- 『Dropbox』と『Synology NAS』の導入コストを比較!
- Dropboxは86,400円/6年・Synology NASは80,340円/6年!
- 求めるストレージ容量でチョイスしたら良いと思われ!
— クラウドの容量次第かも —
クラウドストレージを『Dropbox』から『Synology NAS(のSynology Drive)』に移行すると、どれくらいコストが変化するのか。そんな導入コストを比較計算してみました。
データをクラウドで全管理したい人ですわね。
ストレージ容量って、増やしても増やしても足りないやんね。
はじめに
クラウドストレージやNASも多種多様。そこで本稿では、ビジネス利用(主にSOHO)も含めたヘビーユースを想定して進めていきます。
ですので、クラウドストレージには『Dropbox』を、NASには『Synology NAS』を、主に同期速度や機能性の充実という理由から、それぞれ選定しております。
XS+/XS Series |
Plus Series |
Value Series |
J Series |
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Synology NASのラインナップ
Synologyでは、 エントリー 〜 ハイエンド まで数多くラインナップされております。そこで、前述の理由から、搭載されているコンポーネントのグレードが比較的高い『Plus Series』にてコスト計算を行います。
なお、Synology NASには『Synology Drive』という機能が用意されており、本機能を利用することにより、Synology NASをクラウドストレージとして利用することが可能です。
NASのクラウドストレージ化機能は、他社(QNAPやASUSTOR)にもあるから、そこはお好みでどうぞあーる。
Dropboxの料金比較
まずは、クラウドストレージ『Dropbox』の料金プランを比較していきます。
| 個人用 | ビジネス用 | |||
---|---|---|---|---|---|
Plus | Family | Professional (個人向け) |
Standard (チーム向け) |
Advanced (チーム向け) |
|
利用料金 | 1,200円/月(年払い) |
2,000円/月 (年払い) |
2,000円/月 (年払い) |
1,250円/月 × 人 (年払い) |
2,000円/月 × 人 (年払い) |
1,500円/月 (月払い) |
2,500円/月 (月払い) |
2,400円/月 (月払い) |
1,500円/月 × 人 (月払い) |
2,400円/月 × 人 (月払い) |
|
データ容量 | 2TB | 2TB | 3TB | 5TB | ASK |
ユーザー数 | 1人 | 最大6人 | 1人 | 3人以上 | 3人以上 |
Dropboxの料金比較
※税込表記
Dropboxは個人利用の場合だと、
- Dropbox Plus:2TB(1,200円/月)
- Dropbox Professional(Business):3TB(2,000円/月)
に選択肢が限られてきます。
基本的には『Dropbox Plus』を選択することになるので、本稿ではこちらをSynology NASの比較対象にします。
Synology NASの比較
次に、Synology NASの『Plus Series』の価格や技術仕様を比較していきます。
| Synology DS220+ |
Synology DS420+ |
Synology DS920+ |
Synology DS1621+ |
---|---|---|---|---|
実売価格 | 4万円前後 | 6万円前後 | 7万円前後 | 12万円前後 |
CPU | 2コア@2.9GHz (Celeron J4025) |
2コア@2.9GHz (Celeron J4025) |
4コア@2.7GHz (Celeron J4125) |
4コア@2.2GHz (Ryzen V1500B) |
RAM | 2GB (最大6GB) |
2GB (最大6GB) |
4GB (最大8GB) |
4GB(ECC) (最大32GB) |
ドライブベイ | 2基 | 4基 | 4基 | 6基 |
M.2スロット | - | 2基 | 2基 | 2基 |
LAN (1GbE) |
2基 | 2基 | 2基 | 4基 |
USB (5Gbps) |
2基 | 2基 | 2基 | 3基 |
eSATA | - | - | 1基 | 2基 |
PCIe | - | - | - | 1基 (Gen 3) |
