『ことえり』はたまごっちである——Google日本語入力から日本語IMに移行した話

『ことえり』はたまごっちである——Google日本語入力から日本語IMに移行した話
記事のポイント
  • MacのIMEを『Google日本語入力』から『日本語IM』の乗り換えた!
  • Google日本語入力がGboardと“クラウド同期”非対応なので訣別した!
  • 日本語IMは鍛え抜けば立派な“ことえりっち”になってくれる…はず!

さよなら、Google日本語入力。

Macの日本語入力(IME)を Google日本語入力 → 日本語IM(旧ことえり) …と、乗り換えることにしました。今回は、長年連れ添った『Google日本語入力』と訣別した理由と、ことえりはたまごっちだという話。

さたえり

たまごっち…どういうこと!?

まの

あら、Google日本語入力使いをやめるのですね。

二条ねこ

読めば分かるのであーるっ!

Google日本語入力 → 日本語IM

Google日本語入力 → 日本語IM

冒頭で話したとおり、IMEInput Method Engineをいつから使い始めたか記憶にないくらい長年連れ添った『Google日本語入力』をやめました

そして、とにかく使いにくい印象だったmacOS標準の『日本語IM』に乗り換える…もとい、“戻る”ことにしました。

二条ねこ

さよなら、Google日本語入力。
おかえり、ことえり。

ことえり

この『日本語IM』、Macユーザーなら誰しもが無料で使える、プリインストールされているIME。

「日本語IM」と言われても…ピンと来ないネーミングですが、OS X Mavericks以前は『ことえり』と呼ばれていました。きっと、ことえりと言われたら「ああ、それね!」と分かってくれるはずです。ちなみに、内部のシステムは別物です。

まの

『ことえり』のほうがセンスのあるネーミングですよね。

二条ねこ

源氏物語の『雨夜の品定め』の「文を書けど、おほどかに言選りをし——」が由来なのだよ!
現代文にすると、「手紙を書いても、おっとりと言葉選びをし」ってなるんだけど、まさに林檎が社の言選りは、いと貴なりなのであーる。

さたえり

こら!無理に古語を使わんでよろしい!!

日本語IMに乗り換えた理由

Google日本語入力はユーザー辞書のクラウド同期非対応

Google日本語入力の良い点・悪い点はのちほど…として、私が日本語IMの乗り換えた最大の理由は…ユーザー辞書をスマートフォンを含む複数デバイス間で同期したかったから!この一点に尽きるのです。

Googleのようなクラウドを司る企業にしては珍しく、Google日本語入力はユーザー辞書のクラウド同期に非対応。おかげで、毎年Macを買い替える私のような場合においては、買い替えるたびにユーザー辞書のエクスポートとインポートをしなければなりません。ちなみに、遠い昔(2013年頃)のGoogle日本語入力開発版には、ユーザー辞書の同期機能が搭載されていました……。

二条ねこ

シンボリックリンクを使えば、Mac間ならハック的に同期はできるんだけど、そこまでして使うのも…ねー。

Google日本語入力は買い替えるたびにIMEを鍛え直す必要あり

Google日本語入力がクラウド同期に対応していないもう1つの弊害が、Macを買い替えるたびにIMEを鍛え直す必要があるということ。

年々賢さに磨きがかかっているGoogle日本語入力ですが、そうはいっても出てこない予測変換があったり、間違っているのにずっと訂正してくれない変換候補もあったりします。

そういうこともあり、買い替えてしばらくはIMEを鍛える作業を行っているのですが、最近は複数のMacを同時に利用したり、iPadでの文字起こしの機会も増えたので、さすがに限界を感じてきました。この理由も、Google日本語入力から日本語IMに乗り換えた大きな要因だったりします。

さたえり

「この一点に尽きる」とか言いつつ、“二点”あるやん!

二条ねこ

…あ。

Google日本語入力の私的評価

Google日本語入力の私的評価

いつから使い始めたか記憶にないくらい、この『Google日本語入力』にはお世話になってきました。

それだけ連れ添った相棒にお別れを告げるタイミングとしては酷かもしれませんが、Google日本語入力の良かった部分と悪かった部分を、何年も使ってきたなりの感想として残しておきます。

スキスキな点

流行語・新語・人名地名に強い

Webにおけるビックデータを扱っているGoogleだけあって、とにかく流行語・新語・人名地名に強いのが最大のメリットであり、使っていてもっとも便利だと感じた部分でした。

Google日本語入力は流行語・新語・人名地名に強い

例えば、

  • コードギアス反逆のルルーシュ
  • ジョジョの奇妙な冒険
  • 結城友奈は勇者である
  • ウマ娘プリティーダービー
  • 生見愛瑠
  • 浮所飛貴

…などが一発変換可能。

一発変換できなさそうな、長いタイトルのアニメ名や難読系の人名だって、それはもう余裕で予測変換に表示されます。このあたりの流行語やスラングの予測変換に関しては、日本語IMの特に弱い部分なので鍛えていく必要があります。

二条ねこ

噂されている、Apple独自の検索エンジンが本当にリリースされるのなら、そこから検索データを収集・蓄積できるから、日本語IMの予測変換精度も上がりそうなんだけどねー。

