WH-1000XM4 vs WH-1000XM3 比較レビュー:新旧ANCヘッドホン決定戦と変更点

WH-1000XM4 vs WH-1000XM3 比較レビュー:新旧ANCヘッドホン決定戦と変更点
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記事のポイント
  • 新旧WH-1000XMシリーズを徹底比較!
  • WH-1000XM4はANCヘッドホンの最高峰となった!
  • 実はWH-1000XM3を今さら狙うポイントもある!

WH-1000XM3 → WH-1000XM4 乗り換えはアリ?

SonyのANC搭載ワイヤレスヘッドホン『WH-1000XM3』と『WH-1000XM4』を比較レビュー。現行機ユーザーは、新型WH-1000XM4への乗り換えに悩んでいる人も多いはず。そこで“どう変化したか”をチェックしてみます。

さたえり

どっちも持っていないなら、

  • WH-1000XM3:2万円台で買えるならアリ
  • WH-1000XM4:4万円出せるならおすすめ

って、感じになるかな!

まの

新型が優れているのは当然ですが、問題は価格差ですからね。

二条ねこ

変化が少ないなら、乗り換えなくでもいいもんねー。

WH-1000XM4 vs WH-1000XM3

WH-1000XM4 & WH-1000XM3

WH-1000XM4 & WH-1000XM3

■WH-1000XM4概要

  • 1000Xヘッドホン第4世代
  • 2020年9月発売
  • アクティブノイズキャンセリング搭載
  • ワイヤレス(Bluetooth)ヘッドホン

■WH-1000XM3概要

  • 1000Xヘッドホン第3世代
  • 2018年10月発売
  • アクティブノイズキャンセリング搭載
  • ワイヤレス(Bluetooth)ヘッドホン

今回比較レビューする、

の簡単な概要は上記のとおり。

製品名(型番)から分かるように、WH-1000XM4はWH-1000XM3の後継機種として、2020年9月に発売されたばかりのアクティブノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドホン。先代のWH-1000XM3は、2018年10月発売。なので、約2年の間にどれだけの進化が表れているか、ここが本比較レビューのキモとなってくるわけです。

比較レビューをする上で事前に断っておかないといけないのが、WH-1000XM3のほうはすでに“生産完了”のアナウンスがされているという点。なので、本比較レビューを見て、「WH-1000XM3が欲しい」と思った人は、市場から消える前に購入することをおすすめします。

さたえり

WH-1000XM3もWH-1000XM4も過去にレビュー済やから、詳細なレビューは下記のリンクを参考にしてみてやよ!

【レビュー】Sony『WH-1000XM4』—ANC+Bluetoothヘッドホン最高峰にして完成形

【レビュー】Sony『WH-1000XM4』—ANC+Bluetoothヘッドホン最高峰にして完成形

2020年9月9日

【レビュー】Sony『WH-1000XM3』—有線&無線で音楽が止まらない“着る”ノイキャンヘッドホン

【レビュー】Sony『WH-1000XM3』—有線&無線で音楽が止まらない“着る”ノイキャンヘッドホン

2019年10月29日

比較レビュー4番勝負

■比較レビューのお品書き

  • 【比較1】デザイン
  • 【比較2】ノイズキャンセリング
  • 【比較3】音質
  • 【比較4】機能性

【比較1】デザイン

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

  • WH-1000XM4:★★★★★
  • WH-1000XM3:★★★★☆

※両者の違いを5段階で評価。

比較レビューの1つめは、デザイン対決

デザインそのものは個人的嗜好があるので、優劣を決めることはせず、同じシリーズ製品としてデザインの統一感や、意匠の美しさとして見たときにどうかをチェック(その結果が上記の★マーク)してきます。

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

■WH-1000XM4のデザイン

  • スライダー:マット塗装
  • アーム:マット塗装
  • ハウジング:マット塗装

■WH-1000XM3のデザイン

  • スライダー:サラサラのプラ素材
  • アーム:サラサラのプラ素材
  • ハウジング:マット塗装

WH-1000XM4とWH-1000XM3のデザイン上の違いをまとめると上記のとおりで、WH-1000XM4のほうが意匠としての統一感が出ていると判断できます。

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

WH-1000XM4もWH-1000XM3も、ヘッドホンのしてのデザイン性は非常に高いものとなっていますが、WH-1000XM4のほうがよりブラッシュアップされたと言えるはず。また、細かいところですが、イヤーパッドの構造に若干の改良がWH-1000XM4では行われており、装着感がWH-1000XM3よりも良くなっています。