AC電源 | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ | 内蔵型 |
| 購入リンク | 購入リンク | 購入リンク | 購入リンク |
Synology NASの仕様比較
Synology NAS『Plus Series』における主な上位と下位の差は、
- CPU:スペック
- RAM:搭載可能容量 + ECC有無
- ドライブベイ:搭載数
- PCIe:搭載有無
と、なっております。
上位機種である『DiskStation DS1621+』のみ、PCIe NICを用いて10GbE LANを搭載することが可能です。なので、LAN内で利用するのであれば、上位機種を選択するほうが高速にやり取りできます(当然、10GbE対応LAN環境は必須)。
ただ、クラウドストレージとしてSynology NASを利用するのであれば、WANのネットワーク速度への依存度が高くなってきます。ですので、10GbEに対応させるメリットは少なく、ただ単にイニシャルコストが高くなるだけでしょう。
したがって、本稿では2ベイの『DiskStation DS220+』を比較対象にしてみます。
合計コストの比較結果
クラウドストレージ『Dropbox Plus』とNAS『DiskStation DS220+』の合計コスト( イニシャルコスト + ランニングコスト )を、それぞれ比較した結果が下表になります。
| Dropbox Plus |
Synology DS220+ |
---|---|---|
ストレージ | 2TB | 2TB |
| イニシャルコスト | |
NAS | - | 41,480円*1 |
HDD | - |
18,748円*1
詳細 Western Digital WD20EFZX |
UPS | - |
20,112円*1
詳細 OMRON BW55T |
| ランニングコスト | |
サブスク | 1,200円/月 (年払い) |
- |
| 合計コスト/年 | |
1年目 | 14,400円 | 80,340円 |
2年目 | 28,800円 | 80,340円 |
3年目 | 43,200円 | 80,340円 |
4年目 | 56,000円 | 80,340円 |
5年目 | 72,000円 | 80,340円 |
6年目 | 86,400円 | 80,340円 |
Dropbox PlusとSynology DS220+のコスト比較
*1Amazon.co.jp価格(2022年5月6日時点)
上表での想定結果だと、6年目がコストのブレークポイント。
Synology NASには、長期間ローリスクで運用することを考慮し、UPS(無停電電源装置)の導入を想定しています。なので、イニシャルコストが8万円オーバーという結果に。
Dropbox Plusは、一見この価格で固定されてしまっているように思えますが、実はソースネクストから出ている『Dropbox Plus 3年版』という3年版ライセンスを用いれば、3年間で38,280円までコストダウンすることが可能です。つまり、6年間で76,560円。Amazonのセールを活用すれば、6万円台で6年間運用することも可能です。
当然、NASはイニシャルコスト(と電気代)だけなので、長期間運用すればするほど、合計コストは安くなってきます。ただ、“壊れなければ”という条件がつくため、このあたりの判断が難しいところ。
ベースとなるSynology NASのグレードを下げたり、UPS導入を諦めると、イニシャルコストを4万円台まで下げることも可能。ただ、CPUのグレードが下がったり、チーミング(リンクアグリゲーション)が非対応だったりと、可用性が少々失われてしまいます。
とはいえ、NASの場合、4TB、6TB、8TB、とストレージ容量を容易に増設することができます。ですので、テラバイト単位でのコストを考慮すると、大容量化すれば結果的にコスト安となりそうです。(上表は分かりやすくするために“2TB”で揃えています)
まとめ「小容量ならDropbox・大容量ならNAS」
今回の内容はほんの一例ですが、
- 小容量(2TB以下)ならDropbox
- 大容量(2TB以上)ならNAS
という形で、移行すべきかどうか悩んだらよさそうです。
Dockerを導入するなら、Synology NAS一択なんだけどね。
おまけ
でも、ドライブベイ数を増やせば増やすほどコスト高になるし、ここが結構悩ましいのであーる。
LAN運用なら、NASのほうが良いとは思うのですがね。
クラウドストレージありきって考えると、判断が難しいやんね。
おわり
本稿で想定しているのは、
ようなユーザー層であーる。