まの

Google方式ですわね。

『もしかして機能』が優秀

Google日本語入力の『もしかして機能』が優秀

そして、もうひとつGoogle日本語入力の素晴らしい点だったのが、『もしかして機能』が優秀だということ。要するに、誤読変換の精度が優れているというわけです。

Google日本語入力の『もしかして機能』が優秀

しかも、単に誤読変換の精度が高いというだけでなく、何がどう間違っていたのかもしっかりと教えてくれるところが最高に素敵なポイント。

例えば、“凡例”と打ちたいところで、“ぼんれい”と誤読変換をしているとします。すると、Google日本語入力の予測変換候補には「<もしかして: はんれい>」と、正しい読み方をこっそり教えてくれるのです。こうすることによって、人間側が学習し、次回からはしっかりと“はんれい”と打てるようになるわけです。

イマイチな点

環境設定のUI・UXが微妙

これはずっと思っていたことなのですが、Google日本語入力のUI・UXの完成度は、本当にGoogleが開発したのかと疑いたくなるレベルで妙に低くて残念。

使い始めはよいのですが、長期間(ロングタームの意)使っていると、環境設定を開くだけでもモッサリ重たい動作になってしまいます。この現象は私がMacを買い換えるたびに遭遇するものなので、特定のMacにおける不具合ではないはずです。これがUX面の話。

Google日本語入力は環境設定のUI・UXが微妙

そしてUI面では、なぜかGoogle純正のアプリケーションなのにもかかわらず、使用されている日本語フォントが妙に中華圏のフォントっぽくなっていること。

これは数年前からずっとこのままなので、おそらくGoogleは直す気がないのでしょう。変にフォントファミリーを指定せずに、素直にMacのシステムフォントを使用してくれればよいだけなのですが…ね。

二条ねこ

少し前のGoogle Chromeのヒラギノフォント問題もそうだったけど、微妙にMacのフォントとは相性が良くないのであーる。

ユーザー辞書の同期非対応

Google日本語入力はユーザー辞書の同期非対応

そして、今回の主題にあるとおり、Google日本語入力のユーザー辞書はクラウド同期に対応していません。いや、ユーザー辞書というよりも、クラウド同期という概念自体が存在しておりません。

このあたりの話を再度していまうと冗長するので、概要については省略しますが、パソコンOS向けのGoogle日本語入力の機能強化をしてこない理由は、Chromebookが持つスタンスとフィットしないからでしょう。

今でこそAndroid向けアプリや一部のLinux向けアプリがインストールできるChromebookですが、コンセプト的にはWebアプリの延長で動作させるという形です。また、Android版Google日本語入力のサポートもすでに終了している。ですので、GoogleはGoogle日本語入力自体の開発を、終息方向に持っていっているのではないかと予想しています。

二条ねこ

Mozcの状況とかを見ても、Google謹製IMEはモバイルに資源を集中させていく感じなのかもですなー。

まの

他OSのために供給する義務もありませんからね。

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日本語IMは“鍛える”必要あり

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『Google日本語入力』も『日本語IM』も優秀なIMEではあるのですが、macOS標準の日本語IMというのは、“鍛える”必要性がGoogle日本語入力以上に求められます。

Appleが自前の検索エンジンを持っていないからか、日本語IMはとにかく流行語・新語・ネットスラングにめっぽう弱い。さらに、Google日本語入力では当たり前のように予測変換される、メーカー名や技術的な専門用語もかなり弱い。もっと言ってしまうと、以前比較検証したように誤読修正や難読地名の変換もダメダメです。

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2021年5月6日
日本語IMは“鍛える”必要あり

そんな生まれたての状態ではダメすぎる日本語IM。

だからこそ、長期的に我慢強く利用することや、ユーザー辞書機能のセルフチューニングが求められてくるわけなのです。言い換えれば、Google日本語入力やATOKのような“即戦力”には、日本語IMは決してならないでしょう。

クラウド同期は完璧(当然、Appleデバイスに限られるが)なので、忍耐力を維持しつつ、数週間、数か月…と、ユーザー自身とIMEがともに鍛錬できる決心があるのであれば、日本語IMは最高のパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。

さたえり

修行僧みたいやね……。

まの

IME修行僧とはこれ如何に!?

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2020年6月15日

まとめ「日本語IMとはたまごっちである」

日本語IMとはたまごっちである

Google日本語入力 → 日本語IM
…と、私のIME環境をガラリと変えることにしました。

これまで話してきたとおり、Google日本語入力の変換サポート機能は無料のIMEとは思えないレベルで優秀です。それに比べて、Mac標準の日本語IMは…お察し。でも、クラウドで引き継げる要素も大きいので、ある意味では育成ゲームをするような感覚に近いかもしれません。

鍛えて、鍛えて、強くなる。そんな『日本語IM』は、IME界隈のたまごっちなのかもしれません。

二条ねこ

いや、どちらかといえば『デジモンペンデュラム』かも……!?

この記事で紹介したガジェット

おまけ

まの

デジモンペンデュラム、懐かしいですわね。

さたえり

小学生のとき、友だちが持っていたなぁ……。

二条ねこ

わたしは、たまごっちとデジモンペンデュラムの両方を持っていたけど、どっちも即死させる実力者だったのであーる!どやりっ!!

まの

ねこさん、絶対にペットを飼う資格ないですわね。

さたえり

…やね。

おわり