この記事はCIO様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- USB PD規格上最大の100W出力!しかもクレカサイズで驚異的に小型!
- USB-Cポートを3基搭載してるのでこれ1個でまるっと充電できる!
- 『QC4+』にも『PPS』にも対応している夢のようなUSB PD充電器だ!
小さな巨人…降臨!
最大100W出力のUSB PD充電器、CIO『LilNob 3C1A《CIO-G100W3C1A》』をレビュー。規格上最大の100W出力で、USB-A(×1)・USB-C(×3)という豊富なポート構成。しかも『PPS』対応。…これこそ“夢の”充電器だ!
スペックだけでお腹いっぱいやね。
科学の力……。
目次
本日のレビュー:CIO-G100W3C1A
CIO-G100W3C1Aってなに?
窒化ガリウムパワー半導体(GaN Power IC)を採用した、最大100W出力のUSB PD充電器。ダイレクトチャージ(PPS)にも対応。USBポートは合計4基搭載。
- 100W出力でトップクラスに小型
- GaN Power IC採用
- Quick Charge 4+対応
- ダイレクトチャージ(PPS)対応
- 充電器自体の発熱が少なめ
- 隣のコンセプトと干渉しづらい設計
- USB-Cに独自急速充電規格を内包
LilNob 3C1A CIO-G100W3C1A |
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型番 | CIO-G100W3C1A-WH(ホワイト) CIO-G100W3C1A-BK(ブラック) |
|
メーカー | CIO | |
合計最大出力 | 100W | |
インターフェース | USB Type-A ×1 USB Type-C ×3 |
|
急速充電 | USB-A | Quick Charge 3.0 Apple 2.4A Adaptive Fast Charging Fast Charger Protocol Smart Charge Protocol Mi Fast Charging |
USB-C | USB PD 3.0 Quick Charge 4+ |
|
USB-A出力 | Fast charge | 4.5V・5A 5V・4.5A 9V・3A 12V・2.5A 20V・1.5A |
USB-C出力 | USB PD[1] (PDO) |
5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・5A |
USB PD[2] (PDO) |
5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・5A |
|
USB PD[3] (PDO) |
5V・3A 9V・3A 12V・2.5A 15V・2A 20V・1.5A |
|
USB PD[1] (PPS) |
3.3V–21.0V・5A | |
USB PD[2] (PPS) |
3.3V–21.0V・5A | |
USB PD[3] (PPS) |
3.3V–11.0V・3A 3.3V–16.0V・2A |
|
サイズ | 60×75×29×mm | |
質量 | 170g | |
備考 | GaN Power IC採用 PPS対応 |
CIO-G100W3C1Aのスペック
ついに、わたしは高出力USB PD充電器の“到達点”を見た気がするっ!
持てる技術や搭載できる性能をふんだんに盛り込んだ、ギーク好みの何でもありな感じがとにかくたまらないのであーる!!
デザイン
本体:100W出力だけどクレカサイズ
サイズ | 60×75×29×mm |
質量 | 170g |
CIO-G100W3C1Aのサイズと質量
CIO-G100W3C1Aのサイズは 60×75×29×mm で、重さは170g。
パワー半導体に窒化ガリウムを採用しているということもあり、100W出力という高出力でありながら、かなり小型軽量に作られています。一番大きな面を見ても、クレジットカードサイズ程度しかありません。…すごい。
本体前面には、USB Type-A(×1)、USB Type-C(×3)、を搭載。
USB Type-Aポートは『Quick Charge 3.0』をはじめとする、各種急速充電規格に対応しており、最大30W出力。USB Type-Cポートは『USB PD 3.0』と『Quick Charge 4+』に対応しており、最大100Wと最大30Wのポートが混在しています。なお、USB Type-Cポートはダイレクトチャージである『PPS』にも対応。
本体後面には、スイングプラグ方式のACプラグを搭載。
最大100W出力のUSB PD充電器としては異常に小型な設計になっているのですが、しっかりとスイングプラグを採用してくれています。これはかなり嬉しい。クリック感も硬すぎず柔らかすぎず…でちょうどいい。
