- 『Fitbit Sense 2』のほうが『Google Pixel Watch』よりも優秀
- Fitbit Sense 2の勝ち → 価格・対応OS・バッテリー・ヘルスケア機能
- Fitbit Sense 2の負け → LTE通信・サードパーティ製アプリ数
『Google Pixel Watch』と『Fitbit Sense 2』の機能を比較すると、実は多くの点で後者のほうが勝っています。なので、セルラーモデルを買わないのであれば、Fitbit Sense 2を選ぶほうが幸せかもしれません。
いくら、Fitbitを買収したといっても…ですわね。
仮に、フルのFitbit機能が使えてたら、セルラー通信可能なFitbitとして評価されたんやけどね。
目次
『Fitbit Sense 2』と『Pixel Watch』のスペック比較
『Google Pixel Watch』と比較して、『Fitbit Sense 2』の“どこがどう優れているのか”をお話しする前に、まずは両者のスペックをおさらいします。
Fitbit Sense 2 | Google Pixel Watch |
---|---|
システム | |
Fitbit OS | WearOS (WearOS 3.5) |
非公表 | Samsung Exynos 9110 |
非公表 | 2GB RAM |
非公表 | 32GB ROM (eMMC) |
対応OS | |
Android (Android 8.0以降) |
Android (Android 8.0以降) |
iOS (iOS 13.3以降) |
|
接続 | |
Wi-Fi | Wi-Fi |
Bluetooth (Bluetooth通話対応予定) |
Bluetooth (Bluetooth通話対応) |
GPS | GPS |
NFC | NFC |
| FeliCa |
| 4G LTE 3G W-CDMA |
音声アシスタント | |
Alexa | Google Assistant |
非接触型決済 | |
Fitbit Pay | Google Wallet |
バッテリー | |
最大6日間 | 最大24時間 |
搭載センサー | |
心拍数センサー (マルチパス光学式) |
心拍数センサー (光学式) |
心電図センサー (認証関係で日本では未実装) |
心電図センサー (認証関係で日本では未実装) |
SPO2センサー | SPO2センサー |
皮膚電気活動スキャン | |
皮膚温センサー | |
| 転倒検出センサー (提供予定) |
ジャイロスコープ | ジャイロスコープ |
高度計 | 高度計 |
3軸加速度計 | 3軸加速度計 |
周囲光センサー | 周囲光センサー |
| コンパス |
『Fitbit Sense 2』の優れている点
①ヘルストラッカー機能
Fitbit Sense 2 | Google Pixel Watch |
---|---|
アクティビティの記録機能 | |
1日を通してアクティビティを記録 | 1日を通してアクティビティを記録 |
エクササイズモード (40種類以上) |
エクササイズモード (40種類以上) |
エクササイズの自動認識 | |
アクティブな心拍ゾーン | アクティブな心拍ゾーン |
今日のエナジースコア | 今日のエナジースコア |
歩数の計測 | 歩数の計測 |
消費カロリーの測定 | 消費カロリーの測定 |
目標とリマインダー | 目標とリマインダー |
上った階数 | 上った階数 |
水泳のストローク数記録 | |
心臓の健康管理機能 | |
連続的な心拍数モニタリング | 連続的な心拍数モニタリング |
リアルタイムでの心拍数測定 | リアルタイムでの心拍数測定 |
高心拍数/低心拍数の通知 | |
心電図アプリ (日本では利用不可) |
心電図アプリ (日本では利用不可) |
不規則な心拍リズムの通知 | |
ストレスのモニタリング機能 | |
ストレスマネジメントスコア | ストレスマネジメントスコア |
身体反応を計測 (常時トラッキング) |
|
ストレスの通知 | |
ストレスマネジメント (皮膚電気活動センサー利用) |
|
気分の記録と振り返り | 気分の記録とリフレクション |
週末サマリー | |
マインドフルネスのコンテンツ | マインドフルネスのコンテンツ |
ガイド付き呼吸セッション | |
睡眠管理機能 | |
睡眠ステージと睡眠スコア | 睡眠ステージと睡眠スコア |
おやすみモード | おやすみモード |
睡眠プロフィール | |
睡眠用のマインドフルネスコンテンツ | |
サイレントアラームとスマートアラーム | |
睡眠に関するインサイト | 睡眠に関するインサイト |
血中酸素ウェルネスのモニタリング | |
毎晩の血中酸素ウェルネスの平均値 | |
血中酸素ウェルネスの値の変動 | |
血中酸素ウェルネスの一定期間における傾向 | |
そもそも、『Fitbit』というのは、スマートウォッチではなく、アクティブトラッカーに属しています。そういった背景もあり、Fitbit Sense 2はヘルストラッカー機能・フィットネストラッカー機能が非常に充実しています。
記録したいログの種類によって評価指標は変わってきますが、『ストレスモニタリング機能』や『睡眠管理機能』については、ライフスタイルにかかわらず、ほぼすべてのスマートウォッチユーザーが重視する機能です。
Fitbit Sense 2における睡眠トラッカー機能の充実っぷりを目の当たりにしてしまうと、Google Pixel Watchのそれでは厳しい印象を持ってしまいます(後述するバッテリー持ちも含めて)。
ちなみに、Apple Watchで睡眠トラッキングするなら、定番の『AutoSleep』がおすすめあーるっ!
