この記事はSOUNDPEATS JAPAN様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- SOUNDPEATS『Mini Pro』 = 安価だけど多機能
- ノイキャンもヒアスルーも低遅延モードも…全部搭載
- タッチセンサー式の操作系は癖があるので慣れが必要
完全ワイヤレスイヤホン、SOUNDPEATS『Mini Pro』をレビュー。約7千円と安価ながら、ノイキャン・ヒアスルー・低遅延モードを全部搭載。しかも、スマホアプリやaptX Adaptive接続にも対応。…“安いけど全部入り”なのです。


パッケージもかわゆいっ!

入門機として導入するのも良いかもしれませんわね。
Mini Pro

Bottom line
約7千円という価格ながら、ノイズキャンセリングとヒアスルーを搭載しており、完全ワイヤレスイヤホンの入門機や高級イヤホンのサブ機として、非常に使いやすい。
低遅延モード(ゲームモード)も搭載しているため、リップシンクが重要な動画視聴やモバイルゲームにも最適。
付属のイヤーピースは癖が強くて遮音性に欠けるので、ノイズキャンセリング性能を高めるためにも、他社製のハードなイヤーピースに交換するのがおすすめ。
Score
- Price 9.5
- Design 6
- Sound 7.5
- Function 9
- Usability 5
- Battery 6.5
ここがすき!
- キレのある価格以上のサウンド
- ノイズキャンセリング機能搭載
- 低遅延モード搭載
- スマートフォンアプリ対応
- aptX Adaptiveコーデック対応
ここがうーん?
- タッチセンサー操作が複雑
- 外での風切り音が目立つ
- 好みが分かれるイヤーピース
目次
本日のレビュー:SOUNDPEATS Mini Pro


ノイズキャンセリング機能と低遅延モードが搭載されているのに、約7千円という安さが魅力!
微ドンシャリで元気な音質だけど、ツンとした感じもするから、ダイナミックでシャープな音が好きなユーザー向けのイヤホンやね!!
概要&特長
SOUNDPEATS『Mini Pro』は、音元出版主催のAV機器アワード『VGP2022 SUMMER』の金賞を受賞した、コストパフォーマンスに優れる完全ワイヤレスイヤホン。
- 安価ながらノイズキャンセリング機能搭載
- 『aptX Adaptive』コーデック対応
- バイオセルロース採用のダイナミックドライバー
- cVc 8.0ノイズリダクション採用のマイク
- ヒアスルー機能・低遅延モードを搭載
- スマートフォンアプリ『SOUNDPEATS』対応
下は数千円、上は数万円。完全ワイヤレスイヤホンの価格帯も広がってきましたが、SOUNDPEATS『Mini Pro』は、約7千円と比較的安価な部類に入る製品。
しかし、安価だからといって機能が乏しいなんてことは一切なく、ノイズキャンセリング機能・ヒアスルー機能(外音取り込み機能)・低遅延モード(ゲームモード)、という3つの機能をしっかりと搭載。また、高価な完全ワイヤレスイヤホンに搭載される傾向のある、スマートフォンアプリやaptX Adaptiveコーデックにも対応しています。
スペック
SOUNDPEATS Mini Pro | |
---|---|
![]() |
|
オーディオ | |
---|---|
ドライバー | ダイナミック └ φ10mm |
再生周波数帯域 | 非公表 |
インピーダンス | 非公表 |
Bluetooth | |
---|---|
Bluetooth Ver. | Bluetooth 5.2 |
コーデック | SBC AAC aptX aptX Adaptive |
プロファイル | A2DP AVRCP HFP HSP |
バッテリー | |
---|---|
イヤホン単体 | 最大7時間 └ 各45mAh |
イヤホン+充電ケース | 最大21時間 └ 300mAh |
搭載機能 | |
---|---|
ノイズキャンセリング | 搭載 |
ヒアスルー | 搭載 |
低遅延モード | 搭載 |
近接センサー | 非搭載 |
左右独立受信方式 | 対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
急速充電 | 非対応 |
防塵防水 | 対応 |
コンパニオンアプリ | 対応 └ アプリ:SOUNDPEATS |
インターフェース | |
---|---|
イヤホン | - |
充電ケース | USB Type-C ×1 |
ボディ | |
---|---|
イヤホン | 約18×17×26mm |
約4.97g | |
充電ケース | 約59×26×43mm |
約32.53g |
デザイン
本体