【比較2】ノイズキャンセリング

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

  • WH-1000XM4:★★★★★
  • WH-1000XM3:★★★★☆

※両者の違いを5段階で評価。

比較レビューの2つめは、アクティブノイズキャンセリング性能

このアクティブノイズキャンセリング性能については、明らかにWH-1000XM4のほうが優れていると言える。ここが約2年のブランクで進化したと言える最大のポイントでしょう。

旧機種WH-1000XM3のアクティブノイズキャンセリング性能も、同ジャンルのヘッドホンを比較するとトップクラスの性能を誇っていました。ただ、WH-1000XM4が、その性能をさらに上回ったわけです。WH-1000XM4のアクティブノイズキャンセリング性能は、全アクティブノイズキャンセリング搭載ヘッドホンの中でも、頂点に立つヘッドホンと言えるでしょう。

さたえり

WH-1000XM4のノイキャンをひとことで表すと…“圧倒的静寂感”やね!

WH-1000XM

WH-1000XM

WH-1000XM4とWH-1000XM3の違いという面で見ていくと、WH-1000XM3が苦手としていた中音域のノイズ(日常の環境音や人の声)のキャンセリング性能が向上しているように思えた。特に、WH-1000XM4では、ヘッドホンを装着した瞬間の静寂感というのが大いに増している印象。ただ、低音域のキャンセリングの向上は微々たるものなので、そこに関しては注意が必要かもしれません。

【比較3】音質

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

  • WH-1000XM4:★★★★★
  • WH-1000XM3:★★★★☆

※両者の違いを5段階で評価。

比較レビューの3つめは、肝要な音質について。

WH-1000XM3

WH-1000XM3

Sonyストアで伺ったのですが、WH-1000XM4とWH-1000XM3のドライバーユニットは同じものとのこと。なので、音質の違いについては、より良くなっているがそれはソフトウェア的な処理のおかげで、劇的に良くなったかは人によって感じ方が変わる…という感じ。

あくまで個人的な所感では、WH-1000XM4のほうがWH-1000XM3よりも、低音域のシャープさが増した印象を受けています。

WH-1000XM4

WH-1000XM4

WH-1000XM3も、アクティブノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドホンとしてはトップクラスの音質を誇っていたので、不満らしい不満は特になかったりします。WH-1000XM4ではその音質をベースにして、低音域のくぐもった感じがより取り払われた、というイメージ。このあたりはプラシーボもあると思うのであまり声を大にして言えないのですが、低音域の解像感はWH-1000XM4のほうが上と個人的には判断しています。

【比較4】機能性

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

左:WH-1000XM4 右:WH-1000XM3

  • WH-1000XM4:★★★★★
  • WH-1000XM3:★★★☆☆

※両者の違いを5段階で評価。

比較レビューの4つめは、コンパニオンアプリやヘッドホンそのものの機能性について。

  WH-1000XM4 WH-1000XM3
主要機能 ANC
ヒアスルー
装着検出 ×
クイックアテンション
スピーク・トゥ・チャット ×
Google Fast Pair ×
NFC
マルチポイント
Headphones Connect APP
DSEE DSEE Extreme DSEE HX
Bluetooth コーデック SBC
AAC
LDAC
SBC
AAC
aptX
aptX HD
LDAC
Hi-Res Hi-Res Audio
Hi-Res Audio Wireless

WH-1000XM4とWH-1000XM3の機能比較表

WH-1000XM4とWH-1000XM3の機能的な変更点や追加点を、上表にまとめてみました。

WH-1000XM4

WH-1000XM4

WH-1000XM4で新たに追加されたのが、

  • 装着検出:着脱に応じて楽曲の再生・停止が行われる
  • スピーク・トゥ・チャット:会話時に自動認識で 音楽停止 + 外音取り込み切替
  • Google Fast Pair:Android 6.0以上なら簡単接続