②バッテリー駆動時間
Fitbit Sense 2 | Google Pixel Watch |
---|---|
バッテリー駆動時間 | |
最大6日間 | 最大24時間 |
公称値での比較になりますが、Fitbit Sense 2のほうが、Google Pixel Watchの約6倍、バッテリー持ちが良くなっております。ここが非常に重要なポイント。
すでにGoogle Pixel Watchを数日利用しているのですが、想像以上にバッテリーが持ちません。通常利用だと、ギリギリ1日。頻繁に画面点灯させると、1日すら持たない。フィットネストラッカーとして使うと、半日が限界。…これが現実です(初期のApple Watch並)。
そして、睡眠トラッカーとして利用することを想定すると、このバッテリー持ちというのは最重要ポイント。トラッキング中にバッテリー切れを起こすと、せっかくのログも水泡に帰すことになりますし、翌朝の充電に時間を取られてしまうわけでして。
Amazfitなどのロングライフバッテリー機と比較すると、Fitbit Sense 2のバッテリー持ちは並ですが、それでも最大6日間というバッテリー持ちは心強い。というか、Google Pixel Watchのバッテリーが持たなさすぎるのです。
やっぱり、『WearOS』そのものがバッテリー食いな気がしますな。
多機能なスマートウォッチOSほど、その傾向が強くなりますからね。
まぁ、WearOSが多機能がどうかは別問題ですが。
バッテリーが持たないと言われている『Apple Watch(Ultraを除く)』よりも、さらにGoogle Pixel Watchのほうがバッテリー持ちが悪いのが…ねー。
③iPhone/Android両対応
Fitbit Sense 2 | Google Pixel Watch |
---|---|
対応OS | |
Android (Android 8.0以降) |
Android (Android 8.0以降) |
iOS (iOS 13.3以降) |
|
Fitbit Sense 2は『iPhone』と『Android』の両方に対応していますが、Google Pixel Watchは『Android(Android Goは非対応)』でしか使えません。
『Wear OS』自体はiPhoneにも対応しているのですが、Google Pixel Watchに限ってはiPhone非対応になっています。理由はおそらく、Android OSの囲い込み戦略によるものでしょう。
Apple WatchがiOS縛り。Google Pixel WatchがAndroid縛り。そうなっている以上、Fitbit Sense 2のマルチOS対応というのは、非常に大きなアドバンテージになります。
FitbitがGoogle傘下になったので、将来的に“FitbitもAndroid縛り”……にならないとよいのですがね。
それをやると、反トラスト法を理由に当局から制裁が下る気がするから、今のように独立した運営が保たれる気がするけどねー。
『Fitbit Sense 2』の劣っている点
①セルラー通信
Fitbit Sense 2 | Google Pixel Watch |
---|---|
接続 | |
Wi-Fi | Wi-Fi |
Bluetooth (Bluetooth通話対応予定) |
Bluetooth (Bluetooth通話対応) |
GPS | GPS |
NFC | NFC |
| FeliCa |
| 4G LTE 3G W-CDMA |
Google Pixel Watchと比較して、Fitbit Sense 2のほうが明確に劣っているのが、セルラー回線による単独通信ができないこと。
しかしながら、Google Pixel WatchのeSIMに対応している携帯キャリアは『au』と『SoftBank』のみ。また、セルラー通信を使ってできることも現状は限られている(Apple Watchっぽいことを期待してはいけない)ので、実はそんなに致命的ではなかったりします。
