「VAIO Z Canvasは復活するか?」について真剣に考える

「VAIO Z Canvasは復活するか?」について真剣に考える
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記事のポイント
  • 『VAIO Z Canvas』が復活する希望はあるのかを考える!
  • BtoBに舵を切ったVAIO社の方針からして復活は厳しい!
  • クリエイター向けBtoB製品という名目で発売してほしい!

— 復活するまで言い続ける —

BtoCからBtoBに方針展開し、Sony時代に比べてコンサバティブとなったVAIO株式会社。そんなVAIO株式会社に、新型『VAIO Z Canvas』の復活を期待してよいのか、どういう形なら実現できるのか。それらを考えていくお話。

二条ねこ

2021年、『VAIO Z』が6年ぶりに復活!
…と来れば、次は『VAIO Z Canvas』の復活を!お願い!!

まの

似たようなタブレットPCは数多くありますが、

  • フリースタイルスタンド(筆圧に負けないスタンド)
  • ワイヤレスキーボード(左手デバイスが不要)

を満たす製品が出てこないのですよね。

さたえり

いっそ、主要コンポーネントだけ挿げ替えて売ってほしいんやけど。

VAIO Z Canvas:語り継がれる名機

VAIO Z Canvas:語り継がれる名機

VAIO Z Canvas

2015年発売の『VAIO Z Canvas』という、タブレットPC…ではなく“キャンバスPC”。本機が、VAIO史ないしPC史に名を刻む名機であることは、言うまでもありません。

二条ねこ

ほんと、生産終了が悔やまれるのであーる。

まの

意義ナシ、ですわ。

発売から約7年が経過した今もなお、いまだに利用している(= 代替となる製品がないので利用せざるを得ないとも)ユーザーもいらっしゃるくらいです。PCの寿命からしても、VAIO Z Canvasの愛されようは凄まじいものがあります。言い換えれば、VAIO Z Canvasの存在を知ってしまった人がゆえの、ある種の“逃れられない呪縛”のようなものなのでして。

しかしながら、VAIO Z Canvasの触れ込みでもある『モンスタータブレットPC』も、さすがに約7年という年月には勝てず、自慢のモンスター要素は鳴りを潜めてしまっている。また、すでにVAIO株式会社での修理サポートが受付終了しており、製品としての寿命が目と鼻の先まで来てしまっております。

VAIO Z Canvas:語り継がれる名機

VAIO Z flip

VAIO株式会社の船出とともに登場したフラグシップ機といえば、『VAIO Z Canvas』ともうひとつ、『VAIO Z(VAIO Z flip)』があります。

『VAIO Z』も長らく新型が登場しなかったのですが、2021年に6年ぶりのフルモデルチェンジとして、フルカーボン仕様のVAIO Zがリリースされました(ただし、VAIO Z flipの後継機は発表されず)。

ところが、『VAIO Z』の新型は出たものの、『VAIO Z Canvas』の新型は今日の今日まで出ていません。それどころか、噂やリーク的な情報も一切上がってこないのが現状です。

「新型『VAIO Z Canvas』を出してほしい」という声は、間違いなくVAIO株式会社の耳にも届いているはず。

ならば、なぜ出ないのか、いや出せないのか、それをこれからSony時代からのVAIO好きとして考察していきます。

まの

どのVAIOが一番好きだった、とかありまして?

二条ねこ
  • VAIO type P(バッテリー“お漏らし”が酷かったけど好き)
  • VAIO Duo 11(Windows 8の発表と同時に飛びついた)
  • VAIO Z (2010)(『グロッシープレミアムカーボン』に惚れた)

…ですな!

さたえり

「一番」って言ってるのに……。

“だから”な現行『VAIO Z』の姿

新型『VAIO Z Canvas』が登場するかを考察する上でカギとなってくるのが、VAIO株式会社におけるキャッチフレーズの変化だと踏んでいます。

VAIO社のキャッチフレーズ
  • 旧:『自由だ。変えよう。』
  • 新:『VAIO、法人向く。』

このような感じで、設立当時と現在ではキャッチフレーズが変わっております。

“だから”な現行『VAIO Z』の姿

『自由だ。変えよう。』というキャッチフレーズは、2014年にSonyからPC事業を、VAIO株式会社として引き継いだときにティザーサイトに表示されていたもの。

『VAIO、法人向く。』というキャッチフレーズは、2017年初頭からBtoB事業により注力するために、再始動という形で掲げられたもの。

キャッチフレーズは、まさに社としての羅針盤。現在のVAIO株式会社が、Let's noteやThinkPadを競合とするエンタープライズ向けPC事業に、大きく舵を取っていることが伝わってきます。