| イヤホン | 充電ケース |
サイズ | 約18×17×26mm | 約59×26×43mm |
質量 | 約4.97g | 約32.53g |
サイズ感は非常にコンパクトで、他社で言うところのAirPods Proぐらい。完全ワイヤレスイヤホン全体で考えても、かなりモビリティは優れています。
ブラック(レビュー機)
ホワイト
カラーバリエーションは、以上の2色展開。
『ブラック』も『ホワイト』も、いわゆる“普通の黒と白”といった感じです。
- LEDインジケータ
- タッチセンサー
- Pogo Pin(メス)
イヤホン本体のシェル形状は、いたってベーシック。若干小ぶりに作られているので、耳の小さなユーザーでも無理なく装着可能でしょう。
リモコンはタッチセンサー方式を採用。イヤホンの着脱に応じ、自動的に再生/停止が作動する近接センサーは非搭載。左右独立受信機構(片耳モード)が搭載されているため、Lch/Rchのどちらか一方だけでも利用することが可能です。
- LEDインジケータ
- USB Type-C(充電専用)
- Pogo Pin(オス)
イヤホン本体と同様に、充電ケースもコンパクトな作り。好みが分かれることのないような、シンプルなデザインになっています。
ケースへの充電は、USB Type-Cを採用。Qi規格のワイヤレス充電には、対応しておりません。
キーアサイン
| Lch | Rch |
再生/停止 | (2回押し) |
(2回押し) |
曲送り | | (1.5秒長押し) |
音量アップ | | (1回押し) |
音量ダウン | (1回押し) |
|
ノイズキャンセリング ヒアスルー |
(1.5秒長押し) |
|
低遅延モード | (3回押し) |
|
音声アシスタント | | (3回押し) |
受話 | (2回押し) |
(2回押し) |
終話 | (2回押し) |
(2回押し) |
着信拒否 | (1.5秒長押し) |
(1.5秒長押し) |
キーアサインを見てみると、リスニングや通話で必要とされる操作系がひととおり揃っております。ただし、曲送りはできますが、曲戻しはできない仕様です。
このSOUNDPEATS Mini Proは、スマートフォンアプリに対応しており、1回押しのタッチ操作のみ、有効/無効を切り替える設定項目が設けられています(おそらくは誤作動防止目的)。
ステム

全長 | 2.9mm |
直径 | 5mm(長直径) 3.8mm(短直径) |
※実測値
完全ワイヤレスイヤホンとしては、ステム長が短く、ステム径も短め。なお、ステムの形状はイリプス型(楕円形)になっています。
充電ケース内部のクリアランスは、充分に確保されています。なので、他社製のイヤーピースと交換する際に、イヤーピースが干渉して蓋が閉まらないということも、まず起こらないでしょう。
インジケータ

50%–100% | |
10%–49% | |
1%–9% | |
※非充電時
イヤホンのバッテリー残量は、充電ケースの開閉時にカラーLEDが点灯して分かるようになっています。
付属品

- イヤーピース(S・M・L)
- USBケーブル(Type-A to Type-C)
- 取扱説明書
イヤーピース

S | φ12–φ10 x 7 mm |
M | φ13–φ11 x 7 mm |
L | φ14–φ13 x 7 mm |
※実測値
同梱されているイヤーピースは、S・M・Lの合計3サイズ。
イヤーピースについても、イヤホンと同様に楕円形になっています。いずれのサイズも、(実測した限りでは)高さは同じなので、外耳道の奥深くまで刺さるタイプのイヤーピースが好きなユーザーには物足りないかもしれません。
また、イヤーピースの傘部分はかなり軟質なシリコーンになっています。なので、かなり好みがハッキリ分かれそうな予感も。
その他

同梱されている説明書は、日本語記載アリの多言語対応のもの。不具合が生じた際のリセット方法も掲載されているため、誤って破棄しないように。
付属のUSBケーブル(Type-A to Type-C)は、コネクタ部分込みの正味の長さで30.5cm(実測値)でした。
ポイント
サウンド
バイオセルロース採用ドライバー

Image:SOUNDPEATS
SOUNDPEATS Mini Proのドライバーは、『ダイナミックドライバー』1基の構成。
そして、そのダイナミックドライバーですが、『バイオセルロース』という植物由来の繊維が元となっている素材を採用。あまりカッチリとした硬質な音ではなく、ナチュラルで透明感のある音、というのを狙っているようです。
マイク
cVc 8.0ノイズリダクション