本体下面(底面)には、USBに関する仕様、その他認証関係のプリントがあります。もちろんPSEマークも搭載済。このCIOは日本企業なので、当然ですが、国内で使用することにおいて、何ら問題が生じることはありません。
本体左面には、通電を通知するLEDインジケーター、を搭載。
“CIO”のロゴマークは左面のみにある仕様で、デボス加工で刻印されています。インジケーター部分もデボスになっているので、メーカーのちょっとしたデザイン的なこだわりなのかもしれません。
ちなみに、LEDは白色と青色の混ざったような感じであーる。
目に優しい、ほんのり淡く光る感じですわね。
そこまで主張する必要もないから、ひっそり通知するぐらいの明度がちょうどいいよねー。
USBポート
USB Type-A | USB Type-C | ||
合計最大出力 | 100W | ||
最大出力 | 30W | 100W | 30W |
ポート数 | 1 | 2 | 1 |
CIO-G100W3C1AのUSBポート数・最大出力
CIO-G100W3C1AのUSBポート各種仕様については上表のとおり。
合計最大出力は100W。USB Type-Aポートは最大30W出力。USB Type-Cポートは最大100W出力が2基(上・中)と、最大30W出力が1基(下)。仕様からも分かるように、複数ポート同時利用時には、各ポートの出力が制限される仕様になっております。この仕様については後述。
このサイズ感で、USBが4ポートあることにうっとり……。
付属品:シンプルだけど親切丁寧
■付属品一覧
- 取扱説明書
CIO-G100W3C1Aの付属品は、取扱説明書のみ。
いたってシンプルな付属品(製品が充電器なのだから当然といえば当然)ですが、日本のメーカーからリリースされている製品ということもあり、記載内容は非常に丁寧。USB出力に関する仕様も詳細に載っているので、レビューする側としては非常にありがたいということも……。
出力される急速充電規格を細かく書いてくれているのは、とってもありがたい限りっ!
測ってみた
USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
テスターで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時には、ソース(CIO-G100W3C1A)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済でeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、CIO-G100W3C1Aで接続が検出され、充電が開始されていました。
検証用ケーブルはAnker製だけど、みんなはCIO製の5A対応USBケーブルを買ってねー!
ガッツリ宣伝やね……。
PDO
USB Type-C[1] | USB Type-C[2] | USB Type-C[3] | |
Revision | Power Delivery 3.0 | ||
PDO | 5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・5A |
5V・3A 9V・3A 12V・3A 15V・3A 20V・5A |
5V・3A 9V・3A 12V・2.5A 15V・2A 20V・1.5A |
CIO-G100W3C1AのPDO
CIO-G100W3C1AのPDOは上表のとおり。
USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは、本体裏面や取扱説明書に記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時には、しっかりと3A出力されていることも同時に確認できました。当然ですが、3A以上の出力を行いたい場合においては、eMarker内蔵の5Aケーブル(E-Marked cable)を利用するようにしましょう。
PDOは問題なーしっ!おけまる!!
PPS
USB Type-C[1] | USB Type-C[2] | USB Type-C[3] | |
Revision | Power Delivery 3.0 | ||
PPS | 3.3V–21.0V・5A | 3.3V–21.0V・5A | 3.3V–11.0V・3A 3.3V–16.0V・2A |
CIO-G100W3C1AのPPS
CIO-G100W3C1AのPPSは上表のとおり。
PPSもPDOと同様に、本体や取扱説明書に記載されているものと差異はありませんでした。出力されたPPSの電圧可動範囲も、しっかりと仕様範囲内に収まっています。
USB Type-C[1]と[2]が、20V Prog。
USB Type-C[3]が、9V Progと15V Prog。
…これは聞き流しておけおー!