ちなみに、『Fitbit Pay』でも、Suicaは利用可能。NFCを介したコンタクトレス決済として、PayPay銀行とソニー銀行のデビットカードも対応しております。
もちろん、Google Pixel Watch単体でできることが、Apple Watch並みに増えたらここは再評価しないといけないけどねー。
②サードパーティアプリの拡張性
Fitbit Sense 2は、専用の『Fitbit OS』。
Google Pixel Watchは、汎用の『Wear OS』。
このOS差による、サードパーティ製アプリケーションの充実度。ここがFitbit Sense 2のネックになるような…ならないような……という感じ。
どうして、お茶を濁したような表現になっているかというと、Wear OS対応のサードパーティ製アプリも、まだまだ発展途上だから。もちろん、Google Pixel Watchの売れ行き次第では、サードパーティからキラーアプリが誕生する可能性もゼロではありません。
余談ですが、Fitbit OSのAPI(Fitbit Web API)は公開されているので、その気になればアプリを自作することも可能でして。
取得したデータをゴニョゴニョできるのが、Fitbitの面白いところだったりするのですぞ!
買収後も、このAPI公開は続けてほしいですわね。
もし、クローズしちゃったら、Googleのセンスを疑うあーる。
どちらを買うのが正解なのか?
- フル機能のヘルストラッカーが欲しい人
- バッテリー持ちを最重要視する人
- iPhoneとAndroidの両方で使いたい人
- セルラー通信に魅力を感じる人
- Wear OS用アプリで使いたいものがある人
FitbitとGoogle Pixel Watchの両方を使っている筆者からすると、「セルラー通信が不要なら、Google Pixel Watchではなく『Fitbit Sense 2』を買うべき」だと思っております。
とりわけ、睡眠トラッキング機能を重視しているのであれば、悪いことは言わないので『Fitbit Sense 2』にしましょう。
Oura Ringのような別のトラッキングデバイスを利用しているなら、Google Pixel Watchのほうが機能かぶりも少なくおすすめなのですが、いかんせんハードウェアとしての完成度が物足りない。ギーク的には、この荒削り感が楽しいとも言えますが…ね。
Google Pixel Watchを“Android版Apple Watch”と思ってはいけない。以上!!
ここは、先発メーカーと後発メーカーの差やね。
Googleが辛抱して、『Pixel Watch 2』『Pixel Watch 3』……と出し続けたら、結果は変わってくるかもですな。
まとめ「Fitbitはいいぞ!」
睡眠トラッカー機能の充実っぷりには、目を見張るものがある。
Fitbit Sense 2のほうが、Google Pixel Watchの約6倍もバッテリー持ちが良い。
FitbitはiPhone/Android両対応だが、Google Pixel WatchはAndroid専用。
Fitbit Sense 2は、セルラー通信不可。スマートフォンとの接続必須。
Fitbit OSはアプリが少ない。
ただし、Fitbit Web APIが公開されているので、腕に自信があるなら、自前でアプリの開発も可能。
筆者が“Fitbit好き”ということもあるのですが、Google Pixel Watchもいいけど、『Fitbit Sense 2』かなり良いのです。ぜひ、買いましょう。
こうなったら、Fitbitのセルラーモデルを出してっ!
おまけ
Google Pixel Watch、期待値が高すぎたのかも!?
ハードウェア開発自体は、かなり前から綿密に計画されていましたものね。
ただ、いざ蓋を開けると…やったんやね。
Googleちゃん、機械学習は得意だけど、ハードウェア開発は苦手なようであーる。
おわり
Google Pixel Watchが届いたから使ってるんだけど、Apple WatchやGalaxy Watchに比べると、機能が乏しすぎるのであーる。Google純正ならではの良さがあんまりないのよね。
…初号機だから仕方ないけど。