SRC回避) |
非対応 |
Hi-Res Audio | 認証済 |
ROG Phone 5sの主な仕様
※型番:ZS676KS-BK512R16
ビットパーフェクト再生を諦めても良いのであれば、ASUSの『ROG Phone 5s』という選択肢もアリ。
本機にはESS製のハイエンドDACが搭載されているので、有線派であれば有力な候補になります。ビットパーフェクト再生については、ロスレス音源しか聴かない人(やハイレゾを信じていない人)であれば、気にならない点と言えるかもしれません。このあたりはお好みで。
まとめ「スマホ“次第”でDAP代わりになる」
「スマホはDAP代わりになるのか?」という問いに対してのアンサーは、「スマホ“次第”でDAP代わりになる」ということです。
余談ですが、私は『 Xperia PRO-I』 + 『Astell&Kern PEE51』 という組み合わせを、メインのDAPスマホとして使っています。バランス出力はできませんが、ね。
SIMカードが挿せるWALKMAN…もあれば面白いんやけどね。(設計思想的に開発部隊が嫌がりそうだけど)
おまけ
φ3.5mmがあるXperia PRO-Iで、USB DAC…ですか!?
いやぁ、Astell&Kernの音が好きなんよね。
ちょっと蛇足感がある気がするーる。
まぁ…ね。
おわり
*1スマホ:『スマートフォン』の略↩
*2DAP:『デジタルオーディオプレーヤー』の略↩
*3SRC(Sample Rate Conversion):Androidのサンプルレート変換↩
ストリーミング中心なら『スマホ』。
リッピング中心なら『DAP』。
…だとは思うんやけどね。前提として。