- Origami Payの買収報道からQRコード決済の未来を考える!
- QRコード決済は巨大資本と有名企業が結局は強い!
- ユーザーは落ち着くまで静観して使わないのもアリ!
QRコード決済のM&Aは加速しそう。
Origami Payを運営するOrigamiがメルペイに買収され、最終的にはQRコード決済プラットフォームはメルペイに統合するとのニュースが流れた。ここから考えるFinTechとベンチャー企業の難しさ、そしてQRコードの行く末予想、ユーザーはどうすべきかを考えます。
先発だったのに、後半企業に追い抜かれてたからねー。
ユーザー的には統廃合はメリットなんかな?
Origami Payの買収報道
2020年1月23日、メルカリの子会社メルペイが、競合他社である金融系ベンチャーのOrigamiを買収すると発表。なお、買収金額は非公開、株式の譲渡は同年2月25日。Origamiが運営するQRコード決済プラットフォーム『Origami Pay』は一定の周知を行ったのち、『メルペイ』に統合することが決定した。
まのさんはOrigami Pay推しだったよねー?
そうなのですよ。
ただ、先発だったのにもかかわらず、後発の勢いや普及度を考えると、いずれは買収される気はしてましたが…ね。
——そういうニュースがあったので、改めてQRコード決済について考えることに。
QRコード決済の行く末
メルペイのOrigami Pay買収報道から、今後のQRコード決済について考えてみることにしました。
企業と経営:巨大資本と加盟店の多さがキモ
まずは、QRコード決済を運営するFinTechな企業について。
巨大資本が強く・ベンチャー企業は厳しい
今までは戦国時代だったQRコード決済も、おそらく今後はM&Aや業務提携を繰り返し、最終的には2〜3のQRコード決済(○○Pay)に収束するだろうと予想しています。
そこで思うことが、アーリーアダプターだから勝てる・最後発だから負ける、というような市場ではないこと。
ことFinTechというのは、どうかんがえても資本力と信用性が第一。ベンチャーならではの面白い発送や動きの速さよりも、大企業が運営するというネームバリューによる信用性と莫大な資本のバックボーンには太刀打ちが難しい業界なはず。ここがモノづくりとは異なる、金融系ベンチャーの難しさでしょう。
ただ、Origami Payがメルペイに買収されたのはM&A的には良い着地点だと思うので、企業としてはある程度の成功を収めたかもしれません。そして、メルペイもこれからが勝負でしょう。Origamiよりも規模は大きいですが、さらなる上(SoftBank・楽天・NTTドコモ等)がこのQRコード市場にはひしめき合っているので…。
加盟店をいかに多くするか
私はOrigami Payの使いやすさとポイント還元のようなややこしいシステムでなかったことから、非常に重用していました。ただ、“重用”であって“多用”ではありませんでした。それこそ、加盟店の問題です。
各QRコード決済の加盟店数というのは、企業によって表示形式が異なる(中には非公開という企業もある)ので、これといった正確な数値が出しづらい。ただ、実際に都市部で利用していると、
PayPay >> LINE Pay > 楽天ペイ ≧ d払い ≒ メルペイ ≧ Origami Pay
というような加盟店数だと実感します。
とどのつまり、Origami Payはアーリーアダプターだったが、加盟店数がお世辞にも多くない(むしろ少ない)というのが最大の欠点だったということ。当然ですが、技術やキャンペーン云々がいくら良くても、ユーザーが利用できる店舗が行動範囲の近辺になければ、そんなサービスは使えないと同義になってしまうのです。
結局のところは、PayPayのような巨大キャンペーンでムーブメントと生み出して、加盟店ラッシュを作って…としたプレイヤーが強いということになります。使い勝手は加盟店が増えてから、というのがQRコード決済の現状な気がしています。
サービス:+αが差別化のカギ
そして、QRコード決済のサービス面について。
敵はQRコード決済ではなく非接触型決済
QRコード決済が混沌しているほど乱立していますが、実は最大の強敵というのは、以前から存在している非接触型決済(FeliCa決済)だと思っています。
QRコード決済はその仕組み上、どうしても非接触型決済よりも決済フローが多くなってしまいます。さらにそのQRコード決済アプリが使える状況でないと、決済が困難という非接触型決済にはないデメリットも抱えています。つまり、純粋な使いやすさでいうと、QRコード決済は非接触型決済に負けてしまうというわけです。
そのウィークポイントを、システム的にどうブラッシュアップするか、非接触型決済にはないメリットをどれだけ生み出せるか、これらが今後の発展のポイントになるでしょう。
QRコードならではの付加価値が必須
今後QRコードをユーザーが便利に利用する状況になるには、QRコードならではの付加価値が必須になってくるはず。
例えば、個人間送金機能を強化していったり、運営企業が自社のサービスと紐付けしてシナジー効果を生み出すという感じです。良くも悪くもQRコード決済というのは、運営企業の色が出ている(特にメルペイやLINE Pay)ので、その紐付いている感をどうメリットに昇華していくかがカギになってきそうです。
正直、ポイント還元でのバラマキは企業の消耗戦なので、遅かれ早かれこの規模感のキャンペーンはいずれなくなるでしょう。そうなってくると、ユーザーを引きつける魅力というのは、他の決済にはない利便性や付加価値の高さということになってくる気がします。
我々はどうすべきか
それでは、我々ユーザーはどのようにしてQRコード決済を利用し、どう行く末を見守ればよいのでしょうか。
個人的には、“無理してQRコードを利用しない”ということに尽きる気がします。
な…なんとっ!?
使わないというオチ?
今回のメルペイのM&Aで、QRコード決済乱立ムーブメントは終息を迎えるはずです。これからは、玉石混交のQRコード決済が少しずつ淘汰されていき、最終的には2〜3のQRコード決済だけになると予想しています。
ですので、「お得なポイ活が好き!」や「新しいものに触れたい!」と思っているユーザー以外は、QRコード決済の戦国時代が落ち着くまで静観するのもアリだと思っています。個人情報の流出やその使い道の懸念点という問題点も無きにしもあらずなので、QRコード決済に興味がないのであれば、無理して乗っからないのが正解かもしれません。
金融系のサービスなので、よく分からないならば慎重にすべきだと思うのです。クレジット情報や銀行口座なども登録して利用するわけですから。
な、なるほどー。
まとめ「強いQRコード決済が残る時代に突入」
QRコード決済とM&Aという点で総括すると、
資本力があり、強い営業力がある、“強い”QRコード決済が残る。
そんな時代に突入したという気がします。
メルペイは今回は買収する側でしたが、残るQRコード決済参入企業を見ると、いずれは買収される側…なんてことも。そうなると最終的に残るのは、携帯キャリア系・銀行系・楽天の戦いになってきそうです。
まさに弱肉強食の世界ですわね。
おまけ
よくQRコード決済が普及するか否か、ということが話題になりますが、やはり中華圏と日本ではプラットフォームも文化圏も異なりますからね。QRかFeliCaかという論でもない気がします。
自国の通貨(円)の信用力があるからねー。
現金主義っていう人とか、ITリテラシー的なこともあるわけやもんね。
おわり
ある程度予想していましたが…ついに、という感じですわね。