Image:SOUNDPEATS
このSOUNDPEATS Mini ProのBluetooth SoCには、Qualcomm製のチップ(QCC3040)が採用されているのですが、それにともない、『cVc 8.0(Clear Voice Capture 8.0)』という、音声通話時用のノイズリダクション技術が搭載されています。
この『cVc 8.0』が搭載されていることにより、ソフトウェア的に通話に不要な音声信号を除去し、通話相手にクリアな声を届けることが可能となっております。
フィーチャー
『aptX Adaptive』対応
| aptX Adaptive | SBC | AAC |
ビットレート | 279kbps–420kbps | Max 345kbps | Max 250kbps |
サンプリングレート | 96kHz†1 48kHz |
48kHz | 44.1kHz |
量子ビット | 24bit | 16bit | 16bit |
†1SDM865以降
SOUNDPEATS Mini Proは、『SBC』『AAC』『aptX』『aptX Adaptive』という4つのBluetoothコーデックに対応。
特に、安価な完全ワイヤレスイヤホンでは搭載が見送られがちな『aptX Adaptive』コーデックに対応している点に注目。ちなみに、aptX Adaptive対応という点が、VGP2022 SUMMER受賞理由のひとつとなっております。
なお、本機に搭載されている『QCC3040』は、aptX AdaptiveとQualcomm TrueWireless Mirroringには対応しておりますが、Snapdragon Soundには対応しておりません。
ファンクション
アクティブノイズキャンセリング搭載

Image:SOUNDPEATS
SOUNDPEATS Mini Proには『アクティブノイズキャンセリング機能』が搭載されており、ワンタッチで周囲のノイズを最大35dB(公称値)もカットしてくれます。
なお、搭載されているアクティブノイズキャンセリング技術は、フィードフォワードとフィードバックという2つのマイクを組み合わせたハイブリッド方式を採用。これにより、フィードフォワード方式より強力なノイズキャンセリングが可能となっています。
ヒアスルー搭載
ノイズキャンセリング機能が搭載されていることからもご想像がつくとおり、SOUNDPEATS Mini Proには『ヒアスルー機能(外音取り込み機能)』も搭載しております。
低遅延モード搭載
- 低遅延モード
- 60ms
- ノーマルモード
- 80ms
※メーカー公称値
モバイルゲームや動画視聴に最適な『低遅延モード(ゲームモード)』という機能が、このSOUNDPEATS Mini Proには搭載されています。
この『低遅延モード』をオンにすることにより、ワイヤレスオーディオ転送におけるレイテンシーを60msまで短縮することが可能に。なので、リップシンクが音ズレを避けたいコンテンツを楽しむときにも、本機は非常に有用です。
ハンズオン
イヤホンを装着する

SOUNDPEATS Mini Proを耳に装着すると、こんな感じに。
小さな筐体ということもあり、耳から出っぱるようなこともなく、非常に見栄えがスッキリしています。フィット感も上々で、走ったりしても取れることはありませんでした。
音質を評価する

高音域 |
7
|
中音域 |
7
|
低音域 |
6
|
音場感 |
狭
広
|
音傾向 |
繊細
迫力
|
※販売価格を考慮した相対評価
※aptX Adaptiveコーデック接続時
SOUNDPEATS Mini Proの音質について端的に言うと、「全体的にタイトな音を出す、高音域寄りの微ドンシャリ」といった感じ。

ノイズキャンセリングがオフのときのほうが音質的には良いから、状況に応じて使い分けをするのがおすすめやね。

この手の安価な完全ワイヤレスイヤホンにありがちな、ブーミーな低音域ばっかり出て他の音域がマスクされてされてしまっている、ということはナシ。中高音域も、しっかりと出てくれています。その点は高評価。
フラットではないにしても、音のバランスは比較的良好。また、エネルギッシュな音でもあります。ただ、音が軽めでシャープすぎる感じもするので、もう少しマイルドな音が出てくれると、より万人が聴きやすいでしょう。
音のチューニングについては、イヤーピースを交換することによってガラリと変わるので、合わないと感じたらイヤーピースを他社製のものに交換するのがおすすめ。もちろん、アプリのイコライザーで変えるのも手ですが、音にマイルドさがほしいのであれば、イコライザーよりもイヤーピースの交換を優先するほうがよいでしょう。

そういった点から、ジャズやR&Bのような音楽ジャンルよりも、電子音が多用されているツンツンしたポップスやテクノのほうが、より本機の個性を活かしたリスニングができるのではないでしょうか。
ノイズキャンセリング機能を試す

SOUNDPEATS Mini Proに搭載されている『ノイズキャンセリング機能』は、イヤホン(Lch)を1.5秒長押しするか、SOUNDPEATSアプリ内から操作することで、有効化することができます。
搭載されているノイズキャンセリング機能の効きですが、ハイブリッド方式を採用しているということもあり、トップクラスの製品には遠く及ばないものの、ハッキリとその効果を感じ取ることができます。
ただし、ノイズキャンセリング機能をオンにすると、音質が劣化してしまうことと、風切り音を拾ってしまうのがネック。なので、ノイズキャンセリング機能については常時オンにするのではなく、状況に応じて使い分けたいところです。
外音取り込み機能を試す

