- オンライン専用ブランドの登場で格安SIMは窮地に陥っている!
- MVNOには価格以外の付加価値でも勝負をしていってほしい!
- サブ回線で使えるギーク感があるMVNO事業者が増えてほしい!
2021年の格安SIM私的考察。
3大キャリアのオンライン専用ブランド(ahamo・povo・SoftBank on LINE)の登場で、窮地に陥っている『MVNO(各社SIM)』各社。それでもMVNOを選びたいと思わせる生き残り策についてギークなユーザー目線で考えます。
うーん、あり得る。
MVNO事業者にとっては、脅威以外の何者でもないですからね。
目次
MVNO各社が窮地に陥る冬の時代
まもなくサービスインされる、3大キャリアのオンライン専用ブランド(ahamo・povo・SoftBank on LINE)の登場で、『MVNO(各社SIM)』が窮地に陥っているとの報道が出ています。
予想はしていたことですが…ですわ。
ahamo発表と同時に「MVNOはどうするんだろー?」って、やっぱり思うよねー。
3大キャリアが提供開始するオンライン専用ブランド各種は、月額利用料金が3,000円弱、データ容量は20GB、となっている。ここだけ見ると、MVNO事業者としても痛手にはならなさそうですが、これらのオンライン専用ブランドは、MNOゆえの高い通信品質を備えている。しかも、5G通信にも対応していること、データ超過後速度が1Mbps出ること、プレフィックス番号なしのかけ放題が使えること、eSIMが使えること(povo・SoftBank on LINE)…と、MVNOと比較すると、価格以上の圧倒的なアドバンテージが存在していることが分かります。
オンライン専用ブランド vs 格安SIM
それでは実際に、3大キャリアのオンライン専用ブランド(ahamo・povo・SoftBank on LINE)の登場により、MVNO(各社SIM)がどう影響を受けるのであろうかを、展開されているそのプラン内容を比較して考えていきます。
なお、下表で記載しているMVNO(各社SIM)の料金プランは、オンライン専用ブランドの比較対象にしやすそうなものを一部抜粋しています。
MNO (オンライン専用ブランド) |
MVNO (格安SIM) |
||||||
ahamo | povo | SoftBank on LINE | mineo | LinksMate | IIJmio | イオンモバイル | |
回線 | docomo | au | SoftBank | au | docomo | docomo au |
docomo au |
利用料金 | 2,980円/月 | 2,480円/月 | 2,980円/月 | 4,590円/月 | 4,800円/月 | 2,220円/月 | 3,980円/月 |
データ容量 | 20GB | 20GB | 20GB | 20GB | 20GB | 6GB | 20GB |
5G通信 | ○ | ○ | ○ | ○ (オプション) |
○ (オプション) |
× | × |
eSIM | ? | ○ | ○ | × | × | ○*1 | × |
オンライン専用ブランド vs 格安SIM
※価格は税別表記でユニバーサルサービス料が発生。
*1データ専用SIMのみの提供で音声通話は不可。
ご覧のとおり、オンライン専用ブランドの登場で、MVNO事業者各社の料金プランというのは、このままだとかなり厳しい戦いになることは明らかです。利用料金も割高ですし、5G通信やeSIMなどの+α的要素も弱い。そして、何より通信品質がMNOのオンライン専用ブランドと比較すると、とにかく分が悪いことになっています。
オンライン専用ブランドが各社SIMを焼け野原にした感があーる。
お、恐ろしい……。
MVNOは+αなサービス展開で勝負
オンライン専用ブランドがサービスインする前後で、各MVNO事業者が自社のプランを見直し(値下げ)するのは必至でしょう。ただ、MNOから通信回線を借り入れて運営をしているという性質上、その値下げ幅にも限界がある。なので、このタイミングで脱落してしまうMVNO事業者が複数社出てきそうな予感がしています。
いちユーザーとしては、モバイルブロードバンド(MNO・MVNO)全体の利用料金が下がるのは歓迎したいところですが、それで業界がカオスになるのも心配なところ。ですので、MVNOのこれからとしては、単なる価格競争だけをするのではなく、各MVNO事業者の独自色を出した+αなサービス展開を個人的には求めています。
生き残り策はこれしかないと思うんだよねー。
とりあえず使えたらいい層とサブ回線需要しか残っていませんものね。
ギーク的MVNOへの要望と期待
1回線を複数SIMでパケットシェア
これからのMVNO事業者に求めることの1つとして、1契約で複数SIMを追加できる(複数SIMで1つのデータ容量をシェアする)という点を、各社強化していってもらいたいところ。
このような1契約での複数SIM発行とパケットシェアについては、すでにIIJmioやLinksMateなどが行っています。これをMVNO事業者各社に広めていってもらえると嬉しい。
そして、これらのパケットシェアできる追加SIMに関しても、1枚めはdocomo回線、2枚めはau回線…と通信回線を分けられるとさらに嬉しい。欲を言えば、物理SIMとeSIMをミックスさせたパケットシェアもお願いしたいところ。
パケット繰り越しの発展的強化
そして、格安SIMならではのパケット繰り越しについても、発展的な機能強化をしていってもらいたいところ。
MVNOではパケット繰り越しが当たり前になっていますが、そのほとんどが1か月の繰り越しのみ。これをy.u mobileの永久不滅ギガ(有効期限なしで最大100GBまで繰り越し可能)のようなスタイルを追従してくれると、データ容量の無駄がなくなって嬉しい。
また、mineoが行っているようなフリータンク(共有パケット貯蔵庫)という概念も面白いところ。フリータンクはこれはこれで運営が大変だと思われるのですが、こういった遊び心があるサービス展開をMVNOの今後の展開として期待したいところです。
まとめ「格安SIMだけじゃないMVNOに期待」
3大キャリアのオンライン専用ブランド(ahamo・povo・SoftBank on LINE)のサービスインで、各MVNO事業者がどう動くのがが気になるところ。
MVNOを数社契約中の身からすると、
- 1回線を複数SIMでパケットシェア
- パケット繰り越しの発展的強化
のような、MNOがやらなさそうな点を攻めていってくれると面白かったり。
いずれにせよ、このタイミングで撤退する事業者も出そうな気がするので、これからのMVNOというのは、“格安SIMだけじゃない”+αなサービス展開を求められてくる予感がしています。
良い意味でMVNOの刺激になってくれたことを祈るばかりあーる。
おまけ
オンライン専用ブランドを契約するタイミングで、そろそろモバイル回線の見直しをしないとだっ!
5G回線の環境も整えたいですわね。
都市部の5G対応エリアが増えつつあるんやもんね!
おわり
格安SIMの価格崩壊と撤退が続出する予感……。