は、はぁ……。
急速充電規格
USB Type-A | USB Type-C |
Quick Charge 3.0 Apple 2.4A Adaptive Fast Charging Fast Charger Protocol Smart Charge Protocol Pump Express+ 2.0 |
Quick Charge 4+ Apple 2.4A Adaptive Fast Charging Fast Charger Protocol Smart Charge Protocol Pump Express+ 2.0 |
CIO-G100W3C1Aの急速充電規格
CIO-G100W3C1Aが対応している急速充電規格は上表のとおり。
とにかく多くの急速充電規格に対応しているのですが、Adaptive Fast Charging(Samsung)あたりは、いわゆるQuick Charge互換です。ですので、Apple系・Qualcomm系・MediaTek系の独自急速充電規格に対応していると思ってもらえれば、まず問題ないでしょう。
Quick Charge 4+はUSB PDと互換性が保たれているので、ここに関しては気にする必要性はナシ。その他の急速充電規格がUSB Type-Cポートから流れている点に関しては、人によっては気になるかもしれません。
そもそもだけど、独自急速充電規格を乱発しないでほしいあーる。
使ってみた
100W出力トップクラスの小型軽量
このCIO-G100W3C1Aは、驚くほど小さい。そして、軽い。
USB PDの規格上最大値となる100Wに対応しているのですが、こんな小さな筐体で100Wも出力できるのか…と、疑いたくなるくらいにミニマムサイズ。これぞ隔世の感。
これもパワー半導体として、『窒化ガリウム(GaN)』を採用しているから為せる技。なお、GaN Power ICとしては、この界隈ではメジャーなNavitas Semiconductor社の『GaNFast Power IC』(型番:NV6127)を使っているとのこと。
相変わらずマニアックやね……。
製品名 | サイズ | 質量 | 最大出力 |
CIO-G100W3C1A | 60×75×29×mm | 170g | 100W |
HyperJuice 100W GaN USB-C Charger (レビュー) |
85.3×60.8×28.9mm | 205g | 100W |
TUNEMAX 100W GaN (レビュー) |
85.3×60.8×28.9mm | 208g | 100W |
96W USB-C Power Adapter (レビュー) |
80×80×29mm*1 | 298g*1 | 96W |
61W USB-C Power Adapter (レビュー) |
73×73×27mm*1 | 204g*1 | 61W |
高出力USB PD充電器のサイズと質量の比較
*1実測値。
…そういうわけで、この小型軽量さを可視化するために、競合するであろうUSB PD充電器との比較表を作成しました。
HyperJuice 100W GaN USB-C ChargerやTUNEMAX 100W GaNも、同じNavitasのGaNFast Power ICを採用しており、登場時にはその小型軽量さに阿鼻叫喚したものです。しかし、今回のCIO-G100W3C1Aは、それらをさらりと凌駕してきました。
Apple純正である、16インチMacBook Pro付属の96W充電器(96W USB-C Power Adapter)と比べても一目瞭然。もはやここまで差が出てしまうと、本機にリプレースしない理由が見当たらないでしょう。ちなみに、Apple純正品よりも本機は価格も安価です。
合計4ポート出力は大正義
個人的にCIO-G100W3C1Aを使っていて便利だと感じたのが、搭載されているUSBポートが合計4ポートと豊富なこと。そして、USB Type-Cポートが3基もあるということ。
製品名 | USB Type-A | USB Type-C | 最大出力 |
CIO-G100W3C1A | 1ポート | 3ポート | 100W |
HyperJuice 100W GaN USB-C Charger | 2ポート | 2ポート | 100W |
TUNEMAX 100W GaN | 2ポート | 2ポート | 100W |
RP-PC128 (レビュー) |
- | 2ポート | 90W |
高出力USB PD充電器のUSBポート数の比較
今やUSB PDで充電できるデバイスは数多く、メインで使うUSB PD充電器において、USB Type-Cポートが2基搭載されているということは最低要件と言っても過言ではないはず。…と言いつつも、実際には2ポートだと心許なかったりもします。
90W〜100W出力が可能なUSB PD充電器も増えてきたのですが、その多くがUSB Type-Cポートが2基という構成。3基ではなく、2基なのです。このわずか1ポートの差が、私の中では非常に大きい。
正直、特殊な充電ケーブル(スマートウォッチに多い独自ケーブル)を除けば、あえて充電にUSB Type-Aポートを利用する必要性はないと思っています。なので、USB Type-Aポートが1基だけという本機のポート構成は大正解。個人的には、他社もこの絶妙なポート構成に追従してほしいところです。
筐体が熱くなりにくい