SOUNDPEATS Mini Proに搭載されている『ヒアスルー機能(外音取り込み機能)』は、イヤホン(Lch)を1.5秒長押しするか、SOUNDPEATSアプリ内から操作することで、有効化することができます。
搭載されている外音取り込み機能ですが、集音性能はまずまず、といったところ。駅や電車のアナウンスについては、しっかりと聞き取ることが可能でした。
外音取り込み機能特有のノイジーな感じはあまりなく、不快感がないのは美点。とはいえ、集音のナチュラルさに欠けるため、人によっては音に違和感を感じるかもしれません。
低遅延モードを試す

SOUNDPEATS Mini Proに搭載されている『低遅延モード(ゲームモード)』は、イヤホン(Lch)を3回押しするか、SOUNDPEATSアプリ内から操作することで、有効化することができます。

いくら低遅延(60ms)と言っても、当然ながらゼロレイテンシーではないので、音ゲーや格ゲーのようなタイミングにシビアなゲームは厳しめ。
どれくらい音ズレを感じるのかは個人差がありますが、RPGを音ズレなく楽しむ、というぐらいがちょうどいいのではないでしょうか。

このようにゲームで使うとなるとジャンルによりけりですが、リップシンクが重要な動画視聴であれば、この低遅延モードは非常に有効になってきます。
なので、筆者としては、ゲーム目的で使うというよりかは、動画視聴目的で使ってほしいところ。
インプレッション
低価格だけど機能豊富

- ノイズキャンセリング機能
- ヒアスルー機能
- 低遅延モード
- スマートフォンアプリ対応
とにかく評価すべき点なのが、上記の完全ワイヤレスイヤホンにおけるモダンな機能が、まるっとSOUNDPEATS Mini Proでは対応しているということ。しかも、それでいて約7千円と安い(セール中だと5千円前後で購入可能)。
しかも、ノイズキャンセリング機能がハイブリッド方式だったり、スマートフォンアプリでファームウェアアップデートが可能だったりと、非常によく考えられて作られている。つまり、とりあえず載せておいた、というわけではないということ。
音質はイヤーピース次第

イヤーピースで音が変わるのは当然として、このSOUNDPEATS Mini Proについては、とりわけイヤーピースの影響を受けやすいように感じました。
付属のイヤーピースなのですが、どのサイズにおいても高さが低く、形状も楕円形になっているため、かなり相性が出てしまうものとなっています。それゆえ、うまくフィットしないユーザーも少なくないでしょう。
幸い、イヤホン・充電ケースともに、他社製のイヤーピースに交換しても利用できる形状となっています。ですので、音質や遮音性、ノイズキャンセリング性能の向上目的としても、自分に合ったイヤーピースに一度は交換してみることをおすすめします。

イヤーピースは、Sonyの『ノイズアイソレーションイヤーピース』がおすすめやね!
タッチ操作は慣れ必要

このSOUNDPEATS Mini Proが、多機能かつ、多くのキーアサインを割り振っているからなのですが、かなりタッチ操作には慣れが必要です。というか、なかなかに慣れない。
ファームウェアアップデートでキーアサインを変更できれば操作系が格段に良くなるので、ぜひともこの点については前向きに検討してほしいところ。
レビュー総括

約7千円と低価格ながら、ノイズキャンセリングや低遅延モードを搭載している。また、低価格帯では対応が見送られがちな、aptX Adaptiveコーデックやスマートフォンアプリが利用できる。この多機能さが良き。
もう少し万人受けするイヤーピースを同梱してくれると嬉しい。多機能なのは良いが、そのぶん操作系が複雑化してしまっているので、キーアサインの変更ができればありがたい。
SOUNDPEATS『Mini Pro』のレビューを総括すると、「多機能で低価格なので入門機やサブ機として最適」という感じ。
上を見ればキリがない、完全ワイヤレスイヤホン界隈。もちろん、それだけ高級機に需要があるという表れなのですが、安価でもここまでできる、というのを感じさせてくれる意欲作だと感じさせてくれました。
手を出しやすい価格設定(しかもかなり遊べる!)なので、持っていて損はない逸品です。

この価格でスマートフォンアプリ対応、凄すぎるやんね……。
おまけ

こうなってくると、完全ワイヤレスイヤホンにとって“アプリ対応”というのは、あって当たり前の機能になりつつあるかも。

そうなると、アプリの作り込みにも注目ですわね。

競争がますます激化しそうであーる。
おわり
機能的にも音質的にも、そつなくまとまってる。
モダンなタッチセンサーより、普通な物理ボタンがよかった。
…って感じやね!