- IIJmioのeSIMプランは都市部だと回線速度が遅い!
- 基本は6GBだが最大56GBまでデータ増量可能!
- 先陣を切ったIIJには本当に拍手したい!
面白いけど問題点も…。
約2か月間、IIJmioの『eSIMプラン(ベータ版)』をiPhone 11 Proで運用してきました。そのIIJmioのeSIMを実際使った感想と、日本全体としてのeSIMの課題を話していきます。
何か問題でもあったのですか?
そうなんだよー。
目次
IIJmio『eSIMプラン』の感想
結論からすると、IIJmioの『eSIMプラン(ベータ版)は、エポックメイキングでかつ、唯一無二な存在であることは高評価。ただ、実際に使うとなると、プランの柔軟性は評価しつつも、速度面や使い勝手のストライクゾーンの狭さが気になる感じでした。IIJmio自身が“ベータ版”と謳っているとおりだと思います。
そういうわけで、iPhone 11 ProでIIJmioのeSIMプランを試した感想を、これからセクションに分けて語っていくぞー!
回線速度:お昼・夕方・大都市圏では遅い
まず、肝心の回線速度ですが、私の環境では遅いと言わざるを得ないものでした。
MVNOでの回線速度の遅さということについては、特段IIJmioに限ったことではありません。また、利用している場所が大都市圏(梅田・河原町)なので、どのMVNOを比較的遅い場所で使っているということもあります。
keisoku.ioで、とある日のIIJmio(docomo回線)・LinksMate・LINEモバイル(Softbank回線)・UQ mobile、という4社のMVNOの回線速度測定結果の比較をしてみると上画像のとおり。
あくまでこれも一例なのですが、IIJmioが遅いとは言っても、他社に比べて極端に遅いということではありません。ただ、実際に使ってみると、都市部での7時台・12時台・18時台は、かなり厳しいものがあります。例えば、ソシャゲのログインも厳しい感じです。要するに、混雑している場所や時間帯に苦手というわけです。
通信専用としてヘビーに使うには、今のところ不向きって感じかなー!?
利便性:DSDS用と考えると惜しい
iPhoneはiPhone XS以降、『DSDS』(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)に対応しています。ただ、日本版iPhoneのデュアルSIMというのは、物理SIMが2枚挿さるわけではなく、 nanoSIM+eSIM という変則的な組み合わせです。
そういう理由から、iPhoneでデュアルSIMを実現すべく、IIJmioのeSIMプランを契約しているユーザーも多いはず。
ただ、現時点でIIJmioが提供しているeSIMプランは、データ専用のeSIMのみ。ですので、iPhoneがDSDSだからといって、このパターンの組み合わせでは、1台のiPhoneで携帯電話番号を2つ持てるわけではありません。ここがかなり惜しい。
今後はIIJmioを含め、eSIMを取り扱うMVNOというものが少しずつ増えてはくると思います。ただそうなるまでは、eSIMはデータ専用で使うという形に収まりそうです。電話可能なeSIMのMVNOが出てくると、かなり面白そうなのですがね…。もうちょっと待ちかもしれません。
プラン:6GB・月額1,520円固定だけど柔軟性に富む
ベータ版ということもあるでしょうが、現時点のIIJmioのeSIMプランは、月額1,520円でデータ容量が6GBという『ライトスタートプラン』1プランのみ。
ただ、データ容量は、
- データオプション20GB(3,100円/月)
- データオプション30GB(5,000円/月)
という追加オプションが存在し、各1つずつ契約可能。
つまり、最大56GBという大容量プランとして契約できることになる。
まだまだeSIM自体が使える端末が少ないのと、価格的にもうちょっと安ければと思う面もありますが、非常に柔軟性に富んだプランだと思います。eSIMの出始めながら、ここまでプランをしっかり提供してくれるのは、インターネット黎明期から支えるIIJだからこそでしょう。
日本全体でのeSIMの課題
そういうわけで、IIJmioのeSIMプランを利用した感想を話してきましたが、そこで気づいたのは、日本という大枠でのeSIMサービスの課題は多いということです。
大手キャリアが消極的
やはり最大の課題であり問題点なのが、日本の大手キャリア(MNO)がeSIMに対して消極的な姿勢を示していることです。
AppleのeSIM提供事業者一覧も見てもらうと分かるように、日本はeSIMサービスを提供している通信事業者の中に記載はありません。これだけの国と通信事業者が名を連ねているのに、です。
KDDIのみeSIMサービスを提供していますが、これは海外専用。なので、事実上は日本でのeSIMサービスというのは、今回の主題でもあるIIJmioの『eSIMプラン』のみというわけです。言い換えれば、このIIJmioがこの日本の“無風状態”なeSIM市場に、新たな風を吹かせてくれたとも言えるわけなのですが…。
Apple WatchのMNOなeSIM縛り
これはIIJmioのeSIMプランを使っていて、非常に歯がゆく思っているのが、Apple WatchのeSIMには使えないということ。ただ、これはIIJmioが悪いわけではありません。
Apple Watch(GPS + Cellularモデル)はeSIMでセルラー通信をするのですが、日本の場合だと、NTTドコモ・au・SoftBankを契約した上での紐付けが必要です。なので、eSIMではあるが、IIJmioのeSIMプランは蚊帳の外になってしまうわけなのです。本当にこの歯がゆさには何とも言えないものがあります。
セルラー版Apple Watchが、MVNOユーザーにも開放されれば…なんだよねー。
現状では立ち位置が微妙
結局のところ、ベータ版という前置きはしつつも、現時点でのIIJmioが提供している『eSIMプラン』については、ユーザーの工夫がかなり必要なものになっています。つまり、手放しで誰にでもおすすめとは言えない感じ。
日本でもeSIMを簡単に使えるようにしたこと、大容量プランを選択できるようにしてくれていること、これらは本当にありがたいことですし、評価すべき点でしょう。
しかし、日本全体のeSIMに対する取り組み方が、eSIM自体の立ち位置を微妙にしている感があるように思えます。特にApple Watchの制約はAppleユーザー的には、非常に痛いポイントでしょう。
今後は通話対応のeSIMも日本で登場してくると思いますが、現状では立ち位置が微妙。マニアックでニッチなユーザー向けという感想になってきます。
まとめ「IIJmioのeSIMは未来への先行投資」
今回の話をまとめると、IIJmioの『eSIMプラン』は、非常に魅力的なサービスではありますが、ちょっと癖が強いのでユーザーを選ぶ感じです。
結局のところは、MNOが音頭を取ってeSIMを普及させてくれると嬉しいのですが、実際のところは各キャリアとも消極的なので、期待は薄いというのが現状です。そういう意味では、IIJmioのeSIMプランは先行投資なのかもしれません。
国内でiPhoneをデュアルSIM仕様にする稀有なサービスではあるからねー。
おまけ
評価が難しいんだよね。
でも、通信速度に関しては、もう少し早くなってくれると嬉しいかなー。
下りが安定して5MBぐらい出ると…ですわね。
それくらい速度が出てくれれば、サブ回線としてはバッチリですな〜。
おわり
絶妙に微妙な感じなんだよね〜。