これは今回のCIO-G100W3C1Aに限ったことではないのですが、CIO社のUSB PD充電器は高出力でも、比較的筐体が熱を持ちにくいような気がしています。
本機のような、USB PDで高出力が可能な充電器というのは、長時間使っていると充電器本体が結構熱を持つことが多く、大丈夫なのかなと不安になることもしばしば。実際には発熱で充電器が故障した経験はないのですが、顕著に熱くなる充電器だと、もはやカイロと形容できるくらいにまで熱を持ったりします。
ところが、CIO-G100W3C1Aにおいては、そこまで不快な熱を持つこともなく、ほんのり温かい程度。これは熱による充電器本体の劣化速度が遅くなるということもありますが、それだけ変換効率が良いとも捉えられるわけです。
要するに、良く出来た設計ってことですなー。
絶妙なACプラグ配置
実用面だと、コンセントに挿すACプラグの配置が絶妙で、隣接するコンセントを塞いだり、筐体そのものの自重で充電器が落ちてくる、というような心配が少ないのも嬉しいところ。
これらは自宅や会社で利用しているとあまり気づかないことなのですが、比較的コンセント位置が辺鄙な位置に存在していることの多い、カフェやホテル、新幹線などで頻繁に利用していると感じるところだったりします。
USB PD充電器のサイズが大きく重たい製品の場合、このような変わった位置にあるコンセントで利用しようとすると、何かと干渉して使えなかったりすることもしばしば。また、中に浮いているコンセント(カフェによくあるタイプ)だと、自重で勝手に抜け落ちるという結構危ない事象にも遭遇したりも……。
それらの心配が、小型軽量な筐体であるCIO-G100W3C1Aだと、比較的少ないと感じています。小さいは正義、というのはモビリティ面でもそうですが、実用面でもそれが言えるというわけなのです。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
1ポート利用時
利用ポート | |||||
USB Type-A | USB Type-C[1] | USB Type-C[2] | USB Type-C[3] | ||
最大出力 | USB-A | 30W | - | - | - |
USB-C | - | 100W | 100W | 30W |
1ポート利用時の最大出力表
2ポート利用時
利用ポート | |||||
USB Type-A + USB Type-C[1 or 2] |
USB Type-A + USB Type-C[3] |
USB Type-C[1] + USB Type-C[2] |
USB Type-C[1 or 2] + USB Type-C[3] |
||
最大出力 | USB-A | 30W | 合計15W[A + 3] | - | - |
USB-C | 65W | 65W[1] 30W[2] |
65W[1 or 2] 30W[3] |
2ポート利用時の最大出力表
3ポート利用時
利用ポート | ||||
USB Type-A + USB Type-C[1] + USB Type-C[2] |
USB Type-A + USB Type-C[1 or 2] + USB Type-C[3] |
USB Type-C[1] + USB Type-C[2] + USB Type-C[3] |
||
最大出力 | USB-A | 30W | 65W[1 or 2] 合計15W[A + 3] |
- |
USB-C | 45W[1] 18W[2] |
45W[1] 30W[2] 18W[3] |
ポート利用時の最大出力表
4ポート利用時
利用ポート | ||
USB Type-A + USB Type-C[1] + USB Type-C[2] + USB Type-C[3] |
||
最大出力 | USB-A | 45W[1] 30W[2] 合計15W[A + 3] |
USB-C |
4ポート利用時の最大出力表
まとめ「100W USB PD充電器の到達点」
そういうわけで、今回のCIO『LilNob 3C1A《CIO-G100W3C1A》』のレビューを総括すると、
- 100W出力トップクラスの小型軽量が嬉しい
- USB-A(×1)でUSB-C(×3)というポート構成は絶妙
- QC4+とPPSの両方に対応した稀有な存在
- 筐体発熱の少ないので電力変換効率が高い予感
- USB-Cの独自急速充電内包は気になる人は気になるかも
…という感じ。
ここまで見てもらえれば分かってもらえるはずですが、とにかく現状で詰め込めるものは全部詰め込んだというのが、本機の特徴であり最大の魅力。
Quick Charge 4+とPPSの両方に対応しているUSB PD充電器は非常に稀有な存在ですし、最大100Wの高出力というのも素晴らしい点。本体の設計も非常に考えられており、まさに文句の付けようがない至高の充電器と言えるでしょう。
これがUSB PD充電器の1つのゴールかもっ!?
<Amazon専用クーポンコード>
MUP3C1A100W
※有効期限:2021年5月18日 〜 2021年5月25日
※割引率:300円オフ
おまけ
ここまで完成度の高いUSB充電器を作ってくるんだから、お次はL字プラグのUSB Type-Cケーブルとか作ってくれないかなー!?
…ねこちゃんプロデュースでっ!!
え……。
無理に決まってますわ……。
おわり
…ドヤァ!!