という3機能。

それに加えて、マルチポイント機能も進化。WH-1000XM4では、2台に接続中デバイスを同じBluetoothプロファイルでマルチポイント接続できるようになっています。WH-1000XM3では、違うBluetoothプロファイルでしかマルチポイントできなかったので、この点は微妙な進化ながら、かなり実用度が高まったポイントだったりします。

対してWH-1000XM4で劣化したのが、Bluetoothコーデックから『aptX』と『aptX HD』がオミットされてしまったこと。Sony的には意図的に外した感があるのですが、今まで同Bluetoothコーデックで接続していたユーザー(特にAndroidユーザー)は、LDACに移行するかAACで妥協する必要が出てきてしまいました。Bluetoothコーデックは多いに越したことはないので、WH-1000XM4で多様性が失われたのは残念ポイント。

さたえり

これはSonyの方針っぽいんよね。

二条ねこ

ほかの機種でもaptXが消えていってるもんねー。

それぞれおすすめできる人

WH-1000XM4:価格が高くてもよい&aptXコーデック不要派

WH-1000XM4:価格が高くてもよい&aptXコーデック不要派

新機種であるWH-1000XM4がおすすめな人は、価格が高くてもよいから最高のスペック(Bluetoothコーデックを除く)に移行したい人

iPhoneやWALKMANユーザーであれば、aptX系Bluetoothコーデックとは無縁の生活を送っているはずなので、それらをお使いの人であれば、素直にWH-1000XM4を買ってしまうのがおすすめ。もちろん価格は高いですが、こういうデジタル製品は新鮮な間に飛びつくのが最適解とも言えるので。

WH-1000XM3からの買い替え、という観点では、WH-1000XM3のリセールバリューがメルカリなどを見ていると2万円弱なので、結構な追い金が必要になってくることは要熟慮。これからWH-1000XM3の中古市場の価格が急落してくると思うので、もし買い替えるなら早めに決断するのがおすすめです。

WH-1000XM3:型落ちでも気にしない&aptXコーデック必要派

WH-1000XM3:型落ちでも気にしない&aptXコーデック必要派

旧機種であるWH-1000XM3がおすすめ…というか、こちらでもよい(乗り換えなくてよい)と言える人は、WH-1000XM4の進化に魅力を感じない人aptX系Bluetoothコーデックが必須な人

価格は別として、基本的にはWH-1000XM4のほうがWH-1000XM3よりも勝っています。これは新機種なので、当然といえば当然。

ただ、現時点では、約1.5万円の価格差があることや、aptX系のBluetoothコーデックがごっそりオミットされてしまったので、WH-1000XM4に飛びつくべきかと聞かれれば、これはこれで難しいところ。正直、WH-1000XM3が2万円台で手に入るなら、どちらも持っていないユーザーであれば、WH-1000XM3でもよいかもしれません。

まとめ「aptX“以外”はWH-1000XM4がおすすめ」

aptXコーデック不要なら、素直にWH-1000XM4を買うべき。

aptXコーデック不要なら、素直にWH-1000XM4を買うべき。

そういうわけで、Sonyのアクティブノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン2機種(WH-1000XM4・WH-1000XM3)を比較レビューしてきました。

今回の比較レビューを総括すると…

という感じ。

WH-1000XM4がaptX・aptX HDが対応していれば、安価にWH-1000XM3が買えるようになっているという点を除けば、ほぼすべて勝っていたのですが、微妙に削ってきたのが悩みどころと言えるかもしれません。ただ、個人的にはWH-1000XM4がおすすめです。

さたえり

SonyはaptX系を排除していく方向みたいやね。LDACを推したいからかな!?

この記事で紹介したガジェット

おまけ

まの

Bluetoothコーデックは難しいところですわね。

二条ねこ

スマートフォンがLDACを積極採用すれば、万事解決なんだけどねー。

さたえり

それを言っちゃうと、iPhoneさんは……。

二条ねこ

…なっ!?

まの

AAC止まり……。

おわり