“だから”な現行『VAIO Z』の姿

そして、この『VAIO、法人向く。』というキャッチフレーズを踏まえて、現行のフルカーボン『VAIO Z』を見てみると、「だから、VAIO Zなのにビジネス機っぽい雰囲気が醸し出されているのか」と思えてくるはずです。

まの

歴代のVAIO Zと比べると、ガジェット的なギミックは少ないですものね。

二条ねこ

もちろんフルカーボンボディは凄いけど、『VAIO Z』っぽくないというか、往年の『type 505 EXTREME』な感じがするんだよねー。

VAIO Z Canvasの復活に期待できないこと

VAIO Z Canvasの復活に期待できないこと

さて、話は『VAIO Z Canvas』に戻るのですが、

  • 『VAIO、法人向く。』というキャッチフレーズ
  • 現行のフルカーボンVAIO Zの方向性
  • VAIO株式会社に対するSonyの出資比率(4.7%)
  • 総合商社や投資ファンド出身の代表取締役

というような要素を踏まえると、「もはや、『VAIO Z Canvas』の新型は出ないのではないか」と思えてきます。残念ながら。

加えて、VAIO株式会社として独立した直後にリリースされた『VAIO Z Canvas』や『VAIO Z flip』については、同社の林薫PC事業本部長(取締役執行役員でVAIO Zの責任者)が「Sony時代から開発が進められていたもの」とおっしゃっています。(Source:日経ビジネス

とどのつまり、先代の『VAIO Z Canvas』や『VAIO Z flip』というのは、Sony時代の“置土産”だと認識しておいたほうがよく、『VAIO Z(フルカーボン)』こそ、VAIO株式会社がゼロから考えたVAIO Zだと捉えるべきということなのです。

そう紐解いていくと、私たちが想像するような“VAIO Z CanvasらしいVAIO”というのが、今後復活するのはかなり厳しいでしょう。

VAIO Z Canvasの復活に期待したいこと

VAIO Z Canvasの復活に期待したいこと

そういう感じで、新型の登場が期待薄な『VAIO Z Canvas』。ですが、ひとつ望みがあるとするならば、BtoB市場向けにもいろいろあるということ。

VAIO株式会社がBtoB市場に向いてしまっている以上、Sony時代のようなギーク受けしそうなVAIOがリリースされることは期待できません。いや、ないでしょう。ですが、 BtoB = オフィスワーカー とは限らないので、VAIOらしいBtoB市場の開拓もやってくれるのでは、と淡くも期待をしています。

要するに、『VAIO Z Canvas』をBtoB市場にクリエイター向けPCとしてリリースする、ということです。

当然、AppleやDell等の競合も多いですし、会社の規模からして『dGPU(NVIDIA GeForce等)』が調達できるのかも怪しい。ですが、VAIO Z Canvasの発売当時よりもクリエイティビティが身近になり、マーケットも順調に成長していっているので、ここに可能性として賭けてもよいのではないでしょうか。

…というよりも、今こそ出してほしいのです。

二条ねこ

タブレット型のモバイルワークステーションって、意外と見当たらないのであーる。

まの

HP ZBook x2 G4 Detachable Workstation』の後継機種も出ていませんからね。

まとめ「『クリエイター向け法人PC』で復活希望」

『クリエイター向け法人PC』で復活希望

あれこれ言ってきましたが、『VAIO、法人向く。』はVAIO株式会社が生き残りを賭けて示した指針なので、外野がツベコベ言おうなど毛頭ありません。そして、数少ないピュアな日本のPCメーカーとして応援しています。

ただ、『VAIO Z Canvas』だけは、クリエイター向けのモバイルワークステーションという形としてでも、復活をしてほしいのです。

二条ねこ

dGPUは望まないから(eGPUを使えばいいし)、出してくれないかなー。

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おまけ

二条ねこ

『VAIO』という響き!これをおかずにしてご飯が食べられますな!!

さたえり

…なんそれ!?

まの

褒めているつもりはありませんが、さすがですわ。

おわり